身勝手に征く月輪の刃   作:黒丸助

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他にも色々と書いているのに懲りずに新しいのを書いてしまいました。とある方の作品に感服受けて、思わずヤってしまいました。出来る限り、その方に似ない様にしていきます!当たり前だけど!!!

と言う訳でなんでも許せる方向けですので。
どうかご容赦くださいませ。


プロローグ

真っ白な雪が降り積もった雪面にて、本来の運命から決して交わる事なかった2つの人影が相対していた。

 

「……ほぅ…奴の血肉を喰い。致命傷を……塞ぐだけでなく……刹那の間とは言え……血鬼術まで……流石は……我が末裔にして……私の呼吸(・・・・)を継ぎし者……」

「そいつは…どうも御先祖様。なら、かわいい子孫の頼みとして見逃してくれませんかね?」

 

雪が降るしきりる冬の夜の下。

2つの人影の内の1つの正体は、服装は紫色の上着に黒い袴、長い黒髪を一つに束ね、額や首元から頰にかけて炎のような痣がある男であった。男は、口上を三日月の様に歪めながら目の前にいる血塗れの少年へ、六つの目(・・・・)を向ける。

そして、もう1つの人影の正体は、目の前にいる異形の男を幼くした年若い少年であった。精一杯の虚勢を張る少年には、所々氷結し幾つもの切り傷によってボロボロになった紫色の羽織を羽織っていた。

 

「……それはできぬ……お前の才覚……目を見張るものだ。お前も……鬼となり……私と共にあの方に仕えるのだ」

 

異形の男の瞳に刻まれている『上弦』『壱』という2文字を見て、何処か哀しみと共にナニカを決意したかの様なチカラある瞳へと変わった少年に、異形の男は訝しげに眉を顰める。異形の男が、自分の真意を測りかねている事に、何処かイタズラが成功したかの様に、血が流れ続けている口上を上げて笑みを浮かべながら、少年は紫色の刀身を持つ二刀を構える。

 

「悪いね、御先祖様。俺がアンタみたいになると、俺より格段に才能がある2人の弟(・・・・・・・・・・・・)が鬼狩りになっちまうし、ネチネチ五月蝿いけど優しい兄弟子が悲しむ…………それに…いや、コレ(・・)は内緒だ」

「……才ある…弟…………愚かなり、我が子孫よ…………ならば、己の無力さを知れ……」

 

「俺の名前は、時透心一郎!!最高の親が付けてくれた名前だ!よく憶えておけ!目玉オヤジ!!」

 

ヤベェぇー超コェー!泣きてぇ!逃げてぇ!

おのれ神様!!俺にどんだけ怨みがあんだよぉ!

 

「……否。我が名は………黒死牟……いざ参る」

 

異形の男——黒死牟を迎えに打つ少年———心一郎は、内心では今すぐにでも喚き散らしたい本心を押し殺しつつも全力で駆け出す。後ろに1本まとめた髪ともに心一郎の耳に花札のような図柄で、三日月が描かれた耳飾りがユラユラと黒死牟の視線の先で揺らめく。

 

月神ノ舞 一ノ式 闇月・宵の宮

月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮

 

そして、本来であれば交わる事のなかった2つの月が、激しくぶつかり合う。

 

時透心一郎は、転生者であり、本日は上弦の鬼の連戦と言う過労死しかないと言うか絶賛死に掛けの状況に陥っている。

 

助けてぇぇ無一郎!有一郎!

今だけこんな不詳な兄に力を貸してェェェ!!

 

コレは、様々な転生者の足掻きによって、運命が変わってしまった鬼滅の刃の物語である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

 

 

母が死んだ父の後を追う様にして亡くなった日。

俺が、時透心一郎が、この世界とは異なる世界の自分の記憶を思い出し、この世界が鬼滅の刃と言う漫画の世界であったと言う事を理解してしまった。

 

そして、時透心一郎という自分は一体何者なのか。

主要人物の死が印象的すぎて、それ以外は明確には思い出せないが、俺の様な存在はいなかった。

だが、自分と言う時透心一郎の存在に不信感などを一切抱く事もなかった。まるで、自分が無一郎と有一郎の兄である事が当たり前と言う感覚が、俺の中にあった。だか、それと同時に俺は、とてつも無い不安と恐怖を持ってしまった。

 

それは、俺の弟には、幼くして鬼に殺される運命にある無一郎と有一郎がいるからだ。記憶を取り戻す前から俺という時透心一郎の中で、何もよりも大切な最愛の2人の弟。だからこそ、俺は2人を失う事を何よりも恐怖した。

 

2人が殺される描写を記憶として見た事で、俺はとてつも無い恐怖と不安に駆られた日、

無一郎は俺を瞳に涙を溜めながら心配してくれた

有一郎は俺に不器用ながら元気付けようとしてくれた

 

あぁ、こんな情け無い兄をこんなにも心配してくれるなんて……どれだけ優しいんだ。

 

だからこそ俺は決意した。

 

 

何があろうと、俺が2人を守ると。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日。

 

 

「俺が鬼殺隊に入ります。ですが、お願いがあります」

「お願い?……でしょうか。私共で宜しければ」

 

「弟達の身の安全の保証。そして、有一郎と無一郎を絶対に鬼殺隊へは入隊させないで下さい。お願い致します。俺が、死ぬまで2人の分以上に、この身を捧げますので」

 

「っ!?それは……どうし…いえ承りました。弟君達の身は我々が保証いたします。ソレ(・・)が貴方の決断であるのならば、私は貴方の意見を尊重させて頂きます」

「申し訳ありません。ですが、ありがとうございます。私の様な者のわがままを聴いてくださって」

 

深々と頭を下げる白樺の木の精と思う程に美しい女性———産屋敷あまねさんに、俺は地面にめり込む程に土下座をし感謝の意を伝える。ちなみに、心一郎が土下座をしている事に頭を上げて漸く気付いたあまねは、オロオロした様子で必死に頭を上げさせようとするのであった。

 

 

 

亡き両親に託された俺は、何があろうと2人を守る。

例え、ソレが無一郎によって救われるかもしれない命が失われる危険があったとしても、俺は身勝手なまでに、2人の弟を護る。

 

どれだけ憎まれようと、

どれだけ卑怯者と蔑まれようと、

どれだけこの身体が傷つこうとも、

 

俺は、俺の身勝手な決意で鬼を斬る!!

 

ソレが、時透心一郎と言う俺の役目だ。

 

もし、神様が居るなら俺をどれだけ身勝手と嘲笑うだろう。

もし、助けられなかった人が甦ったのならどれだけ俺を呪うだろう。

 

だが、それでも俺は、

 

身勝手なまでに、不平等に、人を助け、

 

2人の弟の安全を守る為に、

 

鬼を斬る。

 

父から受け継いだ紫刀(・・)耳飾り(・・・)と共に。

 




転生者その一。
●時透心一郎
無一郎と有一郎とは4つ歳上の兄。
適正の呼吸……お労しや。
超絶のブラコンと言うか家族大好き!
顔は顰めっ面が無かったお労しや。
兄弟子には蛇を連れたネチネチ五月蝿い人がいる。
プロローグにて死に掛けている。
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