ひまり「でね~その時薫先輩がねぇ・・・」
ひまりがいつも通り瀬田さんの話をしている。
あたし達は軽く聞き流しているだけど・・・
薄雲「へぇー面白い人だねぇ~瀬田さんって」
薄雲だけは真剣に話を聞いていた
ひまり「もう!みんな聞いてるの!」
蘭「う、うん・・・聞いてるよ(薄雲が・・・)」
モカ「ひーちゃんって薫先輩とスイーツの話と目がないからね~」
薄雲「このひまりって子はスイーツも好きなんだ・・・うん?」
薄雲はひまりの周りをぐるぐる回りながらひまりを観察している
つぐみ「そういえば、昨日新作のケーキが出来たけど、良かったら皆来る?」
薄雲「この子はケーキ屋さんか何かやっているのかな?」
モカ「おー!行く行く~」
巴「そろそろ秋だからモンブランとかか?」
つぐみ「それは来てからのお楽しみだよ」
薄雲「美竹さん少し待って・・・」
蘭「え?」
唐突に薄雲に呼び止められた
薄雲「この階段、いまは降りない方がいいよ」
蘭「どうして(小声)?」
薄雲「見てて・・・」
ひまり「うわぁぁぁ~!」
ひまりの叫び声が聞こえ、階段の方を見るとひまりが水を被っていた
巴「ひまり!大丈夫か⁉」
ひまり「も~なんで私だけー!」
蘭「なにが起こったの?」
薄雲「今、咄嗟に階段が増えたんだ。あの子によくないモノが取り付いてるよ」
蘭「どういう事?」
薄雲「ここは不味い・・・あの子がこっち見てる・・・放課後、いつもの時間に一人できて・・・」
そう言うと薄雲は上の階に向かって飛んでいった
モカ「蘭~タオル持ってない~?」
蘭「と、取って来る!」
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ー屋上ー
薄雲「ごめんね。折角、あのつぐみって子のところ行く予定だったのにね」
蘭「別にいい・・・今日は華道の日だったし・・・」
薄雲「へぇ~美竹さんは華道やってんだ。益々興味深いねってそんなのんきに言ってられないね」
薄雲は真剣な顔をした
蘭「それよりひまりに憑りついてるってどういう事?」
薄雲「ああ、それはボクの勘違い。正確には彼女じゃない、あの階段に霊が憑りついてる」
蘭「なんだ、良かった・・・ひまりに憑いてなくて」
あたしは胸をなでおろした
薄雲「よろしくないよ!あのままだと美竹さん。ひまりさん以外にも誰か危害が加わるかもしれないんだよ」
蘭「そんなこと言われても・・・正体も分からないのに・・・」
薄雲「正体なら目星ついてるよ。七不思議・・・美竹さんも聞いたことあるでしょう?”階段が一段増える”って」
蘭「もしかして、それって幽霊の所為なの?」
薄雲「この学校の七不思議は全て幽霊が関係しているよ。でも、みんな悪い霊ではないよ」
薄雲は暗い顔で幽霊について語り始める
薄雲「みんな、ボクと同じく未練があってこの学校にとどまっている。例えば、動く人体模型・・・彼の生前は体が病弱で運動が出来なかった。だから、遊び相手を求めていた」
蘭「求めていた?」
薄雲「君たちはあの夜、人体模型を見たかい?」
蘭「見てない」
薄雲「どうして?」
蘭「どうしてって、気味が悪いし・・・第一にあんなもの動くわけ。あれ?化学室の前を通ったけど影が一つなかったような・・・」
薄雲「勘がいいね。確かに化学室の人体模型の姿はなかったよ。だって、ボクと一緒に運動場にいたからね」
その言葉を聞いた瞬間背筋に悪寒を感じた
薄雲「彼が成仏した瞬間、ボクの身体は軽くなった。あ、ボク幽霊だから元々軽いんだった」
薄雲は笑いながら頭を掻いている
薄雲「これで分かったんだよ。ボクの縛っているのはこの七不思議だってね」
蘭「それで七不思議に拘っていたんだ」
薄雲「そういう事!ボクがこの学校を見て廻ることを思い出したのも・・・」
蘭「人体模型の霊が消えてから思い出した」
薄雲の記憶と縛るモノ。すべては七不思議が関係していた
薄雲「階段の幽霊についてはボクが調べてみる。あ!そうだ。暇な時でもいいから図書室の奥の部屋を調べてくれないかな?」
蘭「いいけど・・・どうして?」
薄雲「図書室の奥の扉の前に盛り塩が・・・」
やっぱり幽霊だから塩とかに弱いんだ
ガチャ!
扉が開く音が聞こえ振り向いてみると
???「あら?美竹さん。あなたもここにいたのね」
蘭「湊さん・・・」
一つ上の学年でRoseliaの湊さんが珍しく屋上にやって来た
薄雲「へぇー彼女すごいもの背負っているね」
薄雲は真っ直ぐと湊さんを見ている
すごいもの・・・湊さんはFWFに出るって言う大きな目標があるから・・・
薄雲「彼女にも霊が憑いているよ」
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幽霊はいくつかのグループに分かれる。
建物に憑りついているモノは地縛霊
人や地域に憑りつき守護するモノは守護霊
ボクは地縛霊としてこの学校にいる
一年前に話しかけた白銀の少女・・・湊さんには、守護霊が憑いている
しかし、半年前の彼女には守護霊ではなく悪霊が付いていた
人は簡単に何かを憎むことが出来る。霊も同じく人を呪う事が出来るその存在が俗に言う悪霊
一体彼女に何かあったのだろうか?
~夜 羽丘女子学園高等部 階段~
美竹さんが家に帰って数時間後・・・
夜が更けて来て幽霊たちも活発化している。そんな仲ボクは例の階段に向かった
薄雲「やぁ!さっきぶりだね」
ボクの目の前には先ほどの階段の幽霊がいる。彼女は階段の前から一歩も動かない
???「あんたはさっきの・・・なにか用?」
薄雲「用事はあるね。簡潔に言うと悪戯は辞めてくれないかな?」
こういうタイプは中々承諾してくれないだろう。承諾しても対価を求めてくるはず・・・
???「いいよ。もちろんタダでというわけにはいかない」
やっぱり・・・
???「二十年前の話になるけど、あたしを階段から突き落とした犯人を見つけてほしいの」
犯人探しか・・・う~ん・・・二十年となるとその人がここにいる可能性の低いし、最悪もう向こうにいる可能性もある。
薄雲「それ以外じゃあダメかな?」
???「ダメ。あんたは意味も分からず死んだ時、疑問に思わない?なんであたしがこんな目に遭わないといけないのかって?」
確かに彼女の言い分は分かる。自分もなぜ死んだのか分からない立場。だから、彼女に共感できる
薄雲「わかった。君の名前は?」
佳代子「佳代子(かよこ)。あんたは薄雲だろ?」
薄雲「あれ?なんで知ってるの?」
佳代子「赤メッシュの子があんたの事をそう呼んでいるの聞こえた。じゃあ、よろしく・・・あたしはここから動かないから犯人が分かったらここに来て」
そう言い残すと佳代子さんは姿を消した
薄雲「さて、明日美竹さんが登校してからこの話をするとしよう」
自分がいつ、何処で、何故死んだか・・・
いまは深く考えないでおこう