医師として頭角を表して、若干表しすぎて引かれる今日この頃。
シンボリ家に招待され、広い屋敷に迷いうろうろしている情けなさ。
「そこのお前!今日は国賓クラスの来賓が来る!案内してやるからさっさと自分の控え室に戻れ!」
そこに現れたのは三日月の流星が特徴的なウマ娘、背丈からして初等部より幼いが覇気を感じるので才気煥発なウマ娘なのだろう。
(てかシンボリルドルフ改めルナちゃんじゃん、まぁシンボリ本家にはいるとは思ってたけど)
ぐいぐい引っ張られて俺の名前がある部屋の前に到着。
「まぁバレてしまったけどただの医者さ、神医なんて呼ばれてるけど気さくに話し掛けてね? シンボリルドルフ?」
柔和な笑みで語る男をみてシンボリルドルフに浮かんだ最初の考えは(こんな軟弱そうな奴が?)
という疑念だった。そして幼い思考回路を駆使した結果、試してやろう!という結論に至るのがライオンと呼ばれたルドルフである。
ズズズズズズ!とレースの際に発せられる威圧感を、身長差から見上げるように睨み付けながら叩きつける。
(う~ん……やろうとしてる事はわかるけど……軽くゾーンに入る程度だと納得しないよな? シンボリルドルフなら折れないと信じて三割かねぇ)
「では個室内で披露できる上限の三割だ、辛くなったら言いなさい」
部屋の重力と酸素濃度そして医師から発せられる圧力がシンボリルドルフを地面に縫い付ける。
それでも尚シンボリルドルフの内心は歓喜だった。何の前触れもなく地面に叩きつけられた屈辱、それを上回る圧倒的な歓喜。
並ぶ処か追いかけてくる者がシリウスシンボリしかいない中での、分野違いとはいえ屈服しかける程の圧力など初めてだ。
「もういいかな? ゾーンの威圧感を外に出すのが苦手でね、気分悪くなってないかい?」
少女の戯れに付き合った訳だが自分をポーッと見つめるシンボリルドルフが心配になり、怖がらせないようにゆっくりとてを差しのべて助け起こす。
「肩車して!」
という事で、可愛い要求に従う事になった。
彼の肩車は最高だ。触れればわかるが才能を持つ中でも天才と呼ばれる者だからわかる感覚、今自分は宇宙に届かんばかりの山。あるいは太陽のような恒星に跨がっているような感覚。
暴君気質のライオンルドルフは全てを見下ろす擬似的な才能の究極を体験できてご満悦であった。
才能というものが視覚できたなら彼の上に私が乗るなど有り得てはならないと理解していたが子供の特権で乗らせてもらった。
口角が笑顔のまま戻らない程に優越感を感じている。
「ルドルフ?そろそろ壇上でスピーチしないといけないんだ。降りてもらえると助かる」
「………わかった次は抱っこだからな」
こうしてシンボリ本家に男が来る度に行われる謎の恒例行事は数年続いた。
本編は思い付かないので、掘り下げや思い付いた事を書くことにします。それでも読みたいという方のみ、お楽しみに。