転生したはいいが、同僚の腹パンが痛すぎる! 作:Mr.You78
なのでとても短いです。
本番はこの後。
「はい、こちらウルトラ警備隊……ええ、それで? ……えッ!?」
何気なく電話に出た所で、己の失策を悟った。
そして受話器を置くと、今度はビデオシーバーを起動する。
先程の電話の内容を伝えるために、パトロール中の隊員を呼び出さなければならないからだ。
なんて損な役回りだろうか。……いや、これは失策に対する罰なのだ。
ビデオシーバーに目的の人物が応答する。
「はい、こちらアンヌ。ダンは今運転中よ。……そんな顔してどうしたの? ソガ隊員」
「ああ、用があるのは君で、その……実はなアンヌ……君の、おじさんが……」
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般若心経の流れる境内で、尊敬すべき男の葬儀が、しめやかに執り行われる。
参列者は多く、故人が如何に立派な人物であったかを伺わせた。
それはそうだ、俺の同僚の叔父は、日本民間航空きっての名パイロットだったのだから。
だが、彼の操縦する便は、最後のフライトで、地面に対して垂直に着陸した。
300名の乗客と共に。
……葬式は、嫌いだ。
黒いネクタイに締められた首元が、先程からしきりに痒い。
俺は式場から一足先に失礼させてもらって、境内の一松を背に、何をするでもなく、参列者の話を聞いていた、列車の衝突事故だの、タンカーが爆発しただの……
どれも北川町在住者の暗い話ばかり。
嫌気のさして来たところへ、喪主の女性が感極まって号泣しながら飛び出してきた。
その後ろを、泣き崩れる叔母を案じたアンヌが、追いかけてそっと寄り添う。
自分だって尊敬していた叔父を亡くしたのだ、辛いだろうに、気丈に振舞っているのがいじらしい。
やがて落ち着いた未亡人を見送り、彼女は茫然と立ち尽くしていた。
そんなアンヌを見かねてか、喪服に身を包んだダンが駆け寄り、言葉をかけているのをどこか遠い景色のように感じる。
彼らが話している様を見るのは好きだ。……でも、今は全く心が躍らない。
やがて、突然ダンに背を向け、声もなく涙を流し始めた彼女を前に、どうすればいいのか分からないといった様子だったが……意を決したように頷くと、そっとその肩を抱きよせた。
今度こそアンヌは、その大きな胸の中で、人目も憚らず声をあげて、泣いた。
また、救えなかったのか。俺は。
……救えなかった。
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「あああああ!!!! ……ハッ……ハッ……またか……」
飛び起きると、寝汗でじっとりと張り付いたシャツが重い。
また、あの夢だ。
間違いなく悪夢だ。
……だが、夢だ。今はまだ。
こんな夢を見る原因は分かってる。
気になって仕方がないのだ。
アンヌにさり気無く禁煙の良さをアピールしたり、自販機のタバコは質が良くないだの吹き込むだけでは、意味が無いんじゃないか?
俺自身、薄々そう思っているからだ。
……だが、決心はついた。
「やっぱり……我慢は体に毒だな……!」
例え夢でも、俺達のアンヌを泣かせやがって……!
もう許さねえ、最短距離でぶん殴る!
見てろよ、ちゃぶ台野郎……!
お前らの計画、滅茶滅茶にしてやるからな……!
《読者の皆様にお知らせします。午前零時の時報と共に、アンケート結果が発令されました》
八話において、アンヌのおじさんは?
(115) 助かる
(49) 死ぬ
おじさん救済ルートが選択されました。
これによって、主人公の『RTA作戦』が決行されます。
今回のアンケートは、もちろん、作者がどっちルートで書くか悩んでいたからですが、どうせならと趣向を凝らしてみました。
この選択がどんな意味と結果を持つことになるか、推測のみで確信が持てない中で決断するしかない主人公の気持ちを味わって頂く、という趣旨です。
皆さんは、思い通りに狙えましたか……?
八話において〇〇〇の〇〇〇〇は?
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る
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ぬ