プリンツ・オイゲンがでかい暁を裏切っていなくなってしまうネタ小説。多少のエロあり。ご都合主義あり。

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でかい暁「オイゲンが裏切った?」

 

 プリンツ・オイゲンはもういない。ずっと側にいるものだとばかり思っていた彼女はある日ふっと水泡のように消えてしまった。

 

 そんな中ふいによみがえる彼女との思い出。そういえば…オイゲンはよく私のことを「ビスマルクお姉様」と呼んでは後ろをついて歩いていたっけ。

 

 後ろを振り返ってももちろん彼女の姿はない。こぼれるような笑みを浮かべて私を慕っていたオイゲンはもういないのだ。

 

 『ビスマルクお姉様…ごめんなさい』

 

 彼女の言葉が頭を過る。

 

 あの日…鎮守府近海に突然現れた深海棲艦の群れを迎え撃つべく、私は艦隊を率いて海上を航行していた。私の率いる隊はみながドイツ艦…そして先行する私の少し後ろには、いつものようにオイゲンがいた。

 

 ほどなくして前方に多数の深海棲艦を確認。先手必勝…私は攻撃されるより前に砲火を浴びせてやろうと率いていた艦隊に指示を出そうとした。

 

 その時だった。

 

 ズドンというすさまじい音を耳にすると共に背中に軽い衝撃を受ける。

 

 ―――そんな…先手を打たれた!?

 

 私が受けた衝撃こそ小さかったものの、すさまじい音が後方で轟いたのだ…それはつまり艦隊の誰かが深海棲艦からの攻撃を受けた可能性があった。

 

 『…くッ!みんな大丈―――』

 

 急いで被害を確認、場合によっては撤退や応援の要請を行わなければと後ろを振り返った。

 

 『…え?』

 

 僚艦へと呼びかける私の言葉が最後まで出ることはなく、かわりに気の抜けたような声がその最後を飾った。

 

 驚きのあまり言葉が出てこなかったのだ。

 

 …被害は甚大。随伴艦のほとんどが艤装から黒煙をあげてかろうじて海面に立っている姿が目に映った。でもそれだけならまだよかった。

 

 艤装から煙が出て、航行もままならないことなんて今までに何度もあった―――日々海を往き、深海棲艦と戦闘を繰り広げている以上、今更大破程度では驚きはしなかっただろう。

 

 『………』

 

 深海棲艦に向けられるべき砲は味方へと向けられ、その砲口からは白い煙がゆらゆらと立ちのぼっている。砲撃が行われたことは明らかで、それを行った張本人はプリンツ・オイゲンだった。

 

 深海棲艦から受けたとばかりに思っていた攻撃はプリンツ・オイゲンによるものだと理解することは出来た。でもなぜ彼女がそのような真似をしたのかを理解することは私には出来なかった。

 

 『どう…して』

 

 かろうじて私が発した言葉にオイゲンは何も答えなかった。ただ、立ち尽くす私の横を通り抜ける際、彼女は小さな声で私に囁いたのだ。

 

 『ビスマルクお姉様…ごめんなさい』

 

 顔を俯かせて帽子をいつもより目深に被っていたので彼女の表情を窺い知ることは出来なかった。

 

 一つ分かったのは、その時に私が聞いた彼女の声は、普段から私が耳にしていた明るく弾んだものではなく、感情を抑えるような冷たいものということだけだった。

 

 その後、私が何か言葉を掛ける間もなくオイゲンは深海棲艦の群れと合流。私を一瞥することもなく、背を向けたまま深海棲艦の後に続いてゆっくりと私たちのいる海域から離れていった。

 

 『オイゲンッ!待ちなさい!!』

 

 深い青色に染まった水平線の向こうへと溶け込んでいくオイゲンに向かって彼女の名を叫ぶがそれが届くことはなかった。

 

 それからしばらく…鎮守府から救援が来るまで、いや救援隊が到着してこうして鎮守府に戻り、オイゲンのいない日々を送る中でさえも私は彼女をのみ込んだあの水平線の先を望み、思いを馳せるのだ。

 

 そうして長い時間が流れていった。

 

 果てしなく広がる海のどこかにオイゲンの影を見ては追い求め続けた時期もあったが、今はただ鎮守府の波止場から水平線の先を見つめるだけの日々…。

 

 きっと今日も明日も明後日も…私が朽ちてなくなるその日までずっと

  

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思っていた時期が私にもあったわ!!!

 

 

 オイゲンがいなくなって以来、私は彼女と寝食を共にしていた自分の部屋に戻ることに抵抗があり、別のドイツ艦の子の部屋に居候させてもらっていたの。

 

 だってあそこにはオイゲンが使っていた布団、オイゲンが使っていたみかん箱の机、オイゲンが使っていたローター…彼女がここにいたことを思い起こす証がたくさんあるんだもの。

 

 でもこのままではいけない…ある時いつものように水平線を見ていたらふと思ったわ。

 

 今の私を…ただ鎮守府の波止場に腰を掛けて水平線をぼーっと見ているこの私をオイゲンが見たらどう思うのかなって…。

 

 あの子が慕ってくれていたのは…!

 

 もっと言えば、あの子が尊敬してやまなかったのはこんな私ではないはずよっ!!

 

 誇り高きドイツの戦艦!!それが私、ビスマルクッ!!

 

 いつまでもウジウジしていたらオイゲンを失望させちゃう…!しっかり前を向かなきゃって思ったの!

 

 というわけで彼女が居なくなってからは入ることさえしなかった私とオイゲンの部屋に突撃よ!

 

 もしかしたらいつか彼女が戻ってくるかもしれない…そう思うとオイゲンの使っていた私物をそのまま残しておくべきなのかもと迷ったけれど、いつまでも捕われていてはいけないと私は泣いて芭蕉を切る思いで彼女の物すべてを処分することにした。

 

 ちなみに処分を行う際は他のドイツ艦たちも手伝いに来てくれたわ。みなオイゲンから攻撃を受けたというのに…やっぱり同郷の絆は固いわね。

 

 そうしてオイゲンとの思い出と決別するべく、私たちは黙々と作業を続けていた…そんな中

 

 私は見つけてしまったのだ―――これは日記???

 

 そしてオイゲンには悪いと思ったけど…私は他のドイツ艦を呼びつけて、みなでゆっくり腰を下ろしてオイゲンの日記を見ることにした。

 

 そこには何気ない鎮守府での日々―――彼女との懐かしい思い出が丁寧に彼女らしい言い回しで書き綴られて…はおらず、そのほとんどがビスマルクお姉様大好きという内容で埋め尽くされていたわ(ドン引き)。

 

 しかし日記をペラペラ捲っていくとあることに気が付く…

 

 最初はビスマルクお姉様大好きクンカクンカというようなドン引きな内容や私への愛のポエムが書き綴られていたのだけれど…途中からはビスマルクお姉様が全然振り向いてくれないとかビスマルクお姉様が好きなのはアドミラールさん…などという悲しげなものへと変わっているのだ。

 

 え、私べつに提督のことなんとも思ってないけど?

 

 でも日記を書いていたオイゲンには私はそうは映っていなかったらしい。

 

 そして最後に彼女はビスマルクお姉様とアドミラールさんが結ばれるのを見るくらいなら深海棲艦にでも寝返って、完全に敵対した方がマシという結論を書き記しており、そのあと日記は白紙となっている。

 

 「…行かないと」

 

 日記を読み終えるが早いか、私は立ち上がっていた。オイゲンが私たちの元を去った理由が分かったのもあるけれど、オイゲンの誤解を解きたい―――あとついでにあなたが居なくなって初めて気付いた私の思いも彼女に伝えたいっ!

 

 私の言葉に他のドイツ艦たちも頷き、立ち上がる。みなオイゲンに対峙する覚悟を胸にしっかりと決めているようだった。

 

 「…行くわよ!ついてらっしゃいっ!!」

 

 そして私たちはオイゲンとの再会を求め、海へと繰り出したのだ。

 

 ■

 

 「あわわわわわ…!ビ、ビスマルクお姉様…!それにみんなも…」

 

 そして海へ出てからものの数分で、あれだけ長い間どれだけ探しても見つからなかった彼女を見つけることが出来た。

 

 というかマックスのアイデアで私が「オイゲン今すぐ出て来なさい!出てこなければ私、沈んじゃうんだから!!」って叫んだら海の中からひょっこり出て来たわ…。

 

 「…オイゲン、久しぶりね」

 

 「…………」

 

 オイゲンが逃げないように急いで彼女の四方を取り囲む。レーベもマックスもグラーフも…そして私も両手を大きく広げてオイゲンの行く手をふさいだ。ちなみに空中にはグラーフの艦載機が飛んでるし、海中にはユーボートとローちゃんが控えているという完璧の布陣よっ!

 

 「…日記、読んだわ。悪いとは思ったけど…おかげで全部理解したわ。オイゲンあなたのこと全て…!」

 

 「…!」

 

 口元をキュッと噤んで、あの時と同じように帽子を目深に被り目を伏せていたオイゲンが私の言葉にビクリと体を震わせた。そして直後あわあわしだしたと思ったら、顔を真っ赤にして何か言いたげに私をにらんだ。

 

 「…なによ?何か言いたいことがあるならいいなさい!」

 

 「……ッ」

 

 「え、なに?聞こえないわよ??」

 

 オイゲンが口をもごもごさせていたので、私は挑発も兼ねてわざとらしく耳に手をあててしかめ面をした。するとオイゲンはさらに顔を赤く染めて…

 

 「…さい」

 

 「ん?だからなによ…はっきり言いな―――」

 

 「うるさいっ!!!」

 

 「ぴゃっ!?」

 

 思わずびっくりして腰が抜けそうになったわ!だって急に大きな声を出すし、オイゲンが私にそんな口を利くなんて…

  

 でもそれをきっかけに堰を切ったようにオイゲンは話し始めたの。

 

 「に、日記を勝手に読むなんて酷いですよ!!それに…わ、私の気持ちを勝手に覗くなんて…!!許せない、許せませんっ!!」

 

 覗くもなにもバレバレだったような…(レーベ)

 

 「あれだけ大好きって伝えたのに…!あれだけ一緒にいたのに…!あんなにビスマルクお姉様のことを思いながら一人で致していたのに…!」

 

 さすがにドン引きだわ…(マックス)

 

 「どうしてビスマルクお姉様は振り向いてくれないんですかっ!!どうしてアドミラールさんのことばかり見てるんですっ!!」

 

 隙あらば褒めてもらおうとアドミラールを注視していたことが仇となったか…(グラーフ)

 

 「許さないっ!!許さない許さない許さないっ!!そんなビスマルクお姉様なんて大っ嫌い!!!」

 

 ぐはっ!!オイゲンにここまで言われるとさすがに心が…

 

 「でも…」

 

 でも…―――そう言って目に涙を浮かべて私を見るオイゲン

 

 「でも私はやっぱりビスマルクお姉様のことが大好きなんです…心から!」

 

 彼女は照れくさそうに、でもどこか吹っ切れたようにそう言ったわ。つい私が懐かしくなるような笑顔を浮かべながら…。

 

 「オイゲン…帰りましょう?」

 

 私は手を差し伸ばした。オイゲンがその手を握ることを望んで…

 

 「…無理ですよ」

  

 でもオイゲンは諦めたように小さく笑うだけで私の手を取ろうとしない。その後しばらく手を取れ取らないの押し問答が続き、時間だけがむなしく過ぎていく…。

 

 だから業を煮やした私は無理やりにでもオイゲンの手を掴もうとした…けど

 

 「だって私はもう―――深海棲艦ナンデスカラ」

 

 体の底から凍えるような冷たい声を聞いて、私はハッとオイゲンを見た。

 

 そこにはオイゲンであって、オイゲンじゃないものがいた。

 

 「どうですかビスマルクお姉様?これが私の新しい姿…生まれ変わったプリンツ・オイゲンです」

 

 オイゲンの艤装は私たちの知る以前のものから明らかな変化を遂げていた。そしてそれに私たちはひどく見覚えがある。均整を欠いた禍々しい形に艶やかな漆黒の塗装、それはまさに深海棲艦が持つそれだった。

 

 「あはっ…!ビスマルクお姉様とアドミラールが結ばれるのを見るのが嫌で深海棲艦になっちゃいましたけど…これなかなかに気持ちいいですっ!開放的っ!!」

 

 特徴的だった鉄十字も完全に消え失せ、不気味な黒い装甲に覆われているのは胸部と下腹部の一部のみと全体的に肌の露出が増えていた。まるでこれじゃあリ級…。

 

 「ねえビスマルクお姉様ぁ…こんなプリンツ・オイゲンを見てもまだ鎮守府に連れて帰るなんてこと…言わないですよねぇ?」

 

 もはや手の形を失い、まるで深海生物のような口と化したそれが私の前に伸ばされた。

 

 「無理…無理に決まってますよねぇ!?」

 

 オイゲンが伸ばしたそれは私の胸倉を勢いよく掴み、とてつもない力でオイゲンの方へと引き寄せた。そしてオイゲンと私の鼻がくっついてしまうくらいの至近距離で、彼女は吐き捨てるように無理と突きつけた。

 

 そしてオイゲンは私を軽く突き放したけど…でも私は気づいていた。

 

 オイゲン…あなた声が震えているじゃないの。

 

 「…これでも私、今結構幸せなんですよ?力が体の底からみなぎってすごい気持ちいいですし、ビスマルクお姉様やみんなのことなんかきれいさっぱり忘れられそうなんですっ!!」

 

 もう…いいわ。もう聞き飽きた!

 

 「さぁ、もう私のことは放っておいてください!きっと次に会う時は完全な敵同士です。沈んでも沈められても恨みっこなしですからね?あ、それとも今やりますか?言っときますけど今の私はビスマルクお姉様にだって引けを取ら―――」

 

 「オイゲンッ!!!」

 

 バチン!と乾いた音が響き渡る。私の右の手のひらはジンジン痛いし、オイゲンは赤くなった頬を手で押さえて俯いていた。

 

 「言うはずがないでしょう、そんなことをッ!私のオイゲンがッ!!」

 

 私の叫びにオイゲンはおろか周りのドイツ艦たちも目を丸くしている。でも私は止まらない。止まるわけにはいかない!

 

 「私のオイゲンを馬鹿にするなぁ!!!」

 

 私はオイゲンの両肩をむんずと掴んで彼女をグラグラ揺らしまくる。それはもうしっちゃかめっちゃかに揺らしまくるっ!

 

 「ちょ、ビスマルクおね―――」

 

 「うるさい!うるさいうるさいうるさい!!うるさーーいッ!!!」

 

 オイゲンが何か言っているみたいだけど、体をめちゃくちゃに揺らしているので声が震えて何言ってるか分からないわ(すっとぼけ)

 

 そのままいったいどれくらいの間、オイゲンを揺すったかは分からない。でもそれはオイゲンが私の手を振り払い、睨みつけたところで終わりを告げた。

 

 オイゲンは叫ぶ。

 

 「何するんですかビスマルクお姉様!?」

 

 「うるさい!黙りなさい!」

 

 「こ、こんなことしたって…私はもう戻ら―――」

 

 「まだそんなことを言うの!?まだ分からない!?ここまでしてるのに!!」

 

 「はァ…?いったい何を言―――」

 

 もういい!!オイゲンの分からず屋ッ!!

 

 こうなったら私だって言っちゃうんだから!!!

 

 言っちゃうんだからね!?

 

 そして私はオイゲンが言葉を発するのを待たずに叫んだ。

 

 「私だってオイゲンが好き!!!」

 

 ■ 

 

 「え…?」

 

 またもやオイゲンと周りのドイツ艦たちが目を丸くしている。波間の音がはっきり聞こえるくらいに静まり返った気がするわ…。

 

 でももう言ってしまった手前、引き下がれない!

 

 それに私は誉れ高きドイツの戦艦、ビスマルクよ?敵前逃亡はなし!突撃あるのみよ!

 

 「オイゲン、あなたが居なくなって気が付いたの…。私、あなたがいないとどうにも調子狂うのよ」

 

 「そもそも提督なんて端から眼中にないし!それに…私のことを尊敬し崇め慕い好きと言い続けてくれるのはオイゲン…あなたしかいないじゃないの」

 

 「私は私を褒めてくれる、認めてくれる人がいいのよ…!だから―――」

 

 そう言って私はオイゲンを抱き寄せた。肌のあらわになった体は寒さに凍えているのか、ひどく震えている。私はその体を優しく撫でた。

 

 「ビスマルク…お姉様」

 

 「オイゲン…」

  

 私はオイゲンの肩に手をまわし、そっと顔を近づけた。オイゲンのうるんだ瞳はキラキラときれいに輝き、上気した彼女の顔をゆっくりと眺めてから最後はそのまま唇に―――

 

 「ッ!ビスマルクお姉様、離れてッ!!!」

 

 「え?きゃっ!!」

 

 オイゲンにキスをしようとした瞬間、私は彼女に突き飛ばされてしまった。そして突き飛ばされた先にいたマックス、レーベに私は受け止められる。

 

 「大丈夫!?」

 

 …二人に心配されすぐに体勢を立て直したが、内心穏やかではない。

 

 私はオイゲンに拒絶された…その事実が受け止められないでいたのだ。

 

 でもそれはオイゲンを見て霧散した。

 

 「…何か変だぞ、ビスマルク!レーベ、マックス警戒しろ!!」

 

 「オイゲンッ!?どうしたの!?」

 

 見るとオイゲンが自分の頭を抱えて苦しそうに唸っていた。しきりに頭が痛いと訴え、うめき声をあげている。

 

 様子がおかしい。グラーフの指示でレーベやマックスがオイゲンに砲を向けている。

 

 それでも私はオイゲンの元へ駆け寄ろうとした…その時だった。

 

 ゆらりと体を揺らしたオイゲンは私が抱き寄せた時の彼女とはまた違った雰囲気を纏っていた。

 

 そして目を見開き、私の知っているオイゲンの笑顔とは違った笑みを浮かべ

 

 「あはっあはは!!さいっこう!!!」

 

 壊れたように私たちを砲撃し始めたのだ。

 

 ■ 

 

 「あー楽しい!!楽しいよぉ!!」

 

 オイゲンが言っていた言葉を思い出す。私たちのことをきれいさっぱりに忘れてしまうというのはたとえでなく本当のことだったのか…。対峙する彼女の姿がそれに真実味を持たせていた。

 

 グラーフの飛ばした艦載機はすべて撃墜され、私たちの包囲網も完全に破られた今、オイゲンは高揚した様子で攻撃を続けている。

 

 レーベとマックスは大破、私たちの後方へと退いた。ユーボートもローちゃんも海中にまで届くすさまじい攻撃に手出しが出来ない。

 

 「ビスマルクお姉様ぁ!!私、今最高の気分なんですっ!!あはっ!!」

 

 以前のオイゲンの力とは比べものにならない破壊力。しかも既存の艤装からだけでなく、新たに砲と化したオイゲンの手だったものから放たれる一撃が非常に厄介である。なにせ戦艦である私や空母のグラーフの装甲を引き裂くほどのパワーだ。

 

 「…おそらく艦娘と深海棲艦、その両方の力を有しているからなのだろう。すさまじい破壊力だ」

 

 「ええ、そうね…でもここで負けるわけにはいかないの!!」

 

 そう言って私の渾身の砲撃をオイゲンに浴びせるが

 

 「ああっ!気持ちいいっ!!気持ちいいですっ!!」

 

 多少の損傷は見られるものの、当のオイゲンはいまだ健在といったところか

 

 「ねぇもっと?もっと楽しみましょう??」

 

 「くッ…!」

 

 雨のように降り注ぐ砲弾にグラーフも大破。私はグラーフの前に躍り出て負けじと砲撃を行う。

 

 負けられない…負けられないの!!

 

 絶対に…絶対にオイゲンを連れて帰るんだから!!

 

 耐える。耐える。耐え忍ぶ…そして

 

 「あーあ、大好きなビスマルクお姉様と遊ぶのもここまでみたいですね~」

 

 砲弾の雨が止んだ時、すでに私の体も大破。航行は可能だが、砲撃はもはや出来ない…そんな状況まで追い込まれていた。

 

 「…ビスマルク」

 

 グラーフの声が聞こえた。

 

 「…オイゲンを、私たちの仲間を連れて帰るんだろう?」

 

 ええ、そうよ。連れて帰る。連れて帰るの!

 

 「…これを使うといい。きっとこれを使いこなせるのはオイゲンが一番心を許した存在…ビスマルク、お前にしか使えない」

 

 グラーフがギュッと私の手に渡したもの…これは!!

 

 「…今、オイゲンは深海棲艦になりかけて苦しみの中にいる。救い出してやれ!」

 

 グラーフはそう言って私の背中を力強く押す。私は思わず笑みがこぼれた。

 

 「…これが最後の攻撃よ」

 

 思いっきり海面を蹴った。水しぶきが高く高く舞い上がるくらいに。

 

 「ああっ!ビスマルクお姉様が私の元へ突っ込んでくるっ!!ゾクゾクしちゃいますよぉ!!」

 

 出せる最大速度でオイゲンの懐へと突進していく。もう回避なんて考えていない本当に最後の突撃。

 

 「さよならビスマルクお姉様…とっても楽しかったです!」

 

 オイゲンの砲口そのすべてが私へと向けられ、放たれるまさにその瞬間

 

 「なっ!?」

 

 海上に急浮上したユーボートとローちゃんがオイゲンの足を掴んだ拍子にオイゲンは体のバランスを崩した。

 

 そしてそれは私の肉薄を許した。

 

 私はグラーフから預かった切り札…オイゲンの部屋にあったローターを彼女の下腹部へと押し付ける。

 

 「きゃんっ!?な、なにを…!!」 

 

 ブブブと振動するローターを下腹部に押し付けられたオイゲンは最初困惑しているようだった。

 

 だが次第にその顔は不快感を露わにし、ローターを押し付けるついでに体を密着させる私を押しのけようとオイゲンはもがいた。

 

 「ビスマルクお姉様、これっ…!!んッ!!」

 

 無駄よオイゲン…頭では忘れても体が覚えているはず…。夜な夜な私をおかずに一人で致していたあなたなら間違いなくこれは効果てきめん!!

 

 「い、いやっ!!お姉様、はなしてっ…!!」

 

 じたばたするオイゲンを戦艦の馬鹿力で抱き寄せて抑え込む。どういうことか深海棲艦と艦娘の両方の力を有していたはずのオイゲンは体をよじらせ、深く息を吸ったり吐いたりするだけである。

 

 これが私を日頃からビスマルクお姉様と慕い、こぼれるような笑みを浮かべていた重巡プリンツ・オイゲンのなれの果てよ!

 

 ふんっ!!さんざん振り回してくれたからこの際、滅多打ちにしてやるわ!

 

 それこそもう二度と私の元から姿を消さないように…ね!

 

 「あっ…♡お姉様、耳は、耳はダメですぅっ!!」

 

 オイゲンを抱き寄せた時、彼女が顔をそむけたのを見て彼女の耳にかぶりついたらオイゲンからの誠意で甘い吐息とだらしなく緩んだ表情をサービスしてもらったわ!

 

 私の戦艦パワー次第でオイゲンのことめちゃくちゃにすることだって出来るのよってことで…

 

 いっくわよ~~~~~!まずはオイゲンのふっくらとしたお胸から

 

 ってコラ~!

 

 「ダメですぅ♡!!本当にだめぇ♡♡!ごめんなさいごめんなさいぃ♡♡!!」

 

 これでもかってくらい柔らかいオイゲンのお胸を片手で乱暴に揉みしだいていたら私の手を掴んでそれを止めようとしており、怒りのあまりオイゲンの唇に私の唇を押し付けてしまったわ~!

  

 「んっ…♡あっ…♡♡ぷはぁ…♡♡」

 

 すっかりオイゲンも立場を弁えて誠意のベロチューを貰ったところで、お次に圧倒的存在感の彼女の下腹部に顔をうずめて

 

 啜る~! 殺すわよ~!

 

 「そ、そこはぁ…♡♡そんなに激しくされたら…んっ!!♡♡」

 

 下腹部をガチガチに覆う装甲の下には可愛らしい産毛が生えており、さすがの私も押し当てていたローターと自分の舌を一緒にオイゲンの大事なところその奥深くにねじ込んでしまいましたわ~!

 

 「はぁ…はぁ…ビスマルクお姉様好きぃ♡♡大好きぃ♡♡もっとぉ♡♡」

 

 ちなみにすっかり堕ちたオイゲンが私に腰を振りながらおねだりする様子は、ぜひ第二話をご覧ください。




オイゲン「芭蕉じゃなくて馬謖」

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