転生したはいいが、同僚の腹パンが痛すぎる! 作:Mr.You78
U-TOMは激怒した。
必ず、かの邪知暴虐の徒を除かなければならぬと決意した。
U-TOMには生命がわからぬ。
U-TOMは、
通信用警笛を吹き、歩行型インターフェースと働いて暮らしてきた。
けれども侵入者に対しては、人一倍に敏感であった。
外縁部の採掘者移動用トンネルに、所属不明の車両が侵入してきたため、隔壁を閉じて進行を阻もうとしたが、強力な爆発物によって、隔壁を爆破され、その先の貯蔵プラント周辺までの侵入を許してしまった。
このような事は第一級スクリプトにも載っていない。
さらに侵入者は、そこから元来た経路を辿って、領域外へ脱出しようとしている!
長年休眠状態だった基地も、最近ようやく稼働を再開したのに、これは重大なコード違反だ!
U-TOMは侵入者排除プロセスに則って、直ちにドメインツリーを参照し、直近のインターフェースを差し向けた。
そして、基地全体に対し、
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マグマライザーの車内で、アンヌが薩摩次郎青年の応急処理を行っていた。
備え付けの酸素吸入器や、緊急用のカンフル剤でなんとか一命は取り留めたものの……やはり限度がある。
マグマライザーは戦闘車両であって、救急車ではないのだ。
「だめだわ……アナタには地上の病室で、もっと細かい治療が必要みたい」
「おいおい……あんまり見くびってくれなさんな。もうすっかり元気だぜ」
「いいえ、ちゃんとした検査をしないと、このまま失明してしまう可能性だって、あるのよ?」
「そいつは参ったねぇ……」
これ以上眼球に刺激が入らないように、薬剤をしみこませたタオルで目隠しをされた青年は、まるで堪えていないように嘯く。
なるほど、確かにこれはミラクルマンだ。
「ところで、チュウ吉は?」
「安心なさい、ちゃんとビタミン剤を注射しておいたわ。もっとも、ネズミ用の薬品は積んでないから、有り合わせの治療しかできないけれど……」
「本当かい? ウルトラ警備隊のドクターを、よもやこんな女医さんが、とは思ったが……腕は確からしいや」
「失礼ね、女だからって侮ると、痛い目をみるわよ?」
「それもそうだな。いや、気分を害したなら悪かったよ……ハハハ……」
そういって空威張りをする青年の顔は、煤と泥にまみれ、真っ黒に汚れていたが、先程からアンヌはなぜだか、猛烈な既視感を覚えて仕方がない。
こんな 益体も無い憎まれ口を叩くような知り合いは、フルハシ隊員くらいしか居なかったはずだが……
彼の荒っぽい言動を紡ぐ声も、今では火山ガスの影響ですっかりしゃがれてしまっているが……その奥に、どこか心惹かれる響きがある。
おかしい、自分の好みは、もっと誠実で紳士的な人のハズだ。それこそ……
「アンヌ、彼の容態は?」
「ダン! ええ、命に別状はないけれど、欲を言えばもっと精密な検査を受けさせてあげたいところなの。このままじゃあ、どんな後遺症が残るか分からないし……」
「そうか……」
「その声、さっき俺を抱えてくれた天使さんだな? ……ありがとよ、助かったぜ」
「……次郎君、よく頑張ったね! キミが生きていて、本当に良かった!」
「おいおい、まさか泣いてんのか? 感激屋だなぁ……」
簡易ベッドに横たわる次郎の手を、感極まった顔で握るダン。
その様子に釣られて、思わず瞳を潤ませるアンヌだったが、先程までの違和感の正体に気付いた。
そうか、この男はどこかダンに似ているのだ!
まるで中身は別人だが……本心から他者を思いやれる優しい性根は変わらない。
そういった部分が、てんで言動の違う彼らを、根っこの部分で想起させるのだろう。
この世には、自分と同じ顔の人間が3人いるとは言うが……かたや粗野な炭鉱夫、かたや紳士な警備隊員。こんなにも正反対な二人が似ているとは、運命と言うのはなんと数奇なものだと、アンヌは一人感心していた。
「おい、そろそろさっきの壁のところだぞ!」
「分かりました。アンヌ、彼の体を固定してやってくれ。もう一度爆弾で吹き飛ばすが、さっきみたいな衝撃じゃ、体に障るといかん」
「分かったわ。 ……チュウ吉君もね」
「さすがは女医さんだ、言われなくても分かってやがるぜ」
「行くぞ、ダン」
「はい!」
彼を尻目に、ソガとダンが再びMS爆弾をセットしに、後部ハッチから車外へ出る。
キッチリ二つをセットし、さてマグマへ戻るかといったところで……
「あ、危ない!」
「え? ウ˝ッ!!」
ダンが、俺の腹を思い切り突き飛ばす。もんどりうって車内へ倒れこむ俺。
「いってぇ……ハッ! ダン! おいダン!」
身を起こして、すぐに車外へ出ようとしたが、ダンがハッチを外から閉めてしまった。
閉まっていく扉の僅かな隙間から、最後にチラッと見えたのは、岩陰からこちらへ迫る銀色の人型。
「ダアアアアアンッ!!」
響く轟音。
体を固定もせずに突っ立っていた俺は、案の定ずっこけて、そこらじゅうを散々にぶつけまくる羽目になった。
「ソガ隊員! どうしたの! ダンは!?」
「やろう、俺を車内へ突き飛ばして一人だけ外に残りやがった! ユートムを食い止めようとして……!」
「ユートム?」
「あ、いや……早くダンを助けないと! アマギィーーーッ!!」
三人でマグマライザーから下車して、ダンを探すが、全く見当たらない。
ユートムすらいないぞ? 爆弾で吹っ飛んでしまったのか?
「オッ! ……おい見ろ!」
アマギはダンの代わりに、不思議な光の差し込む穴が、壁にぽっかりと開いているのを見つけた。
この地底1000mに光源なんて……
三人で覗き込むと、まるでビーカーとレゴブロックで作ったみたいな、独創的なデザインの建造物がわんさか立っている。
「これが謎の地震源か……」
「宇宙人の侵略基地かもしれない……」
「じゃ、ダンは?」
「おそらく、この中に……」
「探さなきゃ」
「うん……時間が無い、急ごう!」
その時、背後からピーピー煩い電子音と重たい足音が聞こえてきた!
振り向くと、パワーヌードルでも作ってそうな、前時代的デザインのロボットが、ハンマーのような左手で邪魔な岩を破壊しているところだった。
そうして射線を確保すると、こちらに右手の銃を向けて、意味不明の電子音を早口で発するロボット。
「セ゜ッ゜テ゜イ゜カ゜シ゜ョ゜ニ゜モ゜ト゜リ゜ナ゜サ゜イ゜」
「くそッ!」
俺は即座にウルトラガンで奴の頭部を撃ち抜く。
全身がスパークし、その場でゆっくりと段階的に崩れ落ちるロボット。
……だが、その背後からさらに二機のロボットが!
ジェットストリームアタックだとぉっ!?
「ア゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ア゙ア゙~↑!!!」
二機からビームの集中砲火を受け、その場で崩れ落ちる俺。
そうか! 原作と違って、帰り道での遭遇になったから、この地点に集まっていたユートムも増えていたのか!
ユートムのスタンビームを数発食らって、地面でもがく。二人に敵の弱点を教えたいが、うまく舌がまわらんっ!
そんな俺を庇うように、アマギとアンヌが前に出て、ウルトラ・ガンで応戦する。
二人のショットがボディに何発か命中するが、それをまるで気にせず前進してくるロボット達。
それじゃだめだ! こいつらのボディは頑強だ!
原作でも、ソガが早撃ちで、心臓に当たる部分を続けざまに三発も撃った(しかも全弾同じ場所に着弾していた!)のに、てんで効かなかったからな。
だが、そんな状況でも、この男ならやってくれるはずだ。
原作でも、敵の構造を咄嗟に見抜いたのは……お前だ! アマギ!
「そうか……! くらえ!」
十字に組んだ左腕を銃架にして、狙い澄ましたアマギのスペシャルな光線が頭部に命中すると、やはり今度もロボットの動きは止まり、スパークを伴いながら、段階的に崩れ落ちる。
「アンヌ、顔だ! 透明な部分を狙え!」
「了解!」
アンヌが素早く銃を構え、顔面を撃ち抜く。
大ぶりなパラライザーすら早撃ちしてみせる彼女は、射撃の腕も案外悪くはない。
残る一体を昏倒させて、なんとか襲撃を乗り切った。
「すまん……いきなりやられて不甲斐ない……」
「いやあ、お前が咄嗟に一体倒してくれていたからこそ、敵の弱点が分かったんだ」
「大丈夫なの? ソガ隊員?」
「ああ……ゴドラの麻痺電流に比べればなんて事ないさ……なるべく食らいたくはないがね」
こいつらもしかして、暴徒鎮圧用とかそういう用途なのかな?
スタンガンで昏倒させて、トドメを刺す用のハンマーなのか?
「もしかして、これがさっきソガ隊員の言っていた、ユートムなの?」
「ユートムだって?」
「あ、ああ……
「なるほど……なかなかいい案だな」
「ねえ、そんな事より、ダンよ! 彼を探さなくっちゃ!」
まあ、そうだ、
オレとしても早くこの話題から離れたい。
「よし、MS爆弾をとってこよう」
「えッ!? 破壊するのか?」
「当たり前だ、あの基地を残して、これ以上帰り道を妨害されちゃかなわん。第一、地震いの原因は取り除かないと!」
「そうか……そうだな」
本当は後からじっくり基地を制圧して、ユートム関連の技術をパクリたかったんだが……
そもそも、彼らの基地が一体何なのか、劇中でまったく示唆されないから、それも含めて調査したかった。
もしもノンマルトの基地だったら事だし……まあ、今となっては無人っぽいからその可能性は低いけど。
仕方ない、次郎を収容して余裕があるとはいえ、彼に早く治療を受けさせないといけないのは変わらない。
アマギの言う通り、基地を放置して追手を差し向けられちゃ、敵わんからな。
だが、ダンがいると思われる中枢部への道のりは、思っていたほど簡単ではなかった。
なぜなら入り組んだ基地に対して、俺達はマップを持っていないからである!
原作ではすんなり進んでたから、完全に盲点だった……
そんな我々がどうやって進んでいるかというと……
「おそらく……あっちだ。天井の配管が合流しているし、壁のコンソールもこっちの道にしかない。メインはこの道だ」
「確かに、ユートムもあっちに歩いて行くわ」
なるべく警備の厳重そうな方へ、当たりをつけて進んでいるだけだ。
アマギが言うには、例え無人基地とは言え、重要施設の設計というのは、いつの時代もそう大きくは変わらないらしい。
アマギナビゲーションに従っていけば、どんどんユートムとの遭遇率も高くなっているような気がするので、これで合ってるはずだ。しかし……
「こんなに警戒が厳重じゃ、思うように進めやしない……」
「ダンはどこに行っちゃたの?」
「ソ゜コ゜ノ゜フ゜タ゜リ゜ト゜マ゜リ゜ナ゜サ゜イ゜」
曲がり角で後ろから来たユートムに見つかった! 俺とアンヌに向けて攻撃してくるロボット。
アマギは死角になっているから、俺がなんとかせねば!
でもね、この肉体は射撃の名手。相手が一体なら問題はない。
「ダン……」
「こんなにユートムがうじゃうじゃいるなんて……彼はまだ生きているだろうか……」
「当たり前だ! ダンがそう易々とくたばるもんか。あの薩摩次郎とか言う男がミラクルマンなら、モロボシダンはウルトラマンさ! そうだろ!」
「うん!」
その頃、その問題のウルトラマンは熱処理加工機にかけられていた。
U-TOMの歩行型インターフェースに搭載されている粒子銃は、あくまで反逆者の鎮圧用であり、殺傷能力は低かった。なので、ここに運んできたのだ。
爆発のショックで活動を休止したこの侵入者は、通常の生命体以上のエネルギーを内包していたので、暴走した歩行型インターフェースの熱処理プロトコルを適用する判断を下したのである。
彼らの設計時には、地球にこんな熱量の高い生命はいなかったために、今現在、ウルトラセブンは、自分達と同じ、ロボットだと思われていたのだった。
(ここはどこだ……? 熱い! ぼくを焼き殺す気だな……)
インターフェースが加工機のスイッチを入れると、あまりの熱さに、気絶していたダンが目を覚ます
(畜生、殺されてたまるか! 早くウルトラアイを……しめたッ!)
ダンがもがくと、右腕だけがすっぽぬけて自由になる。
この加工機は、インターフェース用だったので、彼らのパイプのように太い腕を規準に設計されていた。
手錠を最小状態にまで閉めたとして、ダンの握り拳よりも太いサイズまでしか閉まらなかったのだ!
なにせ、彼らの右手は銃になっているので、これでも充分すぎるぐらいなのだが……
端的に言って、U-TOMは馬鹿だった。そりゃあそうだ。単なる警備機構に、そこまで高い判断能力は必要ないのだから。彼らは太古の昔、とある種族が奴隷たちを監視させるために作った、メンテナンス用の暴力装置にすぎない。
ダンを拘束し、処刑するに当たって、U-TOMはあまりに旧式すぎた。そもそも光線銃を撃ったり、人間大で融合炉のようなエネルギーを内包する種族と交戦するなど、最初から想定されていなかったのだ。なにせ彼らの現役だったころの地球上に、そんなものは居なかった。いるとすれば、それは彼らを設計した主人達のみであり……今となっては、彼らの判断を是正する存在は、既にこの禁断の惑星から、姿を消してしまっていた……
U-TOMのプログラミングの甘さに助けられたダンは運が良かった。流石はミラクルマン。
最も、手枷からは磁力で固定する機能も付いていたので、左腕はビデオシーバーがくっついて離れない!
だが、変身さえしてしまえば……
(ない!?)
胸を探ると、そこにあるハズのウルトラアイがない!
首を回すと、近くの机に、ヘルメットやウルトラガンと一緒に無造作に置いてあるのが見えた。
(しまった……このままでは死ぬぞ!)
余談ではあるが、U-TOMは、侵入者の武装を解除する際、このインターフェースは体に固定されていない追加パーツがやたらと多いなと、チェックリストを何度も確認する羽目になったものである。
(クソッ……せめて左手も抜ければ……まてよ、磁力? そうだ!)
ダンはある事を思い出し、ベルトのバックルについたスイッチを入れた。
これは以前、アマギが全員のバックルに施した磁力装置。
MS爆弾を投下兵器に転用する過程で、副次的に出来たものらしいが……ペアになっている特殊クリップをつけておけば、、ある程度の大きさまでのものなら、引き寄せられるという優れもの。
ただし、クリップは一つしかないため、みんなは専らウルトラガンを取り落としても拾えるように設定していた。
そんな中、特徴的な選択をした者もいる。アマギは十徳ナイフじみた万能ツールセット、隊長は手榴弾。
そしてもちろんダンは……
「デュワッ!!」
磁場の働きで、ふわふわと浮遊してきたウルトラアイを引っ掴み、ウルトラセブンに変身する!
レッド族特有の剛力で、残った戒めも軽々と弾き飛ばすセブン。
慌ててU-TOMがスタンビームを発射するが、もう遅い!
旧式の警備ロボットの速度では、到底その姿を捉えることなどできない。
セブンのいない処刑台の上を、粒子光線が跳ねる!
ようやく敵の姿をまともに認めたセブンは驚いた。
なんと! またロボットか!? しかもあの輝きは……間違いない! チルソナイトと宇宙コランダムじゃないか!
つまり、敵の装甲は非常に頑強ということ。度重なる機械人形との戦いは、どれもセブンをして苦戦の連続。このロボットも例に漏れず、強敵に違いない!
様子見の肉弾戦という選択肢をきっぱり捨てて、両手の二本指を当てた額から、強力な磁力線を発射し、いきなりロボットの体をひと薙ぎするセブン。
ハッキリ言ってしまうと、この時セブンは、敵を買いかぶっていた。もしもこれが、薩摩次郎を助ける前であったならば、迷わずワイドショットで焼き払っていたところだ。
最大火力で障害をさっさと排除して、直ぐに彼の元へ飛んで行っただろう。
つくづく邪魔されたのが、帰り道で本当に良かった。焦りと不安で、冷静な判断が出来なかったに違いないだろうから。
「デュワ!」
しかしなんという事だろう! 胴体に命中したにも関わらず、ビクともしない! キングジョオのように、無敵の装甲なのか!?
そして、セブンの光線を受け止めつつ、右手の粒子銃で反撃するロボット。ただし、こちらのスタンビームも、セブンの肉体に対しては蚊ほども効き目が無い。
ただ、この反撃に驚いたセブンが、少しばかり顔を跳ね上げる事にはなった。すると、額から照射され続けていたエメリウム光線もそのまま上へ……
ガタン、ゴトン。
拍子抜けするほど簡単に、ロボットは機能を停止してしまった。
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「くそ! 十字路で待ち伏せなんて!」
「アンヌ、危ない!」
「キャアッ!」
しかし、アンヌをスタンビームが襲う事は無かった。
そのまましばらく微動だにしなかったユートムは、彼女に向けて構えていた銃を降ろし、ゆっくりと地面に倒れ伏す。
そしてその後ろに立っていたのは……
「ダン!」
「アンヌ、みんな! 無事か!?」
「こっちのセリフだぜ!」
「信じてたよ!」
お互いの無事を喜ぶメンバー。
ダンの誘導で中心部へと案内された俺達は、そこへMS爆弾を張り付けていく。
タイマーはしっかり最大設定の30分。
マグマライザーへ戻って、そこから地上に戻るとなると、これでも急がないといけないくらいだ。
「走れ走れ!」
俺達が全力で走れば、ユートム達の足では到底追いつけない。
前方の部隊をなぎ倒し、マグマライザーへ直帰する。
「アマギ、アンヌ、マグマのエンジンをかけて来てくれ!」
「ソガ、お前はどうするんだ?」
「なんとかコイツを運び込めないか、試してみる」
そう言って俺は、足元に転がった機体を蹴り上げる。
最初に俺達を襲ってきたユートムの一体だ。
「すまんが、ダン。手伝ってくれ!」
「わかりました。せーの!」
「おっっも……ッ!! ふぬぬぬぬ……!!」
なんだコイツ! 重すぎて、2人がかりでも持ち上げるので精一杯だ!
「だ、だめだ……やっぱり諦めるしか……!」
その時、機体が少しだけ軽くなる。
これなら、なんとか歩けなくはない。
なんだ?
「おいおい、ウルトラ警備隊も……案外、貧弱だなぁ!」
「お前! 薩摩次郎!?」
「次郎君! 寝てなくていいのかい!?」
「あんたがたを呼び戻して来てくれって、かわいい女医さんに頼まれたんでな」
「け、怪我人に手伝わせるわけには……」
「なんだか知らねえが、このブリキ缶が、アンタにとって大事なもんなんだろう……? チュウ吉の礼だ」
「……お前は本当に、ミラクルマンだよ。……感謝する!」
こうして、俺達はユートムの残骸を一体だけ回収して、地上へと脱出できたのであった。
背後で盛大に爆発する地底都市。
――ウルトラ警備隊の活躍で、ふたりの尊い命が救われました。それにしても、あの巨大な地底都市。あれは、一体何だったのでしょうか……?
宇宙人の侵略基地だったのでしょうか。いやもしかすると、我々地球人よりも遥かに昔から地球に住んでいる、地底人類の文化都市だったのかもしれないのです……
……U-TOMは赤熱した。
てなわけで、第17話「地底GO!GO!GO!」こんどこそ終了です。
セブンのロボット怪獣好きすぎる……
こいつの活躍を飛ばすなんて、とんでもない!
次の更新をまったりお待ちください。