神の手で異世界に転生した俺 頼んだ特典は拠点と美少女の奴隷

 ……だったが、色々話が違うだろ!?

なろうでも

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車椅子ニート(レモン) さん

aki eco さん

タイトル提供感謝です


異世界転生 異世界になった俺に送られてきた転生者の力に耐え切れません誰か助けてください ~神様転生ではじまるオレの奴隷ハーレム……のハズがオレが女たちの奴隷になってる?~

"貴方のご両親は死んでいませんね”、占いでこんな発言をされたとして、君はどんな意味だと思う?

 

 両親は生きている? それとも既に死んでいるからこの世に居ない?

 

 まあ、使い古されたネタだから皆さん分かっていると思うが、これは別としてもややこしい言い方って物は存在するし、詐欺の常套手段でもあるだろう。

 

 だから俺が言える事は……何をどうしたいのか伝える時は、それが別の意味で受け取れる言い方をしない方が良いって事だ。

 うん、あの時の俺に凄く言いたい。

 

「そしてあの神、絶対分かっていただろ……」

 

 初めまして、俺はブレイン。テンプレ展開で異世界に神様転生してしまった男……元男だ。尚、別に女になった訳じゃない。

 なら何なのかって? おいおい、慌てるなって。今から始まるからよ。

 

 

 

「突然だが君は飛行機事故で死んだ。いやいや、大変だったね」

 

 記憶は殆ど残っていないが、確かに俺は飛行機に乗っていたが、気が付いたら白い部屋の中で胡散臭い男が前に立っていた。

 えっと、確か父さんや大勢の兄弟達と飛行機に乗った所までは覚えているんだけれど途中で寝てしまって……。

 遠くで暮らしている従兄弟が階段から落ちて死んでしまったからって葬式に出る為に乗った飛行機で事故死するとかうちの血筋って呪われてるんじゃね?

 

「それで君の家族全員には異世界転生をして貰うよ。まあ、実験さ。それで君には特典を用意しよう」

 

 ……神様だってんなら俺と家族の事故を無かった事にして欲しいけれどな。

 

「それは嫌だ。だって実験だし。……ああ、でも蘇生ってパターンも試してみるべきかな? 絶対に死んだ筈の人物が生き残った場合、周囲はどんな扱いをするのかって奴をさ」

 

「それで特典なんだけれど、二つの特典を君に選ばしてあげよう。モンスターが生息する中世ファンタジーな世界だ」

 

 これは可能だけれどやらないって事か。

 特典か、何が良いかな?

 

 中世ファンタジーな異世界って事は文明的な生活は期待出来ないって事か?

 それに日本人的な倫理観やら社会補償制度が無い世界なら生きていけるとは思えないし、野生の猿やら猪、熊でさえ大騒ぎになる平和で安全な場所で暮らしていた俺が力があっても戦う勇気があるとは思えない。

 

 ……正直言ってラノベじゃあるまいし軍事訓練や狩りすらしていない奴が生き物を殺せるかって話だ。

 訓練を受けた軍人でさえ戦場で精神を病むし、だからって精神を弄くって貰うのも怖い……。

 

 

 よし! 安全圏で引きこもろう!

 

 

「絶対安全で娯楽の類も充実して暮らせる拠点をくれ! 拠点って事は俺に使いこなせないって事は無しで奪われたり敵が来たりも!」

 

「ふんふん、次は?」

 

 ……次か。

 

「家族も一緒ってのは……」

 

「駄目。父親以外はもう送っているからね」

 

「だったら……」

 

 安全に楽しく暮らせる場所は手に入れたし、次は孤独の問題が重要だ。

 俺、一人で過ごすより大勢とワイワイするのが好きなんだ。

 それに年取った時に世話してくれる相手が……そうだ!

 

「女の子! ずっと側にいてくれる凄く優秀な美少女が欲しい!」

 

「構わないよ。それで関係性は?」

 

 まるでラノベみたいな展開、そして安全が約束された事が俺の精神を変にさせていたが、変な時って自分では気が付かないものだ。

 

 さて、ラノベで女の子に囲まれるっていったらハーレムだけれど、俺はチヤホヤされたい!

 ぶっちゃけ大勢囲って上手く行くコミュ力持ってねぇし、こじれそうだから……。

 

 

「奴隷……が良いな。ちゃんと身の回りの事を何でも出来る」

 

「ふむふむ、ちょーっと違反な気もするけれど、その願いも叶えてあげよう」

 

 後から思えば人を道具みたいに所有する奴隷制度なんて日本人的な価値観で受け入れられない筈なのにどんな精神状態だったんだって話だよ。

 普通に考えて家族に顔向け出来ないよな……。

 

 

 

 目の前が光に覆われる中、俺は目の前の男の顔を

 

 

 

「ああ、そうだ。美少女達の世話の為の能力の代償として父親と君との関係は生まれる以前から断ち切るからね」

 

 ……は? 意味が分からない。ただ分かる事は……此奴は最悪だって事だ。

 

 

 

「私が最悪? おいおい、人の価値観で神を計るなよ」

 

 

 

 

 こうして俺は転生した。但し、ちょっと予想とは違っていて……。

 

 

「生命活動停止を確認、魂を回収開始します」

 

「二割の確率的中により例の火山の噴火を決定。周辺住人は不運だね」

 

「この国は恋愛結婚からの出産ラッシュで幸福ムードだったのにね~」

 

 俺が居るのは神に貰った拠点。

 SF的な建物で、三人の美少女が幾つものモニターの前に座っている。

 

 一人目の名前はダイス。

 両耳にサイコロ型のイヤリング。短髪。白い長袖のワイシャツに黒のミニスカート。黒のハイソックス。革靴。目の下にトランプ柄のフェイスペイント。

 担当は乱数あるいは混沌、まあ運命の女神って所だ。

 

 

 二人目はマキナ。

 伸び切った黒髪でスーツ姿と飾り気のない無表情な少女

 担当は魂の管理および、仲間のメンテナンス。

 

 三人目はラブ。

 おっとりとした金の長髪でスタイルは一番良い。

 

「おーい! 飯を持って来たぞー!」

 

「其処に置いてシャワー室の掃除をして来なさい、GB」

 

「図書室の本を並び替えるのも忘れるな、GB」

 

「マッサージもお願いね~」

 

 そして俺の今の名前はGB……正式にはグレートブレイン、世界そのものの意思。

 担当は世界を管理する人工女神達の創造と生活の世話……ぶっちゃけ奴隷だ。

 

 あの野郎、美少女が俺の奴隷じゃなく、俺が美少女の奴隷になるようにしやがった。

 

 

「……あ~、まーた好き勝手に使いやがって。汚れまくりじゃねーかよ」

 

 宙に浮かぶ無数の手で道具を持って掃除を続ける俺B、Aは図書室に行っていて、Dがマッサージだ。

 他の俺は……ああ、俺って沢山居るんだよ。

 

 宙に浮かぶボール状の機械、無数の手にモノアイ。

 それが俺の新しい体で、女神達は確かに美少女だけれども頭や体を洗う時に裸を見ようが何も感じねぇ。

 他にも女神が沢山居て数人チーム毎に俺が世話をして、数日ごとに記憶の共有。

 

 何つーか忙しい毎日。

 女神ってマジで神だから価値観が人と違って人使いが荒い!

 

 あれかっ!? 奴隷を持とうとした事への罰なのかっ!?

 

「GBー! 大変だぞ!」

 

 そんな風に悩みながら掃除をしているとマキナがドアを蹴り破って飛び込んで来た。

 おい、誰が直すと思ってるんだ。自動ドアだから修理大変なんだぞ!

 

 

「まさか喧嘩でも……」

 

 女神同士の喧嘩だ、仕事が滞っただけでも洒落に……。

 

「転生者だ! また例の神が異世界から転生者を送り込んだ! 今度は……レベル十億!」

 

「じゅっ!?」

 

 ゲームみたいにレベルって強さを表す物が存在するのが俺の本体であるこの世界。

 レベルが高い奴が死ねば特殊なエネルギーが大地に還元され、そうして俺は存在し続ける。

 尚、魔族って悪魔みたいな凶暴極まりない種族も存在して、他を圧倒するレベル千、なのに転生者は十億。

 日本の一般人は大体一桁だと思ってくれればいい。

 

 生前の力加減で物を触った場合、十億の力で触る事になるし、全力で走った時、大地がどうなるか……。

 

「ぎゃぁあああああああああああああっ!?」

 

「GB! ちっ! 痛覚回路を切って仕事に入れ! さっさと処理するぞ!」

 

 どうやら走り出したらしく本体とラインを結んでいる俺に激痛が走った。

 大地震の負担ってレベルじゃねぇぞ!? 

 まるで隕石が雨霰と降り注ぐ感覚に悶え苦しむ俺を掴んだマキナが持ち場である第三管理室まで持って行く。

 ま、待て! 衝撃が激しくて回路の切断に意識を割けないから揺らされたら尚更……。

 

 

「連れて来た! さっさと我々に力を注げ! 相手は十億、全力で潰すぞ!」

 

 このチームの役割は個人に与えられた物以外にも異世界からの危険な客人、要するにチート持ちの転生者の監視と対応だ。

 使い慣れていない大きな力で地形を変えられたら生息する生物が別の場所に移動するし、国同士の争いに介入されても力関係に大きな影響……まあ、その他諸々は皆様でご想像下さいって所だな。

 

 あっ、盗賊に襲われている女の子を魔法で助けようとしたけれど強すぎて巻き添えにしてる。

 

「……所でどうして全裸?」

 

「ジャンプの反動で破れたよ~」

 

 所有物には影響無し、あくまで本人のみにチートは適応って所か。

 

 

 

 

「こうなったら確率全無視、最大確率で災害をぶつけてやるわ! って、毒ガスも効果無し!?」

 

「魂への干渉も肉体に阻まれるっ!」

 

「じゃあ、物凄い恋を与えて……あっ、移動だけで人が死ぬから相手が居ないよ~」

 

 だーもー! 十億って桁が文字通りに違い過ぎて神の干渉すら効かないってどうなってるんだ! どうすれば良いんだよ、俺!

 

 

「……また街が消えた」

 

 どんな便利な道具だって最初から使いこなせる物じゃない。

 今回の場合、軽自動車どころか三輪車に乗ってたのがF1カーの運転を一切説明無しで乗せられるみたいな物だ。

 

 息をすれば嵐、走れば地震、ジャンプすれば大陥没。

 

 たかが一週間、されど一週間。

 その間に大勢が死に、転生者はぶっ壊れた。

 

 そりゃそうだ、一般人が大勢殺したんだからな。

 

 

「……やった! 漸く精神に介入出来た~。恋する相手は……お空の彼方の星! 生身で宇宙に行って死んじゃえ~!」

  

 そして漸く今回の一件も終わり。

 幾ら強くても呼吸も食事も必要で、流石に生身で宇宙で生きていけない。

 凄い魔力で飛んで行き、あっさりとお陀仏だ。

 

 ふぅ、これで漸く安心……。

 

 

「じゃあ、私達は休憩ね。仕事の代役とマッサージと食事お願い」

 

「そう言えば一週間の仕事が貯まっていたな」

 

「ストレス解消に友達と遊びに行くし、その子の分の仕事もね~」

 

 安心、出来ないっ!

 

 

 転生者が居る間も、居なくなった後も俺の苦労は続く。だって女神達の奴隷だから……。

 



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