ありふれた幼馴染と暗殺教室   作:孤独なバカ

2 / 15
短歌の時間

「お題に沿って短歌を作ってみましょう。ラスト7文字を触手なりけりで締めて下さい。できた者から帰って良し!!」

「えっ?」

 

短歌という言葉に少しだけ考える。授業中は暗殺をしないことがこの学校のルールだ。

実際に破っている生徒はいるが簡単な罰則で許されている。

 

「そういえば大島くんさっきから授業中集中しきれてないみたいですが?」

「ん?……いや、少しだけ不安事項があってな。」

「気になることですか?」

「そゆこと。まぁ短歌はできるから、気にしないで。元々自習はしているから。」

 

俺は短歌を適当な季語と組み合わせ完成させる。触手を関係なく書いていく。

さっき暗殺の作戦を立てると言っておきながら渚たちが暗殺をしていないこと。

そしてどこか渚が暗い顔をしていたことだった。

そんなことを考えながらも短歌を作成し見せる

 

「これでいい?」

「にゅや?いつからか 過ごす時間に 君がいて 届かぬ想い 触手なりけりですか?」

「一応失恋の一句かな。いつの間にかずっと隣にいた人に恋をしていたけど相手が鈍感であるからこそ、アピールしても触手のようにぬるぬると避けられて、その想いはこれからも届かないだろうってこと。」

「……どんな句だよ。」

「ん〜まぁ、適当に書いたけど趣旨はあっているだろ?」

「はい。よくできました!!」

 

とはなまるマークを作る先生に俺は苦笑する。

一息入れようと軽く背もたれにもたれながらみんなが苦戦している中でゆっくりしていると。

 

「先生!!質問!!今更だけど先生の名前ってなんて言うの?他の先生と比べる時不便だよ。」

「そういえばニックネームとかないのか?確かにあいつとか先生とかになってしまうから名前とかあったら教えて欲しいけど。」

 

茅野が手を上げて質問する。それ自身俺も思っていたことと気になっていたことなので追加する。

 

「名前……ですか。名乗るような名前は特にありませんねぇ。なんならみなさんで付けて下さい。ですが今は課題に集中ですよ。」

「は〜い。」

 

と茅野が告げる。まぁ確かにそうだけどどこか不思議だよなぁ。元々こんなに教えるのが上手いのに名前がないって変だと思うんだ。

……てか動きはないか。暗殺計画が少しだけ違和感を覚えたし俺の気のせいであってくれたらいいんだが…

すると俺は少しだけ油断した時だった。

 

渚が立ち上がり先生の元へと向かっていく。

 

「お。もう出来ましたか、渚君。」

 

短冊を持って立ち上がった渚君に先生が感心したような声を掛け、クラスの皆も渚君に視線を向けている。

ただ、皆が視線を向けているのは渚ではなく渚の手元に短冊と重ねるようにして隠し持っている対先生特殊ナイフである。

しかし、どこか渚は焦っているように感じている。

その冷たい目に俺はどこか嫌な予感を感じてしまう。

そして真っ正面からナイフを振りかぶると一瞬だけ見えた紐みたいなものに俺は瞬時に机から立ち上がると同時に走り出す。

それが丸くてよく訓練で見るものと同じだったからだ。

 

「…渚くん、もっと工夫を。」

「先生離れろ!!」

「えっ?」

 

俺の言葉に先生はどころかクラスメイト全員がキョトンしている。

その瞬間渚が先生に抱きついたと同時に俺は手首に隠してあった刃物で切り、勢いとともに出た手榴弾を手で掴むと瞬時に自分の制服で囲いこむ。その一秒後と爆発が起こり爆風が俺の体に襲いかかる。

体にかなりの衝撃を与え、大量のBB弾が俺の体に襲いかかるが痛みくらいで訓練で何度も慣れていることもあり、爆発が終わった後は制服が一着ボロボロになったくらいで周囲の変動はない。

 

「いつぅ……間に合った。」

「大島くん!?何で。」

 

渚は驚いたようにしていたが俺はボロボロな制服を整えながら服を正す。

 

「何でもクソもあるかよ。自爆テロなんて馬鹿げたやり方で地球を救っても後味悪いだけだ。ダチが傷ついて地球を救ったところで、もらえるのは金だけ。そんな屑にはなりたくないからな。」

「……」

「地球を救えるとか以前の人としてどうかの話だろうが。まぁ俺が庇わなくてもタコが何とかしそうだったけどな。まぁ俺は友達が傷つくことがあったら絶対に守るって決めていたしな。」

 

と苦笑していた時だった。

 

「寺坂、吉田、村松。首謀者は君らだな。」

 

声のドス黒さに俺と渚の視線は声の主に向けられる。天井に顔を向けると、そこにはキレて顔色が真っ黒になった先生が張り付いていた。

 

「えっ⁉︎ い、いや……渚が勝手に……」

 

先生の問い掛けに寺坂が誤魔化そうとした瞬間、突然ドアが開いたと思ったら表札を大量に抱えた先生が入ってくる。一瞬のうちに手には色々な四角いものをとって持ち帰ってきたらしい。おそらく表札だろう

何処かに行って帰ってきたらしい先生は抱えていた表札をその場にぶち撒けた。“寺坂”、“吉田”、“村松”……あ、これ皆の家の表札だろうな

 

「政府との契約ですから君達に危害は加えませんが、次また今の方法で暗殺に来たらーーー君達以外には何をするか分かりませんよ?家族や友人、いや君たち以外を地球ごと消しますかねぇ。」

 

かなり殺気で怯むけどそれをできるのがこの怪物だろう。今現状は猶予があるだけ、みんなは既に思い知らされただろう。

逃げられる道はないと。

 

「な、何なんだよテメェ……迷惑なんだよォ‼︎ 迷惑な奴に迷惑な殺し方して何が悪いんだよォ‼︎」

 

先生の脅しに恐れをなしたのか、寺坂君は腰を抜かして泣きながら怒鳴りつける。正直なところ迷惑なんてどころではない。俺は少しだけ同情してしまう。

だが寺坂の言葉を聞いた先生は真っ黒だった顔色を元に戻して更には明るい朱色の丸マークを浮かべていた。

 

「迷惑?とんでもない。アイディア自体はすごく良かったですよ。特に渚君。君の肉迫までのは自然な体運びは百点です。先生は見事に隙を突かれました。それと大島くんも恐らくですが渚くんの表情から何かあると思っていたのでしょう。ずっと渚くんを気にしていていつでも助けられるように普段なら対先生ナイフをしまってあるのでしょうが、今日の昼休憩以降はカッターナイフを腕に仕込んでました。」

「……気づいてたのかよ。」

「君の暗殺では基本的にナイフを制服の中に隠してありますからね。いつでもナイフが取り出せるように改良したのでしょう。ただし‼︎ 寺坂君達は渚君を、渚君と大島くんは自分を大切にしなかった。そんな生徒に暗殺する資格はありません‼︎ 殺るならば人に笑顔で胸を張れる暗殺をしましょう。」

「ん〜。いや。一応俺は護身術はならっているし、爆風の勢いを殺すことくらいはできるんだけど。」

「「「普通できねぇよ!!」」」

 

クラスメイトからのツッコミが入る。まぁ普通ならそうだろうけど、俺は八重樫流を習っている以上こういった場面に陥りやすいのだ。

 

「そういえば。大島くん大丈夫ですか?」

「大丈夫。大丈夫。武道をやっているから怪我には慣れているんだ。……まぁ雫と香織には怒られると思うけど、怪我はねぇよ。軽いやけどくらいかな。」

 

また喧嘩したとか誤魔化さないとなぁ。制服一着買わないととためいきをつく。

出費痛いなと思ったところで

 

「さて、では問題です。先生は皆さんと三月までエンジョイしてから地球を爆破します。それが嫌なら君達はどうしますか?」

 

先生から出された問題。しかしその答えは一択なので迷う余地はなかった。

先生の目の前に立っている渚がクラス全員を代表して回答する。

 

「……その前に、先生を殺します。」

「ならば今、殺ってみなさい。殺せた者から今日は帰って良し!!」

「……俺は短歌終わっているので早上がりしま〜す。お疲れっした。」

「えっ!ちょ、ちょっと大島くん!!」

 

俺はすぐボロボロの制服を羽織ると同時に教室から抜け出す。

まぁ、こういう学生生活もたまにはいいかもなと少しだけ笑いながら玄関に向かうのであった。

 

「……冬夜?その制服どうしたの?」

 

と帰り道に雫に怒られたのは言うまでもないことだったが。

速水とカエデについて

  • ヒロイン候補に加える
  • 速水だけ加える
  • カエデだけ加える
  • 加えない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。