☆サニティエッタ
好きなゲームはサンバdeアミーゴ。
マラカスと障子とパパの肩が壊れるまで遊び尽くした。
☆常禅寺/ジョゼトレ
好きなゲームはぐるみん。
黒豆に辿り着く前にはイチゴケーキが無くなる。
☆エンリカ
好きなゲームがクソゲー判定されてた事を最近知った。
六月の後半に控えた帝王賞、その前哨戦──とも言えない「枠あるなら走っちゃろ!」で参加してしまった1月後半の重賞GⅡの東海ステークス。
マイル距離とダートが得意なエッタの脚質なら問題なかろうと送り出した所、大事故が発生した。
大事故……怪我って話じゃない。
結果が大事故だったのだ。
最下位は何とか避けました、とエッタがエッタ語抜きに敬語で頬を引きつらせながら言い訳する位には酷かった。
あの道化師サニティエッタが敬語やぞ。
「折り合い、つかんなぁ……」
いかな天才といえどレース展開や調子いかんによって大負けする事があるのは勝負の常。
それにGⅡともなれば生半可な気持ちで挑んで勝てる訳がない。枠があるなら、とその程度で送り出した俺にも責任はある。
しかしレースでは、それを抜きにしても完全にエッタの責任としても文句が出ない形で敗北してしまった。
いつも通りパドックでアピールし、それを俺とニコルラベリテが見届け、応援し……というのはいつも通り。
いつも通りなら大丈夫じゃね? とは簡単にいかず、エッタの俺へ向けた「もっと自分を見て欲しい!」という欲が人が沢山いる中で増幅され集中力は壊滅的な状況となり、真っ直ぐも走れない程に酷いありさまとなってしまったのだ。
走り終えて冷静となりレースの順位を確認するや流石に事の深刻さに自分でも気が付いたらしく、動揺のあまり精神面が不安定に見えたのでそれからは少し練習を休ませている。
「トレーニングに対し積極的となった風に見えましたけど」
「はりきり過ぎちゃうの。“見捨てないでくれ”ってさ」
「あっ」
桐生院さんの言う通りトレーニングへの意識が変わった。でもそれが危ないから休みとした。
エッタは人が好きだけど、自分のせいで人が離れて行ってしまう事を理解しているから。
俺の夢が云々、帝王賞が云々と宣言した矢先にこれなら先が思いやられようもの。
俺がもし見切りをつけてしまったらと考えたんだろう。
「前に担当したからには最後までって感じのを宣言した覚えがあるんだけど、時間経ってるし効果薄いよねぇ」
「難しいですね……」
愛用のトレーナー白書をぺらぺらと捲っているけど、これは個人個人の付き合いによる解決策しかない。
しかし。どうすっぺか……。
「休みにし続けるのもこれはこれでまずいんだよなぁ。もう駄目だって意識が芽生えちゃいそうで」
「が、頑張ってください!」
分からないからって投げないでくれ桐生院さん。
机に置いてたスマホがぶーぶー鳴ったので手に取ると、桐生院さんは助かったといわんばかりに「それでは!」と部屋を出て行ってしまった。
誰だよぅ、こんな大事な時に電話してくるやつぅ。
『やっはろー! みんなのエンリカたんがINしたお──』
切って、置く。電源も切っといた方がいいかな。
あ、また電話かけてきやがった。
『ひどくない?』
「目の前にいたらデコっぱちに張り手してる所だったぞお前」
『あたしのかわいいおでこをいぢめないで……』
んでどうしたよエンリカ。
てかいつの間に俺の電話番号知った? 教えてないよな?
『そろそろお困りかと思いまして』
まぁ困ってるっちゃ困ってるけど。
『そこで! エンリカ様が道先を案内しようと思いまして』
「ほうほう?」
『ちいとばかしデートしてこいやお前』
あんですってーっ!?
『いや冗談じゃなくて真面目な話、今の状況を切り抜けるにはこれしかないってば』
「……今の状況、知ってるのか?」
『もっちろん! エンリカ2000年の勘を舐めるでない若造』
「本当に真面目な話してる?」
『エンリカ嘘つかない』
2000年が云々はさておき、レースの現地にはラベリテもいたしそこから情報も伝わってるか。
しっかし解決方法がデートたぁ大きく出たなこいつも。
もしエッタが暴走して実力で襲われたら俺は社会的に死ぬんだぞ。
『デートと言ってもいつもお出かけしてる感じでいいのさ。んでいい感じにお出かけして、シニアが終わったら気持ちを聞かせて欲しいってあんたから言うだけ』
「俺から?」
『告待ちの受け身じゃモテんぜよ』
「ふむ……」
ラブorライクを正直に聞いて、一年後に答えを聞かせてくれって?
新潟から帰ってきてから考案した、エッタが自分の気持ちに気が付くのを座して待つってスタイルと真っ向から相対する答えできたなおい。
下手に刺激しないよう立ち回るつもりだったんだけど……。
だが一理あるかも知れん……のか?
もう恋愛話わかんない。常禅寺そういうのわかんない。無縁故。
『でもさー。ほっといてエッちゃんが走れなくなったらどう責任取るつもり?』
「責任て」
『アイーダの姉貴を始めとした武闘派連中が黙ってないよ。無論あたしもMyカブトムシで攻撃する』
殺される……。
俺、殺される……!
エンリカとカブトムシは倒せる自信あるけど、アイーダネキに敵うわけない……!
『どうやら……本気を出す必要がありそうかな?』
あかん、こいつマジでチクる気だ。
『やれ』
「はい……」
一歩間違えたら即死するデートが、今始まる──!
『んでぇ、注意点なんだけど──』
「サンキューエンリカ。今度新潟寄る事あったらなんか奢るわ」
『あ、ちょ』
あてはやらかしふらつき道化、惨敗理由は察しの通りの
下から数えて
なぜならば!
……ジョゼトレに期待をさせては失望寄せて還す波。
白き息、空消えゆ雲。雪無き地。身捨つる事ぞ出来ぬ我が身よ。
「エッタ……これ食べる?」
「カップケーキな気分にあるまじ……」
同室ミークは優しき真白。手にするお菓子は白きもの。
やる気が上がる? 絶不調?
そういう問題ございません。
「ゲーム、する?」
「……サンバ?」
「ボンゴ……」
何ぞやそれは……。
「んゆ?」
む!
ジョゼトレお電話うれしやうれ、し──。
──
内容如何はどうでしょう。あてにまつわりますか? どうですか?
「……でないの?」
ラベリテ相談時間ならずば覚悟をします。
ベッドで布団にくるまり道化、猫の布をばくる巻いて。
「もうす、もうす」
『お、良かった出てくれた』
「夜中にお電話なんでしょう! 明日の予定? をばどうぞ!」
『デートしようぜッ!』
……?
わ!!!???!?!??!!!?!?!!?!?
『あ、いや、デートっていうか、一日遊ぼうぜっていうか……』
いしりにぬゆえにかえりはばなる!?!???!!!
わわわわ、ならば、すばわとてりゆえて!!!!!!!
『ちょっ』
マックス御師様師様よ
道化師どこでもおいでまし? できまして! いつでもでしょう魂ここに!
……ごほん。サニティエッタ復帰です。
『落ち着いて? ね? おいこれホントに平気なのか……?』
「うい」
「あ……戻った」
心配おかけよハッピーミーク。
『色々話たい事も遊びたい事もあるだろうし、ちょっと付き合ってくれ』
つき!!???!?!?!?
『エッタ? おーい?』
「……大胆……」
んんん。
「しつ、れい!」
『あ──』
顔見れぬ、故に切る!
電話番号ピポパピポ!
ぷるるるる! ぷるるるる!
『──え、エッちゃんこんな夜中にど、どしたのさ』
エンリカ貴様、仕組んだな。
『やべっ!?』
ジョゼトレ気軽にそな事言わぬ、カンペで背中おしたりやせなんだらぞ!
あてに何をば期待、を、あては……。
「むぅ……」
『ははっ。その調子ならさーエッちゃんさー。明日くらいはセーブしないで行ってきなよ』
「セーブ? ロード? メモリーカード」
『そうじゃなくて』
ミークは知りゆりますか?
「……エッタ、最近我慢してる」
『流石同居人はよく見てるねぇ』
なんぞや事よ!
『明日は下手に感情抑えるなっての。どうせならパーッと素を弾けさせてトレーナーに甘えちゃいなYOU』
「エッタが笑ってるの好き」
む、むむむ。
感情。
『ごめん。分かってるとは思うけど流石に常識の範囲内でね……?』
「……」
『常識の範囲内でね……!?』