今回は少し変わったものを書いてみようと思いました
あらすじから察するように蘭が主人公目線のものになります
本編どうぞ
「またここに来たのかい?美竹さん」
あたしが学校の屋上に行くといつもアイツがいる
蘭「アンタもいつもここにいるじゃん?」
アイツは鼻歌交じりにあたしに向かって歩いてきた
「意地悪な言い方するね君は・・・ボクの事を知っているくせに・・・それで、また話を聞かせくれるかな?」
蘭「どんな話から聞きたいの?」
「う~んっと・・・昨日のライブについて聞かせてくれるかな?ボクはご覧の通り・・・聞きに行けなかったし」
アイツはすこし特殊な人物だった
いつも同じ制服を着ていて、あたしと同じ薄緑色のネクタイを付けて必ずこの屋上にいる。偶に校内にも歩き回っているけどあたしは一度も屋上以外で会ったことは無かった
そんなアイツのためにあたしは話をするだけによく屋上に来ている
「上手くいったんだね?良かった~」
昨日のライブについて思ったことや反省する部分を話すと、アイツは必ず楽しそうに言う
蘭「いつも通りの演奏をしただけどね・・・アンタは昨日何していたの?」
そう言うとアイツは少し考え込み始めた
「う~ん・・・昨日は、校内をウロウロしていたよ」
蘭「誰もいないのに?」
「ううん。誰もいないってことはないよ。部活動で頑張っている生徒もいるし、生徒のために頑張っている先生もいるし見てて飽きないよ。そうだ!君の休みの日に学校に来たら?いい閃きもあるかもしれないよ‼」
アイツは目を輝かせながらあたしの肩を触ってきた
蘭「――⁉」
あたしは咄嗟に彼から距離を離した
蘭「あ・・・ごめん・・・」
「別にいいよ。ボクも馴れ馴れしくしてごめんね。もうそろそろ、お仲間も来るみたいだからボクは行くね」
アイツは屋上から姿を消した。それと同時に――
モカ「ら~ん~!」
ひまり「やっぱり!ここにいた」
巴「お昼食べようぜ!」
モカ達が屋上にやって来た。アイツはどうしてモカ達がくることを直ぐに分かるのだろう?
つぐみ「蘭ちゃん?どうかしたの?」
幼馴染のつぐみが心配そうにあたしの顔を覗き込んで来た
蘭「ううん。別に・・・何でもないよ」
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ー放課後ー
授業が終わり、あたしはいつも通り屋上でみんなが来るのを待っている
蘭「いい風景・・・」
あたしがそう呟くと――
「確かにいい景色だね」
蘭「うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
「ほげぇぇぇぇぇぇ!」
蘭「きゅ、急に出てこないでよ!」
「ごめん。でも、カバンで殴らないでよ!ビックリしたじゃないか」
蘭「それはアンタが急に出てきたせいでしょう。それで?自分が何者か分かったの?」
「ううん・・・今日も何の成果もなかったよ。君の方はいつも道り皆を待っているのかな?」
蘭「うん。アンタは見廻りに行かなくていいの?」
「まだ、夜まで時間があるから今は別にいいよ」
蘭「そう。ねぇ、アンタもここからの景色は好きなの?」
「好きだね。特に夜景が一番好きかな?君にも見てほしいけど・・・」
蘭「遠慮しとく・・・」
夜景を見に行くってことは、また夜の学校に忍び込まないといけない
「それは残念だ・・・ボクも君達みたいにスマホがあれば君にも見せることが出来るのにね」
アイツはあたしのスマホを指さしながらそう呟いた
蘭「アンタは持つことが出来ないからね」
アイツは機械音痴っというわけではない。もっと別の理由でスマホを持つことが出来ないそれは――
モカ「お待たせ~」
巴「練習に行こうぜ」
つぐみ「ごめんね・・・
蘭「ううん・・・大丈夫だよ。じゃあ、練習に行こうか」
ひまり「レッツゴー!」
あたしたちはアイツを置いてCiRCLEに向かう。
屋上を出る前に振り向くとさっきまでいたアイツは姿を消していた。
モカ「どうしたの?蘭?」
蘭「なんでもない・・・行くよ。モカ」
アイツは幽霊・・・
自分の身元も分からない記憶喪失の少し変わった幽霊・・・
あたしが唯一分かることはアイツが悪い幽霊じゃない事そのぐらいの事しか知らない