戦争狂じゃないんです!!(リメイク版)   作:ベーコンエッグトースト

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どうも、投稿主です。

今回は、前回の半分程度の字数なので早々と投稿させて頂きました。


それでは本編をどうぞ!!


第三話 知ったことではない

ジャキッ...

 

懐から某怪盗三世も愛用するドイツの名銃『ワルサーP38』を取り出し、彼女────重巡リ級の口へと突っ込む。

 

「ッガ...?!!!」

 

「さて、ここで喋らなければお仲間がどうなるかわかっているだろうね?」

 

なるべく悪い顔(昔刑事ドラマで見た)を意識しながら捕縛された深海棲艦の片割れ...、戦艦ル級へと凄む。

 

「キッ、貴様ッ!!」

 

「お、おい...!!」

 

止めないでくれ!!長門!!

これは彼女達の為に必要なことなんだ!!

 

 

 

 

 

 

あ、どうも俺です。

今現在の状況を説明するのであればリ級の口に拳銃突っ込んでル級を脅迫しているところです。

 

 

 

あぁ!!まてまてまてまて!!違う違う!!

別にそういう趣味に目覚めたとか、諦めてミレニアム思考に染まることにしたとかそんなんじゃないからッ!!

 

そう!これは全て彼女達のためなんだ!!

 

 

捕虜として捕らえられた彼女達だけど、多分このまま有益な情報を引き出せないようなら確実に処分されること間違いなしだと思うんだ。

 

確かに彼女達は敵ではあるものの、このまま殺されてしまうのは俺としてはあんまりだと思う。そこで彼女達に有益な情報を喋って貰うべく一番効果的な方法として選んだのが『脅し』という訳だ。まぁ、俺の残念な頭ではそれ以外に方法が思い浮かばなかったってのもあるけど...(もちろん万が一がないように弾倉から弾は抜いてある)

 

 

「さて、もう一度聞こうか?君の知っている情報を話したまえ?全てだ」

 

「グッ、グググググ...!!」

 

 

な、中々喋らん!!

 

仕方ない、ここは強硬手段に出るしか無さそうだ...。

 

 

俺はゆっくりと見せつけるように引き金へと、指をかけた。

 

「ヤ、ヤメロ!!ヤメテクレッ!!分カッタ話ス!!」

 

 

もちろん本当に殺す気は無い。

弾丸の入っていない拳銃の引き金を引いたところで、鳴るのは撃鉄がうち下ろされる音くらいのものだ。

 

しかし、その音でさえ今現在のこの緊張状態による心的疲労によって、心をへし折る一つの要因となるだろう。

 

(はーい、ちょっとガキンツ、となりますよー)

 

 

───そう、本当にただ脅しの為だけの行動だったのだ。

 

 

 

 

しかしてそれは、俺が想定していたものとは全く違った結末をもたらす。

 

 

引き金をゆっくりと押し込んだ瞬間に響いた音。

 

撃鉄の打ち鳴らされる音。

 

発射薬の爆ぜる音。

 

遊底が動き空薬莢が排出される音。

 

固定された遊底と銃口から...、重巡リ級の口から吹き上がる硝煙と血飛沫。

 

 

 

 

(なにが...、起きた...?)

 

 

気がついた時には全てが遅すぎた。

唖然とする俺の目の前で彼女は...、重巡リ級は物言わぬ骸と化していた。

 

(い、いや...、まさかそんな...!!ありえない?!!!弾丸はキチンと抜いておいたハズなのにッ?!!!)

 

 

 

(あぁ...、俺が慢心したばっかりに...)

「その傲慢さが彼女を殺したのだよ」

 

 

「殺スッ!!殺ス殺ス殺ス殺ス!!殺シテヤルッ!!」

 

殺意を宿らせ血走った目を限界まで見開き、ル級が鎖による拘束をものともせずに飛びかかって来た。

 

リ級を殺してしまったショックと飛びかかってきたル級の剣幕に驚き一歩後ろによろめいた瞬間、『カンッ』革靴のそこが打ち鳴らされ...。

 

(あぁッ、待て!!今のは合図じゃ...ッ?!!!)

 

ザッ,

 

靴音の鳴り響く音と同時に俺とル級の間に割って入る大隊員達。

 

 

そして...

 

ダダダダダダダダダダダダダッ!!

 

けたたましい大音量、思わず目を細めてしまう程のマズルフラッシュと共にMP40より吐き出される9mmパラベラム弾。

 

吸血鬼の超感覚を持ってして撃ち放たれた無数の凶弾は的確に、正確にル級を捕らえ...。

 

 

『ア゙ア゙ァア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ァァア゙ア゙ア゙...ッ?!!!!!』

 

 

自らの主へと喰らいつかんとする敵を一片の容赦もなく肉塊へと変えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______________________________________________

 

 

(はぁ...)

 

内心ため息を吐きつつ、司令室の椅子に深く腰掛ける。

 

 

 

(あぁ...、やっちまった...)

 

 

どうやら俺は、少佐フィルターのことを少々見くびりすぎていたのかもしれない。

 

しかもそれだけではなく、今回のことについてはほぼ8割がた俺が原因とも言える。だってそうやん?

 

事実少佐フィルターは今回なんも喋ってない上に、余計な動きもしていないんやで?

 

 

 

はぁ、つくづく自分が嫌になってくる...。

 

 

(気分がブルーすぎる...。なんか甘い物飲みたい...)

 

 

(ドク〜、作中少佐が、ココア飲んでたでしょ。あれ持ってきて...。アレ?でも作ってたのはウォルターだっけ?まぁどっちでもいいけど...)

「ドク、バンホーテンのココアをよく練って持ってきてくれ。ミルクと砂糖をありありで」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふぅ、やっぱ疲れた時は甘い物が一番や。

 

なんだっけ?ハリ○タでもソウルバキュームお化けに出くわしたら甘い物食べればいいんだっけ?なんか違うような...。

 

 

ゴゥウウウウウウン、ガコンッ!!

 

 

(ん、誰?)

 

司令室の扉が開閉した音がしたので、視線をそちらへ向けてみる。

 

 

ドク...、は隣にいる。

 

ヴェアヴォルフの面々の可能性もあるけど...。

 

 

そこに居たのは...、

 

 

 

「失礼するぞ」

 

 

......。

 

 

 

ア、ドウモ長門=サン

 

 

 

...て、えぇッ?!!!!!

なんでここに長門がいんの?!!!

 

ま、まさかさっきの虐殺劇見て危険因子と判断し直接殺しに来たとか?!!!

一応、俺の前に『指揮者の嗜み』があるけど、流石に戦艦娘相手に耐えられるかわからんぞ?!!!

 

 

 

て、ちょっと待て一回落ち着こう。

なんで交戦すること前提なんだよ。まず、こういう時は話し合いから進めるべきだろう。

 

(あ、あの〜何故ここに...?)

「ん、どうした?何か用事かね?」

 

 

 

やっぱさっきの件もあるのか若干警戒しているような視線を感じる...。

 

 

けどまぁ、一応警戒しつつも答えてはくれたのでその返事として得られた情報を整理すると、

 

『先の戦闘によって航行不能レベルのダメージを負ってしまった為鎮守府まで乗せていって欲しい』との事だ。

 

え、えぇ...。

いやまぁ、乗っけてく分には別に構わないのですけどね?

あのデッカイ戦艦どこにしまったんスか...?

 

 

「?もちろんココにだが?」

 

 

艦娘なら知ってるだろう?と言わんばかりの顔でこっちを見てくる長門。

 

 

その指の指し示す先は、チチ、胸...、π...、じゃなくて体ッ!!

 

 

 

(え、えぇ...(困惑)あんなでっかいブツがその細っそい体に入るの...?)

 

 

艦娘の神秘をまた一つ知った気分であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_______________________________________________

 

 

とりあえず長門を立ちっぱにさせとくのもあれだから、大隊員達に適当な部屋から机とソファーを持ってくるようにお願いして、ついでに甘い物好きであったのを思い出しドクにココアを入れてきて貰ったのだが...

 

 

座りこそすれど未だに警戒されているのかココアに手をつけることは無かった。

 

 

(あ、あの〜。飲みません?美味しいっすよ?ドク作のココア。あ、後で飲むんすか、ソウナンスカ...)

 

 

どうしてくれよう、この空気

 

時折、司令室の計器の音が鳴り響く中 他に聞こえる音もなく、あるのは耳が痛くなる程の沈黙のみ。

 

 

(さすがに気マズすぎる...)

 

何とも言えない空気感の中をひたすら耐え抜く。

 

 

 

そんな俺にとって地獄にも等しい時間は唐突に終わりを告げた。

 

 

 

『代行指揮官殿』

司令室の気マズすぎる沈黙を破ったのは、艤装妖精からの報告であった。

 

(ナイス、艤装妖精!!よくやった!!)

 

内心ガッツポーズを決めつつ、話の続きを促す。

 

 

『先の戦闘の生き残りと思わしき反応を発見しました。恐らく、速力から推測するに駆逐艦(デストロイヤークラス)かと』

 

あ、敵さんの残り?

 

(うーむ、出来れば戦闘は極力避けたいから無視したいのだけど...。て、どったん長門?そんな難しい顔して?)

 

 

 

「まずいな...、確かこの辺りは地元漁師たちの漁場だった筈だ。場合によっては死傷者も出るかもしれない」

 

 

 

あぁ、なるほどそういうこと...、この近くは地元漁師の仕事場なのか...。

だったら見逃す訳にもいかないよな〜。てか、こんなとこで駆逐艦なんて沈めて、取れ高に影響とか出ないのかな...?

 

ま、まぁ、シラネ...。

 

 

「ふむ、原住民(海域の魚)がいくら死のうが、知ったことではないがコレでは埒が明かない。とはいえ見逃す訳にもいかんだろうしね」

 

 

「なッ?!!!原、住民...?!!!」

 

いや、少佐フィルター、どんな吹き替えしてんだよ。てか、長門がなんか驚愕してるけどそんな環境保護に積極的な艦娘だったかな...?

 

「では、いかがなさいますか?」

 

そう、そこなんだよ。

残りのV1改の数に不安があるから正直、戦闘は極力避けたいのだけれど今回の場合はそうもいかない。ただそう。今回俺にはちょっとしたアイデアがあるのだ。

 

「格納庫ハッチを開き、8.8cm高射砲(アハトアハト)を撃ち下ろせ」

 

「ハッ...?いえ、しかし代行指揮官殿。命中させるのは困難を極めると思われますが...?」

 

ダイジョーブ!!ダイジョーブ!!

大体、ドクは完璧主義すぎるんだって。どうせアレやろ?『成功率100%じゃあないから』とかそんな理由でしょ?まぁ、見てなさいって。でもまぁ、そこまで言うなら...

 

「まぁ、見ていたまえ...。あぁ、そうそう。V1改の発射口も開いておけよ?」

 

「了解しました。代行指揮官殿」

 

まぁ、余裕で当たるだろ。

 

 

 

 

 

 

───そう思っていた時期が俺にもありました。

 

 

 

 

 

 

波に揺られれて、ゆーら、ゆーら、揺れる敵駆逐艦。

 

風に煽られ、ぐーら、ぐーら、揺れる飛行船。

 

 

......。

 

 

ダメだドク、当たらん。

 

 

 

いや、完全に予想外なんだけどッ?!!!

 

正直嘗めてたわ!!うん!!

 

あぁッ!!もう!!

あまりにも当たらなさすぎて司令室がお通夜みたいな雰囲気になってるよ!!

 

多分あれじゃん!!

このまま当たんなかったら、『やっぱコイツ無能じゃんww★KOROSE★』的な展開になるに違いnight!!

 

 

嫌だ!!死にたくない!!

当たれ、当たってください、当たりなさい、当たりたまえ、当たっておくんなまし、当たれッ!!スットコドッコおぉおおおおイぃいッ!!

 

ゼェッ,ゼェッ,ハァッ,ハァッ...。

 

 

 

そんな俺の切なる想いが天の星々へと届いたのだろうか。

 

その瞬間はハッキリと見えた。

 

そう、それこそ俺の近眼のメガネ越しにもハッキリと見えた。

 

 

風の揺れと波の揺れが奇跡的に重なる瞬間が、砲の射線軸が 奇跡的に駆逐艦を捉える瞬間が。

 

 

(あったれぇッ!!)

 

 

アハトアハトより砲弾は吐き出され

 

 

 

 

 

 

 

カーン...

 

 

 

 

 

海中より浮上してきた戦艦棲姫により、弾き返されるのであった。

 

 

はぇ...ッ?

 

アイエェエエエッ?!!!戦艦棲姫?!!!!!戦艦棲姫ナンデ?!!!!!

 

 

 

おおおおぉおおおちつけ、うろたえるな!!ゲルマン艦娘はけしてうろたえなどしない...ッ?!!!!!

 

(なんかよくわかんないけど戦艦棲姫出てきたから早くV1撃って!!)

「ほら、出たぞ?早いところ仕留めたまえ」

 

 

『ハッ!!V1改、全弾発射』

 

 

先の戦闘により、決して少なくは無いダメージを負っていた戦艦棲姫は新たに投射された24発のV1ロケットに耐えられる筈も無く黒煙を吹き上げながら横転、その巨体は真っ二つに裂かれ海底深く沈んでいった。

 

 

 

(ふぃ...、た、助かった...)

 

 

 

 

て、アレ?敵駆逐艦は?

 

 

『ロスト、恐らく潜航し海域より離脱したものかと。追跡は困難と思われます』

 

 

(そっか...、怖いからこれ以上追うのは止めとこ...)

「そうか...、まぁいい。追撃は無しだ、予定通り日本国本土を目指すぞ」

 

 




旧作からの変更点:
・処刑シーンをガブガブからダダダダへ変更
・長門は自力で帰ったのではなく乗せていってもらった
・道中のストーリーを追加

投稿主小話:
ちなみに主人公のワルサーが弾丸を抜いておいたにも関わらず射撃できてしまった理由としては『薬室に一発、弾が残っていたから』ですね。

(主人公君がわざわざ口に拳銃突っ込んだ理由としては長門から『深海棲艦は通常火器の攻撃を受け付けない』と聞いていたので、ただ単に突きつけるだけでは対して脅しにならないと判断したからですね。主人公君のは『艦娘が携行する拳銃』ですから普通に撃っても普通に○せます)

それでは次回、お楽しみに!!
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