ありふれた幼馴染と暗殺教室   作:孤独なバカ

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修学旅行が終わり、日曜日に剣を触っていなかったこともあったので日頃の自主練をするために道場を訪れた際、暗殺教室について師範に呼び出されていた。

 

「ってことがあったんですけど。」

「雫は毎回何かに巻き込まれてるね。」

「そうっすね。まぁ来週からも転校生が来ますし、もう一波乱はあるかと。」

 

俺が少しだけ苦笑しながら報告している。俺は特定の人物を一切答えてないことで暗殺教室のことだと伝える。

 

「でも、ショックは少ないみたいだね。雫部屋でずっと笑っているらしいから何か修学旅行でいいことがあったのだろう。」

「また覗いているんですか?でも確かにショックは少ないみたいですね。朝に会った時は鼻歌歌ってましたしね。」

「君と学園生活を送れることが嬉しいのだろう。元々あの時からずっと雫の隣には君がいたからね。今回も君が真っ先に来てくれたって言っていたが。」

「やり方はあまり褒められた方法ではないでしたけど。」

「やり方を言ってもきりがないだろう。それに君はいつも救ってきた。何かある前に雫を救ってくれたのはずっと君だから。」

 

助けてきたのは俺ってことだけど、俺だけではない。

雫の隣には未だに立てないのだ。ずっと笑っていられるわけではない。

 

「雫ってもう少し自分のことを魅力的な女性だと理解してくだたら嬉しいんですけどね。光輝ももう少しモテるって自覚しないと色々なトラブルを持ってくるんで。」

「冬夜くん。結構苦労しているんだね。」

「ホントっすよ。つーか基本的に俺が比較対象になるんで、まぁ香織もですけど紹介しろとか本校舎の時大変だったし。」

 

元々小学校のころの奴がいないので、香織や光輝も当然だけど雫においてもかなり人気なのだ。

まぁ完全フリーだったから少しだけ焦っていたのもあるけど、それでも今の立場を俺は完全に使っている。

渡すつもりはない。これからも雫の隣という場所だけは自分は有利に使わせてもらう。

軽く雑談をした後に師範の部屋を出るとそこにはいつもと違う髪型の雫が歩いてきていた。

 

「ん?」

「あっ!」

 

さっきまで剣を振っていたこともありお風呂上がりなのか髪は解いてありまた違う魅力がある。

…如何しようも無いな。

雫のこと好きすぎてどの仕草でも魅力的に感じるのは本当に病気だな。

すると珍しく雫は軽く頰が赤くなると同時に軽くぼーっと俺の方を見ている。

 

「ん?どした?」

「へ?」

「いや、なんか付いてるか?」

「い、いえ、お父さんと何を話してたの?」

「修学旅行についてだよ。一応連れ去られたことは報告しないとダメだろ。てか雫は部活に……って雫ももう部活には参加できないのか。」

 

E組の校則的に部活動禁止というルールを思い出す。

杉野みたいに外部で活動を続けるのもありだけど基本は部活動ができないのが学欲の低下に繋がっている。

 

「えぇ。でも団体戦に参加できないのであって道場から少しは大会にも参加できると思うわ。」

「つーか雫と光輝は確実に推薦取った方が良さそうだけどな。龍太郎も推薦には入れるくらいには秋大で無双してたし。」

 

流石に学校側も前年全国大会で女子剣道優勝した雫と出場した光輝をほっとくわけには行かないだろう。でも今大会は元々二人がメインだった剣道部、そして龍太郎がレギュラーだった空手部はかなり厳しくなっただろう。

そう考えると俺の周りって結構すごい奴ばっかりなんだよな。

 

「冬夜は?」

「俺?俺は成績だけなら最難関以外は余裕で入れるだろ。つーか香織に合わせるつもりだし。」

「へ?」

「高校卒業後。俺は八重樫を継ぐから。」

 

俺の言葉に雫は驚きを隠せない。元々師範と話し合っていたこともあったが上手く隠蔽していたらしい。

 

「道場を?」

「あぁ。雫が継ぐなら別だけどな。と言うより中学校一年の時から師範には伝えていたし、元々考えていたんだよ。ここがみんなの帰れる場所になればって思って。いずれ俺たちって道は別れるだろ?多分幼馴染ってことや暗殺で今まで以上に絆は強くなると思う。だから何か会った時みんなが助けられるようにしたいんだ。」

 

雪村あぐり先生。E組の前の担任であり、今は亡き人になっている俺のもう一人の恩師だ。元々両親が同じ大学で、その後の研究所に婚約者と一緒にいたらしくて、去年両親と同じ研究所で亡くなっている。

 

「それに弱い人をこれからも守り続けたいって思うんだ。光輝もあいつ弁護士になりたいって言っている。この学校に入ってから俺も光輝も同じで弱い人を守りたいって気持ちが強くなったかな。だから俺も警察とかそっち側を目指しながら、ここを継ぎたいんだ。」

「……凄いわね。もう二人ともそこまで考えていたの?」

「考えていたって元々近くに憧れな人がいたからこそ俺と光輝はやりたいことを思い浮かぶのが早かったんだよ。」

「そうかしら?」

「あぁ。雫や香織だって、龍太郎だってそう。つーか雫や香織は将来的に旦那さんを貰うんだろ?俺たちのようにすぐ決めることではないさ。俺だって暗殺資金があれば大学に行けるし。」

「賞金出るのかしら?聞いてなかったんだけど?」

 

そういや詳しい話はしてなかったな。ついでだし俺から説明すればいいか。

 

「出るぞってそういや説明してなかったか。賞金は100億出るらしいぞ。まぁ、正直もう賞金目当てじゃ無くなって来てるけどな」

 

100億って言葉で雫は少しだけ驚く。まぁ、話してなかった方が悪かったか。

 

「賞金目当てじゃないの?」

「俺はな。……多分あの先生は本気で俺たちを良くしようってしてくれるんだ。変態でゲスで間抜けでうざいけど。」

「あんた褒めてるの?けなしているの?」

「どっちも。だからこそ殺しやすいし、殺せんせーは親しみやすいんだ。例え世間にとったら悪かもしれない。でも……あそこまで完璧な教師を俺は見たことない。だから殺したい。殺して全てを知りたいんだ。殺せんせーが何で教師になったのかとかな。」

 

素直に疑問なのだ。地球を滅ぼす超生物が何で教師をやっているのかとか。何であんなにも楽しそうなのに地球を滅ぼすことになったのとか、……殺せんせーの人間だった時の姿は何者だったのとかな。

雫には話さない。クラスメイトも多分気づいてはいけない何かがあることを。でも、殺したら全てを知る権利がある。

 

「好きなんだよ。殺せんせーが。あの教室が。雫たちにはまだ分からないだろうけど、誰にも邪魔されたくない。やるんなら俺たちが殺したい。」

「……あなたがいうのであればそうなんでしょうけど、どうするのかしら。」

「ん?当分は潜伏するよ。俺は暗殺を仕掛けない。とりあえずは観察かな。自分の武器を知らせるわけにはいかない。集中が削がれた隙を狙っての暗殺はダメだったからな。……本当に殺せるタイミングを見て殺すよ。」

 

俺は少しだけナイフを隠し持っていたものを見せる。

例えそれが俺が今求めている未来を目指して

速水とカエデについて

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