ありふれた幼馴染と暗殺教室   作:孤独なバカ

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修学旅行の時間③

「いっつ。」

「大島くん!?大丈夫ですか?」

「大丈夫。予想はしてたから。やっと去ったみたいだな。」

 

暴行を加えられていても普段からの組手に比べたらどうってことはないので、俺は小さく苦笑してしまう。

 

「予想していたってどういうことですか?」

「昨日の神崎と雫のしおりをなくしたって言った時、一度だけ心当たりがあったんだよ。わずかに神崎のかばんが空いていた時があってな。覚えてるか?お前らか高校生にぶつかったの。」

「えっ?はい。」

「あの時に盗まれたのは大体予想通りだった。まぁあの程度だったら全員潰せるだろうしカルマと一緒に金づるとして潰しても良かったんだけど、それが見事に雫のしおりも盗まれたからな。生憎俺は雫がどのルートを通るのか知らなかったし同じタイミングで盗まれたからな。」

「もしかして、八重樫さんも同じ状況になってるのですか!?」

「おそらくな。まぁ予想してたから対処できるけどな。」

 

俺は素早くダイアルを打ちあるところに電話をかける。

すると小さく電話先のやつにはため息を吐かれ了承の声が聞こえ電話が切れると

 

「奥田。少しだけ離れるぞ。」

「えっ?あの大島くんは?」

「…当然奪われたものを取り返しに行くに決まってるだろ。」

 

 

俺はスマホで色々と話をしながらスマホによる位置共有アプリのGPS調査によって示された場所に走る。

もうそろそろカルマも起きてるだろうし後続も早いだろう。

とりあえず制圧からだろうな。GPSの示す先にあるのは古びた大型施設だ。

すると京都の友達からメールが送られる。そこにはもともとの施設の地図情報が送られてくる。

それをすぐにデータを他のやつに送ると俺はすぐさま準備をし始める。一時間程度しか効かないものの即効性睡眠薬付きの眠り針をサイレンサー付きのエアガンにセット靴も仕事用のものへとシフトする。全員を眠らせるというのは流石に無茶だろう。人数も恐らく20〜50人程度と予想がつかない。

だから突破だけを意識し単純に速さだけを求める。

天井へと壁をよじ登り移動し空いた空間から潜入、重力に逆らいながら確実に通らないといけないルートだけ見張りの高校生の首元目掛け天井から狙撃する。大広間に突入すると、縄にくるくる結びにされている四人の姿と十人程度の高校生の姿があった。服の様子も、綺麗だし貞操も大丈夫だろう。

 

「おっ。まぁ、予想通りか。」

「「大島くん!!」」

「「冬夜(くん)!?」」

「てめぇ。何でここが分かった?」

 

俺が入ってくると既に雫と香織も予想通り、捕まっていたらしい。

 

「昨日の夜神崎と雫の両方のしおりがなくなったら当然警戒するだろ?元々俺は雫の家で一緒に準備をした時にしおりをまず先に入れていたのを見てたからな、だからこそ落としたか、誰かに取られたかの二択になる。」

 

俺と雫が一緒に準備した際に入れていたのは知っていたので雫一人だったら落としたのかわからなかっただろう。

でも神崎もなくしたとなれば違う。

 

「それに神崎たちと雫たちは一度他校の生徒と不自然なぶつかり方をしている。明らかに不自然だろ、ぶつかった二人がしおりをなくすなんて明らかにできすぎているんだ。だから神崎に渡したしおりにGPSを仕込んだ。」

「えっ?」

「罠にかかったふりをしていれば簡単に犯人なんてすぐにおびき出せる。つーか喧嘩慣れした俺がいくら高校生の鉄パイプで一つで倒れるわけがないだろ。」

 

俺は笑みを消しそして睨みつける。拳を鳴らし、そして相手を威圧的に見下す。

俺しか見えてないようだけどさっきからその周りには軽く雑音が聞こえてくる。

もう負ける要素は存在しない。……後は詰めに持っていくだけだ。

 

「俺の大切に手を出そうとしたんだ。お前らタダで済むなと思うなよ?」

「はん。中坊一人で何ができる。」

「ん?誰が一人って言った?」

 

そう言った瞬間すると扉が開き伸びている不良と龍太郎の姿が見える。

 

「お〜い。冬夜?雫たちいたか?」

「「龍太郎?」」

「光輝も後々来るぞ?今俺たちの班も時間がきたら来るだろうよ。…数でも武力でももう問題ない。既に詰みだ。」

「チューボーが粋がるなよ。てめぇら。」

「だから遅いって。」

 

言葉が発する前に腕の中から鎖分銅を振るうと同時に周辺の高校生を蹴散らす。

悲鳴をあげる暇なく俺は分銅を腕に巻きつける。

雫たちは初めて見たのかポカーンと口を開けた何が起こったのか分からないのだろう。

 

「だから詰みって言っただろ?既に射程内だ。」

「ヌンチャクなんてまた物騒なもんを。」

「知るか。卑怯も汚いもないからな。……雫たちを傷つけようなら俺が絶対に潰す。」

 

呆れる龍太郎。色々突っ込みたいこともあるだろうけど今は我慢できるようになったのはいいところだろう。

まぁ鎖分銅ってバレなければいいしな。

 

「ケッ。てめぇらも俺たちのことを肩書きで見下しているんだろ?馬鹿学校ってことで見下しやがって。」

「見下してたらこんなことにはならないだろ。GPSを持たせたっていうことはこういうことが起こることが分かっていたってことだろ。俺にも前日には通知来てたしな。」

「まぁな、他にも無力化させる方法はいくらでもある。まぁ、使い所は考えるし使うまでもない。それに肩書きなんて堅苦しいもんは勘弁だ。自分がどうやって生きたか、どのように歩んで来たのかその過程が何よりも俺に取って大切なことだ。自分自身が肩書きに囚われて自分がしたいことを自ら削っているだけだろ。」

 

すると後ろから近づいてくる人影に俺は苦笑してしまう。少しだけ早すぎる登場に苦笑を隠しえないけど。

 

「まぁどっちにしろ俺が手を出すほどじゃないからな」

「どういうこ」

 

すると不良の頭を大きな本で殴られる。その後ろには渚たちが控えていた

つーか先生のしおりを持って来ているのって渚くらいじゃないかと思ってしまう。

 

「ナイス渚。つーかお前そのしおり持ってきてたんだ。」

「まとめるの苦手だから…。拉致対策について完璧なマップがあったから、そのおかげで早めに着くことができたけど…。」

「つーか冬夜、ここに来る前多くの高校生伸びてたけど。」

「特製の睡眠薬針、一応エアガンに装着できるように改造してあるけどな。元々はあいつに使う予定だったやつ。」

「俺は冬夜に聞いていたけど、本当に制圧まで10分かけなかったんだ。」

「カルマくんも知ってたの?」

 

茅野が驚いたようにしてるけど、それなら納得がいくことがいくつもある。

 

「まぁね。まぁ白崎さんと八重樫さんは二人が攫われてなければ、冬夜一人でもあの盤面は制圧出来てるって。場所が分からなかっただろうからね。この後の抹茶大福班分奢りってことで手を打ったけど。」

 

元々予想はしてたことだけどな。とりあえずそれくらいの出費くらいで許してくれるんならって感じだな。

そうやって俺は龍太郎に向かって折りたたみ式ナイフを投げる。

 

「龍太郎。ほれ。」

「なんだよってあぶねぇな。」

「ロープ切るぞ。カルマ。女子が落ち着くまで俺のリュックの中にあるお楽しみ袋で遊んでいていいぞ。」

「えっ?いいの?」

「いいぞ。ついでにこいつらの仲間いないか吐かせようぜ。警察にも連絡済みだしな。」

 

するとニヤリと笑う。お楽しみ袋いわゆる味覚や視覚などの拷問道具だ。

なお蠍とかゴキブリとか生きた地獄まで入っている。

なお一度使ったさいにはカルマはどん引いていたし、開いた瞬間生き生きとした顔で拷問を始めるカルマ。

 

「……あんた、何で本物のナイフを二つも持っているのよ。」

「ん?まぁ元々予想できたし、ナイフ一応持っていると便利なんだよ。山の中だったら。」

「ここは京都だよ、冬夜君。」

「雫はトラブルに巻き込まれやすいからな。万が一だよ。」

「ちょっと、って言えないわね。こんなことに巻き込まれてしまったし。」

 

ナイフでロープを切った後呆れるような二人に無視し龍太郎の方のクラスの女子に振り向く。」

 

「そっちも無事か?悪いな囮に使って。」

「本当だよ!!」

「大丈夫です。」

「……ん?なんか神崎前よりもスッキリしたように感じるんだけど……」

「ううん。なんでもないよ。それと、ありがとうみんな。助けに来てくれて。」

「えぇ。本当に危なかったわ。みんなありがとう。」

「別に。いつものことだから。」

 

俺がそういうと完全に呆れている龍太郎と驚いているクラスメイトと雫。

 

「いつものことって」

「いつものことだろ。雫が困ったら助けに行く。普段どうりじゃないか?」

「……そう考えるとそうだね。」

 

香織が苦笑しているとすると暴風が吹き俺らの前に見知った黄色いタコが現れる

……そういえば先生にも連絡が行くってことはこいつにも来るってことか。

 

「皆さん無事ですか!!」

「殺せんせー。」

「…えっ?」

「な、何?」

「は?」

 

雫と香織、龍太郎が明らかに動揺したようにしている。俺は呆れてしまい殺せんせーを見る

まぁ黄色いタコが歩いていてそれも話していたらそうなるか。

 

「なんのつもりだよ。」

「ヌルフフ。ちゃんと烏間先生の許可はとって来ましたからねぇ。それにE組の新しいクラスメイトに担任からの挨拶をしようと思いまして。」

「……?どういうことだ?」

「白崎香織さんと八重樫雫さん。坂上龍太郎くんですね。天之河光輝くんは居ませんが。」

「……そういうことよ。お互いに説明はお互いにしないとならないでしょうけど。」

 

俺は未だにどういうことか分からない。

未だに呆然とする中で俺はその場で立ち尽くしていた。

 

 

俺が宿舎で事情を話し終え、そっちの事情を聞いていた。

クラスメイトも集まっており、既に窮屈と言えるくらいには人が集まっている。

そして光輝から全てを聞き終わると俺は驚くことになった。

 

「外部受験希望?」

「えぇ。元々私たちはこの学校の理念には疑問を覚えていたでしょ?高校は冬夜も違うからそれならみんなで進学先を変えようって思って。ついでにお父さんには言ってあったのだけど……聞いてなかったようね。」

「元々あんまり聞かないようにしているからな。んで本当の理由は?」

「集会の時に学園長から目をつけられていたらしい。テスト範囲の変更点を教えたのもよくなかったらしい。」

「一応定義上は受験による授業範囲の変化らしいな。」

 

外部受験する生徒は椚ヶ丘の本校舎には殆どいないがいないことでもない。それはここよりも優秀な国内最難関高校に行く人たちのことだ。

そうなってないのは学校の方針に逆らっている俺たちが関係しているのだろう。

恐る恐る雫が俺を上目づかいで見ながら俺に告げる。

 

「怒ってるかしら?結局私たちもE組にきてしまって。」

「いや。何となくだけどそんな気がしてたから驚きは全然ないんだけど。こんなに早くこっちにくるとは思わなかった。」

「そっちこそ……よくバレないわね。こんな怪物が先生だなんて。」

 

呆れる雫に俺は苦笑する。確かに色々やりたいことやっている割にはこいつバレないよな

黄色い巨大なタコなのにバレないって結構変装が上手いわけ……ないか。

 

「まぁ慣れるもんだよ。ちゃんと先生はしているし正直本校舎の先生より分かりやすい。」

「慣れるってお前な。」

「それに今のE組が明るく前を向いているのは知っているだろ?マッハ20で色々はちゃめちゃだけど先生をやっていて、生徒には慕われている。だから殺し辛くなっているのも確かだ。俺も含めてな。」

「そんなにいい先生なの?」

「いい先生だとは思うぞ。ウザいしお節介だけど。」

 

俺は軽く苦笑してしまう。実際いい先生なのだ。

いい先生だけど暗殺者や他の国々にとって最高の暗殺場所になると思っていたこともあり雫だけには入ってほしくなかったけど。

ちょっとだけ嬉しい気持ちが勝っている。

雫も、光輝も、龍太郎も香織も同じクラスってことは言い換えれば間近で守れることもできる。

それにいろんな行事を参加することだってできるのだ。

 

「……まぁ、結果オーライか。」

「何がよ。」

「別に何でもない。」

 

少しだけ笑ってしまう俺に首を傾げる幼馴染たち。

どんなに危ないことがあっても、どんなに厳しいことがあっても乗り越えていける。

そんな気がしていたのであった。

速水とカエデについて

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