ふたなり自己妊娠系狐獣人始祖不滅ロリババアになりたいから書いた話。 作:砂透腐
番外編に置いていた ある日見た夢 をこの話の直前に移動させました。
枝の話
意識がぼんやりとしている。
真下に枝が見える。
枝を辿ると、遥か遠くに分かたれた、この枝とよく似た、まるで双子の片割れのような枝が見える。
2つに分かれる前、ずっと向こうに続く太い枝は、所々から同じように枝分かれしていたり、完全に折れてしまっている枝なんかもある。
幾つも枝分かれし、幾つも葉が生え花が咲き、いくつか実がなり、そして落ちる。
そんな、普通のような、けれども、不思議な木。
全て似ているけれども、全て少しずつ違う。
真下の枝からは、少し、安心感を感じる。
枝に近付くごとに、意識が薄くなっていく。
あぁ……視界に枝が迫る、飲み込まれ……
木の話
ある枝から生える葉/枝があった。
その葉/枝の話。
ある時、一つの存在がいくつかの存在を混ぜ合わせ、新たな物とした。
枝は、分かたれた。
ある時、新たな物と、元になったものが子を成した。
枝は、また分かたれた。
ある時、新たな物の子に、元になったものの特徴が強く現れた。
枝は……
一つの存在が、また新たな物を生み出した。
世界は観察をやめ、その存在の生み出した者達を基盤にして世界に受け入れ、模倣することにした。
それが存在することが可能なのならば、拒絶するのではなく、受け入れ、自らの一部と成す。
循環は僅かに力強さを増し、世界は微かに輝きを取り戻した。
噂の話
ある時、人間達の間に、いくつもの噂が流れる。
人のように二足で立つ獣が村を作っているのを見た。
獣の様な姿をした人のような物が走っているのを見た。
いくつもの丸太を担いで移動する獣のような人を見た。
といったような物。
しかし、いくら探そうともそのような物は見つからないし、そもそもそんな存在が居る訳がない。
だが、噂は変わらず広まってゆく。
火のない所に煙は立たない。
姿形の見えない影に、人々は噂を信じ、信じず、困惑や、興味や、不安、恐れなど、様々な感情を抱いた。
とある里の話
その里は、険しい山の中にある。
その里は、切り開かれた森の中にある。
その里は、珍しい者達が住んでいる。
その里は、非常に奇妙な里である。
その里の外れに、大きな木がある。
その大きな木は、大きく、太く育っており、いくつもの木が絡まったような見た目をしているが、元は一つの木である。
里の者はこの木を愛しているという訳ではないが、それでも大切な物だとは思っているようだ。
この里の者は常にその木の存在を感じる事ができ、道に迷う事は殆どない。
里の者が命を終える時、亡骸はその木の下に横たえる。
亡骸は木の一部と化し、木はその身を大きく、太くしてゆく。
落ちた実は、再びその木へと帰ってくる。
私達からすればこの世界は世界に見えている。枝
けれども、この世界を物語と認識している存在が居たら?
この世界は物語上の架空の世界になるのか?葉
その存在からは物語として見えているけれども、私達にとってはここは物語ではなく世界。
仮にこの世界が物語だとしたら、この世界の主人公は誰?見る者によって主人公は変わる?