やはり俺が吸血鬼なのは間違っている。   作:角刈りツインテール

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ギロチンカッター戦開幕前の間話ということで少し短めです。ギロチンカッターは原作より狂気マシマシにしていきたいと思います、よろしくお願いします!


間話 だから、比企谷八幡は。

意味が分からない。全くもって理解不能だ。エピソードが異常者と言うほどの男の思考なんて考えられるかよ。忍野が仲介をしに行って、まぁ決裂するまではいい。むしろ今まで決裂しなかったのが不思議なくらいなのだから。だが雪ノ下が攫われたってのはどういうことだろうか。一般人を使ってまで勝とうとするか?普通ありえねぇだろ…?

「………ッ!」

常識が非常識に、非常識が常識に成り代わっていく感覚に頭がくらりとするが何とか持ち堪える。確かにこの件に関わっているとはいえ、雪ノ下はただの一般人で、なのに、なのに———!

「落ち着けよ比企谷くん」

忍野が俺の方に手を置いた。それはエピソードを殺しかけてしまった時と全く同じ声色で、暖かさだった。すぅ、体から熱が抜ける感覚。危なかった。あと少しで、俺は同じ過ちを繰り返すところだった。

「……どうしてこうなったんだよ」

「これは完全に僕が悪い」

忍野が珍しく、いつものニヒルな笑みを見せることなく頭を深々と下げて本当に申し訳なさそうに謝った。まぁそりゃあ当然のことなのだが。この状況で笑ってたら流石の俺でもぶん殴る。

「一昨日までならともかく、昨日の夜、僕は2()()()こともちゃんと請け負うと約束したんだからね。それにし———」

「え、いやちょっと待て。俺が請け負ったのって由比ヶ浜だけじゃなかったのか?」

「おいおい馬鹿言わすなよ。僕はバランサーだぜ。同じ境遇の人間には同じ保険が得られてて然るべきだろ」

あぁ、それで200万か…1人100万…相変わらず高いの安いのかさっぱりだ。まぁ今回、何はともあれ忍野がその認識でいてくれたのは助かった。もしここで『その200万は団子頭ちゃんの分だろ?』とか言い出したら俺にはどうすることもできないのだから。

 

「それにしても不思議なことだ」忍野は煙草を口に咥える。もちろん煙は出ていない。「僕も含めてこういう仕事をしている者は一般人を巻き込みたがらないものだけれど———」

ギロチンカッターは違った。

忍野の交渉を断り。

人質を取り。

命を預かり。

宣戦布告をした。

「…くそが」俺はどこへでもなく毒を吐く。「俺は…どうすりゃいい」

「そうだね。さっきも言った通りこれは僕の責任だから、アドバイスはさせてもらうよ。比企谷くん、君は———」

 

今となっては昔のことのようだが。

以前忍野は俺を『人間である』と評した。

人間であろうとする者は皆人間なのだと。

それが耳に残っていることから考察するに、どうやら俺は彼のおかげで少なからず救われているらしい。

そして。

そう言ってくれたような男からこの言葉が吐かれるということは、一つ選択を間違えれば大事なものを失うようなギリギリの場面であるというわけで。

 

だから、俺に———比企谷八幡に選択権はないのだった。

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

♦︎♦︎♦︎

 

俺は雪ノ下雪乃を———異形と化したその腕で柔らかく受け止める。

血の気が引いたのであろう彼女は死んでいるかのように意識を失っており、今の俺の状況を見られていないことが現時点では唯一の救いと言えた。だがそんな救いも、草原に吹く乾いた風が吹き飛ばし———理由の分からない虚しさだけが俺の心の中に残った。

 

「………はっ」

 

確かにこれはもう、人間じゃねぇわな。

 

♦︎♦︎♦︎

 




次回、VSギロチンカッター、是非お楽しみに。感想・評価などもよろしければお願いします!

完結後の番外短編(もしかしたら普通に続きになるかも?)では何を書いて欲しいですか?

  • 阿良々木との会話
  • 羽川との会話
  • 怪異にあった俺ガイルメンバーの話
  • 日常編
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