やはり俺が吸血鬼なのは間違っている。 作:角刈りツインテール
それにしてもついに20話となりましたよ。キリがいいところで再度皆様に感謝を伝えたいなぁと思います。あざっす(適当)。
今回はガハマさんヒロインパートということで、可愛く書けるように頑張りました。そんなまたまたやっはろーな感じの第二十話、よろしくお願いします。
時刻は午前七時を過ぎていた。天気は曇りで、それは吸血鬼の俺でも日中に外出できる絶好のチャンスであるということを指しているのだがもしいきなり雲間から日差しが降ってきたらと考えると足が進まなくなるのだ。今までも何度か曇りの日はあったがいつも躊躇している。流石俺、ヘタレすぎる。
「「…………。」」
ちなみに目の前には由比ヶ浜結衣が座っているが本日は土曜日なので学校は無い。よってサボりではないということをここに注釈として加えておこう。途中までそれに気がつかなくて焦りのあまりキョドッてしまった。あらやだ恥ずかしいもうお嫁に行けない。
それにしても、どうして由比ヶ浜が目の前に座っているのだろうか。ううむ、吸血鬼の存在ほどではないがいささか不思議だ。…いや、それほど不思議な話でもねぇか。弁解するにしても何にしても
「…悪いな、お茶の一つも出せねぇで」
「や、別に大丈夫だから!ていうかこんな廃墟でお茶を期待する方が間違ってるでしょ…あ、ははは…」
「だな。はは……」
「「あははははは…」」
ちなみにキスショットは空気を読んだのかどうなのか知らないが現在この部屋にはいない。
「「…………。」」
空気を読まない俺でも分かるほどの沈黙が部屋に走った。
女子と2人きりは気まずい…経験値が無さすぎる。ちなみに経験値とは女子ととかではなく人間と2人きりになる状況の、である。流石に耐えれねぇぞ。こうなるからクラスではぼっちでいるというのに…つーかだから経験値が無いのか。これは不味いな。どこかに話題の種は落ちてないだろうか。そもそも由比ヶ浜の趣味を詳しく知らないのも問題だ。こいつ何が好きなんだろう…ポケモンはピカチュウしか知らなそうだしラノベも見てないだろう、と模索していると一つの光が見えた。
答えは既に出ていた。女子とすべき話題はたった一つしかないだろうに。
そう———プリキュアだ。
きっとこれなら由比ヶ浜にも知識がある。よし、これでいこう。というかこれしかない。これしかあり得ない。ていうか俺の方があの感動を共有したいまである。よし、そうと決まったら早速話しかけよう。
「なぁお前、初代プリキュアだとどっちが———え」
「ヒッキーさ、昨日私が言ったこと覚えて———え」
一寸の狂いもないジャストタイミングだった。それも、両者共に下らない話をしようとしていたならいいものの由比ヶ浜の方は真面目な話ときた。嘘だろ。馬鹿みたいじゃねぇか、俺。
というか馬鹿だった。
「つ、つかお前、雪ノ下の家に帰ったんじゃ、なかった、のか」俺はおぼつかないながら精一杯の何かしらを込めて尋ねた。
「や、ゆきのんが『行きなさい』って強引に…」
「あー…」
なるほど、犯人はあいつか。大方、由比ヶ浜が死ぬ間際に言った言葉を尊重して時間をくれたのだろう。ありがた迷惑っつかなんつーか…まぁこうなったことは仕方ないし。
まぁ、一応違ったら恥ずかしいし用件を聞こう。
「えっとねヒッキー。私が死んじゃった時に言ったこと覚えてる…かな」
由比ヶ浜は頬を赤らめながら言った。ここまできたらもう確定だろう。勘違いなんて恐れなくていいはずだ。
由比ヶ浜結衣は俺に好意を抱いている。
…こりゃあもし違ったら自害するレベルの勘違いだな。
♦︎♦︎♦︎
「いや、俺のどこにそのポイントが?」
まず俺は気になった部分はそこだった。自分で言ってて悲しくなりそうだが俺にかっこいいポイントなんてないぞ。確かに多少顔はいいかもしれないがそれもこの腐った目で相殺している。どころか目が完全勝利している。
「俺、目腐ってるけど」
「最近流行ってんじゃん。サイコパス?」
「………バイオマス?」
「そうそれ!」
今のよくわかったな俺。てかいまいちよく分かって無いけど。何、腐っててもそれが役立つ時もあるからから大丈夫だよって言いたいのか。一周回って舐めてんだろ。
「ていうか、なんていうの?それを気にしてるヒッキーが可愛いって言うかなんていうか…」
由比ヶ浜は徐々に声を小さくしながらそう言った。ドキリと心臓が鳴ったのは気づかれていないだろうか。
「でも性格悪いぞ」
「確かにやり方はちょっとなぁって思う時もあるけど、ヒッキーって根は優しいよね。お祭りの時にも言ったと思うけど」
「変態だぞ」
「変態なの?」
「ごめん今のは適当」
まぁごく普通の男子高校生のレベルだ。
つーぁ…えぇ…まじかよ。中学時代には自らクラスメートに想いを伝えたことはあったものの、んで玉砕したことはあったものの…相手から、それもこれほどまっすぐぶつけられるのは初めてなのでおそらく今、鏡を見たら顔は真っ赤になっているはずだ。さながらマッ缶のように。いやマッ缶は真っ赤じゃねぇだろ。
「…前も言ったが、交通事故のことなら…」
「ん…あぁ、そういえば、そんなこともあったね」
「それはそれでどうかと思うけどな」
「あ、いや違っ…で、でも!別にそれとは関係ないって証拠になったでしょ?」由比ヶ浜はぎこちない笑顔を浮かべた。
ちょっとちょっと。今誤魔化せないと気がついて急な方向転換しましたよね。分かりやすすぎるだろ。
「まぁそうかもな」俺はそれと対照的な無表情を装って答える。仕方ないだろ。そうでもしないと口角が歪みそうなんだよ。
「だったら…えっと、その…」由比ヶ浜は頬をさらに桃色に染めて、上目遣いで言った。
「私がヒッキーのこと、その…!わ、わかるよね?」
「———っ!」
おいおいおいおいおいおいおいおいおい。
おーいおいおいおい。
ちょっと待て。嘘だろそれ何なんだよ。やめろよその上目遣い。なんなの今日キャラ崩壊しすぎだろ大丈夫かこれ。
「なんていうか、本当はもっともっとヒッキーと仲良くなってから伝えようかなって思ってたの」
由比ヶ浜は、少し悲しそうに口にする。「でもね、奉仕部にいて私、思っちゃって。あぁ、待ってたら絶対ゆきのんに取られちゃうな、って」だからあの死に際を利用しちゃった、と笑った。いやだとしたらあのタイミングじゃ間に合わせねぇだろ、とでも言おうとしたがなんだか空気を読めていない気がしたのでやめた。
それにしても———雪ノ下に、奪われる?
「雪ノ下にか?流石に無いだろ。だって———」俺の気持ち云々の前にあいつが俺を好きになる未来が想像できない。
そう言おうとしたのだがそれは叶わず。
「あるの」と、由比ヶ浜が俺の言葉を遮ってきっぱりと言い放った。
何故なのだろうか。この時だけは、まるで未来を知っているかのように、確信したような真っ直ぐな表情をしていた———というのは気のせいではないだろう。
「いつもそう感じてた。それで、勝手に辛くなったりして。馬鹿みたいだよねほんと。思いを伝えて嫌われるのは怖くてさ」ヒッキーがそんなことで嫌いはず無いけどね、と微笑を浮かべた。
「…そりゃすまん」
「いやいやいや!ヒッキーが謝ることじゃないでしょ!?」驚いて声を上げる由比ヶ浜。つっても謝らん訳にはいかんだろこんな話聞かされて。
「あ、それとSPY×FAMILYの声優で私だけハブられてるのも気に食わないかも」
「おいその旬な話題を今すぐやめろ」
「アーニャ役、声的に私でも出来そうなんだけどなぁ…」
「まじでやめてくださいお願いします反感買ったら怖いですからお願いします」
ふふふ、と俺の反応を見て笑う由比ヶ浜。どうやらこの人、俺が知らない間に雪ノ下に悪影響を受けているようだった。卒業する頃にはどうなっているのやら。
「…えっとだな」
まぁ何はともあれ一度状況を確認しよう。
俺は比企谷八幡。
目の前のこいつは由比ヶ浜結衣———なんて初歩から確認していたら由比ヶ浜も「えぇっと、だからさ…」とまとめを始めた。間が悪いなぁほんと。まぁそれはさておき、だ。由比ヶ浜は息を深く吸って、そして決意したような表情をして俺にこう言ったのだった。
「私は、ヒッキーが好きです」
視界が点滅した。
少なくともそれくらいには破壊力のある告白だった。俺に耐性が無いだけかもしれないが先程から頬が熱いし、心臓の音もうるさい。ドクドクドクと一瞬の隙間も無く心音が、由比ヶ浜にも聞こえてるんじゃないかと思うほどに自身の体を這い回る。単純すぎんだろ、と俺は羞恥のあまり俯き、「そうか」と平静を装って答える。
「ヒッキー的には、どうかな。…私じゃ、駄目かな」
由比ヶ浜が切なそうに尋ねる。
さて、ここで問題。
目の前に俺に好意を抱いている同級生がいます。
その同級生は、
可愛くて、
胸もあり、
明るくて、
そして何より優しいです。
では俺は次に、彼女に何と言えばいいでしょうか。
答えは、
さぁ答えは何なんだ!!!!次話までに考えてみてくれると嬉しいです!ついでに感想・評価もくれるともっと有難いです!!
完結後の番外短編(もしかしたら普通に続きになるかも?)では何を書いて欲しいですか?
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阿良々木との会話
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羽川との会話
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怪異にあった俺ガイルメンバーの話
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日常編
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その他(感想にてお願いします)