いつもの昼下がり…
今日も古道具屋店主は家で本を読んでいた。
本を読む事に集中する店主、霖之助の店に今日一人の客が現れたのだった。
「店主さん…あ、霖之助さん居ますか?」
今日店に訪れたのは香霖堂のお得意様、十六夜 咲夜である。
「やぁ、君か。いらっしゃいませ、本日はどのような品をお求めでしょうか?」
「あ、いえ、今回は買い物が目的で来たワケでは無いのです、すみません」
「じゃあ、一体どんな用件で?」
霖之助は微笑みながら訊いた。
「今日はこの前の異変の事も含めていろいろ話したいな なんて」
「そうかい。では、何か世間話でもするかい?」
「あ、はい」
「じゃあ、とりあえず近くの椅子に掛けてくれ」
咲夜は少しだけ頬を赤らめながら近くの椅子に座った。
「で、この前の事なのですが、本当にありがとうございます。実は私達ではまるで歯が立たなくて、正直どうしたら良いか困っていたんです…」
「そのようだったね、君の恰好を見て理解してたよ。では、レミリアはどうしていたんだい?」
「それが、お嬢様はカクカクシカジカで…」
咲夜はこの前の紅霧異変の事を教えた。
「なるほど、レミリアが異変の犯人で、その異変を解決すべく霊夢と魔理沙が現れ、無事解決。だが突然レミリアの妹が暴走、レミリアが止めに行きたいが、先の“騒動”で体力を消耗している為、動けなかった と…」
「はい…」
「何故レミリアはそんな異変を起こそうと思ったんだい?」
「理由は『霧で太陽を覆ってしまえば、昼も出歩ける筈』と考え、それで…」
「このザマか…」
「はい……」
霖之助は思った。
今の幻想郷で言う異変は、やる事は大掛かりでも事実的目的が小さ過ぎる と…
「君の主も妙な事を考えるね」
「でもやった事に後悔はしてないそうです」
咲夜のその言葉を聞いた時、霖之助は小さく笑った。
「そうか、それは良い事だ。誰にも異変を起こすなと言う規則は無い。だから自身の欲の為に異変を起こす者が居る。君の主がそうだ。だが、それが悪い事じゃ無いんだ。欲望を満たすと言うのは誰にでもある逆らえない行動。それでいて、とても正しい行動なんだ。誰も欲望が無ければ動かない。悔いを残さないのは、また別の事に対して新たに取り組める事。レミリア多分、またいつか別の異変を起こすだろう。でも、それもまた霊夢達に止められるかも知れないけどね」
「えぇ…」
「あぁ、すまない。いつもの語り癖が出てしまった。今、お茶を淹れて持って来るよ」
霖之助は店の奥へ行き、台所へ向かって行った。
暫らくした後に霖之助はお茶が入った湯呑を二つ持って来て、咲夜に一つを手渡した。
「ありがとうございます、頂きます」
礼を言い、咲夜はお茶をすする。それから暖かな笑顔になった。
「暖かくて美味しいです」
「それは良かった。しかし、もう秋か。それももうすぐ去り、冬となる」
「寒くなりますね」
「そうだね」
すると咲夜はお茶を飲み切り、霖之助の前に置いた。
「お茶、美味しかったです。お話も出来て良かったです。また来ますね」
「ああ。ただ、出来れば今度はお客として来て欲しいね」
「わかってます」
そうして、咲夜は笑顔で店を後にした…
続く
十六夜 咲夜
能力:時を操る程度の能力
「咲夜」の感情が上がった
「咲夜」の遠慮が下がった
「咲夜」の魅力が上がった
「咲夜」の女子力が上がった
「咲夜」は霖之助を恋愛対象として捉えた
セーブ? そんなもんは無い!
恋愛ゲームじゃないぞ!
ではまた次回…