転生したはいいが、同僚の腹パンが痛すぎる!   作:Mr.You78

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今回は全文が会話文です。
読みにくかったら、ごめんなさい。


ビター・ゾーン(Ⅲ)

「なあ、おいダーク。聞いてるんだろ? それともペガッサとの交信を試してて忙しいのか……? なんとか言ってくれよ」

「……」

「俺はさ、お前のような宇宙人が飛び込んできてくれて、本当に良かったと思ってる。宇宙人ってのは、みんな侵略者ばかりで、地球人と友達になれるのはセブンだけなの? って小さい頃から思ってた。……でもお前がいてくれたから、ああ、たまたま地球に悪い奴が攻めてくるだけなんだ。そうじゃない宇宙人となら友達になれるかもしれないって、思ったんだ」

「お前は、俺達の事をいい人だと言ってくれたが……それはダーク、お前の方だよ。文明レベルの遥かに劣る星にやってきて……そいつらと笑い合い、案じる事が出来る……当ててやろうダーク……君は、ペガッサの工作員なんだろう? 本当は地球を破壊しに来たんだろう?」

「何を言うんダ、ソガ!」

「お、やっと話してくれたな!」

「貴様がソンナ……根拠のないバカな話をするからダ! ワタシは、ペガッサとは関係ナイ!」

「そうかな? このタイミングでやってきて……それは無理ってもんだろうよ。ダークの言ってた町ってのはえらく科学が発達してるし……水も空気も作るって話もペガッサなら納得だ。そりゃあ、星の上にないなら、工場で作るしかないわな」

「そんな星、宇宙にはたくさんアル!」

「最初はどっかの星から、何かを伝える為にやってきたのかと思ったんだが、そりゃもうペガッサから、通告があったし、その必要もないし……じゃあ、何の為にとなると、なあ?」

「そのペガッサという町が、そんな野蛮な事をする訳がナイ!」

「だから、ペガッサ人だと名乗る訳にはいかない、バレたら宇宙から非難されるから……それにダークよ、それが野蛮だと分かっているなら、なぜもっと野蛮な地球人が、その方法を採らないと思う?」

「フン……地球の科学で、あのペガッサを破壊できるモノカ。お前たち地球人はペガッサ市を作りあげることなどできないダロウ? 作れもしないものをどうやって壊せるというのダ!」

「分からん奴だな……作るのと壊すのだったら壊す方が遥かに簡単だ。だいたい、今の俺達だって、人間を作るには男と女が必要だが、原始人が石斧でぶっ叩いたら、誰だって死ぬんだ! お前も!」

「ウルサイ! 出来もしない事をいうんじゃナイ! 不愉快ダ!」

「なるほど分かった。ペガッサの人々が脱出しないわけだ。地球を見くびってるんだな! プライドが高い奴はいつもそうだ! 自分より下の奴が手を差し伸べると振り払う!」

「手を差し伸べるダト!?」

「そうだ、ダーク。俺はな、ペガッサを救いたいんだよ、本当なんだ! お前が何星人なのかなんて、どうでもいいんだ。……このままじゃあ、ペガッサか地球、どっちかを破壊しないとどっちかが生き残れない。そんなのもったいないだろ? ペガッサの人が地球に移住して、またペガッサを作り直せばいいじゃないか! 地球は二度と作れないが、ペガッサは一度作られたものだ、両方の人が生きてさえいれば、再び元の状態に戻れる! お前は計算が得意だろ? 俺の言ってること分かってくれるだろ……?」

「……ならば、なぜそのペガッサの人々を信じてやろうとしナイ? 彼らが動力を復帰させる時を待てばイイ」

「お前たち自身が信じられない事を、どうやって信じる? お前が、ここにいるってのはそういう事だろ? ……協力しようダーク。どっちかを殺すより、どっちも助けた方がハッピーエンドじゃないか! ペガッサと地球人は友達になれる! 俺達のように!」

「ワタシに一体、何ができるというのダ?」

「通信機で呼びかけてくれればいい。地球人が信用できなくたって、同族の話なら聞いてくれるはずだ」

「……ソガ、君の言うように、ペガッサ市の工作員という者がいたと仮定して、この状況でそうしないと思うノカ……?」

「じゃ、じゃあ……」

「もしも瀕死の重傷を負うような事故があったとしたら、彼の通信機が無事な可能性は低いのではナイカ……? まあ、そんな存在がいたらの話ではアルガ」

「……じゃあ、一緒に来てくれ! ホークの通信機からなら届くだろう」

「それは……それはデキナイ」

「なぜ!?」

「ワタシは……君たち3人以外の地球人まで信じたわけではナイ。変わらず、ニンゲンが恐ろしい……」

「そんな事言ってる場合か! 臆病者が!」

「だったら君たちはどうナンダ! ペガッサが地球を破壊するからと、脱出しろと言われて、出来るノカ!?」

「できるわけないだろ! 全人類が一度に脱出するための宇宙船なんて……」

「そういうことダ」

「……そうか、そうだな。だが、一人でも多く助けると約束する。ありったけの輸送機を飛ばす。だから……頼む、ダーク!」

「無理ダ! その番号でワタシを呼ぶナ! 君達のような劣った種族が、勝手につけた意味のない名称で呼ぶんじゃナイ! 不愉快ダ!」

「……あああ、そうかよ! この頑固もんがあ! 勝手にしろ! お前と話してても時間の無駄だ! 今のでペガッサ人が5人は救えただろうさ!」

「……待テ!!」

「……なんだ」

「……水ダ」

「水だと?」

「生命の源は水ダ、それはきっとペガッサの人々も変わりはナイ。……輸送機に水をたくさん積んでイケ。もしかしたら、そっちに乗ってくるかもシレン……」

「ダーク……!」

「ダガ、ペガッサ人はある植物しか食べられナイ。その植物はもはや、滅亡した母星以外には……ペガッサの食品工場にしか、無いダロウ……」

「……分かった。植物の種だな? それを真っ先に運び出すように言おう!」

「地球で育てられるカハ……」

「やってみせるさ、うちにはな、お前たちにも負けない名プランナーがいるんだ!」

「そして輸送機にはダンとアンヌも連れていけ……彼らの言葉なら、届くはずだ」

「……そうか、そうだな。お前は……。……いや、分かった。じゃあなダーク。戻ったらまた会おうぜ! ほんとは俺は……お前を助けたかったんだ。今度は俺の部屋に来いよ! もちろん誰にも言わないからさ! 絶対だぞ? 」

「……そうダナ」




次話で決着予定

八話において〇〇〇の〇〇〇〇は?


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