転生したはいいが、同僚の腹パンが痛すぎる! 作:Mr.You78
「ナツさーん!!」
遠くで、地球人の声がする。
ウルトラ警備隊の到着が、想定よりも早いな……?
ガッツ星人は、ウルトラセブンの発信した暗号文を解読し、ダイモードという鉱石が、自身の計画に対する不安要素となり得る事を知ると、すぐさまその確保に動いた。
先程、妨害電波で防衛軍基地を封鎖したが、それまでの会話、及び電子データはガッツ星人の手中にある。
防衛軍は既にダイモード鉱石を一つ入手しているが、そのサンプルだけでは、要求量を満たす事が出来ないと瞬時に試算した。
であるなら、わざわざ基地を襲わなくとも、追加の入手先を抑えてしまえば、圧倒的ローコストで地球人の計画を阻止する事ができる。
そして、この日本でフルハシ隊員以外にダイモード鉱石を所持している人物についても、昨日の会話から特定が可能だった。
ガッツの推測通り、女の首には青い石が煌めいている。
これを回収すれば、もう用済みだ。
戦う術を持たない個体など、言われなくとも五体満足で返してやるつもりであった。
少しばかり恐怖心を煽ってやれば、本能的に閉所へ逃げ込み、余計な邪魔も入らず狩りが容易と踏んだのだが、あてが外れたらしい。
とはいえ、量子テレポートを得意技とするガッツ星人にとって、先回りなど造作もない。追い込みが失敗しようがしまいが、アフターケアが万全ならば、結果として同じ事。
別の空間に辿り着いた事で安心したのか、息を整える雌個体を見て、ガッツ星人は計画の完遂を確信した。
「てめぇ! なにしてやがるっ!」
見て分からないのか? ダイモード鉱石を回収しようとしているに決まっているだろう。地球人は理解力に乏しすぎる。
後ろでさえずる雄の事など無視して、恐怖で硬直した雌の首に向かって右腕を伸ばす。
どれだけ威勢がよかろうと、彼らに出来る事なんて、呆れるほど低出力の光線銃を撃つ事くらいしかないからだ。
ガッツ星人の体表を覆うバリアは、そんなビームで破れるようなものではない。
「ナツコから……」
すると後ろから、もはやドドドと形容するしかない地鳴りと共に、ウルトラ警備隊員の声が近づいてくるではないか。
……いや、まさかな……
あの距離から走り込んで、こちらと目標の間に割り込もうなどと……
しかし、少しでも勝率の高い行動を模索し続けようという姿勢は、非常に好ましいところでもある。
だからガッツ星人は、警備隊員の涙ぐましい努力と無謀に敬意を評して、ほんの少しだけ待ってやることにした。
「離れやがれ……」
すなわち、あと一歩の所で間に合わず、眼前でむざむざ対象を奪われるのを、黙って見ているしかなかったという失態を、この戦士に負わせる事を良しとせず……
決定的瞬間には間に合う事が出来た……という事実だけは、素直に渡してやる事にしたのだ。
そしてその上で、真正面から二人纏めて昏倒させる。
任務失敗とはいえ、最大限努力しつつ、やはり力及ばずの事であったとなれば、彼の名誉もそれ程傷付きはすまい。
どころか、ガッツ星人に立ち向かった偉大な地球人の戦士として、永遠に宇宙史へ名を刻むであろう。
「聞いてんのかこの……」
ガッツが、ここまでの恩情をかける事など滅多にないが、敗者の面子にも配慮するのが強者というもの。
なにせ地球は、いくらウルトラセブンを倒した事による副次的効果とは言え、明日をもってガッツ星支配圏の仲間入りを果たすのだから、これくらいの箔付けはあってしかるべき……
と、そこまで思考したところで。
「青びょうたんがッ!!」
側頭部への凄まじい衝撃が、彼の体をそのまま横っ飛びに吹き飛ばした。
――――――――――――――――――
壁際の掃除用具ロッカーが、飛来した怪鳥の体を受け止め、無惨に破壊される。
ナツコの視界から、一瞬にして恐ろしい白面が消えた事により、その後ろから、さらに凄まじい形相の般若が、ロリポップバー――ピッチクルーが、レーサーに停止と発進を知らせる為に使用する、先端に円盤状の鉄板を貼り付けた手持ち式標識の俗称。ドライバーから見た形状が、棒付きキャンデーのように見える為、そう呼称される――をヴァイキングの戦斧の如く構えて、その姿を現した。
「フルハシさん!」
「ナツさん! 無事か!」
短い確認を済ましたフルハシは、胸を撫で下ろす暇もなく、そのむくつけき体を横にする。
瓦礫から、ガッツ星人がうっそりと立ち上がって来たからだ。
「けっ……頭でっかちの癖に、ずいぶんタフな野郎だぜ」
彼は渾身の一撃を与えたつもりだったが、その敵が何らダメージも無さそうに起き上がり、ふらつきもしないのを見て、思わず舌打ちを禁じ得ない。
これは流石にセブンを倒しただけの事はある。手強い相手だと気を引き締めた。フルハシの太い首を冷や汗が伝う。
だが……
この場において、真に驚愕していたのはガッツ星人の方であったろう。僅か数秒の事とはいえ、完全に困惑の渦中へ叩き落とされたと言ってよい。
身を起こしたガッツ星人は最初、自身の目の前に、携帯型怪獣兵器の識別名ミクラスが、極小サイズで顕現したのかとすら錯覚した。
その背後へ、立ち上る大量の湯気を幻視してしまう程に、フルハシ隊員が怒り狂い、その闘争心を剥き出しにしていたからだ。
肩をいからせ、鼻息も荒く敵を睨みつけるその姿は、同じ地球人のナツコから見ても、ミノース島で目にしたレリーフの怪物を彷彿とさせる程だが……彼が両手で担いでいるのは、ハルバードやフランキスカではない。
単なる鉄の棒で?
宇宙最強のガッツ星人を?
殴り飛ばす?
……意味が分からない。
もちろん、ガッツ星人の表面を覆っている、窒素装甲をはじめとした数々の防御プロテクトは、光波防御力だけでなく、物理的衝撃にも滅法強い。
故に、標識部分の鉄板がひしゃげてしまう程の力で殴り付けられたのに、頭蓋骨陥没はおろか、薄皮一枚切れてすらいなかった。
だが、違う……違うのだ。そういう話では……
「ちょっと先輩、彼女さんが心配なのは分かりますけど、置いてかないで下さゔわ゙ぁ゙ガッツ星人!!」
ガレージの方向から、遅れてひょっこり顔を出したソガが、心底魂消た様子でウルトラガンを連射する。
だが、凄まじい速度の早撃ちも、自動防壁に阻まれ全く意味をなさない。
……これだ。
これこそガッツ星人と対峙した者の正しい反応であり、ましてや、あのウルトラセブンを倒す前ならいざ知らず、それを知っていて尚、殴りかかってくるとは、いったいどういう神経をしているのか?
その選択自体、愚かにも程がありすぎるし、その結果として起こった『バリアごと吹き飛ばす』という事象が全くもって有り得ない。有り得なさすぎる。
とはいえ、ガッツ星人がフクロウのように首を捻ってしまうのも仕方がない。
フルハシのどんぐり眼が、悲鳴を上げるナツコと、襲いかかろうとする星人の姿を認めた時、彼の脳内で小さな火山が爆発し、思考のあれやこれやは全て宇宙の彼方に吹き飛んでしまったからだ。
(……野郎、セブンの次はナツコまで手籠めにしようってか! そうは問屋が卸さねぇぞ!)
堪忍袋の緒が切れる、とは正にこの事で。
手頃な長物をレースチームの用具入れから拝借すると、猪の如く駆け出す巨漢。
小難しい理屈や作戦なんか関係ねぇ、まずは一発ぶん殴ってから考えりゃいいのさ。それが、フルハシ・シゲルという男なのだから。
敵がこちらを振り向きもしないのは、バリアに絶対の自信があるからだろう、とか。
テレポートで避けられたらどうしよう、とか。
そもそもこの距離で間に合わない、とか。
そんな弱気は一切ない。
この時、フルハシの頭にあるのはただ一つ!
まっすぐ行って、ぶっとばす。
混じりっけ無しの純粋な怒りが、星人のこめかみを強かに打擲する。
こうして、ガッツの常識と、フルハシの当然がガチンコにぶつかり合って……より強固な方が上回った結果、宇宙の姿はそのように収束した。すなわち、傷一つ無いまま放り投げられるガッツ星人という姿に。
超弩級の熱血バカは、
とはいえ、それも当たり前の事。
なぜなら……
「ナツさん、このヒヨコ頭は俺が相手をする。ソガのいる方へ走れ!」
「フルハシさん! 危ないわ!」
「早くいけ! ……どりゃあああっ!!」
ナツコの逃げる隙を作るため、フルハシが裂帛の気合いと共に突撃し、大上段に構えたロリポップアックスを振り下ろす!
……が。
『何カ、シタカ?』
「ちぃっ……!」
まるで舗装された地面でも叩いたかのような、硬質な手応えが返ってくるばかりでビクともしない。
ロリポップも、くの字にひん曲がってしまった。
先程のはあくまで、背後からの不意打ちがキレイに決まったからであり、そう何度も同じ手を食らわないのがガッツ星人である。
今や、敵の姿をしっかりと観察した妖鳥にとって、少しばかり平均値より高めな腕力を持っているだけの地球人は、脅威たり得ない。
『……フン!』
「ぐわああああっ!!」
「フルハシさん!」
ガッツ星人が無造作に片手を突き出すだけで、呆気なく宙を舞うフルハシの巨体。
彼らの膂力は、素の状態でも地球人を上回るが、そこに高度な演算能力によるベクトル操作を加えてやれば、その力は何倍にも増幅可能。
フルハシの相手など、赤児の手を捻るより簡単だ。
「ナツさん! こっちです!」
ソガがウルトラガンを撃ちかけながら、ナツコとの距離を詰めようとするも……
『邪魔ダ』
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!」
ガッツがそちらを一瞥するや、その瞳からワイヤー状の未元物質が発射され、隊員の足首に絡みつき、ソガは盛大なヘッドスライディングを披露する事になる。
「まだまだぁ!」
うずたかく積み上がった荷物用の段ボールが跳ね飛ばされ、不屈の熱血野郎がリベンジを……
『ウルサイ』
ガッツは両腕から、粒機波形電子砲を、懲りずに立ち塞がろうとする筋肉達磨に向かって放つ。青白いビームの滝が、体勢を立て直したばかりの地球人へ殺到する。
それをフルハシは、咄嗟に金属棒を突き出して防御するも、着弾部分はまるで湯煎した飴かチョコレートのように、でろでろと溶け出してしまい、それでも治まりのつかない熱量が、持ち手の部分まで瞬時に赤熱させてしまった。
「ウワッチチチ……!?」
特殊手袋の表面が焦げ付き、思わず得物を取り落とすフルハシ。
『貴様ナド、相手ニナラン』
その様子に興味を失ったのか、今度こそガッツはナツコの方へにじり寄る。
「ナツさん!」
「あ、ああ……」
ナツコは恐怖で足が竦んで動けない。
ソガは遠くでモゾモゾ這いつくばったまま。
そして自分は丸腰だ。
(何か無いか、何か……)
フルハシは悩んだ。
撃っても殴っても、効かない事が分かっている攻撃では、ガッツ星人を怖がらせる事は出来ない。
一瞬だけでいい。奴の注意を引けるような、脅威になりそうなものが……
……いや、ある!
フルハシは、傍に落ちていたソレ――未だに白熱し続ける、さっきまでロリポップだったモノを、左手で思いっきり握りしめて持ち上げた。
「おいこら、待ちやがれガッツ星人!」
手の平から、ジュウウ……という肉の焼ける匂いが立ち上り、彼の鼻腔をくすぐる。
腕に信じがたい激痛が走っても、それをド根性で抑えつけて笑う熱血漢。
「これが本当の……オウム返しだぜ!」
なにせ宇宙人ご自慢の光線威力が、たっぷり詰まった投げ槍だ、無視出来るもんなら無視してみやがれ。
大きなエネルギーの飛来を感知して、ガッツ星人の足が止まる。
恐るべき瞬発力と弾道予測で、振り向きざまに鉄塊を迎撃してみせる宇宙人。
ガッツの腕から再び発射された超電磁砲が、野蛮な投擲物に吸い込まれ、たちまちメルトダウン。先程の手加減した威嚇射撃とは比較にならない出力でもって、鉄棒を原子レベルでグズグズに崩していく。
『ムッ!』
「どわあっー!」
金属が一瞬にして蒸発する程のエネルギーが、一つの空間に集中した為に、極小規模の水蒸気爆発が発生。
咄嗟にガッツ星人は爆発力を抑え込むのに演算を注力し、その背後にいるソガやナツコを意識の外へ追いやった。
『ホウ、自爆も辞さぬトハ。ウルトラ警備隊の脅威度を一段階修正』
「フルハシさん! フルハシさん!」
『喜べ地球人、いや……識別名フルハシ・シゲル。貴様は現時点より、ガッツ星人の〝敵〟として認定サレタ。よってここで……全力をもって排除スル』
「へ、へへ……そいつぁ、光栄だね……」
「まったくもう……無茶しやがって!」
芋虫のように地べたを這いずっていたソガは、ようやく目的地へ辿り着くと、そこに散乱していた掃除用具……ぶちまけられたモップやバケツの中から、白い塊を掴み取り、ガッツ星人の足元に向かって、タイル張りの床を勢いよく滑らせた!
石鹸を相手のオウムにシューッ! 超☆エキサイティング!
『グワーッ!』
摩擦係数の低い物体を、鱗に覆われた素足ではなく、よりによってベクトル反射の施された、
彼の重心は、その肥大化した頭部のせいで、いつかの黄金機神に負けないくらい不安定なのだ。
「よし! いいチャージインだ!」
驚愕したガッツの集中が途切れた事で、ソガの足も解放される。
慌てて満身創痍のフルハシに駆け寄り、彼を助けおこした。
『オノレ、地球人風情が……』
「ナツさん! ペンダント!」
「……ペンダント?」
「そいつはあなたのペンダントを狙ってるんです!」
「そうだ! だから絶対に……」
「投げて!」
「「えっ?」」
ソガの指示に、聞いた二人の声が重なるが、その中身は全く違う。
ナツコはただ純粋に、なぜ? と聞き返しただけだが、フルハシのは「何言ってるんだコイツ」の「えっ?」である。
「鳥は光り物が好きでしょ!」
「なるほど、わかりましてよ!」
「あ、バカ! ナツ! やめっ……」
頷いたナツコは一切の躊躇いなく、ネックレスから青い石をぶちりと毟り取って、フルハシが制止する前にそれをぽーいと、巨大な鳥の背後へ放ってしまった。
自分の大事な人が死にかけているのだから、当たり前だ。
そうする事で彼を助けられるならお安い御用である。
「な、なんて事を……」
「フルハシ隊員、石は諦めましょう! ここは大人しく
「し、しかし!」
「ここにはナツコさんがいる。彼女の保護が優先でしょうが! そんな体で、民間人を守れますか?」
「う、ぐっ……」
「撤退だー! ちくしょー! 覚えてろよー! ナツさん、こっちへ!」
「はい!」
『…………』
バタバタと逃げて行く地球人達の背中を、ガッツ星人は大人しく見送った。
なにせ、ターゲットである青い鉱石は、もう彼の手中にある。
それに……好敵手を下した後の満足感は、やはり何物にも代えがたいのだ。
これを無粋な追撃で水を差す気にはなれない。
星人は喉を震わせ勝鬨を上げると、テレポートで夜の闇の中へに溶けていった。
―――――――――――
「あが、いてッ……アチチ……」
「ああもう、無茶するからですよ……赤熱した鉄棒握るとか、アホなんちゃいますか?」
「うるせぇ! 俺の手の皮はな、特別分厚いんだよ! 火傷がなんでい、唾つけときゃ治るんだ、こんなもん……」
「バカモーン!! 手袋外そうとすなー! んなことしたら皮ごとべろりやぞ!」
洗車用のホースで、左手に流水をかけるフルハシ隊員と俺。
強がる怪力自慢はもどかしくなったのか、真っ黒こげの特殊手袋を外して直接水をかけようとする……が、すぐにシバいて止めさせる。
火傷した時に無理に衣服を脱がせると、癒着した皮膚が剥がれて、さらに悪化すると前世で習った事があるからだ。
そこへナツコさんが、事務所から救急箱を持ってきて合流する。
「ほら、消毒液と絆創膏と……あと氷嚢とタオルね」
「ありがとうナツさん。はーい、沁みますよー……」
「ああああああ!!! いてぇええええええ!!! てめぇソガ、丸々一本ぶっかけるやつがあるか!」
「だまらっしゃい! あんた今ねえ、自分が重症患者だって自覚ある? これでも足りんわ!」
早く基地に帰って、アンヌに見て貰わなくちゃいけないんだが……ちょっとだけ寄らなきゃいかん所があるもんで、先に応急処置をしているところだ。
まあ、この人ありえんくらいタフだから大丈夫でしょ。
「ごめんなさいフルハシさん、あたくしのせいで、こんな怪我をさせてしまって……」
「ああいや、ナツさんのせいじゃありませんよ。それもこれもガッツ星人と……お前がよぉ! ソガ!」
「なんです?」
「なんですだとぉ!? お前があんな事言わなきゃ石は……」
「石? 石がどうかしまして……? もしかしてアタクシ……何かいけない事を……?」
「あ、いや……その……」
「あーあ。フルハシ隊員を助ける為にやってくれたってのに、そんな事言っちゃうんだー。見損なっちゃうなー。ナツさん可哀そうだなー」
「てめぇ……ッ!! アツツッ……いてて……」
不安げなナツコにいたたまれなくなったのか、フルハシ隊員はそれ以上黙っている事が出来なくなって口を開く。
彼は、嘘や隠し事がとことん苦手な男なのだ。
「あのアフリカ土産の鉱石……地球を救うには、どうしてもあの鉱石が必要なんですよ」
「……分かりましたワ。それであのヘンな動物は、アタクシの事を……!」
「しかし……あれを奪われたんじゃあ……」
しょぼくれるフルハシを見て、思わずナツコがくすりと笑う。
この人、じゃじゃ馬レーサーとは思えないほど上品だよな。
「あれは家に仕舞ってありますワ。ンフフ」
「ええっ!? でも、これは……?」
「ガラス玉。失くすといけないから……練習の時はイミテーションしてますの!」
「「アッハッハッハッハ!!!」」
ナツコの言葉を聞いて、三人で大笑いする。
いやほんと、このシーンは何度みても面白い。
あんだけ詳しくセブンを解析するくらいだから、ちょっと調べりゃあすぐ気付けるだろうに。
ガッツ星人って、自分にとって興味の無い事は、とことんどうでもいいんだろうな……
「ハッハッハッ……ざまぁみろ! ガッツ星人め! ガラス玉を持っていきやがった!! ハッハッハッ!」
「シッ! 声がでかい」
まあ、俺達の会話なんてもう聞いちゃいないだろうけど、念のためだ。
フルハシ隊員は本当に隠し事が下手で困る。
まぁ、その分……頼りになるんだけど、さ。
「……聞かれたかな?」
そんな不安そうにこっちを見るくらいなら、最初から言わなきゃいいのに。
氷嚢をタオルで固定した後も、フルハシの不安顔は収まらず、ナツコさん家に寄って、本物のダイモード鉱石を回収するまで続いた。