転生したらキャルちゃんだった話   作:榛翔

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ホント申し訳ないです。
昨日出す予定でしたが寝落ちして今日になりました。
次の閑話も明日になると思います、遅刻しそうで怖いですね。

今作は夏休み編第一作目です、なので続きますよ!
今作は前々から出したかったお泊り会編です、先に正月編でやっちゃってますがね
お泊り会とか憧れありますよね、私した事無いのでちょっとうらやましいです。
え?修学旅行?あれカウントに入るんですか!?




閑話 お泊り会

閑話 お泊り会

 

 

 

 これはオグリキャップとキャルが出会う前の出来事。

 

スカーレットと別れてからすぐの事だ、世間では学生たちが夏休み時期になっていた。

あたしはうだるような暑さの中頑張る人達を尻目にエアコンのついた部屋でくつろいでいた。あたしは暑さにも弱いしエアコンの温度も下げ過ぎると返って寒くなるから温めの温度設定がいいのだ。家で犬猫を飼っている人達はちゃんと温度設定を考えてあげようね!っと誰に言ってるのよあたし。

そんな事を考えつつもあたしはベッドに寝転がって参考書を見ていた、トレーナー試験の勉強である、夏休みやら夏季休暇やら同人誌即売会やら話題になっているが受験生にとっては関係ないのだこうして勉強しておかないと受からないのだ、そうしてると扉がノックされた。

 

 「は~い。」

 

 「キャルちゃん入るわね。」

 

姉さんだったみたいで部屋へと入ってくる

 

  「まあ!?」

 

あたしの姿を見て驚く姉さんに

 

 「何かあったのかしら?」

 

と普通に聞くあたし

  

 「はぁ、ウララちゃん達が夏休みの間此処にお泊りしに来たいみたいよ」

 

 「ホント!?」

 

ガバっと起き上がるあたし

 

 「ええ。」

 

クスクスと笑う姉さん

 

でもこうして反応してしまうのは仕方ないのだ、ウララと会えるのだから

 

 「ウララはいつ来るのかしら!」

 

あたしは興奮気味に姉さんに聞く

 

 「何か勘違いしてるようだけど、ウララちゃん達よ?ウララちゃんの他にもライスちゃんやスカーレットちゃんからも連絡来てたわ。」

 

 「ふにゃぁ!?」

 

まさかの全員から連絡来てるとは思わず驚くあたし

 

 「ふふ、どうする?」

 

ニコニコ笑う姉さんに恥ずかしくなるも

 

 「全然OKよ、アタシも皆と会いたいし」

 

と返すと

 

 「ならOKって連絡しとくわ。そうだわ!ここだと味気ないから別の場所を予約しましょう!」

 

 「ちょっ、待って姉さん。あたし達子供だけなんだからここでいいわよ!それに今夏休みだしきっと混んでるわよ!」

 

 「あら、そう?キャルちゃんが言うならそうよね。なら今回は此処でお泊り会ね!ふふっ、キャルちゃんがお泊り会開くなんて!とても嬉しいわ!あら、ヤダ涙が。」

 

 「も、もう!そこまではしゃがなくてもいいじゃない。って涙!?」

 

姉さんが珍しくはしゃいだと思ったら次は泣き始めたのだ、それに驚きテンパるあたしに姉さんが

 

 「大丈夫よ。これはうれし泣きだから」

 

と優しく撫でてくれた。

そんな事がありつつ皆にOKの連絡を送る、皆とても喜んでいたからあたしまで嬉しくなる。

そういや他の子が来る事伝えたかしら?と思いつつも姉さんなら伝えてあるわよねと思い込みお泊り会の日を待つあたしであった。

 

 あれから数日、皆の学校が夏休みに入った事により無事にお泊り会を行う事となった。

今回は子供だけの参加という事で研究所の人がそれぞれ迎えにに行ってくれているのだ、そしてあたしはというと駅で皆が着くのを待っている。

ただ、夏というだけあって照りつける日差しがとても痛いのである、ここまで暑いと溶けてしまいそうだ。あたしは暑さに耐えながら日陰で待っていた。

待っている事一時間、屋内に避難し涼んでいると遠くの方から声が聞こえてきた、よく耳を澄まして聞いてみると

 

 「お~い!キャルちゃ~ん!」

 

とウララの声が聞こえてきた、顔を上げて声の方を見るとウララが手を振りながらこちらに向かって走ってきていた。

あたしも手を振り返す

 

 「ウララ~」

 

ウララはあたしの手前で止まると

 

 「久し振り!キャルちゃん!」

 

と笑顔であたしに聞いてきたのだ

 

 「ええ。久しぶりね、ウララは相変わらず元気そうね。」

 

 「うん!」

 

先程よりもさらに嬉しそうにしながらあたしの隣に座ってきた。ただ、物凄く距離が近い気がする…暑いから離れてほしいがそんな事言えず諦める。ウララとは、今までの出来事やウララの今までの出来事を話したり聞いたりした、互いに話したいことが沢山あるからか途切れる事はなかった。

ウララと話して三十分くらいした頃

 

 「お姉ちゃ~ん!」

 

と聞き覚えのある声が聞こえてきたのだ、再び前を見るとこちらに向かって走ってくるスカーレットの姿が見えた。

勢い良く走ってくる姿はまるで飼い主を見つけた子犬のようだ、あたしの元まで来るとスピードを緩め飛びついてくる。それを受け止めると胸元に頬づりをしながら

 

 「お姉ちゃ~ん」

 

と甘えた声で言ってくる彼女はとても可愛かった。

そして一通り甘えるとようやく隣にいるウララに気づくと一目散にあたしの後ろに隠れる、まるで猫のようだ。

この様子だと姉さん伝え忘れてたなと知りため息をつく。

 

 「えーと、この子はダイワスカーレット、あたしの新しい友達よ。仲良くしてあげてね。」

 

 「ダイワ、スカーレット。スカーレットちゃんだね!うんわかった!スカーレットちゃんよろしくね!」

 

ウララは何時ものように天真爛漫に挨拶をする、そんな彼女を見て少し警戒心を解いたのかあたしの後ろから顔を出し

 

 「ダイワスカーレット、です。よろしく。」

 

と軽く挨拶をして再び隠れる。その様子を見てあたしとウララはクスクスと笑いあった。

その後は少しずつ話しが出来るようになったスカーレットを入れ楽しくおしゃべりタイムを過ごしたのであった。

 

 それから更に一時間後

 

 「お姉様~」

 

と優しい声が聞こえてきた、この呼び方と声でライスと分かってしまう。

スカーレットは再びあたしの後ろに隠れ、ウララはニコニコしている、ウララのこの動じなさは見習いたい。

ライスがこちらまで走ってくる

 

 「待たせちゃってごめんね。」

 

あたしの元まで来ると涙目になり不安そうに謝ってくる、そんなライスに

 

 「全然気にしてないわ、大丈夫よ。」

 

 「うん、ありがとうお姉様。」

 

と微笑みながら言うとふわりと笑うライスにキュンとする。

隣にいるウララと背中にいるスカーレットに気づいたライスが目を白黒させながらあたしの方に向いてくる、まあ、そうなるわよね。

 

 「こっちの二人は前に話した友達よ。」

 

 「私はハルウララって言うんだ!よろしく!」

 

 「ダイワ、スカーレットです。よろしく…お願いします。」

 

 「アハ…ハ、この子恥ずかしがり屋だから許してあげてね。」

 

 「う、うん。えっと、ら、ライスシャワーです!よ、よろしくお願いします!」

 

 「わあ~、ライスシャワーちゃんって言うんだね!よろしくね!私の事はウララでいいよ~」

 

 「う、うん、なら、ウララちゃんて呼ぶね。私の事もライスでいい、よ?」

 

 「わかった!ライスちゃん!」

 

流石のウララ、コミュニケーション能力の高さが凄い、あたしや後ろのスカーレットには刺さるわね、ていうかスカーレットは向こうで友達出来たって言ってたしこの程度の人数なら大丈夫だと思うけど…もしかしなくてもあたしが原因なのだろうか。

ともかくこれで全員揃った訳だ、あたしはスカーレットをウララに預け姉さんに連絡する。連絡し終え戻るとスカーレットが仲良さそうに話してる姿を見て安堵する、あの子はコミュ障じゃなくただ単に恥ずかしがり屋なだけだから恥ずかしがらなきゃ普通に会話できるのだ。

スカーレットママからの話だと性格があたしにそっくりになったと聞いたがあたしの前では見せた事ないから分からない、恥ずかしがってるのだろうか、それとも甘えているからかどっちにしろそのうち見せてくれるだろう。

 

 姉さんが迎えに来てくれあたし達は研究所へと向かう、行く際にスカーレットがあたしと一緒に座りたいとせがんだからスカーレットを膝に乗せて向かっている。研究所にはすでにゴルシがいるし待たせてしまっているから、まあ、ゴルシならそんな事気にしてないと思うが…何か問題起こしてないか心配だ。

 

 研究所に着くと三人ともポカーンとしていた、研究所住みとは教えていたが実際に見ると驚くだろう。あたしもそっち側の立場なら驚くし、そんな三人を連れてあたしの部屋に向かう。

 

 「なんか病院ぽいね」

 

とライスが辺りを見て言う、研究所と言っても特撮や映画みたいに薬品やら怪しげな機械とかは無いし怪しげな実験なんかも勿論ない。

更に進むあたし達、三人ははぐれないようにあたしの手や服を摘まんで付いてきている。時々通る研究所の人達にライスとスカーレットは隠れウララは元気よく挨拶をする、それから何度かそういった事はあったが無事にあたしの部屋の前に着く。

あたしの部屋に設置されているドアは特別製で特定の人しか入れないように設定されてる為結構最先端な見た目をしている、三人共またもポカーンとしていてあたしはそれが面白く笑ってしまう、中に入るとゴルシがベッドに寝転がってテレビゲームをしていた。

 

 「ん?お~う、お帰り!」

 

 「ええ、ただいま。で、何やってるのかしら?」

 

 「見りゃ分かんだろ?ゲームだよゲーム。」

 

 「あたし此処出る前に言ったわよね?」

 

 「ん~。あっ…、え~と、ほら!ある程度は片付いてるだろ?」

 

 「ええ、そうね。机の上だけね。あたし言ったわよね?帰ってくるまでに散らかしたもの片付けなさいって、見間違いかしら…出ていく前よりも汚くなってるのは…」

 

 「「「ひぃ!」」」

 

後ろから悲鳴と後ずさる音が聞こえてきた

 

 「お、オイ待てよ、キャル。そんないい笑顔でどうしたってんだ?すぐやるからもう少し…」

 

 「ふふ、いつもいつもそれ言ってるわよね?でも今日という今日は許さないわ。」

 

 「まっ」

 

 「ふふふ」ニッコリ

 

 「ぎゃあああああ」

 

ゴルシにOSIOKIをし終え三人に振り向くと扉の前で震えていた

 

 「ご、ごめんなさいね。片付けるからもう少し待ってて。なんならベッド使ってもらってもいいから!」

 

 「も、もう怒ってない?」

 

 「ええ、もう怒ってないわ!」

 

 「ほんと?」

 

 「ええ!ほら!ね?」

 

精一杯笑顔を作ると

 

 「ぅ~」

 

とスカーレットが泣きながら抱き着いてきた

 

 「そんなに怖かったのかしら…」

 

チラッとライス達を見ると

 

 「あっ、えっと、うん。怖かったかな」

 

 「キャルちゃんの目がこーなってたから怖かった!」

 

と言われ少しへこむ、だってあれはゴルシが悪いんだから仕方ないじゃない。スカーレットの頭を撫でつつあたしはため息をつく。

それからあたしはウララ達にも手伝ってもらい片付けをした。

 

 部屋を片付け終えてひと段落する

 

 「んじゃ、初めましてだな!アタシはこのキャルの【唯一無二の親友】のゴールドシップだ。気軽にゴルシちゃんとでも呼んでくれ。」

 

 「「「むっ!」」」

 

ゴルシの自己紹介を聞いた途端頬を膨らます三人

 

 「私は!キャルちゃんの【一番最初に友達になった】ハルウララって言うの!よろしくね!」

 

 「「むむっ!」」

 

 「わ、私はキャルちゃんの【は、初めてを貰った】ライスシャワーでしゅ!」

 

 「「なっ!?」」「?」

 

イヤ、そこでこっち向くのなんなの、あと初めてって…言い方ぁ!ていうか何かライスにしたっけ?(覚えてない)

 

 「ぐっ!あたしは!【お姉ちゃんの妹】のダイワスカーレットよ!」

 

妹だったのか!?どけ!あたしはお姉ちゃんだぞって感じかしら、ていうか何か皆バチバチしてないかしら?喧嘩はしてほしくないわね。

 

 「自己紹介無事に終わったみたいね。あたしは皆の布団持ってくるから待っててね。」

 

 「あっ!ウララも手伝う!」

 

 「わ、私も!」

 

 「貴方達はお客様なんだから此処にいなさい。大丈夫よ、こう見えてあたし力持ちだし」グッ!

 

あたしは皆を部屋に残して出ていく、これには一応考えがあってあたしがいるとあたしを主軸にして話すから仲良くなれない、あえてあたしが抜け皆が仲良くなってくれればという考えで一人になった訳だが…少し不安が残る。

 

 あたしが布団を持って部屋に入ると

 

 「ちょっと!あたしにも見せなさいよ!」

 

 「そんなはしゃぐなよな、アルバムは逃げてはいかないんだからな」

 

 「小さいお姉様…ジュル」

 

 「うわ~かわいい~」

 

 「ふふそうよね、この頃のキャルちゃんは借りてきた猫みたいに今みたいに明るい子じゃなかったのよ」

 

姉さんが増えており、あたしのアルバムを見ていた

 

 「ちょ、ちょっと、何でそんなの見てるのよ!恥ずかしいからやめて!」

 

 「あら?いいじゃない、皆キャルちゃんのこと知りたがってたんだし」

 

 「私キャルちゃんの事もっと知りた~い!」

 

 「「「わ、私(あたし)も~!!!」」」

 

 「あ、あたしのこと知っても別にあんた達に何の得も無いじゃない…」

 

 「違うよ?私キャルちゃんの事知れたらとっても幸せな気分になれるの、それにもっと仲良くなれると思ったの!」

 

 「ウララ…。」

 

 「ふふ、キャルちゃん、大丈夫よ。此処にいる皆はあなたの事大事に思ってる子ばかりだから酷い事は言わないわよ。」

 

姉さんに言われドキッとする、小さい頃、正確に言うと転生して間近の頃は今みたいに精神が安定してなくていろいろ不安定な状態だったから気味悪がられるのが怖かった、皆に顔を向けると笑顔であたしを見ておりあたしだけが不安がってたのがバカらしく感じた。

とは言っても恥ずかしいってのもあるにはあるからアルバムを取り上げる

 

 「はい!もうおしまい!布団敷くの手伝いなさい!」

 

 「ええ~、もうちょっとみたいよ!」

 

 「そうだそうだ~」

 

 「いいから始めるわよ!」

 

 「アハハ…お姉様恥ずかしがり屋さんだからね」

 

 「そうなの?」

 

 「ふふ、ええ。キャルちゃんは恥ずかしがり屋さんなのよ、でも皆の事大切に思ってるのは本当だから心配しないでね。あの子も見るなとは言ってないから後で見れるわよ。」

 

 「あっ、ホントだ!言ってなかったね!ふふ、よ~し!今日はもっとキャルちゃんと仲良くなるぞ~!」

 

 「わ、私も!頑張るぞ…お~!」

 

 「ふふ、私も応援してるわよ。二人共頑張ってね!」

 

 

 あたし達が布団を敷き終えると皆自分の布団決め始めた、今回あたしのベッドは使わない予定だ。自分だけベッドで寝るは気が引けるからね。

気が付いたらあたしを中心にして円型になっていた、何かの儀式かな?

 

 「あたしは此処だからね!取らないでよゴルシ!」

 

 「んなもん取るわけないだろ、キャル囲って寝るんだから何処も一緒だ。」

 

 「ふっ!それは違うわよ!ここのポジションだとお姉ちゃんの顔が近くで見れるのよ!」

 

 「なん…だと…っ!」

 

 「あ~確かにそうだね!」

 

 「でも、寝返りしたら見えないよね…」

 

 「スカーレット!おめぇもまだまだ甘いぜ!アタシがいる所はキャルのケツが見ry」

 

 「あんたは何言ってんのよおおおおお!」

 

 「アベシッ!」

 

 「なん・・・ですって・・・っ!」

 

 「いや、あんたものらなくていいから」

 

 「私はお姉様とお手々繋いで寝たいな」

 

 「私はキャルちゃんとお話ししながら!」

 

とそれぞれ言い合う彼女らに自然と笑みが出る

 

 「ほら、お昼食べに行くわよ。」

 

 「「「「は~い」」」」

 

 食堂へ着くとお昼時で賑わっていた

 

 「うわ~すご~い!」

 

 「病院みたい」

 

 「向こうで買えるみたいだよ」

 

と三人食堂を見回していた、あたしとゴルシは何時もの光景だからあまり気にならないが、初めて見る三人にとっては新鮮で驚くのは当然だろう。

皆で食券機まで行くとよくあたしに話しかけてくれる女性研究員が見やすいようにと台を用意してくれた、あたし達は順番に乗って決める。

 

 「沢山あるから迷ちゃうね!」

 

 「う、うん。ウララちゃんは何にするの?」

 

 「う~んとね~、あっ、オムライス!私オムライスにする!」

 

 「え~と、じゃあ私は…唐揚げ定食にするね。」

 

 「次はあたしね!え~とっ。」

 

 「スカーレット、お子様ランチもあるわよ。」ボソボソ

 

 「もう!お姉ちゃん子ども扱いしないで!」

 

 「でもよ、ここのお子様ランチ頼むとキャルのブロマイドとかグッズがおまけで付いてくるぞ」

 

 「え!?ならお子様ランチにする!」

 

 「ちょっと待って!アタシそんな事一度も聞いたことないわよ!何時からよ!てか何時の間にそんなの出来てるのよ!?」

 

 「いや~アタシに聞かれてもな~前に頼んだら付いてきたし」

 

 「お姉ちゃん…ダメ?」ウルウル

 

 「うっ!しょ、しょうがないわね」

 

 「イヤ、お前チョロすぎるだろ…」

 

 「し、仕方ないじゃない!あんな目でお願いされたら断れないわ!」

 

 「はぁ~、ほれ次アタシ達みたいだから早く決めんぞ。」

 

 「…ええ。」

 

で、後ろの人達にもこれ以上迷惑かけてしまうのはあれなので急いで決めるあたし、結局あたしはラーメン定食、ゴルシはステーキ定食を選びそそくさとその場を離れた。

 

 

 「「お、美味しいいいいい!」」

 

 「あ、美味しい。」

 

ウララとスカーレットが叫び、ライスは口に手を当て驚いてる。そう、ここの料理は無駄に美味なのだ、最初の頃あたしは無料だと知り食べ過ぎて動けなくなったこともある。病院ぽいから病院食を想像するだろうが全く違う、有名シェフが作ったような料理なのだ、しかもこれが無料…姉さんっていったい何者と常々思う。

 

 「ホント此処の調理師何もんだよ、何か知らないのかキャル。」

 

 「知るわけないでしょ、あまりそういった話した事ないし…あたしは住まわせてもらってる身だから。」

 

 「そっか。」

 

そう言ってゴルシは食事を続ける

 

 「お姉ちゃん!見て見て!お姉ちゃんの写真!」

 

とスカーレットがあたしが写ったブロマイドを見せてきた、てか、これ前に研究員の人がカメラの試し撮りしたいって言ってきて撮ったやつじゃない!?

そこには照れつつも控えめにピースしてぎこちなく笑うあたしが写っていた。も、もう少し良いのなかったの恥ずかしい!

とこんなこともありつつも皆で昼食を終える、今はあたしの部屋に戻っている最中だ。

 

 「ここ広いんだね~」

 

 「そうね、結構広いわよ、運動できる所もあるし体動かしたなら案内するわよ。」

 

実際あたしも行ったことない部屋もあるから分からない事もある。

あたしの部屋に着くと皆ベッドに座ったりテレビ見たりと思い思いに過ごし始める、あたしの部屋は基本的にゴルシの私物が多く遊べるものは大体ゴルシが持ち込んできたものだ、あたしの私物は数冊の本と着替えくらいだろうか一応あたしは住まわせてもらっている身なので娯楽品を買ってもらうのに少し罪悪感があったから結構遠慮していた。

まあ、遠慮してたから部屋が殺風景になってるんだけどね。たまに気を利かして姉さんや真帆がぬいぐるみ何かを買ってくる時がある。そのぬいぐるみはちゃんと棚に飾ってある。

そんなわけで遊べるものが少ないのだ、もしゴルシと出会ってなかったら遊べなかったと思う。

あたしが皆に顔を向けると

 

 「あ~!ゴルシ今のずるい!」

 

 「ずるくないぞ、ちゃんとした技だからな」

 

 「うわ~ライスちゃん上手だね~」

 

 「そ、そんな事ないよ。あっ、ここはこのボタン押すと攻撃できるよ。」

 

某大乱闘ゲームで盛り上がっていた

 

 「お姉ちゃ~ん!あたしの代わりにゴルシやっつけて!」

 

 「ふっふっふっ!アタシの勝ち!何で負けたか明日までに考えといてください。そしたら何かが見えてくるはずですよ。ほな、いただきます。」

 

 「むきっ~~~~!!!!」

 

ゴルシに散々煽られたのだろう、スカーレットの顔が真っ赤になって涙目になっていた。

 

 「ほら、貸しなさい」

 

あたしがスカーレットに手を出すと笑顔になり妙にキラキラしていた

 

 「お姉ちゃん!お願い!」

 

 「おっ!キャルが相手か、久々だから楽しみだぜ!」

 

 「もう、少し手加減しなさいよね」

 

 「できたらな~」

 

あたしとゴルシは対戦に没頭した。ちなみにだが四人でやっているがウララとライスはステージの隅で教え合いっこしながらやっていた、とても可愛かったとだけ言っておこう。

結局同点で終わりゲームをやめた、スカーレットは未だにゴルシにちょっかい掛けられており、ウララとライスは絵本を読んでいた。

そうそう、ライスの好きな絵本、たしか青いバラのだが苦労して見つけ買っておいたのだ、ライスが此処に来るときに喜んでもらえるようにね。

渡したとき抱きつかれたのはいい思い出だ、あたしはそんな中参考書を読みながら時間を潰していた。

一対一なら何とかできるが一対多の時の遊びをした事が無いからこうゆう時どうしたらいいか分からないのだ、あたしにコミュニケーション能力がもっとあればみんなで楽しく遊べたかもしれないのにと思いため息をつく。

 

 それから数時間、姉さん達が部屋に入ってきたのに気付き顔を上げる。どうやら集中していたからノックに気付かなかったようだ。

あたしの膝には疲れたのか寝ているスカーレット、奥を見ると布団の所で絵本を開きながら寝ているウララとライス、あたしの隣で小説を読んでるゴルシと大半が寝ていたのであった。

 

 「あらあら、おやつ持ってきたのだけど要らなかったかしら?」

 

 「うみゅ!おやちゅ!」

 

姉さんのおやつという言葉に反応して起きるスカーレット、寝起きな為に舌足らずな喋りになってて可愛らしかった。

 

 「ありがとう、机に置いといてもらえるかしら。」 

 

 「ええ。それと、せっかく来てもらったんだからちゃんと遊ばないとダメよ?」

 

 「うっ!は~い。」

 

姉さんに注意されるあたし、確かにほったらかしにし過ぎたのは反省点だ、夢中になると周りが見えなくなるのは癖だから直ぐには直せないが…。

おやつの為一度皆、といってもウララとライスを起こして食べる。わざわざ買ってきてくれたのか結構色とりどりだった、スカーレットやウララなんかは嬉しそうに食べてるし、ライスも美味しそうに食べてる。その顔を見てるだけで癒されるがあたしも早く食べないと無くなりそうな勢いで減っていってる、あたしは目の前にあるケーキを食べる。

 

 おやつを食べ終え、皆でテーブルゲームで遊ぶ、麻雀やチェス何かはウララやスカーレットが分からないから簡単なトランプになった。

ババ抜きやら真剣衰弱をして遊んだ、他にもUNOやら(こっちの世界ではUMAらしい)人生ゲームなんかもした、ゴルシが持ってきた物だからか内容も凄かったがまあまあ楽しめた。

終わる頃には夕食時になっており皆で食堂に向かい夕食を食べる。

 

 夕食を食べ終え、お風呂に入る事にする。

お風呂はあたしが何時も使っている所だと狭いから大浴場を貸してもらい皆で入る、ここ使うのは何気に初めてだからあたしも少し楽しみだ。

 

 「うわ~広~い!」

 

中に入ると銭湯くらいの広さだった、シャワーブースは勿論サウナ室まである、仕切り板の多さが気になるが…あたしは驚きつつも大人しく体を洗うのであった。

洗い終えあたしがお風呂でくつろいでいると

 

 「お姉ちゃん!前みたいに洗って!」

 

 「もう、一人で洗えないのかしら?」

 

 「やっ!お姉ちゃんに洗ってもらいたいの!」

 

 「分かったわ、ほら行くわよ。」

 

 「やった!うん!」

 

とスカーレットがおねだりしてきてので大人しく言うことを聞く事にし、スカーレットの髪や体を洗ってあげる、その際あたしの体とかも洗われたが気にしない事にする。

再びお風呂に浸かっていると

 

 「キャルちゃん!洗いっこしよ!」

 

 「え?…ええ。」

 

この時あたしは考える事をやめた、皆一緒に入ってるから洗っている事は知っていると思われがちだがお風呂場は所々に仕切がありお風呂に浸かると洗い場が見えなくなるのだ、シャワーブースにも一つ一つに仕切りが付いている、プライバシー的なアレだろう。その為あたしが洗っていた事はみんな知らないのだ、くっ!こうなるなら皆と一緒に洗っとけば…。

ウララと洗いっこ済ませお風呂に戻る、流石に三回も体洗うとヒリヒリするなあと思ってると

 

 「お、お姉様。あ、あのね」

 

 「洗いっこね?」

 

 「ふぇ?あ、うん!凄い!お姉様私の考えてる事分かってるみたい!」

 

 「ふふ、ええ。何となく分かっちゃたわ。」

 

こうして本日三度目の洗いっこが行われる

 

 「あれ、お姉様の髪なんかちょっと変、クンクン…あれ?もしかしてもう洗っちゃった?」

 

 「え!?」

 

 「それに体…何か少し赤くなってる…」

 

 「そ、それはあれよ!お風呂入ってたからで…イッ」

 

ライスに肌を撫でられる、何度も洗ったから肌が少し炎症していたのだ、だから軽く撫でられるだけでもチクッとした痛みがはしる。

 

 「やっぱり。ウララちゃん達に洗ってもらったんだよね?」

 

 「え、え~と。…はい。」

 

 「もう!そうゆう事は早く言ってくれなきゃメっだよ!」

 

 「怒らないの?」

 

 「怒らないよ?でも私のお願いでお姉様に辛い思いさせてたと思うと少し悲しいな。」

 

 「~~~っ!!!」

 

悲しそうな顔のライスをを見てあたしは言葉にできないような悲鳴を上げライスに抱き着く

 

 「お!お姉様!?」

 

 「ごめんなさい。あたしあなたの悲しい顔を見たくないのよ。今回の事はあたしが悪かったわ、今度からちゃんと言うから。」

 

 「うんっ。うん、約束だよ?お姉様。」

 

 「ええ。」

 

あたしはライスの髪を撫でながら言う、何かライスの息が荒いが大丈夫だろうか

 

 「ハァハァハァ…オネエサマオネエサマ」

 

とりあえず落ち着くまで撫でとこうと思い撫でていると

 

 「あ~っ!ライスちゃんずるい!あたしもお姉ちゃんにギュってされたい!」

 

スカーレットがお風呂場からこちらに走ってくる

 

 「スカーレット!走ると危ないわよ!」

 

注意するも緩めずこちらに走って来る、ぶつかると思い身構えるが途中で失速しあたしの腕に飛びつく。

 

 「はぁ~、びっくりするじゃない。」

 

 「えへへ、お姉ちゃんに抱き着きたかったんだもん!」

 

 「だもんじゃないでしょ。」

 

いろいろあったがお風呂は何とか乗り切った、そういえばゴルシは何処にと思い探すとサウナ室にいた、今まで此処にいたのに驚きだが大丈夫なのだろうかと思って見ていると目が合いサムズアップする。大丈夫のようだ、あたしはのぼせないように言いお風呂に入りに行く。

それから一時間くらい経ってから出た、あたしはのぼせたが何とか着替え今は部屋で休んでいる。姉さんが気を利かせアイスを持ってきてくれたから皆で食べる、ひんやりして体全体に冷たさが周り気持ちがいい、それを堪能しながら食べる。一気に食べると頭にくるからゆっくりとだけどね。

食べ終わった後は皆で歯磨きをして寝るのだが、布団に潜るが全く眠りに付けない、それは皆も同じようで眠くなるまでおしゃべりしようとなった。

と言っても話せる事が限られてくる。そうだ、女子ってこうゆう時恋バナするんだっけ(漫画知識)そう思い付きあたしは皆い聞く

 

 「そういや、あんた達好きな人とかいるの?」

 

 「ん?私はキャルちゃん!」

 

 「わ、私もお姉様が…シュキ。きゃー!////」

 

 「お姉ちゃん!」

 

 「なら、アタシもこの波に乗って!キャル愛してるぜ!」

 

 「そ、そう。ありがとう。ってそうじゃないでしょ!こうゆう時って普通男の名前言うもんでしょ!」

 

 「男の子?ん~、ウララ男の子よりキャルちゃんと居たほうが楽しいしな~」

 

 「わ、私は男の子は少し苦手だから…」

 

 「あいつらすぐちょっかい掛けてくるから嫌いよ!この前だってからかってきたし…思い出したらムカついてきた~」

 

 「男な~、興味無さ過ぎて最近視界に入れてすらなかったな。」

 

 「えぇ…。」

 

ウララやライスは分かる、スカーレットちゃん?それ君に気があるからだよ?と言ってもたぶんすっごい嫌ってるみたいだからその男の子には合掌、ゴルシに関しては論外。ここにいる子達特殊過ぎて話にならないわと思った。

 

 「じゃあ、次の話題を…ライス!お願い!」

 

 「ふぇ!?私!?え、えっと…お姉様、好きな人いる?」

 

 「ヴぇえ!?」

 

まさかのキラーパスで変な声が出る

 

 「それあたしも気になる!」

 

 「アタシも~」

 

 「ウララも!」

 

と先程とは段違いに真剣な表情で言う三人

 

 「え~言わないとダメなの?」

 

 「うん。言ってほしいな。…それとも、もしかして好きな人いるんじゃ…」

 

後半からライスの瞳のハイライトが消え声が低くなる

 

 「い、いないから!あ~もう!あたしが好きなのは姉さん、真帆、此処にいる皆!これで満足でしょ!」

 

 「お~男の気配は今の所無いみたいだな~」

 

 「男の人なんて此処の研究員と護衛の人達以外接してないわよ?」

 

そう言うと皆安堵した表情へと変わった、何だというのだろうか…あたしは疑問に思いつつも次の話題を聞いてくのであった。

それから、数分話す事もなくなりどうしようか迷ってると

 

 「スカーレット!食らえ!」

 

 「ギャフ!」

 

枕が顔に当たり後ろにコロンと倒れるスカーレット

 

 「っ!何すんのよっ!」ブン

 

お返しとばかりに投げ返すスカーレットに

 

 「お前の攻撃は見切ってる!」

 

と言って避けるゴルシ

 

 「ムぅ~!」

 

そんな感じで二人の枕投げが唐突に開催された、あたしとウララ、ライスはその光景を眺めているだけだったが急にこちらにも枕が飛んできた、慌てて避けて、飛んできたほうを見るとゴルシがニヤニヤしていた。

あたしは飛んできた枕を投げ返しそれを手に持っていた枕で打ち返すゴルシ、そしてウララの方に飛んで行き頭に当たる。

 

 「やったな~!え~い!」

 

ウララまでもが参戦、見ているだけとなったライスは次が自分に来ると思い枕を頭に乗せ警戒している、そんなライスに軽く枕を投げて当てる。

あたしの方を驚いた表情で見るライスに笑いかけると目を輝かせ枕投げに参戦してきた、どうやら遠慮していたようだ。

こうして全員で枕投げが行われた、ウマ娘という事もあって枕が飛び交うスピードが尋常じゃないが目で追えるし取れるからまだいい、これがヒトだったら大惨事だろうとそんな事考えつつあたしは飛んでくる枕を避け投げる。ウララは投げるが飛距離があまりなく途中で落ちているそれによく当たってる、スカーレットはゴルシ中心で狙ってるようでゴルシと激しい戦いをしていた、そんな中ライスは枕を投げ飛んで来たら布団に潜りガードを繰り返していた、ゴルシはスカーレットの攻撃を避けつつ無差別攻撃をしている、攻撃されてるのに器用なもんだ。そんな感じで遊んでると時間を忘れてしまう、気づいた時には遅かった。ゴルシが投げた枕が扉へと向かい丁度入ってきた姉さんの顔に当たる、それも結構いい音を出して。

あたし、スカーレット、ライスは顔を青ざめ、ゴルシに関しては「やべっ」と声を出している、ゆっくりと顔に張り付いた枕を取るそして物凄くいい笑顔で

 

 「フフッ、寝 な さ い 

 

と言い放つ

 

 

 「「「「はい」」」」ブルブル

 

あたし達は震えながら返事をしそのまま寝るのであった。ちなみにだが何時も間にか疲れて先に眠っていたウララは無事であった。

 

 翌日、昨日の事を皆で姉さんに謝まり何とかなったのだが姉さんを怒らせてはいけないと皆が思った。

 

これがあたしが初めて経験したお泊り会である、前世でもした事なかったからとても楽しかった、今後もこういったことあればいいなと思う。

 

 

 

 

 

 これはまだ夏の始まりにすぎない!まだまだ滞在する彼女達、果たして今後どういったイベントがあるのだろうか!

 

 

 次回作へ続く

 

 




最近夜起きてるのが辛くなってきた老人です、寝落ちばかりで全然作業だ進まない…
皆さんも私みたいに無茶しずに休む時はちゃんと休んで下さいね、倒れてからでは遅いですから。

そういや、プリコネ二期始まりましたね、相変わらずの作画そして可愛すぎるキャルちゃんもう最っっっ高ですね!
ウマ娘にキャルちゃんのサポカ来ないかな!

ウマ娘の方はレーシングカーニバルっていう面倒くさいイベ来てますね。イベントレベル5因子作るの大変でした、地味に相手さん強いし。ともかく結晶とチケとピースは全て交換できました、まだ少し時間あるのでマニーように頑張りますね。
次回のガチャに恐怖しながらの今日この頃です。

それにしてももう二月ですよ。早すぎません?あれ?この前お正月でしたよね?
日にち感覚バグっててもう良く分からなくなってます
何もできず一年終わりそうで怖いです。

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