ありふれた幼馴染と暗殺教室   作:孤独なバカ

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女子の時間

冬夜がゲームセンターにいる時、岡野、矢田、倉橋、香織、雫の五人はお風呂につかっていた。

 

「……ってことで今までこんな暗殺があったんだ。」

「一番殺せそうだったのは冬夜くんだった。鎖分銅で動きを止めてナイフみたいなものを投げていたから。」

「冬夜ったらまた、無茶して。」

「でも、ユッキーかっこいいよね。訓練でも烏間先生と互角以上に戦っているし。」

「渚くんを庇った時も本当に凄かったんだよ。」

 

暗殺の話がいつのまにか冬夜の話になっていく。暗殺においても成績においてもかなり好成績であるのだ。

 

「冬夜って中学入って本当に笑わなくなったから。」

「そうだね。私も一年生の時大島くんと同じクラスだったけど、渚くんとカルマくんくらいと話す時以外は結構怖かったよね?」

「そうだよね。本当E組に来た時びっくりしちゃった。」

「そうね。でも、小学校のころは多分一番はしゃいでいたのよ?わんぱくさであれば冬夜が一番だったわ。確か小学生6年だった時に無理矢理冬夜が私をお姫様役にした事もあったわね。」

「そういえばあったね。雫ちゃんやりたいって顔に出てるのにクラス中から私がいいって推薦されて。でも、雫ちゃんにやりたいって言わせて結局王子様役に冬夜くんやることになったんだったよね?」

「そうそう。冬夜が似合わねーと言いながら王子様役の衣装着てたけど、かっこよかったわね。」

 

雫と冬夜の主役の劇は冬夜のクオリティの高さと元々美人よりの雫のコンビと香織が雫の衣装にこだわり、普段香織推しの男子生徒でさえ5秒はフリーズするという破壊力を生み出す結果になった。もちろん大成功で終わっている。

 

「雫ちゃんと香織ちゃんってユッキーのことどう思ってるの?」

「えっ?」

「そうそう。二人って色々噂あるから。」

「冬夜くんと私は多分男子の中では一番のお友達、……ううん。雫ちゃんと同じで私の大親友だと思う。」

「冬夜も同じこといいそうね。私は…ヒーローかしら。」

「ヒーロー?」

 

全員が首を傾げる。雫は嬉しそうに笑いながら告げる。

 

「だって昔から困っている時に毎回のように助けてくれたのよ。光輝に相談しても解決しなかったことも、冬夜が怒って、その女の子たちを追い払ってくれたから。困った時は私を助けてくれたわね。」

 

本当に困った時は冬夜がいた。少しだけ厳しいって時は手伝ったり、勇気が出ない時は後押ししたり、助けたり冬夜の話をする時は少しだけ明るくなる雫を香織は気づいている。

雫がその感情に気づいてないことに。

 

「でも、冬夜って色恋沙汰の一つもないのよ。昔から結構告白もされてたはずだけど。」

「……大島くん。本当に大変そうだね。」

「……雫ちゃんこういったことにはとことん疎いから。」

「…えっ」

 

全員がため息を吐く中で雫だけが困惑する。結局このお風呂が上がるまで雫は少しだけ胸が痛みながらお風呂の時間は過ごした。

 

 

「えっ?気になる人?」

「そうそう。修学旅行といえば恋バナでしょ?」

「はーい私ユッキー。」

「即答かい!!」

「でも、烏間先生と訓練してる時とか、暗殺している時とか渚くんを守った時とかカッコいいよかったよね。」

「友達を見捨ててまで地球を救いたくないって。やっぱりあぁいうことをさらっといえちゃうからなぁ。」

 

するとクラスの女子は恋バナというより男子の評価になっていく。

 

「うちのクラスで他にマシなのは磯貝と前原くらい?」

「そうかな?」

「そうだよ。まぁ、前原はタラシだから残念だとして、学級委員の磯貝は優良物件じゃない?」

「あ、顔だけならカルマ君もカッコいいよね。」

「あー素行さえ良ければね……」

「「「そうだね……」」」

「あっ天之河くんは?」

「あー確かに天之河くんはアリかも。」

 

というところで傍観していた雫はふと気づく

クラスで彼氏にしたいランキングでずっと冬夜が一位になっているこのに。

 

「光輝より、冬夜の方が上なの?」

「本当だ。珍しいね!」

「えっ?そうなの?」

「光輝くんは何でも出来て誰にでも優しいから。冬夜くんって時々怖い時があるから。」

「あー。でも私はユッキーがいいな〜。ユッキーって本当に大切な人になったら何が何でも守ってくれそう!!」

「分かる。八重樫さんみたいに守られてみたいなぁ。」

 

香織と雫は少しだけ驚いたようにE組の女子を見る。今まで人気はそこそこあったが光輝以上に人気が高いのは二人にとっては衝撃的だったのだろう。

すると急に障子が開き数人は驚きその方向を見る。そこにはイリーナがお酒を持って立っていた。

 

「ガキ共ー一応就寝時間だってことを言いに来たわよー」

「一応って。」

「どうせ夜通しお喋りするんでしょーあんまり騒ぐんじゃないわよー」

「そうだビッチ先生の話でも聞いてみない?」

 

と言ったところで話し始めるクラスとイリーナに雫達は驚いてばかりだ。先生と教師の仲がいいのもEの特徴なんだが。

 

「「「えぇー!?まだ二十歳!?」」」

 

とE組のクラスメイトが声を上げる。

 

「経験豊富だからもっと上かと思ってた。」

「ねー毒蛾みたいなキャラの癖に。」

「それはね濃い人生が作る毒蛾のような色気が――誰だ今毒蛾つったの!」

 

ノリツッコミが遅いイリーナがそして饅頭を食べながら忠告する。

 

「女の賞味期限は短いの。あんたたちは私と違って危険とは縁遠いところに生まれたの。感謝して全力で女を磨きなさい。」

「ビッチ先生がなんかまともなこと言ってるー」

「なんか生意気ー」

「なめくさりおってガキ共!」

 

事実だけど本気で怒っているわけではない

その証拠に次に矢田の言葉にイリーナはすぐに方向転換することになる。

 

「じゃあさじゃあさ。ビッチ先生が落としてきた男の話きかせてよ。」

「興味ある~」

「ふふっ。いいわよ子供には刺激が強いから覚悟なさい。」

 

と周囲に興味津々のクラスメイトたちとそれに戸惑う二人。

どこから突っ込んだらいいのか分からないのだろう。

イリーナの話を女子達と、殺せんせーは固唾を呑んで聞こうとしていた。

 

「おいそこぉ‼︎さりげなくまぎれこむな女の園に!!」

 

イリーナはしれーっと、女子の中にまぎれる殺せんせーを指差す。

 

「いいじゃないですか、先生色恋の話聞きたいですよ。」

「そーゆー殺せんせーはどーなのよ?」

「自分のプライベートはちっとも見せないくせに。」

「そーだよ人のばっかずるい‼︎」

 

そして広がる女子生徒の殺せんせーへの恋バナへの関心に耐えきれなくなったのか殺せんせーは部屋を飛び出す。

 

「逃げやがった!」

「捕らえて吐かせて殺すのよ!」

 

というやりとりを香織と雫は見ることしかできなかった。

 

 

 

冬夜side

 

「ん?女子も合流してるじゃん。」

 

俺が追いつくころにはなぜか女子も合流し暗殺が始まっている。

すると女子側から少しだけ足取りが重そうに歩いてくる。

さっそくギャップにやられた人がいたか

 

「雫。香織」

「えっ?あっ冬夜。」

「最初じゃ結構困るだろ?こういうの。」

「困るどころじゃないわよ。暗殺を一種の腹いせみたいにやっているのだから。」

「あはは。賑やかなクラスってことは分かるけど。」

「まぁな。光輝も龍太郎もかなり戸惑っていたな。」

 

俺は少しだけ苦笑いしてしまう。二人も同様に困惑していたらしい。

 

「明るいクラスとは思わないか?去年のE組とは違って劣等感も何もないって。」

「……えぇ。少しだけでもよく分かるわ。ちゃんとあの殺せんせーだっけ?」

「なれなかったらタコって呼べばいいと思う。あいつ結構気に入っているし。」

「でも、旅館で暗殺していいのかしら。もう就寝時間も過ぎてるけど。」

 

おかんみたいなこと言い始める雫に俺は少し吹いてしまう。

少しジト目で見られるが真面目すぎるんだよなぁ。

 

「いいんじゃね?まぁみんなもほとんど殺せないって分かっているだろうしな。てかさ、聞き忘れていたけど何でこんな中途半端な時期なんだよ。修学旅行の二日目って形で。」

「元々修学旅行終了後に学級集会を開いてE組改正委員会だっけ?それを発表するのが本校舎に残る一つの方法だったのよ。今回光輝に至っては浅野くんと行動してたのもあるんだけど。」

「……相性悪すぎだろ。リーダーシップのある奴にリーダーシップの塊みたいな奴はあかんって。」

 

だから来るのが遅れたのか。光輝直々にこっちに落ちたって言ったのは驚いたけど。

いわゆる本校舎の良さを伝えようとしてたのだろう。

 

「まぁ遡行もよく、成績それに人望もある生徒が本校舎から抜けていって欲しくはなかったんだろうけど、光輝あたりがブチギレそうな奴だな。」

「えぇ。相変わらず光輝も香織も怒っていたわよ。龍太郎もだけど。」

「……必死だな。最近理事長。」

「それが今のE組ってことでしょう。差別の対象が力をつけ始めたらね。」

 

下に見ていた人たちが上に上がってくる恐ろしさも学校理念が壊れる点についても理事長はあんまり好意的ではない。

だからこそ落とそうとしていることは明らかだろう。

 

「それと明日ってどうするの?」

「俺たちは暗殺はおしまい。軽く班で自由行動しておしまいってことじゃね?俺は折角だし班から抜けてみんなで回ることにしたけど。」

「いいの?」

「折角だし最後はみんなで回りたいからな。……もしかしたら最後の旅行になるかもしれないし。」

 

来年この地球があるか分からない。だからこそ、俺は今の瞬間を楽しみたいのだ。

 

「あんた本当に私たちのグループが好きなのね。」

「ん?好きに決まっているだろ?龍太郎も光輝も香織だってそう思っているって。小学校のころから少し加わり抜けることがあってもこのメンバーが変わることがなかった。それに、俺が落ちた時だって態度もいつも通り、結局は一緒になっただろ?……嫌いなはずがない。あんまりこう言うの恥ずかしいけど……俺にとって何よりも大切なグループだよ。雫は違うのか?」

「……そうなのかも。あんまり考えたことがないのだけど。」

「雫ちゃんも結構好きだと思うよ。冬夜くんが抜けただけでも元気なかったから。」

「香織!!」

 

いつものやりとりに俺は苦笑してしまう。でも、俺は否定はしなかった。

 

「…それでいいかもな。俺は暗殺教室に入っては考えることは多くなったよ。これで最後になるって最近は少なくなったけど思う時はある。さすがに俺はこの三ヶ月で失い続けたからな。」

 

大切な家族を、大切な恩師を、大切な居場所を無くしかけていたからこそ分かる。

失う恐怖を俺はずっと恐れているんだと。

 

「だからさ、この一年間はずっと笑って、怒って、泣いて、悔いのない一年間にしたいんだ。例え殺せなくて地球が爆破されても、俺はこの一年間、この教室で良かったって思えるくらいに。」

「できるのかしら。」

「できるだろ?俺たちなら。」

 

俺は少しだけ空を見る。

星空と三日月が俺たちを照らし肩を並べ影を作る。

 

「例えば二人とも。」

「何?」

 

二人を引き寄せ一枚パシャリとシャッター音がなる。スマホのカメラ機能を使い一枚写真を撮ったのだ。

少し頰を赤らめ驚いた雫と驚いたようにしている香織を笑っていたらフラッシュがたかれた。

今度は香織が一枚写真を撮ったらしい。

 

「えっ?」

「写真って結構レアだろ?せっかくだし旅館に来たし、一枚くらいいいだろ?」

「…別にいいはずかのだけど、急に撮ったのって。」

「いや、普通に知らせたら笑顔作るだろ?自然な写真を撮りたかったし。」

「まぁいいけど。私も送ってくれないかしら。冬夜の写真って少ないでしょ?」

「あっ私も!!」

 

そうだっけ?…まぁたしかに撮る方が多いから俺の写っている写真は結構少ない。

というよりも他人に撮ってもらう写真になると妙に照れ臭いからあんまり写りたくないのだ。

 

「ん。ほれ。まぁ明日は楽しもうぜ。」

「そうね。せっかくだから冬夜の行きたいところに行ったらどうかしら?」

「俺?まぁいいけど歴史もんばっかだぞ?龍太郎とかつまんないと思うけど。」

「あはは。否定できないや。」

 

そんな中で話し合いが少しだけ行われる。

少しだけ楽しみになりつつあることが少し嬉しかった。

速水とカエデについて

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