誰かボクを見つけて   作:hirag

4 / 4
3話

ひまり「でね~その時薫先輩がねぇ・・・」

 

ひまりがいつも通り瀬田さんの話をしている。

 

あたし達は軽く聞き流しているだけど・・・

 

薄雲「へぇー面白い人だねぇ~瀬田さんって」

 

薄雲だけは真剣に話を聞いていた

 

ひまり「もう!みんな聞いてるの!」

 

蘭「う、うん・・・聞いてるよ(薄雲が・・・)」

 

モカ「ひーちゃんって薫先輩とスイーツの話と目がないからね~」

 

薄雲「このひまりって子はスイーツも好きなんだ・・・うん?」

 

薄雲はひまりの周りをぐるぐる回りながらひまりを観察している

 

つぐみ「そういえば、昨日新作のケーキが出来たけど、良かったら皆来る?」

 

薄雲「この子はケーキ屋さんか何かやっているのかな?」

 

モカ「おー!行く行く~」

 

巴「そろそろ秋だからモンブランとかか?」

 

つぐみ「それは来てからのお楽しみだよ」

 

薄雲「美竹さん少し待って・・・」

 

蘭「え?」

 

唐突に薄雲に呼び止められた

 

薄雲「この階段、いまは降りない方がいいよ」

 

蘭「どうして(小声)?」

 

薄雲「見てて・・・」

 

ひまり「うわぁぁぁ~!」

 

ひまりの叫び声が聞こえ、階段の方を見るとひまりが水を被っていた

 

巴「ひまり!大丈夫か⁉」

 

ひまり「も~なんで私だけー!」

 

蘭「なにが起こったの?」

 

薄雲「今、咄嗟に階段が増えたんだ。あの子によくないモノが取り付いてるよ」

 

蘭「どういう事?」

 

薄雲「ここは不味い・・・あの子がこっち見てる・・・放課後、いつもの時間に一人できて・・・」

 

そう言うと薄雲は上の階に向かって飛んでいった

 

モカ「蘭~タオル持ってない~?」

蘭「と、取って来る!」

 

_________________

 

ー屋上ー

 

薄雲「ごめんね。折角、あのつぐみって子のところ行く予定だったのにね」

 

蘭「別にいい・・・今日は華道の日だったし・・・」

 

薄雲「へぇ~美竹さんは華道やってんだ。益々興味深いねってそんなのんきに言ってられないね」

 

薄雲は真剣な顔をした

 

蘭「それよりひまりに憑りついてるってどういう事?」

 

薄雲「ああ、それはボクの勘違い。正確には彼女じゃない、あの階段に霊が憑りついてる」

 

蘭「なんだ、良かった・・・ひまりに憑いてなくて」

 

あたしは胸をなでおろした

 

薄雲「よろしくないよ!あのままだと美竹さん。ひまりさん以外にも誰か危害が加わるかもしれないんだよ」

 

蘭「そんなこと言われても・・・正体も分からないのに・・・」

 

薄雲「正体なら目星ついてるよ。七不思議・・・美竹さんも聞いたことあるでしょう?”階段が一段増える”って」

 

蘭「もしかして、それって幽霊の所為なの?」

 

薄雲「この学校の七不思議は全て幽霊が関係しているよ。でも、みんな悪い霊ではないよ」

 

薄雲は暗い顔で幽霊について語り始める

 

薄雲「みんな、ボクと同じく未練があってこの学校にとどまっている。例えば、動く人体模型・・・彼の生前は体が病弱で運動が出来なかった。だから、遊び相手を求めていた」

 

蘭「求めていた?」

 

薄雲「君たちはあの夜、人体模型を見たかい?」

 

蘭「見てない」

 

薄雲「どうして?」

 

蘭「どうしてって、気味が悪いし・・・第一にあんなもの動くわけ。あれ?化学室の前を通ったけど影が一つなかったような・・・」

 

薄雲「勘がいいね。確かに化学室の人体模型の姿はなかったよ。だって、ボクと一緒に運動場にいたからね」

 

その言葉を聞いた瞬間背筋に悪寒を感じた

 

薄雲「彼が成仏した瞬間、ボクの身体は軽くなった。あ、ボク幽霊だから元々軽いんだった」

 

薄雲は笑いながら頭を掻いている

 

薄雲「これで分かったんだよ。ボクの縛っているのはこの七不思議だってね」

 

蘭「それで七不思議に拘っていたんだ」

 

薄雲「そういう事!ボクがこの学校を見て廻ることを思い出したのも・・・」

 

蘭「人体模型の霊が消えてから思い出した」

 

薄雲の記憶と縛るモノ。すべては七不思議が関係していた

 

薄雲「階段の幽霊についてはボクが調べてみる。あ!そうだ。暇な時でもいいから図書室の奥の部屋を調べてくれないかな?」

 

蘭「いいけど・・・どうして?」

 

薄雲「図書室の奥の扉の前に盛り塩が・・・」

 

やっぱり幽霊だから塩とかに弱いんだ

 

ガチャ!

 

扉が開く音が聞こえ振り向いてみると

 

???「あら?美竹さん。あなたもここにいたのね」

 

蘭「湊さん・・・」

 

一つ上の学年でRoseliaの湊さんが珍しく屋上にやって来た

 

薄雲「へぇー彼女すごいもの背負っているね」

 

薄雲は真っ直ぐと湊さんを見ている

 

すごいもの・・・湊さんはFWFに出るって言う大きな目標があるから・・・

 

薄雲「彼女にも霊が憑いているよ」

 

_________________

 

幽霊はいくつかのグループに分かれる。

 

建物に憑りついているモノは地縛霊

 

人や地域に憑りつき守護するモノは守護霊

 

ボクは地縛霊としてこの学校にいる

 

一年前に話しかけた白銀の少女・・・湊さんには、守護霊が憑いている

 

しかし、半年前の彼女には守護霊ではなく悪霊が付いていた

 

人は簡単に何かを憎むことが出来る。霊も同じく人を呪う事が出来るその存在が俗に言う悪霊

 

一体彼女に何かあったのだろうか?

 

 

 

 

~夜 羽丘女子学園高等部 階段~

 

 

美竹さんが家に帰って数時間後・・・

 

夜が更けて来て幽霊たちも活発化している。そんな仲ボクは例の階段に向かった

 

薄雲「やぁ!さっきぶりだね」

 

ボクの目の前には先ほどの階段の幽霊がいる。彼女は階段の前から一歩も動かない

 

???「あんたはさっきの・・・なにか用?」

 

薄雲「用事はあるね。簡潔に言うと悪戯は辞めてくれないかな?」

 

こういうタイプは中々承諾してくれないだろう。承諾しても対価を求めてくるはず・・・

 

???「いいよ。もちろんタダでというわけにはいかない」

 

やっぱり・・・

 

???「二十年前の話になるけど、あたしを階段から突き落とした犯人を見つけてほしいの」

 

犯人探しか・・・う~ん・・・二十年となるとその人がここにいる可能性の低いし、最悪もう向こうにいる可能性もある。

 

薄雲「それ以外じゃあダメかな?」

 

???「ダメ。あんたは意味も分からず死んだ時、疑問に思わない?なんであたしがこんな目に遭わないといけないのかって?」

 

確かに彼女の言い分は分かる。自分もなぜ死んだのか分からない立場。だから、彼女に共感できる

 

薄雲「わかった。君の名前は?」

 

佳代子「佳代子(かよこ)。あんたは薄雲だろ?」

 

薄雲「あれ?なんで知ってるの?」

 

佳代子「赤メッシュの子があんたの事をそう呼んでいるの聞こえた。じゃあ、よろしく・・・あたしはここから動かないから犯人が分かったらここに来て」

 

そう言い残すと佳代子さんは姿を消した

 

薄雲「さて、明日美竹さんが登校してからこの話をするとしよう」

 

 

自分がいつ、何処で、何故死んだか・・・

 

いまは深く考えないでおこう

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。