Helpless   作:ZK

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今回は銃撃戦とかはお休みです(戦闘が無いとは言ってない)。そうしないと警察が人員的な理由で壊れちゃーう(多分)と思って。(討死するドンパチ系タグ)
死人が出ない回にしたい(願望)


広至日本パトロール編

「あーあ。今月金欠かぁー。」

馬場警部補がいきなり高取の歓迎会と称して飲み会を開き、参加する羽目になった。使えるお金が減って節約しなくてはいけない。

「僕もですよ。まぁ、まだ仕送りは来ていますが。」

高取がそう返事をしてくる。まぁ彼はそこそこの名家の出らしく、食の局限はしなくても良いのだろう。・・・羨ましい。いや、国の為に命を賭けてきた家系に生まれたのが不満とかじゃない。ホントに。と思っていると、

「にしても、お酒入ると変わりますね。」

と高取が言ってきた。

「え?」

「いや、なんか、こう・・・」

 

ー昨夜ー

 

「高取巡査を歓迎して、乾杯!」

警部補の掛け声の後、歓迎会が始まる。とは言っても、居酒屋でワイワイするだけ。まぁ、楽しかったから良いけど。最近お酒を飲まなかったせいでお酒に弱い事を忘れていた。・・・実は解散までの記憶が曖昧だったりする。

 

「で、警察学校落ちたら社会科の教師やろうと思ってたんスよー。」

もう酔ったのか、上体がふらついている長谷川巡査がそう言って手にしているビールを飲む。

「因みに、嫌いな教科って何だったん?」

黒岩巡査が口を開く。彼も少し目が泳ぎ始めている。2人とも酒に耐性のたの字も無いのか・・・(困惑)。

「そりゃぁもー数学ッスよ。あれは鬼畜ッス。」

「あー。俺もいつも分からんかった。ハッハッハ。」

酒には強いらしい馬場警部補も続いたその一言に、つい、

「え、そんなですか?」

と言ってしまった。長谷川巡査は少し僕を睨むと、

「だってさー、あれテストでいきなり変化球投げてくるやん。分かるわけないやん。」

と言ってきた。数学者の家系の血が、高校数学テスト学年1位3連覇の血が騒ぐ。

「えー、楽しいじゃないですか。橋造って向こうに渡る感じで。」

「でもさ、公式覚えても訳分からん問題でてくるからさ、やっぱさー、覚えればそのまま点数に繋がる社会科の方が至高よ。」

そう言って長谷川巡査はまたビールを飲む。

「「うはー!」」

丁度近くの座敷のオッサンと長谷川巡査のが被る。酒入るとオッサン臭いなこの人(驚愕)

「ですが、数学って・・・。」

そう言いかけたとき、

「論理的思考力を養うってんなら、戦略ゲームでも良いと思うんス。」

と被せてきた。

「でも覚えるだけって誰でも出来るんじゃ・・・。」

と反撃として言うと、

「えぇそうよ!でもね、私ぁこうして警官になれたわよ!」

と返された。が、

「・・・あれ、私何の話ししてたっけ?まぁ、良いや・・・。」

と、いきなり寝始めた。

「グゴオオオ、グゴオオオ」

という女性のイビキとは思えないイビキをたてて。

 

「・・・って感じでですね・・・。」

「・・・///」

昨夜の話しを聞いた長谷川巡査は、まるで真っ赤な梅干しみたいになっていた。

 

高取に秘密にしてほしいとお願いすると、学校に向かう小学生達が見える。私が入院していた時(2話目参照)に、学校周りもパトロールのルートに入っている。

「・・・?あれって・・・。」

高取が指さす先には、塀の影から顔を覗かせる男性がいる。

「まさか・・・ね。一応職質するよ。」

そう言って2人でパトカーを降りてその男性に近付く。

「・・・あの、少しお時間頂けますか?」

恐る恐る話しかけると、男性が振り返る。あ、あの時のトラウマが。やめて、今出ないでお願い。

「え?あぁ、何でしょう?」

男性は少しビクついたが特段抵抗せず職務質問に応じた。

「え、えーと、ここで何を?」

トラウマを触発されて私も思わず固くなる。男は、

「あぁ。いや、気になったもので・・・。」

と答える。

「小学生達の何が気になったんです?」

高取が口を開く。今度は肝は据わっている顔だ。男は、ゆっくり向こうに居る小学生の一人を指差し、

「あの子、息子なんです。ちょっと、学校での様子が、気になってしまって・・・。」

と言った。本当かは確認出来ないが、一応身分証を見せてもらう。

「本部、本部。この方の照会求む。」

「了解。・・・大丈夫だ。特に怪しい事はしていない。」

まぁこの人目の中で誘拐しようとは思わないはずだが、と思っていると、さっき男性が指差した男の子がこっちを見て、走ってくる。

「パパ?なんでここに居るの?」

と彼は男性に話しかける。どうやら本当に親子らしい。

「すみません。御協力感謝します。」

そう親子に言ってその場を離れる。と、見慣れた顔が話しかけてきた。

「あ!美夏さん!」

そう、あの誘拐事件の時に保護した女の子だ。今もちょくちょく署まで会いに来てくれている。

「あら。さやかちゃん、元気そうね。」

そう返すと、さやかちゃんと一緒に居た他の子供が、

「行こ。お金取られちゃうよ。」

と囁いたのが聞こえた。

「ん?ごめん。何だって?」

高取が真っ先に反応したが、子供はすぐさま立ち去ってしまった。首を傾げていると、さやかちゃんは、

「ごめんなさい。実はあの子達・・・。」

その後の彼女の言葉に、私達は耳を疑った。最近警官を名乗る人物が、当て付けのような理由で罰金を課しているという。

「・・・どこで見たとか聞いた事ある?」

私達は聞いたその場所へ向かった。

 

「にしても、警官に成りすますとは、クレジットカードの詐欺位でしか聞いた事ないですけど。」

高取がそう言うのに、

「まぁ、最近は拳銃が私物でも可になって、拳銃が違う型式でも怪しまれないのもあるのかしらね?分からないけど。」

と答えると、パトカー・・・の様な車両が現れ、中から制服姿の警官が現れる。そして通行人の一人に話しかけると、何かを話し始める。

「あの警官、警察手帳を出さなかったわ。」

本来なら、制服警官でも警察手帳と携帯と提示は必須であり、この警官は少しばかり怪しい。

「そしてよく見るとあれ、西35(・・・)ですよ。」

高取が言う通り、あのパトカーの番号はこの車両と同じだ。

「・・・決まりかな。よし、尻尾引き抜いてやるわ。」

そう言って、応援を要請し、その現場に向かう。

 

「ですから、一時停止しなかったので罰金7000円です。今ここで払って下さい。」

そう言って詰め寄る制服警官に、

西35(・・・)、現着。」

と言い、割って入ると制服警官は

「・・・え?」

と顔を真っ青にする。

「あれ、顔色が悪いですよ?大丈夫ですか?・・・えーと?」

高取が聞くと、

「う、宇曽です。」

と相手は答える。

「因みにパトカー見ると、西署所属ですか?あーいや、お会いした事が無いなーと思いまして・・・。」

すると

「わ、私は秘密裏に動く部署で・・・。」

「それでは、何故制服を?秘密裏なら、私服とかじゃないと。」

少しの沈黙の後、

「・・・全く。勘のいい警官は嫌いよ!」

その言葉と共に拳銃を抜いた偽警官に、ほぼ同時に拳銃を構える。周りの市民は蜘蛛の子を散らす様に逃げていく。

「・・・銃を捨てて。こっちは2人居るのよ。」

そう命令すると、

「・・・チッ。」

と、銃を捨てる時、視線が銃に向いているその時、下からの攻撃に襲われた。

 

「ハウァッ!?」

長谷川巡査が凄まじい声を上げて倒れ、物凄い形相でのたうち回る。僕の股にも悪寒が走った。

「長谷川巡査がやられた!?この人でなしー!」

「ひ、人でな、ブッ!?」

そう言って放った飛び蹴りは、見事命中。偽警官は2、3回転がって気絶した。そのまま確保し、長谷川巡査を向くと、

「(´×ω×`)」

といった顔でうずくまり、小1時間動かなかった。

 

「「・・・。」」

パトカーの中は静寂に包まれていた。

「・・・お手柄だったわね。」

まだ顔が薄ら青い長谷川巡査が口を開く。

「え、あぁ、どうも。・・・先輩大丈夫ですか?」

それとなく聞いてみると、

「・・・あの事黙っといてよ?」

長谷川巡査はそう呟く。実際、拳銃の騒ぎで逃げていった市民には見られずに済んだ。しかし応援としてやって来た内の黒岩巡査だけは、知ってしまっている。

「・・・ワイは何も見てない。誰にも話さない。」

そう黒岩巡査は言っていた。以心伝心かよ。・・・でもよく考えると、目があった瞬間、二人とも顔が少し赤かったような、そうじゃないような・・・?

「あの事広まったら私には社会的な死が待ってるわ。いわゆる"お嫁に行けない"って奴。」

「大丈夫ですよ。・・・多分。」

「・・・多分?」

 

ーー西南区偽装警官詐欺事件1次報告ーー

損失:人員、車両共に無し

西南区において、偽の警官が罰金として金銭を詐取する事件が横行しており、犯人は全ての犯行の関与を自供。同一犯と分かった。市民からの通報を受けた西35が、西35に偽装した乗用車を発見。銃撃戦に発展する1歩手前だったものの、高取巡査が犯人を確保。なお、犯人の供述では、四菱銀行強盗事件にて西35が大破したのを偶然発見、欠番になると踏んで西35に偽装したとの事。

 

「・・・ワイは何も見てない。誰にも話さない。」

そう言って現場を後にしたが、なかなか変な絵柄だった。股を抑えてのたうち回る長谷川、困惑する高取、なんかゴメンみたいな顔をして連行される偽警官。・・・詐欺師が蹴っておいてそんな感情を抱くのかは置いておく。連行していった仲間は何故か気付かなかった。秩序を守り、母国に貢献したい一心で警官になり、出会った時に、(人間関係的な意味で)上手くやっていけそうと思った、初めての気がおけない異性の友人だからか、罪悪感を感じた。今度コンビニのケーキでも買うか。そんな事を考えつつ、パトロールに戻った。

 

蹴りあげられたのは痛かった。でも1時間半もすれば平気になった。でも、(痛恨的な意味で)もっと痛かったのは、同僚に見られたことだろうか。でも黒岩だったのは不幸中の幸いか。彼は(戦闘中を除けば)紳士だから言いふらされる事はないだろう。出会った時、意気投合して、気が置けない初めての異性の友人となった。多分彼の事だろうから罪悪感を感じているに違いない。今度何か買っておこう・・・。

 

暗くなり、会社帰りに酒を飲み、酔っ払いが出始める時間になった。

「さて、今度は平和だと良いんだけど。」

そう言った直後、

「西署よりパトロール中の各車へ。居酒屋にて大規模な喧嘩が起きている模様。周囲のPCは直ちに向かえ。」

と無線が入る。

「西35了解。・・・なけるわ。」

パトランプを鳴らし、現場へ向かう。

 

「それ!そこだ!」

「いけー!!」

「頑張れ頑張れ絶対出来る!」

居酒屋の一角。この店には、ゲーム機"ス〇ッチ"が置かれており、ス〇ブラでは最大8人で対戦が楽しめる。今日この店に集っている25人の客は近くの工事現場で働く犬飼組と猿飼組の作業員が10人ずつ、一般会社員が5人。その作業員達は交流の為遊んでいたゲームは白熱していたが、

「ゲームセット!!」

「何でや!今のは判定おかしいやろ!」

と誰かが言い、それがきっかけか、口論があちこちで芽吹き、それらは大きくなり、

「オラァ!」

「グエッ!?」

「あの野郎!やりやがった!!」

ある作業員が相手方の作業員を殴った事で、組対抗の大喧嘩が始まった。

 

「西35、現着。」

通報があった居酒屋に駆けつける。

「まずは現状をしらべましょう。」

高取がそう言って店のドアを開けると、中で作業員達が椅子や机、皿、素手で乱闘を繰り広げていた。

「おい!警察だ!騒ぎをォブェッ!?」

高取が声を張り上げるも、皿の流れ弾を顔面に食らって追い出された。

「高取!」

高取は目を回していたがいたって大丈夫そうだった。

とそこへ、

「高取?と、長谷川氏!」

黒岩とその相方が合流し、黒岩の相方に高取を運んでもらい、逃げてきた一般会社員4人、ゲーム機を抱えた店主を保護した。新たに応援にやってきた西24の警官達と共に、パトカー常備の盾と警棒を構え、突入する。

「動くな!警察だ!」

黒岩が叫ぶが、

「うるせぇ!!」

「サツは引っ込んでろ!」

と、何人かがこっちに向かってきた。

「佐藤!エンゲージ!」

「田中!エンゲージ!」

西24の2人も、この空気に呑まれたのか、前進し、暴徒に挑む。

「しゃあない。銃撃戦よりはマシかしら?」

「さぁ?袋叩きに遭うかも。」

そう言いつつ、私と黒岩氏も西24の二人に加勢する。が、数が多い。

「ドギャス!!」

田中の方は蹴りによって体勢を崩された所を、椅子で殴り飛ばされて窓の外に出された。

「田中!?くそ!助けてくれ!」

一方の佐藤の方は、

「行くぜ!奥義!塩砂嵐!!」

と、塩をばら撒く相手に目くらましを喰らい、田中の方と同じく、訳もわからず窓から外に落ちた。これピンチ?

「麻秋!瑠手!警官にジェットストリームアタックをかけるぞ!」

と言って向かってくる3人がいる。ジェットストリームアタックって黒い3連星のあれ?

「く、来るのか!?」

と黒岩も乗り気だった。

「オラッ!」

黒岩が盾で先頭の男にタックルをかます。その右から現れる2番手の放った皿を盾で防ぐ。

「喰らえ!」

1番手の左から現れた3番手に、黒岩が時計回りに周り、遠心力を乗せた警棒攻撃で殴りつける。

「ゲフ!?」

3番手が倒れた時、黒岩の背後に塩砂嵐の男が立つが、

「そい!」

と蹴り飛ばす。

「パーフェクトだ長谷川氏。」

黒岩が不敵な笑みを浮かべる。私は黒岩が何を言いたいのか理解し、

「感謝の極み。」

と礼をする。そう、H〇LLSINGのあのワンシーンである。彼と私は色々共通の趣味を持っている。

「なんだこのお巡り!?ジェットストリームアタックと塩砂嵐を破りやがった!?」

喧嘩をしていた両勢力は、この一言を聞くと、なぜか休戦してこちらに向かってきた。何で?

「来る奴は叩く。行きまっせ、長谷川氏!」

黒岩が警棒を構えて言う。モードに入っているらしい。

「えぇ!合わせるわ!」

そう言って背中合わせになって互いの背中を守るように陣取る。

「「「うおー!!!」」」」

2、3人規模の小集団で波状攻撃をしかけて来る。

素手で殴り掛かる相手を盾でいなし、椅子を盾で防いでそのまま警棒で制圧、皿を躱し、四方八方からの攻撃を2人で防ぎ10人あまりの相手を制圧(気絶での無力化)した。しかし少なからずダメージは負っていた。

「黒岩氏。生きてるかしら?」

「あぁ。なんとか。」

息を切らしつつも、会話する。が、

「フフフ。所詮は作業員。この元全日本戦闘格闘技決勝戦敗退のこのワシには勝てぬか・・・。」

と言う60歳位の中年男性が、拳を鳴らしながら言う。

「悪いが、ちょっと相手になってくれんか?」

中年男性からは溢れ出るオーラは正に鬼神のそれだった。しかし、そんな時、

「警察だ!騒ぎをやめるんだ!!」

と、馬場警部補が乱入してきた。

「け、警部補!」

そう言うと、中年男性は、黒岩を踏み台にして警部補に向かっていく。

「わ、ワイを踏み台に!?」

しかし警部補は、その中年男性の襟を袖を的確に持つと、

「どぉうりゃああああああああ!!!!!」

と、綺麗な一本背負いを決め、そのまま確保してしまった。

 

ーー西北区居酒屋喧嘩事件1次報告ーー

損失:負傷者26名(警官4名、民間人22名)

死者無し

 

西北区居酒屋"遊戯屋"において、ゲーム絡みと思われる喧嘩が生起。西35、西34、西24が鎮圧に当たるものの、3名の負傷者を出す。しかし突入した長谷川巡査と黒岩巡査が両勢力の大半を無力化。この喧嘩に参加したほとんどの作業員達は逮捕された。

ーー

 

「あー。疲れた。」

黒岩にそう話すと、

「そうですな。さっさと帰りましょう。」

と返される。しかし、

「いや、まだだ。」

と、馬場警部補が現れる。

「え?何でです?」

聞くと、

「確かに君らの行動は果敢であった。だが、片っ端から警棒や盾で殴るのはエレガントでは無い!よって、今からみっちり仕込んでやる!」

と言われた。

「いや私はどうすれば・・・?」

「行くぞ!!」

・・・どうしてこんな事に・・・。

 




来週は忙しいので執筆をお休みさせて頂きます。すみません。
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