やはり俺が吸血鬼なのは間違っている。   作:角刈りツインテール

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テストが二重の意味で終わりました。そんなわけで満身創痍の中更新を再開します。
そういえばこの二次創作ってどう略せばいいんでしょうかね。俺ガイルだと捻りがないし…鬼ガイルとかですかね?適当に言った割には良さげじゃないですか?そんな感じの第十四話、よろしくお願いします。


第十四話 彼に彼女の真意は届かない。

♦︎♦︎♦︎

 

「…そんなに俺のが見たいんですかね」

「え?———あ、その、ち、違っ」

 

♦︎♦︎♦︎

 

「比企谷くん、そういった発言は控えるべきだと思うのだけれど。今回は私だからなんとか許されているのよ。大体………」

くどくど、ねちねちと色々言われた。

そんな説教の最後に俺が言われた雪ノ下からの要件、つまり本題は『お腹は空いていなのか』というものだった。いやなんだそれ。今の俺の貞操の危機よりも重大な話なのか。そう尋ねたら『由比ヶ浜さんには聞かせない方がいいと思って』とか言うからついうっかり今から告白されるのかと思ったじゃねぇか。そうやって人を勘違いさせるの、やめてもらえませんかね。

で、俺のその質問への返答はNoである。正直な話、ここんとこ一週間は全くお腹が空かないのだ。燃費がいいという話なのかそれとも何も食べなくていいようになにか別の場所から栄養を得ているのか———まぁ何はともあれ楽でいい。確かにそう思っている。だが。

だが、今目の前にある飲み物だけは違う。

「………ッ」

MAXコーヒー———人呼んで、マッ缶。

見慣れた柄の缶を前に、着替え終えた俺の喉が鳴った。

これだけは、お腹が空いていなくても飲まなくてはならない。それは千葉に住んでいる者の義務であり責任だ。これを嫌いと言っている奴は千葉県民ではないと思っているほどだ。知らない方もいるかもしれないので説明しておくが、これは要するに大量の練乳を入れることでデロンデロンに甘いコーヒー。それを聞いただけだと食わず嫌い(飲まず嫌い?)してしまいそうになってしまうが、その気持ちも分からなくはないが一度試せば病みつきになる。その証拠に昔から多くの根強いファンがおり、なんならマッ缶専用の自販機があったりしたこともある。なのでまずは是非お試し頂きたい。まじで美味しいから。そりゃ当たり前だ、甘いのだから。いやまじで飲んで。Amazonで今すぐに注文してくれ。

あ、それともしハマってくれたら『カワシマパン』にてマックスコーヒーパンなるものも販売されているのでそちらもご賞味いただきたいと思う。あれもまた美味いんだよな。1日100個限定なんだけど時々買いに行きたくなってしまうんだ。列に並ぶ奴らは必ず挨拶を交わすというところからも民度の高さも保障付きだ。

…と、まぁ布教活動はここまでにしておいて、早速俺は缶に触れた。

「お———おぉ…!」

なんとそのマッ缶はまだひんやりとしており、そのことが更に俺を感動させた。流石は雪ノ下だ、よく分かっている。涙が溜まってきているのは気のせいではないだろう。そして「プシュ」という缶が開く音を聞いたからか俺の我慢はついに限界を迎えようとした。まさに目で感じ、耳で感じ、手で感じる———と、ここらでファーストインプレッションを終え、先程から欲している喉にその甘ったるい飲み物を流し込む。

「あぁ…」

俺はその瞬間、自分はこの時のために生きてきたんだと本気で感じた———まぁ実際は死んでいるようなものなのだが。この味、匂い、最高のご褒美である。たまらずもう一口———

 

——とそのとき、俺は2人分の視線がこちらに注がれていることに気がついた。誰か、だって?はは、そいつは愚問だな。こんな視線をぶつけてくるやつはあいつらしかいない。あ、皆ぶつけてくるか…まぁ少なくとも小町以外の知り合いではこいつらしかいない。

「ヒッキーまじきもい…」

「比企谷くん、そういうことは誰もいないところでしなさい。不愉快だわ」

それはいつの間にか戻ってきていた由比ヶ浜と雪ノ下だった。表情を見るまでもない、明らかなドン引きだった。あと雪ノ下、何で俺がイケナイコトをやっていたみたいな言い方をするんですかね。流石の俺でもTKOは弁えるわ。違った、TPOだった。

「いや…お前らが勝手に見てたんだろうが」

俺はわざとらしくため息をついた。やれやれ、折角の至福のひとときが台無しだ。

「あ、そういえば———ねぇヒッキー、最近ちょっと筋肉ついたよね?吸血鬼になってから」

由比ヶ浜が藪から棒に話題を変えてそう聞いたので俺は「ひゃい?」と言うほかなかった。いやもっと色々あっただろ。

「そうか?自分じゃ自覚ないんだけどな…これもヴァンパイア効果なんかな」

「何かしら、その馬鹿みたいなネーミングは」

「うっせ」

「あはは…えぇっとなんて言うか、その…逞しくなったっていうか」由比ヶ浜が顔を赤くしながら言った。だからなんで赤らめるの。え、何?俺が知らないだけで逞しいって何かの隠語だったりするの?いやん恥ずかしい。

…ってかそれ同じ意味だぞ。言い換えたって文系の俺は騙せない。つーかお前だって文系だろうに。

と、雑談に興じていたその時。

 

「当たり前じゃ」

 

突然、雪ノ下でも由比ヶ浜でもない女性の声が———と思ったら先程まで寝ていたキスショットの声だった。いや、過去形じゃない。顔を見る限りまだ寝ている。なのに体は起き上がって…本当にどういう状況なんですかね。

「吸血鬼の体は()()()()()()()()()維持される。故にうぬの場合は筋肉がういたということじゃの」

そう言ってキスショットはばたりと倒れ———再びすやすやと眠り始めた。それを見た由比ヶ浜が「かわい〜」と一言。同感。

「比企谷くん、性犯罪はやめておいたほうがいいと忠告しておくわ」

「誰が欲情するかそんな幼女に」

俺が好きなのはもっとお姉さんって感じの…もっと具体的に言うなら、こう、胸部がお姉さんって感じの女性だ。まな板に用はない。

「はっくしゅん…なんだか寒気がしたわ」

「くしゅ…はぁ、私もだ。風邪かな」

突然二人がくしゃみをして寒がり始めた。大丈夫だろうか。誰か噂でもしているのだろうか、心配だなぁ。

「ま、早く帰ったほうがいいんじゃねぇの?俺の心配して体調崩されたら申し訳ないしな」俺はそう言って2人に帰宅を提案する。早く帰ってもらわないとこのままだとボロが出そうだ。

そうだね、と由比ヶ浜が言ったのを合図に二人は片付けを始め———たのだが、何故か途中から自身の持ち物ではなく、部屋の片付けになっていた。

「あ、あの?お二人さん?何してんの?」

「やー、ここ汚いからさー。帰る前に掃除しときたいなって。ていうか今日は最初からその予定だったんだよ?」

「いやだからそれが申し訳ないって」

「今更何を言っているのかしら、比企谷くんは」雪ノ下が俺の言葉に割って入って、そして微笑を浮かべた。「もう十分迷惑はかけられているわ。吸血鬼になってからも———」

 

 

 

人間だった頃もね、と言った。

それは一体どういう意味なんですかね。

 

 

♦︎♦︎♦︎

 

そして彼女らが帰宅して更に五時間ほど経過しただろうか———今に至る。

場所は、本当にららぽーとだった。到着するまで実は冗談なんじゃないかと幾度も思ったのだが彼は先に来ていたのでその可能性がゼロであるということはすぐに判明した。この見慣れた風景———だが人は一人もいない。はぁ、なるほど。これが結界とやらか。普段学習塾跡でも使われているらしいが正直使わなくても人なんて来なさそうな場所だからあんまり実感がないんだよな。まぁそれは置いておいて階段の上で一人だけ良くも悪くも場違いな男が仁王立ちしていた。

 

もう一度おさらいをしよう。

彼の名前はエピソード。

 

様々は意味合いを持つ言葉ではあるがこの場合は吸血鬼ハンターをしている人間と吸血鬼とのハーフのことを指す。

キスショットの左脚を奪ったハンターである。

特徴といえば金髪金眼で、線が細く幼さを残す顔立ちとは裏腹な、視線で他人を殺せそうな程に鋭い三白眼が特徴の男。白い学生服を着ている———ぐらいだろうか。

そして最も異色を放っているのは、彼が自身の二倍の大きさはある十字架を所持していること。まるでそれ自体に意志があるように吸血鬼への敵意が溢れていた。

ちょっと面倒———なんて格好つけたいのは山々なんだが、それでは危機感が伝わらないだろう。ここは敢えて事実を述べさせてもらう。

こいつ、かなりヤバい。

本能からの警告が伝わってくる。早く逃げろ、と。

だが俺の理性はここで戦えと叱責しており、それによってなんとか今ここに立っている状態だ。

さぁ、どうする、俺。そう思いつつ待機をしていたら———「はっ」とエピソードが口を開いた。俺に似た笑いかただった。

「超ウケる。お前、まだ()()()()()表情してんだなぁおいおい。ん?化物(バケモン)化物(バケモン)らしくしてろっての。なぁ聞いてんのか?」

そう言ってヘラヘラと笑った。

あぁいや、やっぱ訂正。似ていると思ったがやはり違う。俺の苦手なタイプの人間だ。チャラチャラしてて空気も読めず、平気で人の心を土足で歩き回ってくる。ちなみにそれには二つの意味がある。一つ目はいい意味。戸塚のような———お人好しという人種。そして後者は———ただの性悪。

彼は確実に後者だった。

あぁ、うぜぇ———そう思うことで少しだけ、いつもの自分を取り戻した。

「…アンタみたいなチャラ男がいるから日本の未来は危ういんだよ」

「あ?なんつった?」

「なんでも」

本当に何でもない。今のはただの戯言だ。そして今から大声で言うことこそ本当の、宣戦布告。

 

「なぁエピソード」

「なんだよ」

「お前に勝つ」俺は端的に、そう言った。

それを聞いて驚いたのか、ぴたりと動作が止まる。だがそれも一瞬のことで、すぐに意識を取り戻して、器用に十字架を振り回しながら俺の宣戦布告に返答した。

「いいぜ———後遺症が残らない程度に殺してやるよ」

 

 

由比ヶ浜だけではなく彼も現代文が苦手なようだった。やれやれ。折角だから俺が教えてやろう。

人はそれを、瞬殺と言う。

 

 

 

 

が。

「———させねぇよ?」

 

 




そんな感じです。逞しいに下ネタ的な意味はないのでご安心ください。話題を変えようとした由比ヶ浜が途中からヒッキーにとんでもないことを言っていることに気がついて慌てて恥ずかしがっているだけです。

それから言いそびれていましたが、総合評価300を超えました!本当にありがとうございます!

完結後の番外短編(もしかしたら普通に続きになるかも?)では何を書いて欲しいですか?

  • 阿良々木との会話
  • 羽川との会話
  • 怪異にあった俺ガイルメンバーの話
  • 日常編
  • その他(感想にてお願いします)
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