転生したはいいが、同僚の腹パンが痛すぎる! 作:Mr.You78
令和七年七月七日はセブンの日!
大都市、東京。
繁華街にあるデパートの売り場では、平日にも関わらず、今日も品物を求める人々で溢れかえっていた。
割烹着姿で赤ん坊を背負った女性が、片手でカート内の子供服を物色している。
目当てのシャツを手に取ろうとすると、向こう側から伸びてきた手が、同じものを引っ掴んだ。
むっとした彼女が、これは私の獲物だぞと威嚇するべく、眉を顰めたまま顔を上げれば……
驚いたように目を見開き、途端に顔を綻ばせる。
「アラやだ、ウエダの奧さん!」
「まあまあお隣の。奇遇ですわねェ!」
カートの向こう側に居たのは、知り合いの主婦仲間だったのだ。
睨みつける前に気付いて良かった。
「おたくもバーゲン目当て?」
「そうですのよ。ウチはぼうやが育ち盛りだから、服もすぐに小さくなってしまって……」
「わかるわぁ……子供ってあっという間に大きくなるわよねぇ……」
夫人の呟きに、深い同意を示すほっかむりの主婦。
彼女の左手は、上の子らしき男児が玩具売り場へ走って行かないように、しっかりと彼の襟首を捕まえたままだ。
それを見て眉を下げるウエダ夫人。
「3人ともなると、さぞ大変でしょうに……」
「やぁねぇ、ここまで来るともう慣れたものだから。おたくは初めてよね? ウチも最初の子の時が一番大変で……そういえば、ぼうやは?」
「ああ、いますわよ。ここに」
ニッコリ笑って夫人が歩を進めると、カートの影から赤ん坊を乗せた手押し車が現れる。
「アラアラ、それって噂の乳母車!?」
「ベビーカーでしてよ奥様。折りたたみが出来て、エスカレーターにも乗れますの」
「流石はウエダの奥さん。ハイカラね~」
「ねぇ、宜しかったらアチラのカフェで少しお茶しませんこと? ……あっ!」
そう言って、夫人が方向転換しようとした時だ。
棚の影からヌッと出て来た黒いつま先に、ベビーカーの前輪がぶつかってしまう。
「スミマセン! これはとんだご無礼を……わたくし不注意でしたワ。ごめんあそばせ……っ!?」
慌てて謝る夫人が、視線を上げると……
深い鳶色の瞳が、こちらをじっと見下ろしていた。
鼻に影が落ちるほどに深い顔の彫り。こんなデパートにはまるで似つかわしくないパリッとした黒い夜会服と、それを見事に着こなす3尺はありそうな長い足。
夫人が手押し車をぶつけた相手はどうやら、外国人の男のようであった。
もしや謝罪の言葉が通じるかしらん……とおそるおそる顔色を窺うウエダ夫人。
「あ、あの……」
「いえ、お気になさらず。こちらこそ、ご婦人方の道行きを遮るような真似をして、たいへん失礼いたしました。お怪我は?」
「え? は、はい……」
ところが、男の口から飛び出したのは非常に流暢な日本語であった。
あまりの衝撃に呆然とする主婦たち。
そんな時、下の方から小さな声がする。
「あうー」
「……おや?」
男が流れるような手つきでベビーカーの幌を開くと、手足をバタつかせる幼児と目があった。
「これはこれは、玉のような男の子ですね。それに随分と利発そうだ。さぞや立派な人間に育つことでしょう。将来有望ですな」
「あ、ありがとうございます」
我が子を褒められて悪い気はしない。
相好を崩すウエダ夫人。
「……ふむ。気に入った。元気な子にはプレゼントをあげようね」
男は、眉の無い瞳を少しも動かさぬままそう言うと、懐からガラガラのオモチャを取り出して、ぼうやの手に握らせる。
「あらあら、そこまでお気遣いいただかなくても……」
「いえ、子供達の為に用意したのですが、余っていましてね。相応しい者に使って頂けるならば、我々も嬉しいのですよ」
「そうでしたの。だったらお言葉に甘えて頂こうかしら。ありがとうございます」
「……では、私はこれにて」
男が軽く会釈すれば、彼の耳元で分厚い耳たぶがぷるりと震えた。
そのまま踵を返して歩き去って行く長身の外国人。
その背中が棚の向こうに消えてから、隣の主婦が呆然と呟く。
「奇特な人だったわねぇ……外人さんって、みんなああなのかしら」
「さあ……でも、紳士的な方で良かったですわ」
「気っぷが良いというか……見ました奧さん? あのスラリとした足! ウチの亭主もあれくらいとは言わないけど……ねぇ? クラッときちゃう」
「やだもう奥様ったら!」
「ぼうやも良かったわねぇ~」
「あぅー」
男から貰った玩具を気に入ったのか、上機嫌でそれを振り回すウエダ夫人の息子。
それを見ていた子供が、主婦の腕を引っ張った。
「かあちゃん、ぼくもオモチャほしい」
「こんな小さな子を羨ましがってどうすんの! あんたはもう……」
「なんだか御免なさいね。ウチの子だけ……」
「いいのよぅ! ウチに帰りゃ、この子の使ってたのがまだ押し入れにあんだから! そんな事より聞きまして奧さん? お隣の旦那さんがね……」
恐縮する夫人に笑いかけながら、これ以上子供が変な事を言わぬようにと、ベビーカーの幌をさっさと下げる主婦。
それからは他愛もない噂話で盛り上がりながら、エスカレーターの前に着いた時だ。
「ちょっと待っててくださいな……あら?」
ベビーカーを畳もうと、幌を上げた夫人。
ところが抱き上げるべき子供の姿が無い。
「え……?」
もしやクッションの下に潜り込んでしまったのかと裏返してみたり、一心不乱に辺りを見渡すウエダ夫人。
あまりに血気迫る様子に、隣の主婦も怪訝な顔で覗き込む。
「どうなすったの?」
「ぼうやが居ないんですっ!」
「あはは。そんなはずないじゃありませんかウエダさん。しっかりなさって? さっきまでそのベビーカーに……」
いない。
赤ん坊は忽然と消えてしまったのだ。
「ぼうや! どこなの!? あたしのぼうや!」
「誰か! 誰か!! 赤ちゃんが居ないんです! 誰かっ! お巡りさんを……!」
俄に騒がしくなっていくデパートの店内。
慌ただしく走り回る人々の足元で、散々に蹴り飛ばされては床を転がる奇妙な形のオモチャ。
……しかしふと、それを拾い上げた指がある。
その白く繊細な指の持ち主は、たおやかな金の髪を掻き上げると、背後の喧騒を一度も振り返る事無く、人混みの中へ消えていった……
―――――――――
よぅ! 久しぶり!
オレだよオレ!
ソガ隊員に代わってソガ隊員をやらせて頂いています、ソガですどうも。
え? いきなりどうしたんだって?
いやさ、ここんとこずっと事件もなくて暇だったもんだから、もしや忘れられてんじゃないかな~と思ってね。
どんぐらい久しぶりかと言えば、えっーと……
前回は確か、メトロン星人を原作知識でギッタンギッタンにしてやろうと思ったら、原作通りに幻覚タバコでキ○ガイと化したフルハシ隊員によって、オレがメッタメタにされて以来だから……
ざっと2カ月ぶりくらいかな?
まあ、久しぶりと言っても差し支えはあるまい。
……ん? 事件が無くても日課のパトロールがあっただろって?
いやいや、さっきも言ったけどな? オレってばこの間、フルハシ隊員におもっくそ殴りつけられたじゃん?
しかも椅子で。
じゃあ、あの人の馬鹿力で殴られたら、普通の人間がどうなるかなんて、わざわざ言わずとも結果はお分かりでしょってな話じゃん?
そらもう見事に折れたよね……骨が。
右腕がこう……パキッとな。
とはいえ骨折にもいくつか段階がありまして、俺の場合は不全骨折……いわゆるヒビ入ったってやつだ。
フルハシがとち狂ってたおかげかなんか知らんが、中途半端な姿勢から繰り出された攻撃だったので、それだけで済んだのは不幸中の幸いというか……
正気のあの人が本気で同じ事やったら、間違いなく複雑骨折からの入院コースだからね。
いくらアンヌやキタムラ博士の腕がいいからって、もしもそうなっていた場合、戦線復帰に数か月ではきかんかっただろう。
その間に次の話が始まっていたら目も当てられないところだった。
とまあ、そういう事情があったから、ここんとこの俺はずうぅ~……っと、ギプスで固めた利き腕を三角巾で吊りながらの生活を余儀なくされていた、というわけ。
アンヌの見立てだと、もうそろそろくっ付いたかな? って具合らしい。
今日明日にでもギプスは取って、リハビリを始めてもいいんじゃないかしら、とのこと。
当然ながらそんな状態の奴に、ホークの操縦やポインターの運転なんか以ての外――の筈だが、フルハシ隊員はたまに似たような負傷状態でも乗ってる時がある。やっぱ人間じゃねえよあの人――なので、俺は内勤に回されて事務仕事ばっかりやらされてたのさ。
「ああもう紙ばっかり紙ばっかり気が狂いそうだよ……げ」
手元へ大量に積まれた報告書の確認者欄に、流れ作業でミミズがのたくったようなサインをしながら、ふと時計を見上げれば、さっき時間を確認してからまだ10分しか経ってない。絶望。
「嘘だろ……これをあと何時間……!?」
「……だああ! さっきからぶつくさぶつくさ五月蝿いなぁ! もう少し黙って仕事が出来ないのかお前は! これだからコイツの隣は嫌だったんだ……! しかもたかだか申請書の……」
俺の横で作業に集中していたらしい男が、キレ気味に机を叩き、憎々しげにこちらをチラリと一瞥……したところ、信じられないと言った様子で目を見開いた。
「……おいソガ、嘘だろう? まだそれだけしか出来ていないのか!? 一枚処理するのに何分かける気なんだ!」
「あんね、アマギさんよ。世の中にはお前さんみたいにスラスラ紙仕事が出来る人間ばかりじゃねえんだわ」
「口ばかり動かしているからだろう……」
「おいなんだァ? それが手伝ってやってる人間に対する口の利き方かァ? お前が本業へ集中出来るように、俺がこうして代わりに処理してやってんだろ? ん?」
「お前の節穴通った書類なんてな、これっぽっちも信用出来ないんだよ! 後からチェックする二度手間で、余計に時間を食うくらいさ! ……隊長もなんだってこんな奴を……恨みますよ……」
「お前……ガチ凹みはやめろよな……そういうの一番傷つくんだぞ……」
隣のアマギが、しょぼくれた顔でため息を吐く。
オレは無限に独り言やら鼻歌を垂れ流しながら作業するタイプなので、ただでさえ神経質なアマギには、俺の存在そのものがストレス源らしい。
悪かったな、事務仕事ド下手糞マンでよ!!
全ては隊長の采配だ。オレに責任は一切ない。
無いったら無い。
現状で猫の手も借りたいくらいに人手が足りていないのは、アマギの分析室とアンヌのメディカルセンターなのだが、もしもオレのような大雑把野郎にアンヌの手伝いをさせた日にゃ、医療ミスの連発で極東基地の隊員数が戦闘も無いまま半分になってしまう……というフルハシ隊員の言い草が、全てを物語っている。
因みに、その場にいた全員が頷いた。
勿論、全員というのはオレやダンも含む文字通りのやつな。
つまりオレは消去法で、毎日積み上がっていく報告書の束を処理する任務についているわけだ。
……やんなるね、まったく。
「さて……」
アマギと有意義な会話を交わした事で、煩雑な作業に対する多大なストレスを発散したオレは、再び眼前の書類へ敢然と立ち向かう。
「え~、なになに。新兵が発注を間違えたので備品が10倍届いた件に対する是正処置? ハハハ、バッカで~! 見ろよアマギ。マジでこんな奴いるんだな。漫画の中だけかと思ってたぜ」
「……本気で言ってるのか?」
「な、何が?」
ぎろりとこちらを睨みつけたアマギは、たったいま目を通していた手元の書類を、無言でこちらへ突きつけてくるではないか。
データ入力者欄には……のたくったナースがとぐろを巻いている。
このサインの形には見覚えあるわ。
「てかそれ、オレがさっき打ち込んだ日報じゃん」
「……間違ってるぞ」
「え!? ウソぉ!? ……いや、どこもミスってないが?」
「……呆れた節穴具合だな。ほら、ここだ。Mの項!」
「どれどれ……」
……いや、何回見ても合っている。
アマギがいったい何を言っているのかまったく分からん。
「……お前が打ち込んだのは『78』で! 本来の数値は『87』だろうが! ちゃんとよく見ろこの馬鹿!」
「あ、ほーんとだ。悪ィ」
いやいや、これは誰がどう見ても間違えるだろ。
数値の並びが悪いよ、数値が。
「良かったな、その仕事を任されてたのがお前じゃなくて! でなければ今頃、その書面で吊し上げを食らってたのは『ソガ新兵』だったぞ」
「いやいや、たかだか発注ミスぐらい誰でもあるよね。備品なんざどうせ使うモンなんだし、少ないならまだしも、多いに越したことないじゃん? よく言うだろ? 大は小を兼ねるってさ! 沢山仕入れても、いずれ消費する物なので問題ありません! だからこの是正処置は不要! 次!」
「問題おおアリだ、馬鹿野郎! よく見せてみろ……」
俺からひったくった紙に、ざっと目を通したアマギは、みるみる苦虫をかみつぶしたような顔になっていく。
「そら見た事か! 月毎に使える予算は決まっているんだぞ。燃料ばかり何万ガロンも仕入れたんじゃ、そのぶん他の物を切り詰めなきゃならん。ホークが飛んでも撃つ弾がありませんでは、お話にならんじゃないか!」
「え、これそういう話!? それはマズいよ~! 激しくマズい!」
何がマズいって、オレの考える侵略者への対策案ってのは基本的に、原作にあったものを、原作には無かったタイミングで投入するとか、そういう形の原作ブレイクが主になると思うんだよね。
そんでもって大抵はその『原作には確かに存在してるけど、その場に無かったモノ』の代表例が『俺自身』だからノーコストのように見えるが……
俺ってぶっちゃけ攻撃力自体は武器依存だから、俺一人をその場に投入したところで、原作展開を変えようとしたら弾薬の類をバカスカ消費してのゴリ押しとかになるわけだ。
だから、俺がこれから原作展開をぶっ壊そうとする度に、とにかくめっちゃ予算を食う予定。
今もこうして、アマギを手伝ってんだか迷惑かけてんだか分かんない形でありながらも負担を減らし、マグマライザーの開発を急かしているのだって、全てはこの後に来たるキングジョーへの対抗策にならないかと期待しての事である。
当然ながら、原作の開発期間よりも早く兵器を完成させようとすれば、そりゃ必要な資材費とかも全て前倒しになった結果、ウルトラ警備隊の予算はカツカツになるわけで……
「まったく、お前みたいな粗忽者がいるせいで、周りが苦労する羽目になるんだ。本人はそうやってヘラヘラしていれば良いかもしれんが、割を食うのはいつもこっちなんだからな!」
「分かった分かった」
「だいたい、なんなんだこのサインは!? こんなに汚くて読めると思うのか? いつもこんな字を書いているなら、他人の字を見間違えても当たり前だ!」
「いや、利き手じゃない方で書いてんだから、そこは勘弁してくれや」
「嘘をつけ。お前は元から両利きだろうが。その手には乗らんぞ」
「くそぅ……めちゃくちゃ大変なんだぞ、左で書くの……」
「とにかくこの案件は、お前が責任もって考えるんだな。自分自身の反省としてだ!」
「はいはい……」
酷いとばっちりである。そう思うよね?
「……ま、オレにかかればこんなの簡単すわ。要はミスを無くせばいいんだろ? だったら良い方法がある」
「なにぃ?」
「いいか? 仕事でミスをしない為に出来る最高の対策はな……ズバリ! 『仕事をしないこと』だよ!」
オレが得意満面の笑みでそう言うと、アマギは途端にチベスナみたいな目――因みにこのネタ、だれにも通じないんだよな。チベットスナギツネの知名度とか何ソレおいしいの状態である――をしたかと思うと、おもむろに引き出しを開け放ち、取り出したファイルを無心で捲りだした。
「……なに探してんの?」
「軍法会議の申請書式が何処かに無かっただろうかと思ってな……銃殺刑の執行書でもあればそちらにサインするんだが……」
「分かったよ……真面目に考えるよ……」
「お前、本当に僕を邪魔しに来てるわけじゃないんだろうな?」
「それは否めん」
「頼むから口を閉じていてくれ。な?」
残念ながら、オレの頭は口と連動しているので、そっちを回さないことには、手の方もろくに働かないという困った造りをしている。
現に、アマギと楽しくおしゃべりしている間に、さっきまでと同じくらいの量が終わった。当然その間は、アマギの手が止まっているのでプラマイゼロ、むしろマイ。
でもなぁ、黙ったまんまじゃリキが足りないんだなぁ……リキが。
というかね、ご大層なコンピュータがあるのに、日報の入力は人力とか、巫山戯るのも大概にしてくださいよ隊長!
そんなんミスるなという方が、どだい無理な話である。
だって人間だもの。
人間は間違える生き物であるからして、というかなんなら人間の存在自体がミスみたいなとこあるし……そんな粗悪な欠陥品を部品にしてる方が悪いのだ。
全部を人力でこなそうという考えがそもそも甘いというか……
ああ……そういやここ、バリバリ昭和の世界だったわ。
変なトコだけ元の日本よりハイテクだったりするから、ついつい忘れそうになるけど、まだ黒電話が現役なんだもんな……
目の前に鎮座する、ダイヤル式の内線に視線を落として項垂れた。
実に歪な発展を遂げた世界だ……それもこれも全部、宇宙人が悪いよ、宇宙人が。
奴らが地球外技術を勝手に持ち込んできては、機材を積んだ円盤をぽこじゃか落とされるせいで、その残骸から無事な部分だけつまみ食いした結果、技術ツリーがどえらいカオスな事になっとる……
同じトンデモ科学なら、怪獣翻訳機だとか透視装置だとか、そんな日常生活に1ミリも役に立たん機械より、思考入力装置とかそういう便利なガジェットを登場させとかんかい!
転送装置が作れるなら出来るだろ!
そしたらオレがこんなに苦労する事も無かったのに……トホホ。
流石に連日の数値入力だの、データの校正だのに飽き飽きしてきたオレは、そんなしょうもない事を考えながら暇を持て余している今日このごろ。
腕に巻いたビデオシーバーと、目の前の古き良き受話器を交互に眺めていると、ちょうど呼び出しのベルが鳴った。
「はいこちら分析室のソガです……あ、隊長!」
『ソガ、朗報だ。たった今、V3から連絡が入った。ついに例のお客さんが来るぞ』
「えっ! 本当ですか!?」
『直ぐに出迎えの準備を始めてくれ』
「了解しました!」
あまりにも待ちわびた知らせだったもんで、ついついそのままのテンションでガチャ切りしちゃった。ごめん隊長。許して。
「……ずいぶん嬉しそうじゃないか。その分じゃ、出動の類じゃないらしい」
「ああ、ようやく遣り甲斐のある仕事が来なすった。これで紙束地獄とはオサラバさ! ……悪いなアマギ、しばらくお前の手伝いは出来そうにないや」
「た、助かったぁ……」
おい……その「助かった」は、俺のこれまでの助力に対する「助かったよありがとう」の意だよな?
……まあいいや、今のオレは気分がいいからね。
なんせ、待ちに待った相手が来るんだからよ!
「あ、そうだ! いいこと思い付いたーっと!」
俺は、手元の書類を引っ掴み、ウキウキ気分で部屋を後にした。
――――――で。
今日のゲストが、やたらデカい声でがなりたてるのを見て確信する。
『地球防衛署ノ諸君! オ会イ出来テ光栄ダ!!』
ああこれ……前途多難なやつ。
気になる?
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8番目
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保安官
-
補佐官
-
星雲荘