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LastReport『カモメ』
スタッフがウイニングライブの参加の有無を聞きにタキオンの控室に向かった時、そこにはもうアグネスタキオンの姿はなかった。
心配したスタッフがレース場をくまなく探してもタキオンは見つけられなかった。そうなれば当然、トレセン学園にも一報が伝えられ、警察も動員されるほどの非常事態にもなった。
突然の失踪。それも十分に失踪する理由が存在するのだ。マスコミ各社はここぞとばかりにタキオンの失踪を一面に飾った。中には懸賞金を出すようなマスコミもあった。タキオンの友人たちも、放任主義であった家族も必死に探したがタキオンが見つかることは遂になかった。
眉唾モノの目撃情報が飛び交い、茶番染みたワイドショーの捜索特番が組まれ、それでもタキオンは見つからなかった。唯一発見されたのは、中山レース場の地下バ道に遺された彼女の勝負服の一部であった白衣のみ。それが彼女が
結局タキオンの捜索は打ち切られ、行方不明のままで終わってしまった。捜査の継続を求める声もあったが、それ以上に「そっとしておくべきだ」という声が意外に多かったのだ。
有馬記念前の連日に渡る不正を犯してでも強行された無遠慮な取材。悪意ある記事の掲載。陰口に悪口。
そしてウィナーズサークルで泣き叫けびながら、亡きトレーナーに向けて語った彼女自らの想い。極めつけは失踪した後のマスコミやインターネットの大騒ぎぶりだ。面白がってネタにしたマスコミはURAやトレセン学園から厳重抗議を受け責任者は懲戒。その波紋は津波のように各所を飲み込む大騒ぎにもなった。
それらが理由となり、「アグネスタキオンに触れるべからず」という風潮が生まれた。それは過剰なまでに発達し、いつしか名前を出せば自らの正義を履き違えた一般大衆が目の敵のように叩きに来るという有様を生み出し、世間は一時の熱狂を忘れたかのように動き始めていった。
いつしかアグネスタキオンという名前は薄れていく。しかし有馬記念で彼女が叩き出したレコード記録は更新される事もなかった。
それでも彼女を忘れない為に、彼女がここに居たという証を示し続ける為に走り続けたウマ娘もいた。そのウマ娘達も、歳月という時間の流れには逆らえない。
彼女のプランB計画を引き継いだ摩天楼の幻影も。
彼女の白衣を受け継いだ緋色の女王も。
当然のように引退していく。
アグネスタキオンが求めていなくとも。誰も彼女の真意を知らず、無視し続けているとしても。誰もが彼女の想いを捏造し、勝手に自らに都合が良いように持ち上げて正義感で塗りたくり、湾曲して振りかざしている。
皮肉な事だ。彼女を真に想っていた二人のウマ娘でさえそうなのだから。
タキオンはもう居ない。死人に口はないのだ。葬式とは生者が自己満足の為に行う行事である事と同じように、全て無意味。
タキオン自身の行動も、本質は同じだ。
これは、全てが無に帰した話。本来のアグネスタキオンが辿らなかった、『
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「海、だなぁ……」
堤防の上によじ登って、海を眺めながらぼぉっとしている一人のウマ娘が居た。ボサボサの可愛い栗毛に、何かの遺伝子配合図のような形をした耳飾り。一切の光が写っていない深い紅色の瞳は、ただまっすぐ、地平線の向こう側を捉えていた。
ベージュのカーディガンに、厚手の黒タイツ。ここに白衣を足せば、彼女の勝負服そのものになる。もっとも、軽い変装の為と、もう2つの理由でその白衣はレース場に捨ててきたのだが。
何をすることもなく、ただ地平線の向こうを眺める彼女は、特徴的な白衣こそ着ていないがクラシック3冠を達成し、シニア春3冠と秋の3冠も捥ぎ取った史上初の9冠ウマ娘こと、アグネスタキオンだった。
彼女は有馬記念が終わった後、この寂れた港町までやってきた。フラフラと意識なく足が動いた結果、ここに辿り着いたのは何の因果か。港町に居る、という情報のみで、ここが日本海側なのか太平洋側なのかすらタキオン本人は分かっていなかった。
頬を撫でる磯臭い潮風を少し煩わしく思いながら、タキオンは今までの想い出を振り返っていた。
トレーナーと初めて出会った日。トレーナーをモルモットにしたあの日。プランBの決行を決めた翌日の、寝不足になっていたトレーナーの顔。あの狂気に染まった瞳。夏合宿でプランAに耐えうる脚を手に入れた後、ドリンクを渡しながら微笑んでくれたトレーナーの顔。プランAとBの概要を話した後のトレーナーの泣き顔。二人三脚で作り上げてきた勝利の方程式。
全てがトレーナーに関する想い出ばかり。思い出したところで、今更タキオンが特別な感情を抱く訳ではない。トレーナーが死んでから、タキオンの心はずっと壊れてバラバラになってしまったままだからだ。それでも延々と脳内でリピートされ続ける映像群。嫌な気分にはならないが、再生される度にタキオンの心は、きゅっと握りしめられるように軋み、もう二度と同じ形に戻せないぐらいに更にグチャグチャになっていく。
「君の事しか考えられない……とでも言うべきかね。オペラオー君のような気障な台詞だ。歯が浮いてしまいそうだよ」
自傷気味に笑うが、その笑いは防波ブロックに押し付けられた波の音でかき消される。だが心の汚れまでは消してくれない。いつまで経っても、タキオンの心はヘドロのような感情に埋もれたままだ。
「……隣に居るよ、か。ねぇトレーナー君? 本当に君は私の隣に居るのかい?」
彼女の定位置だった左隣を首を曲げて見る。
当然、そこには何も居ないし、遠くの景色以外、何も見えなかった。レース中に聞こえてきた幻聴も、今は何も聞こえてこない。あれだけ頑張れだのなんだの言ってきた無責任な声は結局、自分の幻聴でしかなかったんだろう、とタキオンは思った。
「まぁ、その後にさよならを口にしたんだ。私の事など放っておいて、一人で逝ったんだろうね君は」
もうタキオンにはいつ止まればいいのか分からない。限界の果てを見た。ウマ娘が到達出来る限界速度を超えた。目的は果たしたのだ。だが、タキオンはまだ満足していなかった。限界の果てを見た? だがそこに辿り着いていないじゃないか。限界速度を超えた? 超えただけじゃないか。本当に限界速度があるのかどうか、そこにウマ娘は到達出来るのかどうか、その検証はまだまだ足りない。タキオンにとって今までの目的は果たしたが、ウマ娘の限界を求める研究者としてはまだまだ道半ばだった。
だがどうしても、その先に行く事が、そこまで走る事が怖かった。億劫でもあった。それはタキオンの隣に、誰も居ないからだ。欲しかった暖かさはもうなく、ただ寒々とした空間がそこにあるだけだった。
「私は君と走れれば、それでよかったんだ」
初めて口にした、タキオンの本音。ただ一体の存在としての言葉。彼女のトレーナーであった女性に縋るように出た答えだ。
この答えが出たのは、有馬記念のゴール板を通過した後。トレーナーが自分の横に居らず、見えなくなるほどに追い越してしまったと気付いたときだった。気付くのが遅すぎた、とタキオンは思っている。だが同時にそれでよかったと思った、もし、有馬記念のレースが始まる前に気付いてしまえば、自分は走る事が出来なくなっていただろうからだ。トレーナーの葬式にも出ず、レースも惨敗。何も良い事がないまま終わって、生きる事も死ぬ事も放棄した植物状態よりひどい状況になっていただろう。それぐらいは安易に想像がついた。
「しかし結局、今からやろうとしている事を考えればどちらの方がマシかなんて分からないね。ま、植物状態になろうとは思えないし、君以外に世話をされるのは今更過ぎて御免被る」
ウマ娘特有の脚力で座った状態からその場に飛び上がって立ったタキオンはゆっくりと背伸びをした。そろそろ太陽が地平線へと近付く時間帯だ。
「さて、時間だ。あぁ、まったく。いつか合宿以外で海に行こう、だなんて言葉を覚えていたせいかここまで来てしまったよ。来たからには、目的は果たさなければ……ねぇ」
言葉は、口調は、軽々としている。
まるでこれから遊びに行くようだ。だがその顔は一切笑みを浮かべていない。その瞳はいつも以上に光を宿していない。まるでもう死んでいる亡者のような目が、今のアグネスタキオンというウマ娘を物語っていた。
堤防を飛び降りたタキオンは海沿いを歩く。
泥まみれになって、何本か芝が引っ付き、青々しい緑色のコーティングを施された蹄鉄付きの勝負靴をカツカツと鳴らしながら、タキオンは歩く。世界が夕暮れに染まる前に、タキオンは行かなければいけない場所があった。
「君と夢を駆けるよ~」
らしくもなく歌を口ずさみながら歩く。この曲はトレーナーが好きだった曲だった。いつかウイニングライブでタキオンが歌う予定の曲でもあったが、もう歌うことは二度とないだろう。トレーナー以外に、ライブを見せるつもりもなかった。それに……。
「……私はもう、疲れたよ」
口ずさんでいた口を止めてから、深い絶望と共に言葉を吐き出した。
タキオンがこの海沿いにまで来たのは全てを投げ出したかったからだ。彼女は、全てがどうでもよくなった。それはスタッフに肩を借りて向かった控室に入った後の話だ。控室の椅子に、勝負服を着替えもせずに座っていたタキオンはふと思ってしまったのだ。『もう生きている意味がない』と。
タキオンが愛したトレーナーはこの世に存在せず、自身の目標であるスピードの果て、ウマ娘が到達出来る限界速度に到達した今のタキオンにとって、今を生きている意味は、最早存在しない。当然、その先を求める事は出来た。それが人生の目標足りえる事も分かっていた。だがもうタキオンには追い求める気力がもうどこにもなかった。タキオンはトレーナーと一緒に走ってこそ、追い求められるものだと思っていた。
だがもうトレーナーは居ない。「もう一人で走れるよ」なんて言葉を残して消えてしまったから。
そこから、タキオンは考えてしまった。そして天啓のような閃きを得てしまった。生きている意味ならまだある、と。明日を捨ててでも、やるべき事があると。
確かめなくてはいけない事が出来た。そう呟いたタキオンの目に、最後の火が灯った。
「…………海に、行こう。君の腕まで、辿り着く為に」
そんな考えが脳裏に過ってしまっては、もう駄目だった。タキオンの体は、自然にふらふらと動き出していた。まず白衣を脱ぎ捨てた。その白衣は中山レース場の地下バ道に捨ててきた。それはもう二度と自分はレースの世界に戻らないという意思表示の為もあった。
だがそれは1割にも満たない理由。本当の理由は白衣を捨てる事によって研究者としての『アグネスタキオン』を殺す事。そして勝負服を捨てる事によってウマ娘としての『アグネスタキオン』を殺す事にある。
もう誰にも邪魔をされたくはなかった。未練はあれど、腹は既に決まっている。全ては目的の為に。目的の為ならなんだってする。プランAとプランBを追い求めていたあの頃と同じだ。何も変わらない。だから自分自身を殺すのだって、『アグネスタキオン』であった存在は厭わない。自分を自分たらしめる重要なファクターでさえ、だ。
「富も名声も、夢も、志も、そして私自身も。全てが邪魔だ。邪魔で邪魔で仕方がない。この海を渡る為には、アグネスタキオンという名前は死んでしまわなければいけない」
狂気、だった。
百人が百人とも、今の彼女を見れば「狂っている」と答えるだろう。
「トレーナー君の隣に辿り着くには重りが多すぎる。だから、ウマ娘の限界を追い求めた私は要らない。ウマ娘として君と走りたかった私も、要らない。私という存在は、ただ君の隣に在るだけの存在でいい。それで、いいんだ……」
これはタキオンなりの妥協だった。
自身の肉体に眠る可能性の果てを追い求めていた自分ではトレーナーの居場所は見つけられないと理解してしまった。ウマ娘の限界速度のその先を見た自分でも、トレーナーの居場所には辿りつけないと身をもって知ってしまった。
それでも彼女は、たった一人のトレーナーであった女性だけのアグネスタキオンでありたかった。だが、余りにも『アグネスタキオン』というモノは重すぎた。
それを理解しているのに夢を諦めきれない自分が居た。
自分の脚でどうすればトレーナーの下に辿り着く事が出来るか、シミュレーションしている自分が居た。
トレーナーの下に辿り着くには全て邪魔だと理解出来ているのに、躊躇している自分が居たのだ。生きている意味のない自分には、どれも必要がないものだと言うのに、だ。だからタキオンは妥協した。全ての可能性を否定して、たった一つの方程式の為に、アグネスタキオンを構成する全てを捨てるように、白衣と共に殺したのだ。
今すぐに首でも掻き切れば死んだトレーナーの下に辿り着けるかもしれないが、実行するには柵が多すぎた。第一、遺体が見つかれば厄介だ。タキオンは自分の遺体を有象無象に見られる事が耐え切れなかったし、死んだ事によってお涙頂戴の話作りをされたくなかった。
「君はこんなこと望んじゃいないだろう。走り続ける私を見ていたかったんじゃないのかい? 私なら君を信じて一人で走り続ける……なんて思ったりしたんだろう。けど私は君の知っての通り我儘でね。君の言う事なんて、聞かないことにしたんだ」
自分がやるべき事の為に、アグネスタキオンは『アグネスタキオン』を殺した。
これから海に流れていくメッセージボトルに、名前は要らない。瓶にこびりついた古いラベルなんて剥がしてしまわなければならない。綺麗になった瓶の中に詰めるモノは、トレーナーへの想いとほんの少しの自身の魂。それだけでよかった。
「さぁ、あと少しだ。検証してみようじゃないか。君の腕に至れるのかどうかを」
彼女は年の瀬の港町を歩いていく。閑散としていて、誰一人として歩く人も居ない、夕暮れ時の寂れた町だ。
町の外れまで来た彼女はそのまま岬へと続いている道を歩いていく。白くなった吐息が口から漏れていた。人間にとっては急で危ない、歪になっている石の階段も、決して走らないがひょいひょいと軽く飛ぶように昇っていく。この程度、レースとトレーニングで鍛えてきた彼女にとって、準備運動にもならない運動だった。
枯れ木が目立つ岬の森。聞こえるのは森の向こうから聞こえる波の音と、彼女が歩き落ち葉が踏みしめられるザクザクという音だけ。
太陽が地平線の向こうに沈む前で薄暗い森の中を、ただ無言で歩いていく。不思議と寒さは感じなかった。春のように暖かい訳ではない。木々によって冷たい潮風が遮られているだなんて関係がない。
心が、温かった。これから、一番大切だった人に会いに行くのだから。
遂に森を抜けた。目の前には、この岬の位置を遠くで航行する船に伝える為の大きな白い灯台。建って随分と経つのか、灯台の外壁部分は薄汚れて根元には苔が生えている。それでも灯台はその役目を果たそうと、日が沈む頃合いの今から仕事を始めるのだろう。
「彼女も君みたいに長生きしてくれたら、良かったんだけど……ねぇ」
灯台に近づいて、外壁を撫でる。ざらざらとした塗料の感触と、外壁の汚れが指についた。
上を見上げる。夕焼け色だった空が、だんだんと黒く染まりつつあった。もうじきに夜になる。幾つかの星も見えた。
「時間だ。さぁ、始めよう……」
灯台に別れを告げるように、灯台の外壁を指で撫でながら岬の先へと進んでいく。立ち入り禁止の看板を無視し、通行止めのフェンスを乗り越えて、崖になっている、先へと。あと一歩…………一歩踏み出せば真下にある海へと真っ逆さまに落ちていくような場所まで。
「見つけてくれ、だなんて言わないさ。私から見つけに行くよ。君の腕までたどり着く為にね」
両手を広げる。ゆっくりと、広げる。今は見えない誰かの為に。その腕に、翼を生やすように。
「全ての命は海から生まれたと言う。なら海に還れば、死んだ君に会えるのではないだろうか。私は、この理論を証明したい」
滅茶苦茶な理論だ。街中の噂話にすら劣る狂った妄言だ。
だが、それでも。知ったことか、と。とっくに擦り切れた理性が言う。私は、何も間違っていない……と。迷信、虚言、妄言、詭弁。なんとでも言えばいい。世間がなんと言おうが知った事ではない。
君に会いたい。君に触れたい。君を抱きしめたい。私はこんなに頑張った。こんなに、こんなにも、頑張ったんだ。だから、君に会えるのなら、自分自身なんて捨ててしまってもいい。
「重りとなるものは捨てた! 私は
叫ぶ。明らかに常人の発想ではない言葉を、吐き出すように叫び続ける。科学的根拠? そんなものはない。実証実験? ある訳がない。
狂っているだなんて百も承知だ。例え翼がなくたって、カモメになれなくたって、君の腕にまで辿り着いてみせる。
ぐるり、と振り返る。フェンスと、裏面を向いた看板と、大きな灯台と、その向こうに森が見えた。
「モルモット君。モルモット君! 見ていたまえよ! あはは! これほど素晴らしい実験もない!! 今ならカモメのように飛べるかもしれないね!」
一瞬の浮遊感。黒一色に染められる前の空が見えた。あそこに光っている星々は、オリオン座だろうか。
次いで、太陽が隠れた地平線が見えた。淡い青色と、黒に染まった海に、オレンジ色が挟まれていた。
そういえば、君に出会ったらまずどうしようか。そうだ、まず君に文句を言わなくちゃいけない。
約束を破ったどころか、勝手に死んでしまったのだから、私のモルモットの癖にだ。
その後に君を叱ろう。
謝罪ついでにお弁当を作ってもらおう。
随分と疲れたから肩を揉んでもらおう。
この一週間、全く飲んでいなかった紅茶を淹れてもらおう。
散らかりぱなしの私の研究室を掃除してもらおう。君とデートにも行きたいし、君を使った実験も山ほど残っている。
…………あぁ、そうだ。そうだとも。君には山ほどやってもらう事があるんだ。死んだぐらいで、逃げられると思わないでくれたまえよ? 私は、君も認めた超光速のプリンセスなんだぞ?
あれ……? 私は、もう私じゃないのに、どうして……こんな思考が…………?
「……あぁ、殺した筈なのに、随分と……私は、
「…………」
なんだ。うるさいな。
「うるさいな、じゃないよ。ほら、私を見つけるんじゃなかったの?」
なんだ、君か。ずっと私の傍に居たのかい?
「言ったじゃない。ずっと隣に居るって」
見えなくちゃ、意味がないだろう?
「しょうがないよ。死んじゃったんだし。でも、これで大丈夫」
あぁ……全く。君の手は相変わらず温かいな。しょうがない。今は、許そうじゃないか。
「うん。行こうか、タキオン」
行こう、モルモット君。君にはやってもらいたいことが山ほどあるんだから。
「えーっ。程ほどにしてよー?」
君に拒否権なんかないよ。今まで通りにね。
さぁ、実験を……始めようじゃないか。このアグネスタキオンと、モルモット君の二人で、ずっと……ね。
テーマソング:9mm Parabellum Bullet『カモメ』