人間がウマ娘に負けるわけないだろ!いい加減にしろ!!   作:なちょす

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拝啓、独身兄貴たち皆様へ。
早いもので今年も終わりが近づいてまいりましたね。

クリスマスなのに1人ってホント?クリスマスだよ?
クリスマスなのに仕事って正気?クリスマスだよ??
仲間だね♡箱ティッシュいる??(使用済み)

兄貴たちは勿論タマをお迎えしたよね!
僕はもろちんお迎え⋯⋯何ですか。い、いいじゃないですか何十連回したとか⋯そういうのやめましょうよ⋯⋯。明細見せろって何ですか!そんなのあるわけないでしょ!?
やめてよッ!6万なんて数字聴きたくないッ!!



第2R : 出走前──ブルブルのミホですボン

 俺はカレンチャンというウマ娘を侮っていた。

 

 ウチのチームは少数精鋭(と言えば聞こえはいいがただの人数不足)の為、滅多な事でレースがチームメイト間で被ることなど無い。

 だがその滅多な事を、今まで見事に引き当ててきたのがカレンだ。新人ちゃん達のメイクデビューや大一番のレースに付き添ってる間、G2やG3のレースは基本的にデジタルに任せっきりだった。勿論ビデオ撮影は頼んであるし、再生中聞こえてくる語彙力の低下したオタクが発する奇声にさえ目を瞑れば良い映像を持って帰って来てくれる。まぁつまりこうして3人控え室に居るのも随分と懐かしいのだ。

 

 故に、カレンの生レースは久しぶりに見る。

 故に、カレンの生ブルマを久しぶりに拝む。

 

 よりによってピンクのブルマ履いてんなよコラァッ!!

 

 クソ、やはり心理テストで好きな色を聞いてきたのはこの為だったのか!レース前だというのにブルマ姿で俺の心をかき乱してうまぴょいしようって算段だな!?な、なんてウマ娘だ⋯⋯ッ!レースに余裕で勝てるからって一発ぶちかまそうとしやがって、このっ!

 

 カレンの透き通るような肌にピンクのブルマが合わされば、生ブルマならぬ、もはや生ハムだ。良いぞ、生ハム。お兄ちゃんは大好きだ。

 仮に同じ格好をしたヒト女がカレンの横に並び立とうものなら、ボンレスハムである。この違い分かるな?俺は分からん。分からんがハム社会万歳。

 

 

「#レース前⋯⋯#緊張するけど⋯#頑張ります♡」

 

 

 フゥ⋯⋯落ち着け。カレンはいつも通りだ。ここで俺が先に取り乱してしまえば、後がなくなってしまう。こちらも冷静だぞ、誘いには乗らんぞ、という意思表示を見せてやらなければ。

 

 

「カレンはいつも通りだな。」

「心配?」

「まさか。安心したよ。」

 

 

 いやこの際勝てるレースなど問題では無い。

 お兄ちゃん、お前の貞操観念が心配なんだよ。安心なんかこれっぽっちもしてないんだよ。だが実に良い仕上がりだ。ヌッ、滾る。滾るんじゃない。

 

 そんな俺を他所に、パタパタと走りながら我が半身がカレンの元へ駆け寄っていく。

 

 

「カレンさん、僭越ながらゼッケンをお持ちしました!」

「ありがとうデジタルちゃん♡後ろ、お願いしていいかな?」

「ひぇえっ!?ア、アタ、アタシで良いんですか!?」

「デジタルちゃんにやってもらったら、力を貰えそうだもん。お願い♡」

「かヒュっ⋯⋯。」

 

 

 半身から堕とすのはレギュレーション違反ですよね?

 いや、もう堕ちてたわ。ウチの半身ウマ娘耐性マイナスだわ。何やらブツブツ感謝を唱えたと思ったら、泣きながら帰ってきた。あーあー限界化しちゃってもぅ⋯⋯。

 

 

「徳積めましたよね⋯ありがてぇ⋯⋯ありがてぇ⋯⋯ッ!!」

「マジ泣きするほど?⋯⋯ほれ、ハンカチ。涙拭きな。」

「ぢーーーーーーんッ!!!!」

「涙拭けっつったろが!!」

 

 

 お前このやり取り13回目だからなっ!?いい加減確信犯だろ!!

 クソっ、これだから限界オタク美少女ロリウマ娘は⋯⋯語彙力だけじゃなくて賢さも下がる必要ないじゃないか!

 

 ヌッ。カレンが鏡越しにこちらを見ている。さ、騒がしくしすぎただろうか。一応レースに望むんだ、何を考えているか分からんが集中力を切らしてしまったなら申し訳ない⋯⋯出来る大人は謝れるのだ。

 

 俺はダメ人間なので笑って誤魔化します。へへっ⋯⋯サーセン⋯。

 

 しかし見れば見るほどに生ハムだな。違う、絶好調だな。頭の上に"絶好調"の文字が見える。いやまぁ⋯そんなわけないけど。それ程迄にカレンのヤる気(色香)が、むんむん伝わってくる。

 

 お肌はピチピチ。

 身体はムチムチ。

 お兄ちゃんのポニーちゃんもガッチガチ。

 

 良いぞ、カレンチャン。でもそこまでにしておけよ。ポニーちゃんが出走するかもしれない。頼むからゲート難でいさせてくれ。今ギリギリゲートで立っているところなんだ。120億の子孫ッピ(仕損費)を出すわけにはいかない。ふふっ、スターティングゲートならぬスタンディングゲートである。は?

 

 むん。これ以上ない素晴らしい仕上がりですね。

 

 

「ねぇ、お兄ちゃん。カレンを仕上げてくれる?♡」

 

 

 これ以上ないって言ってんだろうがッ!!何求めてんだよ!!

 "仕上げはお兄ちゃーん♡"って言いたいのか!?子供の歯磨きじゃないんだぞお前ッ!?ポニーちゃんがメイクデビューしたらどうしてくれんだ!

 

 精神集中(コンセントレーション)からのスタートダッシュ。

 ドーテイムーヴ、意気揚々と先走ります。どうでしょうこの展開?社会的に掛かっているかもしれません。ひとコキする暇があればいいですが。

 

 ⋯⋯フゥ。おーけー冷静。我無問題。

 

 

「ん、良いぞ。じゃあ座ってくれ。」

「えっ?うん⋯⋯。」

 

 

 レース前に俺が出来るのは、ウマ娘の身だしなみを整えてやることくらいである。デジタルの時も散々やってきたのだ。ここらで1つ大人の余裕を見せながら、カレンの尻尾でも綺麗にしてやろうではないか。

 そう思って椅子に座ったカレンの尻尾に手を伸ばして───。

 

 

「あっ───!」

 

 

 なんだデジタル!どうしたデジタル!何に対しての"あっ!"なんだ!!お兄ちゃんなんか不味いことしちゃってるのか!?

 だってお前にやった時喜んでたじゃん!!

 

 も、もしかして⋯⋯俺の手櫛が下手くそなのか?下手くそなのに喜んでいるように、デジタルが気を使っていたというのか?

 

 俺の兄貴分だった先輩も、初めてうまぴょいした時に奥さんに気を使われていてショックだったと言っていた。独身に何の話してんだクソがッ!とか思ってたけど、つまりはそういう事なのか!?

 うまぴょいはした事もないが、手櫛は少し自信あったのに⋯⋯凹む。ついでに愛バに気を使わせていた事実にも凹む。

 だがそれなら確かに、カレンがぶんぶん尻尾を振っているのにも説明がつく。ご、ごめんなカレン⋯⋯でも仕事させてくれな⋯⋯?

 

 

 

「ん⋯⋯カレン、尻尾をあまり振られると整えるのが難しいぞ。」

「えっ?あ、うん⋯⋯。」

 

 

 カレンの歯切れが悪いっ!!やっぱり下手くそには触られたくないのか!?

 

『お兄ちゃんの右手はなんの為にあるの?ポニーちゃんをなでなでする為でしょ?♡』

 

 って事だな!?それはそれで⋯⋯ヌッ、滾るんじゃあないよ。

 な、なんとかやらせて貰わなければ。さながら腕はイマイチなのにトークだけは何故か面白いタイプの美容師のように。

 

 

「大事なレースがある時、誰かさんにもこうやってたんだ。」

「そうなの?」

「あぁ⋯⋯俺の想いも一緒にゴールまで運んで欲しいって、ただの我儘なんだけどな。結果的にこれをやってた時は負け知らずだったんだが。」

「へぇ〜⋯⋯?」

 

 

 うむ。事実である。

 情けない話、トレーナーが出来るのは当日に向けた準備だけなので、一種の願掛けだ。それで勝ち進んできたのが、今カレンの横に立っている限界オタクであり勇者様なのだから。

 

 ふと顔を上げると、何やらカレンが笑っている。なんだと?何の笑いだそれ。

 

 

「カレン?どうした?」

「えっ?」

「随分楽しそうだけど⋯⋯。」

「なーいしょ♡」

 

 

 ヌッ!!!!!!!!!!!!

 お前不意打ちはやめろォ!(建前)ナイスゥ!(本音)

 思わず目を逸らしてしまったが、今のはズルっ子だ。完全なるレギュレーション違反です。そうだ⋯⋯ウマ娘は顔がいいのだ。泣き落としや責められだけが脅威だと思ってはいたが、あざとくもいやらし───もとい、いじらしい動きをされれば誰だって堕ちる俺だってそうなる。

 堕ちるな。俺はお兄ちゃんだぞ。

 

 

「よしっ!頑張ってこい。今日のお前は最高に"カワイイ"ぞ。」

「う、うん!じゃあ1番いい所で、カレンを見ててね♪︎」

「勿論。じゃあ行くぞ、デジタル⋯⋯何で気失ってんの?」

「あははっ、何でだろうね♡」

 

 

 とぼけんなよお前ッ!お兄ちゃんが気づかないとでも思ったか!!勇者様を直接堕とすのはお前の十八番だろうが!!

 いや⋯⋯自滅の可能性がある。寧ろ自滅では?自滅の愛バだわ。キレそう。

 

 仕方ないので、ズルズルと引き摺りながら観客席へ向かう事にした。

 

 

 

 ◇◆◇◆◇

 

 

 

「許可無くウマ娘ちゃんのお尻尾に触れるだなんてギルティです!セクハラと一緒なんですからね!!」

「はい⋯⋯すみませんでした⋯。」

 

 

 目を覚ましたデジタルに、何故か開口一番説教されていた。

 どうやら俺が当然のようにカレンの尻尾を弄り回した事が良くなかったようだ。ヒトに例えるなら、親しい女友達や教え子相手に髪や尻を触るようなものらしい。まさか限界オタクに常識で諭されるとは思わなんだ。凹む。

 確かに軽率ではあったし、以後気をつけようと思います。

 

 しかし、143cmのちんちくりんを腕の中に抱えながらふと気づいてしまった。

 じゃあなんでコイツは気絶したんだろう⋯⋯と。

 

 

「ところでカレンはどうだった?」

「それはもう嬉しそうに⋯へへへっ⋯⋯良いものを拝ませて貰───耳ぃぃいいっ!?」

「前言撤回だこの野郎。よくもその精神で他人に説教垂れながせたな?」

「あっ、あっ!やめて下さい!そういうところです、そういうっ!!」

 

 

 フゥ⋯これでもかとデジタルの耳を弄り回したところで気持ちが落ち着いてきた。うむ、これなら安心してレースも観戦できるだろう。良いかデジタル。発言に気をつけよ。お前が腕の中(定位置)にいる以上、俺はいつでもそのピコピコした耳を噛みつきに行けるんだからな。

 

 しかしなんだ。さっきから左側に妙な視線を感じる。

 なんなら服の裾をクイクイ引っ張られている。ヌッ、これはボーノだな?ずっと観客席で待っていたから寂しかったのか。よしよし全く、可愛いヤツめ。

 

 ⋯⋯いやめちゃくちゃ引っ張ってくるな。身体持ってかれるわ。なんだし。

 

 

「どうしたんだヴォぉぉぉおおおおッ!?!?」

「うひゃっ!?耳元で急に叫ばないで下さいよぉ⋯⋯。」

 

 

 横向いてウマ娘の顔がゼロ距離だったら誰だって叫ぶわッ!!

 し、しかもコイツは⋯⋯あのクリークママと同じ、後輩ちゃんのところのウマ娘!何故かことある事にこちらを弄んでくる厄介な自称サイボーグ!

 そのウマ娘の名は───ッ!!

 

 

「はい。ミホノブルヴォーノンです。」

「なんて?」

 

 

 ミホノブルボン。

 巷では乾電池が主食だの、坂路でターボババアと住んでいるだの、部屋でウサギのぬいぐるみを抱っこしてるだの、ある事ない事飛び交っているウマ娘。だがその実力は間違いなく折り紙付きである。

 

 

「ひ、ヒシアケボノは⋯⋯!俺の女神をどこへやった!?」

「ライスを迎えに行ってくれました。米騒動が起きないようにと。」

「なんて?」

「米騒動が起きないようにと。」

「クソっ頑固め。あのな⋯⋯?いきなり超至近距離に迫ってくるんじゃないよ。心臓止まるかと思ったわ。あと数センチで事故ってたんだぞ。」

「事故チュー。」

「何か言ったか?」

「何も。それに心肺蘇生は心得ています。私にかかれば、90%の確率でワンプッシュですが?」

「"ワンプッシュ"って心肺蘇生で使わねぇんだよ。シャンプー感覚で他人の生死を握るな。」

「⋯?⋯⋯⋯⋯。⋯⋯??」

「なんで理解不能って顔してんだ。つか、どこ見て⋯⋯ホントにどこ見てんの?」

 

 

 ええいツッコミきれん!次から次へとボケ倒しおってからにッ!!デジタルは腕の中でレースに出るウマ娘達を拝んでるし、ボーノは米騒動止めに行ってるし!米騒動ってなんだしッ!!どうすりゃ良いんだよこれぇっ!!

 

 あとデジタル!いい加減ヨダレ拭けよお前!

 さっきから腕べっちょべちょなんだからな!?

 

 もう!助けてッ!誰か助けてッ!!

 

 

 

「トレーナーさん、もうすぐ出走なので静かにして下さい。」

「大人として恥ずかしくないのですか?」

「貴様ら。」




ミホノブルボン(家電) : うせやろ⋯身体に反して中身幼女すぎん?ニシノフラワーちゃんと一緒にお留守番してるウサギのぬいぐるみになりたいだけの人生だった。ライスと同じチームに入ってからは多少(?)感情表現や冗談を出せるようになったが、走りに関しては泣く子も黙らせる鬼娘。密かに"勇者"との一騎打ちを願っている。呼ばれると条件反射で自己紹介botと化す。誕生日の度にバクシンオーから乾電池を貰っている。今年はボタン電池。

P.S.主軸になるレース以外は、ロリコン目線だけでサクッと終わらせます。だれても良くないもんね。て事で次回もロリコン編です。

2章のヒロインは独身兄貴たちと決めたいですわ。

  • 分かっちゃった系天才ウマ娘
  • クソガキ系魔女っ子ウマ娘
  • とりあえず勇者とホヤ遊ばせ
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