戦闘はないし、シリアスも多分ないです。
零シリーズもっと流行れ。
「はぁ…」
私の名前はマンハッタンカフェ。
トレセン学園に所属するウマ娘の一人。
いつものように『彼女』に追い付くためにトレーニングをしていたのですが…
「やあ、カフェ。調子は如何かな?」
私に話しかける彼女はアグネスタキオン。毎回薬を飲まそうとしてくる、一応友人です。
「・・・どうして話しかけてきたんですか?」
「いやなに、いつになく焦っているように見えてね、気になって話しかけたんだ。迷惑だったかい?」
・・・この人に思いやる心があるとは思いませんでした。
「もしや、君の『お友だち』関係の事かい?」
「・・・よく分かりましたね」
研究にしか興味無さそうなこの人に心配(?)されるほど私が焦っている理由は、つい先日の出来事からでした。
◆
「すまないが、契約を破棄して欲しい」
そう切り出したのはトレーナー…いえ、元トレーナーからです。
「それは…どうしてですか?」
驚きながら理由を聞いてみると―
私が『お友だち』と喋っていると怖がる子がいる、からだそうです。
そこで元トレーナーは言いました。
「君が妄想を止めてくれれば破棄しなくてよくなるんだが…」
「・・・」
◆
「そして契約を破棄した、と」
「そういうことです」
『あの子』に追い付くためならトレーナーが必要だと思っていっていましたが…
「カフェにはチームは向いてないんじゃないのかい?」
「そもそも、私には無理なのかもしれません…」
そう話していると、『あの子』が申し訳なさそうにそこにいました。
「どうしたの?」
―私がわざと邪魔をした―
その言葉を聞いた私は驚きました。
「『お友だち』かい?何て言ってるのか教えてもらっても?」
「わざと…私がいたチームを邪魔していたと…どうして?」
―あなたには向いていない所だった―
「でも、私は…追いつきたくて…」
私のために行動してくれていたのは分かります。でも…
「カフェ?どうしたんだい?」
◆
カフェはうつ向いたまま、どこかに走り去ってしまった。
ふむ…いつもとは違う様子だったから、面白い実験結果が出るかと思ったが(もちろん実験の事はカフェには言っていない)話しかけたが…怒っているような、悲しんでいるような、いろんな感情が渦巻いていたように見える。その理由は多分…
「そこにいるか分からないが、ああなったのは君のせいかい?」
ついさっきまでカフェと喋っていた彼女の『お友だち』に聞いてみる。
「・・・」
まあ、見えも聞こえもしない私に伝えるわけないか。
しかし、急に強い風が起きたのは気のせいではないことにしておこう。
「あの…少し良いですか?」
そこに、トレーナーバッジを付けたいかにも新人ですという女性がいた。
「私に何か用かい?もしや、スカウトかい?すまないが、今はまだ…」
「いえ、あなたではなく、そちらの
何を言っているんだ、ここにいるのは私だけ…いや、まさか!
「さっきは迷子になっていたところを案内してもらってありがとうござい「君には見えるのか!?」え?」
「私には見えない、いや、私以外は私の知る限り一人を除いて見えもしないし聞こえもしないんだ!話を聞かせてもらえないか!?」
「え?ちょ、ちょっと…」
◆
「どうぞ、紅茶でいいかな?」
「・・・あ、ありがとうございます」
少し不満そうだがまあ良いだろう。
「どうして見えるのか聞いてもいいかな?」
「・・・えっと…」
「言いづらいのなら言わなくてもいい。だが、もし言えるところがあるのなら言ってくれると嬉しい。そうそう、名乗り忘れていたね、アグネスタキオンだ」
そう言うと、彼女は悩んだ末、話し始めた。
「・・・見えるようになったのはある事故がおきたからです。事故の事は、すいません…あまり話したくないです。それから見えるようになって…」
ふむ、事故か。きっと私では想像できない事故がおきたんだろう。気になるが、無理に聞こうとするほど倫理観を捨てたつもりはない。
「迷子になっていたところを案内してもらった、と言っていたね」
「はい、普通の人にしか見えませんでしたから、疑わずついていったんですが…それで、ここにいるのが見えたのでお礼をしに来たんです…え?」なら、お願いがある。カフェのトレーナーになって欲しい
「どうしたんだい?」
「お願いがあるそうなんです
カフェ?さんのトレーナーになって欲しいそうなんです」
◆
はぁぁ…
『あの子』は私のためにやってくれたのは分かっているのに、どうしてあんな態度を取ってしまったんでしょうか。
なかなかトレーナーがつかない私を担当してくれたあの人。
信じてくれていたはずなのに…いや、最初から信じていなかったんでしょう。私を担当する方便だったんです。
『あの子』に追い付くためには、トレーナーが必要と思っていましたが…私には無理だったんです。
やっぱり、私一人で追いつかなきゃ。
まずは謝りに行こう。あんな態度を取ってしまったから。
そう部屋から出ようとすると、
コンコンコン
ノックが聞こえてきました。
ここはトレセン学園の誰も使ってない教室、中に誰かいるとは普通思わないはず…
・・・!この感じ、『あの子』!
じゃあもう一人は誰?
そう悩んでいると、ノックをしたと思われる人物が扉を開けて入ってきました。
「失礼します・・・えっと、カフェさん…ですよね?」
私がここにいることが分かって、入ってきた?誰にも見られず入ってきたはずなのに…
「・・・はい、そうですが…私に何か用ですか?」
「あなたの『お友だち』からのお願いで、会いに来ました」
今、なんて!?
「ま、まさか見えるんですか、『あの子』が?」
「はい、私も見える体質なんです。少し、昔から。話が、あるそうですよ」
―ごめん、カフェ―
「いいの、私のためにやってくれてたんだよね」
―それでも、せっかくスカウトされたのに―
「あなたをひどく言う人にはついていきたくない。それに、私はあなたに追いつきたいから」
―なら、この人はダメ?―
そう『お友だち』はそう言いました。でも、
「あなたはいいんですか?私を担当したいんですか?」
「・・・私は、成り行きでトレーナーになってしまったんです。どうトレーニングするかなんて、他のトレーナーに比べたら分からない。でも、生きてみたい理由にしたいんです。こんな理由でいいなら」
そう語る彼女は放っておくと、何処か、分からない場所に『いって』しまいそうな顔をしていました。
私は彼女の『手を握り』、語りかけました。
「お願いがあります」
急に手を握られて驚いている彼女に私はこう言いました。
「私の…トレーナーになってくれませんか?」
彼女は私の顔をみて、
「分かりました。契約しましょう」
と言ってくれました。
◆
その後、トントン拍子で話が進み、無事、正式に契約しました。
私はちゃんと名乗っていないことを思いだし、名乗ることにしました。
「私の名前はマンハッタンカフェです。良ければ、トレーナーさんの名前を教えてくれませんか?」
「・・・
「いい、名前ですね。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
こうして、私達の物語が始まりました。