やはり俺が吸血鬼なのは間違っている。   作:角刈りツインテール

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第四話です、よろしくお願いします!


第四話 つまり、彼は友達が少ない。

俺が自宅に引きこもってから一週間が過ぎた。

その時間は即ちそのまま、俺が吸血鬼になってから一週間が経過したことを意味している。で、どうして俺がこうやって怠惰にゲームをしているのかと言うとだ。

 

一つ目に、吸血鬼は日光に当たったら燃える。

それはあの場所———俺が吸血鬼になって一番初めに目を覚ました場所でよく学んだ。同じ光なので心配していたが天井で光っているLEDに当たっても問題がないことから推察するに、恐らくは紫外線が駄目なのだと思う。理屈は分からんがそう理解しておかねばならない。今後はそういう『臆測』の積み重ねの生活になるのだから。

 

そして二つ目。日光に当たれない故の進化と言えるのかもしれないが、吸血鬼は夜行性だった。

無理に起きていようとしても本能が『八幡…寝よ?』と訴えかけてくる。いやなんで戸塚の声なんだ。

まぁこれでは流石に学校へは行けないであろう。数学の授業はいつも寝ているとはいえ、この状態では他の授業でも寝てしまいそうだ。平塚先生に鉄拳を喰らわれるのは嫌だ———というよりも、吸血鬼になった今、俺の些細な行為が人を傷つけてしまうのだ。

少し触れただけで相手はかすり傷。腕を掴めば相手は骨折。簡単に言えばそんな感じだろうか。試した事はないから知らんが…。だが、ゲーム機器でさえ力を入れすぎるとパキッと寒気の走る音がするのでそれは恐らく正解。暫くは小町との接触も控えなくてはならない。

 

「…どうすっかな…」

考えなしでとりあえず自宅へ帰ったが、思っていたよりも日常生活に支障をきたしているので戸惑っているところだ。時刻は現在午後10時。目はギンギンに開いている。ちなみにだが本日は土曜日だ。ま、今の俺には曜日なんてあって無いようなものだが…精々次のプリキュアがいつ放送されるのかを確認するくらいにしか使わない。

そして、することがない。もうあれこれ遊び過ぎたし、リビングにあるマイブックスは既にどれもこれも読了済みだ。どころか三周以上読んでいるものもある。

「…買いに行くか」

せっかくなので本を買いに俺は外に出ることにした。

小町に見つかったら割と面倒なことになりそうなのでそっと扉を開く。

「「あ」」

すると目の前に小町がいた。いや嘘だろ、何そのラブコメ展開。今はすごくありがたくない!

「お兄ちゃん!頭は大丈夫なの?」

なんだが凄く失礼なことを言っている感じになっているが安心してほしい。小町には以前、ドア越しに『頭が痛い』と伝えていたのだ。真実を言っても引かれるだけだろうし…。学校から帰ればすぐに料理を作ってくれるその献身さには感謝してもしきれない。流石我が妹である。

「どこ行くの?おつかいなら頼まれるけど」

「あー…悪い、ちょっと外の空気を浴びたいんだ」

「いやぁ無理しないでよーゴミぃちゃん。目だけじゃなくて体まで腐敗させて死んじゃったらやだよ?」

「一番嫌なのはそんな想像をする妹を持ったことだよ…あっごめん嘘だよ?世界一愛してます小町さん可愛い大好き!あ、今の八幡的にポイント高い!てへっ☆」

「気ン持ち悪いなぁ…」と一言。お前がいつもやっている事なんですが?「まぁそういうことなら分かったよ。うちのことは任せるであります!」

お前はどこの軍曹だ。何ロロ軍曹だ。

「おう、悪いな」と俺は小町の敬礼に対してぶっきらぼうに感謝を伝える。

 

そして玄関にたどり着き、扉を開きつつ思う。

———俺は本当に、悪いことをしてしまったかもしれない、と。

 

♦︎♦︎♦︎

 

本日俺が購入したのは入◯人間の小説『僕の小規模な奇跡』だ。どうしてこれを選んだのかと聞かれれば、俺はタイトルと表紙に一目惚れしてしまったと言う他ない。俺の中の天使が『買っちゃおうよ八幡…』と訴えかけたのである。だから何で戸塚なの、天使。俺得すぎるんですけど。ああっ、戸塚気をつけろ、服がはだけてっ…ああっ不味いっ…。

 

…………。

 

ありがとうございましたーッ、とラーメン屋ばりの勢いの店員の挨拶を背に店を出た俺は、ついでにドアの横にある自動販売機でマッ缶を購入しようとして右を向いた。タイミングが悪く、残念ながら誰かが飲み物を購入している最中だったので後ろに並ぶ。『いろはす』を買ったその女性はお釣りを手に取り、そして俺の方を向く。

———そして俺は今日、最大の後悔をすることになる。

 

 

「あぁ、誰かと思えば————比企谷くんじゃないの」

 

 

「ひゃ、ひゃいなんでしゅか!?」

突然名前を呼ばれたので噛んでしまった。痛い。けど流石は吸血鬼、舌にできた傷はすぐに消え、そして痛みも消えた。これ割と便利だな。バレたらおしまいだけど…。さぁ一体誰だ、と俺も顔を確認する。そしてすぐにそいつが見知った人であることがわかった。

「ゆ———雪ノ、下…」

彼女は奉仕部のメンバーの一人、雪ノ下雪乃だった。

だから何やってんのラブコメの神様。本当にタイミング悪いなおい。

 

♦︎♦︎♦︎

 

「平塚先生と由比ヶ浜さんにはひどい頭痛、と聞いたけれど、外出もしているし完治したようね。明後日の月曜日から来られるかしら」

俺と雪ノ下はあのあと色々あって公園に寄ることになった。ちなみに雪ノ下のいろはすは奢らされた。なんでですかね?

「…いや、俺のポーカーフェイスで隠されているが実際はかなり痛い。所謂『自殺頭痛』ってやつだ」

「『目の奥を熱々のフォークで突き刺して目玉を抉られてるような激痛』———自殺頭痛ね」

知ってたか。流石天才。

「お前はなんでも知ってるな」

「まぁ、貴方よりかは」と一々煽るような言い方で返事をするところを除けば、こいつは完璧超人だと思う。ほんと性格だけはどうにかしてほしいと常々思う。神は二物を与えないって本当なんだなぁとも思う。

「何か?」と雪ノ下。やべぇ、見過ぎたか。

そして雪ノ下はため息をつく。

「嘘はつかなくてもいいわよ。貴方のような人間の嘘なんてすぐに分かるわ」

「…ッ!さ、さいで」

怖い!この女まじで怖い!

えぇ…どうして今のが嘘だって変わったの?だとすれば俺の108のスキルは一つ減ることになるんだけど…。

「まぁ、言いたくないと言うのならばいいわ。仕方がないから明日から毎日家に訪問してあげる」

「あぁそうだ。言いたくないだから——— …えっ、は?」

今なんつったこの人。

「家に行くと言ったのよ。同じ部員として当然でしょう?」

雪ノ下雪乃は疑っている。

俺が仮病で学校を休んでいるのではないかと、このまま引きこもりになってしまうのではないかと疑っている。それはあながち間違いではないのだが———だが、吸血鬼になったのだから仕方がないだろ。信じられるとは思っていないけれど。

それに、毎日…ウチに来るって?おいおい冗談じゃない。雪ノ下の前で吸血鬼性を隠せる気がしないんだけど…。絶対どこかでボロを出してしまいそうだ。

それ本気で言ってますか、雪ノ下さん?あぁこれは本気の顔ですね、了解です。理解しました。ふざけんな。

 

「えぇ。本気よ。だって———」雪ノ下は一瞬だけ微笑を浮かべて、そして言った。

 

 

 

「私は、奉仕部なのだから」

 

 

 




今、この作品の出来の良し悪しがわからなくてヘタレています…感想で教えてくれると今後に活かせるので改善点などあったらお願いします…。

完結後の番外短編(もしかしたら普通に続きになるかも?)では何を書いて欲しいですか?

  • 阿良々木との会話
  • 羽川との会話
  • 怪異にあった俺ガイルメンバーの話
  • 日常編
  • その他(感想にてお願いします)
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