転生したはいいが、同僚の腹パンが痛すぎる! 作:Mr.You78
全5話構成と言ったな?
あれは……嘘だ。
あの話やる以上は、コイツとも絡んでおかないとね!
というわけでちょっとしたオマケ。
※注意
今話には、『ウルトラマンメビウス』のとあるキャラクターに対する濃厚なアンチ・ヘイト表現が含まれます。
過度に攻撃的、あるいは差別的な表現もありますが、作品の時代背景や、作者の意図と心情を尊重し、オリジナルのまま執筆しております。
特定の個人、あるいは団体を指すものではありません。
ご了承ください。
地下駐車場の暗がりに、音声が響く。
『怪しいな? と感じたらすぐに撃つ! 変だな? と思ったらまずは撃つ! いろいろ躊躇する暇があったら先に撃つ撃つ撃つっ!!』
「いいねぇ……最高だ。ちょっと編集してやれば、もっと過激な内容にできるぞ……」
ビデオカメラに録音された映像を、食い入るように見つめる顔が、光に照らされて浮かび上がった。
『相手の正体や目的なんてな、いっぺん撃ち殺してから考えればいいんだそんなもん!』
「過激思想に染まった軍部の暴走……いや、宇宙人の人命軽視の方がいいな。最近は社会派きどりの阿呆共が増えてきてる……こういうのは人権屋の大好物だ。奴らを煽ってから、排斥運動の側も焚きつけてやれば……へへへ、当分記事には困りそうもないぜ」
これを火種に、派手な対立構造を生み出す算段を組み立てて、闇の中で舌なめずりをするこの男は……ヒルカワ・ミツヒコ。
彼はフリーのジャーナリストであり、普段は有名人のゴシップやバッシング記事を飛ばして稼いでいた。
捏造や強引な取材は当たり前、果てはスクープ記事の為ならば、ゆすりや盗撮といった犯罪行為すらも厭わない危険人物である。
自らの所業に対して、良心の呵責などは一切無い。
なぜなら、人間というものは悪意こそが本質であり、そういったやましい部分を虚飾で覆い、善人ヅラをしてちやほやされているような奴らの、隠された本性をそうして暴き出し世間に公表する事こそが、真のジャーナリズムだと本気で信じているからだ。
ヒルカワは決して、金や名声などと、そのようなくだらないものの為に記事を書くのではない。
自らの書いた記事に人々が熱狂し、ヒルカワの醸成した世論によって、金持ちや人気者がドン底へ転がり落ちて来ては、無様に地べたを這いずりまわるのを見下してやる事こそが、何よりも快感なのである。
他人の足を引っ張る事に、己の人生全てを掛けていると言っても過言ではない。
ところが、最近は十数年ぶりに出現した怪獣達によって、人々の関心は華々しい芸能界から、災害や宇宙に関しての事柄へと移り変わってしまった。
「目先の事に簡単に踊らされやがって……馬鹿共が」
これではヒルカワも商売あがったりである。
そこで目を付けたのがGUYSだ。
数年前までは、役立たずの税金食らいとして後ろ指を指される側だった――その節は大変世話になった――のに、ひとたび怪獣が出れば、やれヒーローだの正義の味方だの……反吐が出る。
奴らの人気は、怪獣ありき。つまり災害を利用して人気取りをしている、最低な偽善者達なのだ!
そんな人の不幸をメシの種にしているような奴らが、英雄扱いされて脚光を浴びるなど、まったくもって我慢ならない。
義憤に駆られたヒルカワは、再びGUYSを日陰者に追い落とす為に行動を開始した。
まず手始めに、傷害事件で干されていた元俳優のスザキ――因みに、女性を暴漢から守ったなどと美談にすり替えられ、不当に許されてしまいそうだったところを、被害者の負傷具合を盛り、証言を捏造してきちんと社会的に断罪してやったのは、もちろんヒルカワである。あの時は久々に良い仕事をした。暴力は歴とした許されざる犯罪行為だ――がGUYS隊員の幼馴染みである事を嗅ぎ付けたヒルカワは、持ち前の行動力ですぐさま彼に接触。
今の職場に昔の記事をバラ撒くぞと脅し、協力者に仕立て上げ、偶然を装って再会させた。
そして面会と称して正面から堂々と取材をし、その場で怒らせた相手から何らかの言質を撮れないかと画策していた――取材相手の神経を逆撫でして激昂させるのは彼の常套手段だ。こんな簡単な事が出来なきゃジャーナリストは務まらない――のだが、運悪く本物の怪獣が出現してしまい、ヒルカワは先ほどまで駐車場で息を潜めていたのだ。
てっきりお流れかと思いきや……これはとんでもない拾い物である。
服装や、周囲の反応からして、発言の主は恐らく相当な大物に違いない。
まさか車の下から撮られているとは思わなかったのだろうが、普段からこのように過激な物言いをしている辺り、相当に脇の甘い奴なんだろう。
化け物共なんて皆殺しにしてやればいいという部分には共感できるが、こんな間抜けが地位や名誉まで持っているなんて……世も末だなと、ヒルカワは身震いした。
「見てろよ……直ぐに失脚させてやる。俺の記事で、GUYSなんかぶっ潰してやるぜ」
「誰を失脚させるだって?」
「誰だ!」
突然響いたその声に、ハッと振り返るヒルカワ。
動画確認に集中し過ぎたのか?
全く気付かなかった……ヒルカワの警戒心をくぐり抜けてくるとは、相当な手練れだ。
つまり……それなりに危険なヤツ。
もちろん、このような記事ばかり書いているからには、色んな人間から逆恨みされている事を自覚しているヒルカワである。ヤバイ目に遭いかけた事も一度や二度ではない。
裏社会の人間から目をつけられないギリギリのラインを見極め、そのスレスレを器用に反復横跳びするセンスにかけては、彼の右に出る者はいないだろう。
こうして今まで五体満足に生きているのがその証拠だ。
そのヒルカワの嗅覚が、ガンガンと警鐘を鳴らす。
暗がりから出て来た男の服装が、手元のカメラの中で光線銃を構える人物と同じであったからだ。
「い、いやあ……さっき、怪獣が出たでしょう……パニックになっちまって」
「ふぅん……そうかい。じゃあ怖い思いをさせたお詫びに、家まで送りましょうか? 私もちょうど帰るところでね。どうです、一緒に?」
「いえいえ! 一人で帰れますよ! 軍人さんのお手を煩わせるなんて、滅相も無い!」
「いいんですか? 本当に……?」
表面上は穏やかに、笑顔すら浮かべて男が言う。
「このまま一人で帰れると、本気で思っているのかい?」
「いったいどういう……ッ!?」
すっとぼけてこの場をやりすごそうとしたヒルカワは、男がいつの間にか拳銃を握りしめて此方へ突きつけている事に気付き、戦慄した。
いつ抜いたのかすら、全く見えないほどの早業であった。
表情に大袈裟な変化を付ける事によって、視線を上半身へ誘導しつつ、あまりにも自然な動作で小さく銃を構えるという高等テクニック。
ヒルカワも、取材の場で似たような技術を使う事があるが故に、その熟練さがよく分かる。
彼の場合は銃の代わりにビデオカメラという違いだけ。
脇が甘いだって……?
とんでもない。コイツは……ご同輩だ。
「や、やだなぁ……いったい何の冗談ですか?」
「これが冗談に見えるかい? エイプリルフールは、とっくに過ぎてる」
言われるまでもなく、あちらは間違いなく本気だ。
口元だけは、いまだに優しげな微笑みを湛えているが、目だけが笑っていない。
男が一歩、また一歩と足を踏み出す度に、ヒルカワもまたじりじりと後ずさり……やがて、冷たいコンクリートの柱に、ごちんと肩甲骨がぶつかる小さな痛みを覚えた。
「そ、そんなもの……人に向けていいと思ってんのか? こっちは一般人だぞ! 一般人! 脅迫なんかして、ただで済むと……」
「脅迫? ……なにか勘違いしているようだね……脅迫なんかするつもりはないよ。私のモットーは、君も良く知ってるはずだが? 後の事なんてな……」
『いっぺん撃ち殺してから考えればいいんだ! そんなもん!』
ヒルカワの手元で、ビデオカメラが叫んだ。
「ま、待てよ!! なあ、取引しようぜ……あんたこのテープが欲しいんだろ? 渡す、渡すよ……んでその代わり……俺は、あんたにとって都合の悪い相手を追い落とす手伝いをしてやる……なあ、どうだ? あんたくらいの大物になれば、邪魔な競争相手の一人や二人いんだろ……」
「邪魔者……? おお、そりゃあいいね! 是非とも協力してほしい」
「よ、良かった……!」
半ば裏返ったような声が、ヒルカワの喉から漏れる。
なんだ……案外ちょろいもんだな。
いや、はじめから……こうしてヒルカワの協力を取り付けるのが狙いだったのかもしれない。
随分と高く買われたもんだが……弱みに漬け込んで脅されるなんて、全くいい気分はしなかった。
この卑怯者め。
「……で、俺は何をすればいい?」
「ああ、簡単だ。……死んでくれ。ここで、今すぐに」
「な、なんだってぇっ!?」
男の手にしたリボルバーが、チャキリと音をたててヒルカワの額に突きつけられた。
冷たい金属の感触が肌に伝わる。
「は、話が違う! 俺は協力してやるって……!」
「何も違わなくないさ。俺にとって、目下一番の邪魔者は……お前だよ。ヒルカワ・ミツヒコ」
「ヒィッ……」
ヒルカワは当然ながら、何人か荒事を生業とする者達とも面識がある。
というより、そういう後ろ暗い連中との繋がりをでっち上げたり、時にはターゲットに罪をなすりつけるための手段のひとつとして、本物の銃というものも、何度か目にした事があった。
なので、自身の頭に突きつけられている鉄の塊が、決して玩具の類ではない事もすぐさま理解できてしまう。
随分と古い型だが……よく手入れがされており、人間一人の頭蓋骨に風穴を開けて、脳漿を吹き飛ばすくらいには充分役に立つだろうということも。
軍服の親指が、ゆっくりと撃鉄を引いていけば、シリンダーが回転し、重々しい音を出す。
こちらを睨む男の瞳。その中に燻るネバついた敵意に反し、あまりにも無機質な響きが、静寂に包まれた地下空間に反響して、耳の中でいやに残った。
「は、はは……んな事できるわけねぇ……やれるもんならやってみろ! 怪獣撃つのがテメェらの仕事だろうが!! 出来ねえよな? お優しい正義の味方に、んなこと出来るわけが……」
「なんでだ? 俺はこの手で侵略者を何人も撃ち殺してきた。いまさら何を躊躇う必要があるって?」
「は?」
男の言葉に、一瞬なにを言っているのか分からなかったが……ヒルカワはそこに光明を見た。
「お、おい! 勘違いしてんのはアンタだ! 俺は宇宙人じゃねえ! 人間! 人間だぞ! アンタがやろうとしてんのは人殺しだ! あんなクソみてえな化け物共と一緒にしないでくれ!」
「……なに言ってるんだ? お前は侵略者の手先だろう?」
「だーかーらー! 基地に連れ帰って、お宅んとこのよく分かんねえ機械とかで調べりゃ、直ぐ分かるって言ってんだよ! 俺を殺しても、正体現したりしねえかんな! マジで! 後悔すんのはそっちだぞ!」
ヒルカワも必死である。
ここでするべきは泣き落としなどではなく、毅然とした態度で、自らが本物の地球人であると主張すること。
なまじ変に弱腰な姿勢を見せれば、宇宙人が言い訳しているようにとられかねない。
ヒルカワが純然たる地球人である事は間違いなく事実であるため、自信をもって言い張れば良い。
むしろ、こうしてわざわざ追い詰めているのは、まだ確証が持てていないからに違いない。
死の瀬戸際に、相手が自白するのを待っているのではないか……
「いや、お前が人間なのは知ってる」
「は?」
「でも、だからと言ってそれが何か関係あるか? 侵略者の手先である事には違いないんだし」
「いやいや! アンタ、頭おかしいんじゃねえのか!? 自分で言ってる事が矛盾してんだろうがよっ!?」
ヒルカワが人間である事は知っている。
なのに彼を侵略者であるという。
論理が、完全に破綻しているではないか。
「……地球を守ってるのは誰だ?」
「ハァ!? ……あんたらGUYSと……ウルトラマンだろ」
嫌そうに吐き捨てるヒルカワ。
まあ、信条はどうあれ、世間一般ではそういう事になっている認識くらいはある。
というかだからこそ、その風評に泥を塗ってやるのが目的なのだが……
「そうだな? ……で? そのGUYSやウルトラマンの足を引っ張って、地球にいったい何の利益があるっていうんだ?」
「は? そんなこと……」
そこでようやく、ヒルカワは目の前の男が言わんとしている事がなんなのか把握した。
「地球に不利益をもたらすような真似して喜ぶのは、侵略者だけだ。だからお前は、ボディが本物の地球人だろうが中身は侵略者だ。俺は侵略者を殺す。侵略者は人間じゃねえ。人の心が無い化け物はいくら殺しても問題ない。だから俺の良心は何一つ痛まねえ。……OK?」
「ふ……ふっざけんな!? そんなの全然いいわけねえだろーが……」
遂にヒルカワは震えだし、目や鼻から雫を垂らし始めた。
目の前の男が、自身の理解が及ばない……ナニカである事に気付いてしまったのである。
このナニカには……ヒルカワの得意な理論武装も、一般常識や倫理観を盾にした一方的な恫喝も、その他、彼が頼りにしてきた何もかもが通用しないと分かってしまったのだ。
「どうして自分だけは守って貰えると……そんな甘いことを思ったんだ?」
あまりに濃厚な敵意を正面から浴びせられ、息が止まる。
追い詰められた焦燥感が、首筋をチリチリと刺してくるような錯覚すら覚えた。
このナニカの中にあるのは……ヒルカワに対する常軌を逸した殺意だけ。
「ハアッ……ハアッ……」
「分かったか? 自分の目的の為に他人を踏み躙って、自分の欲求を満たす……お前さんがやって来たのはそういう事さ。別にいいだろ? 『他人にされて嫌な事はしない』……それが人間として当たり前の事だと習ったはずだし……つまり、お前は別にそれらが嫌でもなんでもないらしいから……」
「……く……狂ってる……」
「そりゃどうも。……素面で地球が守れるかよ」
ヒルカワの眼前で、引き金にかかった人差し指に力が入る……
「い、嫌だ……死にたくっ――」
ずばぁん
地下の暗がりに、銃声が轟いた。
「――ハァッ、ハァッ、ハァッ……」
「……くくく……ハッハッハッハッハッハッ!!」
……柱の横で、ずるずるとヒルカワの体が落ちていく。
血走った浅い呼吸を繰り返し、完全に放心状態……いわゆる腰が抜けたというヤツだ。
歯の根がガチガチと五月蝿いぐらいに噛み慣らされて、体は死の恐怖にまるきりコントロールを失っていたが……生きてはいた。
軍服の男が握りしめたリボルバーの銃口からは、未だに硝煙が立ち上っていたが……そこから発射された殺意の塊が、ヒルカワの脳髄をめちゃめちゃにミキサーする事はなかったのである。
「どうだい? びっくりしたか? ドッキリ大成功! まだ四月はギリギリ終わってないからな。ちょっと遅めのエイプリルフール!!」
「ハァハァ……いったい……な、なん……」
「おもちゃじいさん特製のモデルガンさ。よく出来てんだろ? 俺でも本物と見分けが付かないくらいだからな……音と煙はリアルだが、実弾が飛び出すアクシデントゼロ。……楽しんでいただけたかな?」
「ば、ばかか……? 楽しいわけ……ねえだろ……」
「おっと。そう言えばこれもメテオールに入るのかね? 解禁解禁っと……いや、自費で買ったおもちゃだし、これこそ完全に私物だよな?」
「お、おい……聞いてんのか? 公共機関の人間が、一般市民にこんな事して、タダですむと……ッ!?」
床に座り込んで過呼吸ぎみのヒルカワが、怒りに顔をあげた時、思いがけず近い場所から、二つの瞳が此方を覗きこんでいた。
「済むに決まってんだろ? 昔から言うじゃねえか。死人に口無し……」
「は、はは……」
「出来るもんなら……やってみろよ? ただし、俺はお前を……ずっと……」
屈み込んだ男が、ヒルカワの耳元でそっと呟く。
――みているぞ――
「ひ、ひぃいいいいいいいいいい!!」
「……帰り道で事故るなよー」
這う這うの体で逃げていくヒルカワの背中に、ズレた言葉をなげかける軍服の男。
「必死の悲鳴にしちゃ、どうにも濁点が足りねえんだよなぁ……」
「お前ガわざわざ出張ると言うカラ……どんな恐ろしイ奴かと思えバ……随分ト、小物じみた奴だったナ。ソガ?」
「まあ、小物っちゃあ小物だわな」
絶叫が遠ざかり、静かになった空間。
そこへ、もうひとつ別の声が混じる。
「あんな奴ノ為に、我々の介入ガ必要だったトハ、とても思えないのダガ?」
「いやいや、必要は大ありだよ。なんせこの為に来たんだし……首尾は?」
「誰ニ言ってル? コノ程度……ペダニウムでクッキーを焼くようなものダ」
駐車場に停まった車と車の合間。
その闇の中から、ソガに向かってどこからともなく飛んできたモノをキャッチすれば、それは大量にメモリーカードの入ったケースやボイスレコーダー、果てはボールペン型の隠しカメラまで。
「お、やっぱりビデオ以外にも隠し持ってやがったか。へへへ……さぞ慌てるだろうなぁ。ざまあみやがれ」
「久しぶりに顔ヲ出したと思ったラ……このワタシに、スリの真似事をさせるなんてナ! ……つまり奴ガ今後、GUYSの周辺をこれ以上嗅ぎ回らナイように釘を刺すノガ、目的だった訳カ」
暗がりから、闇を固めたような影法師がヌッと現れた。
その少しばかりザラついた音声に、ソガはヒルカワの落としていったカメラを確認しながら、あっけらかんと返す。
「いやあ? 多分いくら脅しても無駄だぞアイツは。というか、あれで大人しくするようなタマなら、俺が出て来る必要ないしな」
「な、ナニッ!? ダトするト、さっきのやりとりハ一体……」
「んなもん、俺自身の溜飲を下げてスッキリする以上の意味は無いさ。強いて言えば、お前さんの仕事がやりやすいように……なんて、いくらでも理由は付けられるが、やっぱり一番は……こうでもしないと、本当に闇へ葬ってしまいかねん……」
「そ、そんなにカ……」
ソガの瞳に、激しい憎悪の炎が再びチラチラと燃え上がるのを見て、影法師は言葉に詰まる。
彼はこれまで、ソガが敵に対し、情け容赦ない制裁を加えるのを度々目撃してきたが、それはあくまで相手が地球を脅かす悪意ある異星人達だからだった。
それこそ見た目が地球人と変わらないヒューマノイドであろうと、全く攻撃の手が緩まないという事も知ってはいたが……まさか同族であるはずの地球人にまで、これほど強い殺意を剥き出しにするなんて。
とはいえ、ソガが明確に〝敵〟と見做したからには、それほどの事を先ほどの男がした……あるいは『する』のだろう。
しかし、そのような不穏分子を見逃すというのもまた、ソガにしては常ならぬ遣り口であった。
本来ならば、敵が何らかの計画を行動に移す前に、可能な限り先制し、それらがまだ相手の頭の中にある段階で早々と悪意の芽を摘んでしまうというのが、ソガのこれまでとってきた戦法であり、そんな非常識極まりない戦法を可能にしてしまうというのが、彼の強みなのだ。
ましてや、いくら脅しても決して止まらぬと分かっているような相手ならばなおさら……
影法師は、自らの感じた違和感を、口にすべきか否か非常に迷った。
その問いが発する、甘美な誘惑の響きがどれほど強力なものかを、彼自身しっかりと認識していたし……それに見事抗って見せたソガに、もう一度その試練を与える事になってしまわないかが不安だったからだ。
下手をすれば、自分のせいでソガが先ほどの判断を覆してしまうかもしれない。
それこそ、彼の構えている拳銃が偽物であると知っているダークでさえ、マヤやサイモンといった実例を見ていただけに、今回も今までと同じように問答無用で殺してしまうつもりなのではないかと……本当にヒヤヒヤしていたのだから。
そして、もしそうなってしまった場合……どうにも、ソガに対して抱く事になるであろう、ある種の失望を隠し通せるかについても自信がなかった。
だから今は、大人しく口をつぐんでしまおうとして……
「……良かったのカ?」
……結局、影法師は己の感情へ素直に従うことにした。
この男の信念が、たかが自分の言葉ひとつに容易く揺らいでしまったりはすまい、と考え直したからである。
「奴が不都合ナ事を書くト……マズいんじゃナイか?」
「俺についてなら痛くも痒くもないね」
「シカシ……万が一を考えれバ、その……安心デハ?」
影法師が言いづらそうに口籠もるのを聞いて、ソガは愉快そうに笑った。
「素直に今日殺しておけばって? 珍しいなダーク。お前さんがそんな事を言うなんてさ。ララ辺りにでも影響されたか?」
「オ前は忘れてイルようだガ、ワタシはもとよりコチラ側だゾ……我々ニ影響されタと言うならバ、それはムシロ、オ前の方ではナイノカ……?」
いや、あるいは……
「……まあ、そうしてやりたいのは山々なんだが……ああ見えて、奴にも重要な役割ってのがあるんでね。認めるのは癪だが、奴の存在は必要さ。……だからこそ、そんなモンまで用意して、お前に手伝いを依頼したんじゃないか」
「アア……これカ」
ダークは、懐から小さな注射器のような物をとりだした。
「問題なさそうかな?」
「さあナ。しかし少なくとも、気付かれタ様子はなかっタ」
あれだけ怖がっていたのだ。
首筋が多少チクリとしたくらいでは、それを本当の痛みとして知覚できるかどうか。
というより、例え痛いと感じても、それどころではない。
「あとはちゃんと作動してくれるかどうかだな……」
「腐っテモ、あのイカルガ謹製のナノマシンチップだ。相手ガ例え四次元に行ってしまっテモ、ちゃんと居場所くらいハ伝えてくれる……ハズダ」
「だから不安なんだよ。だってイカルガだぞ? 本当に腕がいいのか? 俺はまずそこから疑ってるんだが……アレがアマギ以上の知性を有しているという事自体が未だに信じられん……」
「腕ダケは保証シヨウ。腕だけハ……まさか、これでズット監視するカラ大丈夫だとでも言うんじゃナイだろうナ?」
「まさか!」
右手をひらひらと振って、ダークの懸念を否定するソガ。
「……ヤプールって、覚えてるか?」
「ヤプール……? 異次元人ノ? 忘れルものカ! 我々も随分ト苦労させらレタ……頼りノお前モ、地球に居タリ居なかっタリ……」
「ははは、それは許してくれよ……俺だってあの時は不本意だったんだぜ? 宮仕えの悲哀ってやつさ……いやいや、そんな事よりもだ」
ソガは、ヒルカワの落として行った仮許可証を拾いあげ、その写真をダークの方へ見せつける。
人を食ったような薄ら笑いに、ダークは不快感を覚えて溜息を吐いた。
こういう表情をする知り合いは、一人いれば充分だ。
だというのに、あいにくと彼の周りには、なぜかこういう笑い方をする手合いばかり集まってくるので、もう完全に食傷ぎみだった。
「どうだ? 随分と……奴ら好みの人間だと思わないか?」
「ナニ……? まさカッ!?」
「生きてるだけで、ヤプール用のデコイを嬉々として引き受けてくれるんだ。そんな希有な人材……殺しちまうなんて、勿体ないだろうが」
「……ツマリ、奴らに対スル生き餌カ……なるほど、そう考えレバ、お前ラシイ」
「なんせ、あのヤプールのお墨付きだからな……ほらよ、ダーク。ついでにコイツも返しておくぜ。ありがとう、今まで何度も助かった」
先ほど使っていたプラズマ銃を、元の持ち主である旧友に投げ渡すソガ。
「オヤ……随分と懐かしいナ。しかし今更こんなものを返されてモ……」
「近々、またお前さんらの力を借りるかもしれん。その時に使えるもんは多い方が良いだろう……なにもお前に撃てってんじゃない。それこそエース辺りに渡しておけば、それなりに使いこなしてくれるだろうよ」
「ホシノか……言われてミレバ、ウチに来て長いコト生身で活動してきたガ、本来ノ特技は射撃だと言ってイタナ」
「確かに協力目当てで、ずいぶんと高値の恩を売りつけた覚えはあるが、それで無理して死なれちゃかなわん。テルミさんに会わす顔がない」
「ウチで暴走したララを、真正面から力尽くデ止められルのは未だに奴だけダ。居なくなるト困るノハ、ワタシも同じサ。シカシ……」
「なんだ? えらく不満そうだな?」
「……」
ソガが不審に思って振り返ると、ダークゾーンを解除した旧友が、じとりとした視線をこちらに向けていた。
「オ前……またアレを使ったダロウ」
「なんの事だ?」
「しらばっくれるナ。ワタシが、あんな小物一人ヲ見張っているダケで、他の全てヲ見落とすヨウナ無能ダト思ってイルのか? だとすれバ、そんな奴へ不法入星者ノ摘発を任せてイルお前ハ、相当ダナ。シーボーズもビックリの節穴だったラシイ」
「……悪かったよ。でも、仕方なかったんだ。まさかノーバ以外にも怪獣が出て来るなんて……」
「なるべく使用ハ控えろと言っておいた筈ダ。副作用の事モ」
「控えたさ! だから中途半端になって後半の展開も分からなかったし……それに、ドロシーは健康に問題ないと言っていた……」
「当然ダ。彼女ハ、オ前の特殊な背景ヲ知らナイからな……!」
「よ、用法用量を守って正しくお使いしているぞ……?」
「二重人格、前世持チ、精神体憑依中、憑依後、あるいはその他名前にソガと付ク方のご使用ハ、最初カラ考慮してオリマセン……と書き足してオケ! これ以上、ワタシを介さずニ製作ヲ依頼する気ナラ、彼女ニモ話を通シテおくべきカ!? ン!?」
「それはやめてくれ……」
バツが悪そうに、どんどん言葉が尻すぼみになっていくソガ。
明らかに分かった上での言い訳である。
「深層心理ヘノ接続ハ、
「……そんなにか?」
「時々……
恐る恐るといった様子で尋ねるソガに、ダークはゆっくりと頷いた。
やれやれ……と溜息をつき、胸ポケットから取り出したタバコに火を付けるソガ。
「別に……俺は構いやしねえのさ。元々、オレ達は二人でひとつだったんだ……多少中身が変わっても……俺は俺さ。オレじゃない」
「本当カ? 現に先ほどハ……かなり引き摺らレテいたようニ見えるゾ? あの男ニ対スルその怒りハ、果たしテお前自身のモノであるト……確信デキルノカ?」
「……大して変わるもんかい。お前さんだって……きっとその方が嬉しい……」
「……30年ダゾ!」
「あん?」
紫煙の向こうで、怪訝な顔が振り返る。
「確かニ、我々ペガッサ市民の平均寿命ハ、地球人のソレを軽く凌駕スル。それデモ……30年ダ。モウ、お前ト過ごしタ時間の方ガ……長イ」
「……相棒が、寂しいって草葉の陰で泣いてるぜ」
「どちらガ、という話デハない! オ前達ハ……どちらもワタシにトッテ……! ああそうさ! 貴様からスレバ、たかだか体感時間僅カ10年程度の相手ダロウともっ!!」
「分かった分かった! 俺にとってもお前はかけがえのない親友だよ……心配かけて悪かったな。でも、分かってくれ。これは、オレ達にしか出来ない事なんだ。お前さんの友達は、そういうどうしようもない奴らなんだよ……」
「フン……モウ知らん。勝手にシロ!」
ぷりぷり怒ってそっぽを向くダークに、ソガは非常に不謹慎ながら笑みが込み上げてくるのを抑えられなかった。
「……まったく、相変わらずツンデレな事で」
「キサマ! だからソレをヤメロ! ワタシは、あんな安っぽいコミックキャラクターではナイ! この性格ヲ、そのような平坦かつ属性的な言葉で一括りにしないデ貰おうカ! 非常ニ不愉快ダ!」
「悪い悪い……そうか、この時代にはもういっぱい出てんだなツンデレキャラ……追い付いてきたなぁ……」
胸元から携帯灰皿を取り出し、火の付いた煙草を押し付ける。
最近は、ソガのような者に対し、少々風当たりが強くなってきた。
なんの配慮もなく細やかな楽しみに耽っていると、周囲の視線が痛すぎるのだ。
ずいぶんと肩身の狭い世界があったもので……。
「お前らもそのうち、本当にアニメへ出ちまったりしてな……そしたら、わざわざ地球人に化けなくたって、大手を振って外を歩けるぞ? ちょっと手の込んだコスプレですって言い張れば……うん、案外悪くないかもな? 広報に提案しておくか?」
「ああモウ! そう言えバ、どちらにセヨこういう奴だっタ……!」
そう言って苛立たしげに、使い終わった注射器を地面に叩き付けるダーク。
久方ぶりに会うので、すっかり忘れていたのだ。
そこで、ふと思い出す。
「……ところデ、奴にはモウ会ってきたノカ? 地球に来ているんダロウ?」
「奴? 相棒の奴ぁ……今頃自分ちで好きなだけイビキかいて寝てるだろうよ」
「オ前、分かっテテ言ってるダロ……ダンの奴ダ」
呆れたようなため息と共にダークがそう問えば、返事が帰ってきたのは一拍おいてからだった。
「……いいや」
「ナゼ? ワタシのような理由デハあるまい?」
その問いに、ソガは少しばかり寂寥感を滲ませて、微笑を返す。
「下手に動いて……奴の居場所を知らせるわけにはいかんからな」
「……ナルホド。ままならんナ。オ前達も」
「大丈夫だ。あと少しの辛抱さ。だいたい、MACの時も、モデュレイトの時も、あれだけ近くに居たんだから……」
「確かその時モ、似たような返事を聞いたゾ? オ前が『上手く』話を出来るようになるのは何時なんダ?」
「本当にあと少しなんだよ……それまでは、教授みたいな奴に目をつけられる訳にはいかねえんだ。俺も……ダンも」
「かなり手遅れダト思うがナ……」
とはいえ、ダークもソガが何を危惧しているのは分かった。
あの地球人とウルトラセブンを連携させると、まずろくなことが無い……という事くらい、侵略者達の間でとっくに知れ渡っている。
逆に言えば、今のように適度な距離で不干渉を貫いているからこそ、そう言った手合いから遠巻きにされつつも、戦力外として見逃されているという側面があるのだろう。
これが、ひとたびあの二人が接触しようとすれば、奴らはそれをなんとしても阻止しようと即座に行動を始め、その為だけに、地球へ大戦力を送り込んで来かねないという訳だ。
どうやらソガは、今の地球では、それを防げないと考えているらしい……少なくとも、今はまだ。
いったい、なにを待っているのかは知らないが……
同じ星を愛するが故に、友人と自由に会うことすら出来ないとは。
ダークはそれを、少しだけ哀れに思った。
「それニしてモ……」
「なんだ?」
まだ頬に張りを残した友の顔を見て、思いがけず、ざりざりとした笑いが込み上げてくる。
「……何でもナイ。タダ……似ているナと思っタだけサ。オ前達は」
片や、光に近付こうとして、時間を忘れつつある人。
片や、人間に憧れて、急速に老いさらばえていく光。
根っこの部分でこれだけ似ているのに……やっぱり、どこまでいってもあべこべだ。
それが、ダークにはとてもおかしく感じられてしょうがないのだった。
まったく、本当に救いようもない愚か者達である。
「では、ワタシもソロソロ行くとスルカ。さっきカラ、ロンの奴が、豆ダ豆ダと五月蝿くテナ……」
「……豆?」
「ノーバの種だかナンだか知らんガ、あんなクサイ実を煮出して飲もうナドト、お貴族サマの考える事ハ、シモジモの者には分からんヨ。少なくとも、生薬にはナルらしいカラ、断る事も出来ン……」
「そっちも大変だな……別にいいけど、こっちの分析班が採取する分くらいは残しといてくれ」
「分かっタ、分かっタ……」
ダークが再び黒いモヤを纏って、重い腰を上げれば、駐車場の入口から、誰かの足音が反響して聞こえてきた。
慌てて暗闇の中へと片足を突っ込んだ影法師が、上半身だけで振り返った姿勢のまま、真っ黒な指を突きつけてきて念を押す。
「……くれぐれモ、使いすぎるナヨ……忠告はシタからナ……」
「ああ……なるべく善処する」
「なんて不誠実ナ患者ダ。恐らくワタシは宇宙一不幸な主治医に違いナイ……」
闇医者のぼやきが、暗がりに消えていく……
「じゃあ、私は宇宙一果報者なクランケか……」
「ソガ隊員……あ、いえ参謀長!」
それと入れ替わるように、若い声が息せき切って走り込んできた。
「やあ、ミライ君。どうしたね、そんなに急いで」
「良かった……もう……帰ってしまったかと……今の人は? お邪魔でしたか?」
「古い友達だよ。大丈夫、アイツも忙しい奴だから……ちょうど良かったんじゃないかな」
「ちょうど良い……とは?」
不思議そうに首を傾げるミライ。
ミライのせいで、お友達との会話を邪魔してしまったなら、それは申し訳ない事だ。
まったくもって良くはない。
「俺達ぐらいの寂しがり屋になるとな、少しの間離れるだけでも、なにかと理由が必要なのさ。自分を納得させて、慰める為の理屈がな……」
「ううん……なんだか、難しい事を仰いますね……ソガ隊員は……いえ、参謀長」
「君もすぐに分かる時が来る……残念ながらな。あと、別にソガ隊員で良いよ。そうやって呼ばれるのは、好きさ。なのに最近は、誰も言ってくれねえときた……」
「そうでしたか! それなら良かった……あの、ソガ隊員!」
ビシッと背筋を伸ばし、深々とお辞儀をするミライ。
「ありがとうございました! 僕らを助けていただいて!」
「こちらこそ、礼を言わせてくれ……ウルトラマンメビウス。地球を守ってくれて、ありがとう!」
「やっぱり……ご存知だったんですね。僕がウルトラマンだって」
「そりゃあね! サコミズ隊長とも仲いいからさ、私」
「そうですよね……」
ははは、と苦笑するミライだが、その顔には少しばかり覇気が無い。
というよりも……迷いがある、と言うべきか。
「……どうした? 元気が無いな」
ソガが水を向けてやれば、ミライはしばし何事かを逡巡していたようだったが……やがて、意を決したように口を開いた。
「さっき、空にウルトラサインが見えて……M78星雲に帰還しろと命令が……」
「そうか……」
「僕は……どうしたら良いんでしょうか」
ミライの瞳が不安げに揺れる。
彼がその命令を不服に思っているのは明白だった。
「……私が君に言える事は、ひとつだけだ。……悔いの残らないようにしろ」
「悔い……」
「私はこれまでそうしてきた。だから、今の自分があるんだ。言ったろ? 悩んだ時は、心の声に耳を傾けるのさ。汝の成すべき事を成せ……ってね!」
「心の声に……ハイ! 分かりました!」
「うむ! だったら、行きなさい。君が時間を使うべきは、私などではないだろう」
「ソガ隊員は……この後どうされるんですか?」
「それは……君の選択次第だね。ヒビノ・ミライ君?」
「……はい!」
元気に頷いたミライは、基地の方へと走り出し……
「そうだ! アンヌさんが会いたがっていましたよー!」
「チグリスの花が咲いたら、そっちに行くよと伝えといてくれー」
「分かりましたー!」
初々しい背中――といっても、あれで数千年は向こうが年上なのだが――を見送りながら、ソガは独り言ちる。
「ソガ隊員は、どうするんですか……か。そんなの、決まってる」
広げた右手に視線を落とせば、いろんなタコや傷に塗れたソレは、昔に比べて随分と皮が分厚く、硬くなった。
それを握りしめて、男は。
「俺は……これからも、ずっと捜し続けるよ……。オレがあの時見た、明日って奴を……。お前がかつて、そうしてくれたように……」
踵を返して、男は再び歩き出す。
昨日見た、明日に向かって。
「なあ、相棒」
というわけで、ソガの目的が実はなんだったのか? という話でした。
知らない方へ説明すると、今回出て来たヒルカワという男は、後に再登場します。
敵によってミライ君やヒロインと共に閉じ込められ「助かりたければそいつらを殺せ」と渡された銃をノータイムで発砲。
そこでミライの正体を知ると、礼の代わりに罵倒を浴びせ逃走。
挙げ句の果てには最終章にて、ラスボスの「メビウスを引き渡せ」という要求に対し、全国中継で「コイツがウルトラマンです!」とバラす……とまあ、いろいろやらかしてくれる愉快な奴です。
とはいえ、その後になんやかんやあって人類が団結するには必要なステップではあるので、ウルトラマンメビウスという番組には無くてはならない存在と言えるでしょう。
視聴者からのヘイトを、ナックル星人顔負けの速度でぶち上げた、ウルトラシリーズ最大のヴィランと言っても過言ではないヒルカワの初登場回が、この28話だったわけですね。
ちょっと人によっては過激に思われるかもしれない描写があったかもしれませんが、コイツに対しては、アンチヘイト表現する事こそが、なによりの原作再現まであるので、その一環としてどうかお許し願います。
あと、それと合わせて念のため、放送当時ヒルカワ役をされた俳優の加藤氏にも心無い批判が集中し、大変に苦労された事も追記しておきますね。
後からそれを知った時、こんなに素晴らしい演技をされる俳優さんが、そのせいで罵倒されるのはあまりにも理不尽だと、非常に悲しかったのを覚えています。
子供向け番組の悪役を引き受けて、さらにそれを全力で演じてくれる方というのは、某死神博士等をはじめ、非常に素晴らしい方達なのですから。
なんといっても加藤氏の不幸は、ご自身の演技力があまりに卓越していた事でしょう。もしも未視聴の方は、彼の怪演を是非とも御覧になってください。すごいよ。
役柄と俳優を混同して批判する事は、それこそヒルカワと同レベルの愚かな所業であると明記した上で、改めて言わせて頂きます。
ヒルカワ許すまじ、慈悲はない。
とはいえこんなとこで死んだら、せっかくヨゴレ役を引き受けてくれる奴がいなくなるので、じゃあせめて死ぬまで地球の役に立ってもらおうぜ!
というのが、今回の仕込み。
おそらくこの先、アテリア星人やデスレムと組んだヤプールが、ヒルカワごとミライ達を異空間に拉致して、例の精神攻撃を仕掛けようとしますが……
まあ、雪崩れ込んできますよね。いろいろと。
完全に台無しです。
ごめんな、その『下等な人間』……鈴付きなんよ。
このあとめちゃくちゃ勝った。
メフィラスの胃は死んだ。
一連の事件が収束した後も、なんやかんやAIBによって、本人は全く気付かないまま利用されてくれるでしょう。
なんとも癪なことに、倫理観がマイナス方向に振り切ってるだけで、取材能力と執念深さだけは人並み以上に優れていますので、うまくけしかけて、地球に紛れ込んだ宇宙人犯罪者の弱みとか掴ませたらええねん。
ウルトラマンに銃口向ける奴なんて、一生飼い殺しがお似合いだ。
きっと、ロンが上手いこと手のひらで転がしてくれますよ。
こういう奴の手綱握るの得意ですからね、彼は。
気になる?
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8番目
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保安官
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補佐官
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星雲荘