ありふれた幼馴染と暗殺教室   作:孤独なバカ

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指令の時間

「おはようございます。」

「あら?今日も早いわね?」

 

雫の母さんである霧乃さんが朝早くから八重樫家の玄関で迎えてくれる。

 

「ん?道場借りていいっすか?学校前に少しだけ剣を振りたくて。」

「いいわよ。でも最近毎日朝練に参加しているわね。朝食ももう少しでできているけど食べるかしら。」

「本当にいつもありがとうございます。毎食お世話になっちゃって。」

 

俺は苦笑してしまう。俺の生活は今殆ど八重樫家でお世話になっているのもある。一応光輝とかに最初色々言われたが、今の家庭状況的に厳しいことは光輝自身わかっているのだ。

するとコツコツと足音が聞こえてくる。そのいつもの仕草に俺は小さく苦笑してしまう。

最近遠慮がちのポニーテールの少女に俺を見ながら少しだけいじけたように告げた。

 

「そういえば最近楽しそうね。」

「およ?雫おはよう」

「おはよう。冬夜。それで制服は届いたの?」

「学校の不手際だからなすぐに用意してもらったよ。」

 

一応殺せんせーとその後名付けられた怪物が俺の制服を直すと言ってあったが色々な仕掛けがバレると嫌なので防衛省の人に頼んで新しいものととある物の制作を頼んでいた

 

「そう。そういえばお父さんが冬夜のことを呼んでいたわよ。冬夜なんかしたの?」

「ん?俺?」

「えぇ。何やら学校のことで話があるということだけ。」

 

俺が少しだけ首を傾げるが俺は内心相変わらず情報早いなと苦笑してしまう。まぁそう仕向けた俺がいうことではないか。

 

「ん。まぁそれなら先に聞くか。」

「……本当にごめんなさい。私のせいでE組に。」

「雫。」

 

俺はきっぱり答える。

確かに俺がE組に落ちる暴力事件の原因になったのは雫に関連がある。いや関連というよりも被害者だ。

 

「やり方は最低だったとはいえ俺はあの時した行為に後悔はない。まぁ雫たちと学園生活を送れないのはちょっと残念だけどそれでも、絶対に雫も間違ってなかった。それに、俺は本校舎が嫌いだったからな。元々椚ヶ丘に残らない予定だったしE組に落ちたって別に変わらないさ。」

「でも…」

「……それに、俺が同じ立場なら雫が助けてくれてただろ?香織でも、光輝でも、龍太郎でも多分おんなじことをするだろうしな。」

 

俺はそういうと雫は少しだけ苦い顔をするが否定はしないだろう。多分俺は度がいきすぎているが全員退学紛れの事をする可能性はあるし怒るだろう。

 

「それに俺はE組で良かったって思っている。元々俺は自由奔放で進学校にはあってないんだよ。正直今の方が楽しいのは事実だよ。俺は前から学校の規則には疑問を覚えていたしな。」

「……そう。」

「……雫な。お前引きづりすぎだよ。endのE組?別にそんなの肩書きの囚われて自滅している奴ばっかりだからこそだろ?……俺は別に気にしてないし、これからも変わらないんだ。それに、雫は俺が終わったってとも言うのか?」

「それは違うけど…」

 

軽く圧をかけると否定する雫に笑う。俺がどう言う意味で言ったのか理解できないわけではない。

 

「ならそれでいいじゃんか。俺は雫の幼馴染であり身内の大島冬夜だからな。その関係性だけはこれから先も一生変わらない。……だから雫が今度は俺を助けてくれたらいいだけだ。それに、俺はあの時からずっと雫を守ることを第一に考えてきたんだから。」

「少しは冬夜も自分の幸せを願ってもいいのよ?香織みたいに好きな人ができてもいいのに」

「……」

 

こいつは。鈍感で俺の想いも届きやしない。あの時の短歌の通りまるで触手のようにぬるぬると避けられている。俺は小さくため息を吐く。

 

「まぁとりあえず、師範のところに行ってくる。先飯食べといて。」

「えぇ。……冬夜。」

「なんだ?」

「いつも助けてくれて、小学生のころからずっと味方でいてくれてありがとう。」

 

笑顔でお礼を告げる雫に俺は少しだけ苦笑してしまう。本当にずるいよな。

こういうとこが好きになったのだけど。

 

「別に、俺がやりたいことをやっているだけだだから気にするな。」

 

俺は雫に手を振ると師範の元に向かう

師範の部屋は和式のいかにも武家という襖に前につき正座する

 

「…失礼します」

「…あれ?冬夜くん?」

「おはなしがあるとのことなので」

「……人払いは?」

「雫は朝食で霧乃さんところに行っているので大丈夫かと」

「そうか。…入っていいよ」

 

と俺が隠し扉から入るとそこには師範である頬にある切り傷がトレードマークの中々渋いイケメン中年である虎一さんがいた

 

「……本当に大変なことになったね」

「…情報早すぎません?」

「それは君が三年になって二週間で腹部に火傷して帰ってきたらそりゃ調べるよ。…君が送ってきたサインに気づかないほど僕たちは甘くないから」

「いや。あれはクラスメイトが暴走して、友達を守った時にできた火傷なので」

「友達を守る?そういえば潮田くんとは仲がよかったから潮田くん繋がりかい」

「はい。一応。……それで俺はどうすればいいですか?裏の八重樫流を使うとなると、表にバレることになりますが」

 

元々剣術道場として有名な八重樫道場は裏の顔がある。俺は昔から雫を守りたいという理由だけでその裏に参加しているのだ

 

「…使うべきだとは思うけど、雫のことかい?」

「…」

「……君は本当に雫のことを好きなんだね」

 

優しい表情になる。俺が元々雫を守りたいということはこの道場の共通認識である。小学生の頃から揶揄われていたが、雫の鈍感さもあり生暖かい視線が送られている

そして裏を明かすとなれば、雫に裏がバレるということである。それだけは阻止したいと俺はずっと思っていたこともあるのだ

 

「……うす」

「父親としては少しだけ複雑だけど、でもいつも雫の味方になっていたのは君と面白い子の二人だからね。……今回は気にしないでいい。僕から命令するよ。……殺せんせーを八重樫の全てを持って暗殺すること。いいね」

「…ラジャ」

「それと、雫から聞いたよ。君がE組に落ちた理由も。……師範としては褒められたことではないけど、でも雫の父親としてお礼を言わせてもらうね。雫を助けてくれてありがとう」

 

虎一さんが頭を下げる

俺は苦笑し、小さく笑う

例え認められなくても、例え落ちこぼれになろうも、唯一の居場所であるこの場所だけは守りたいのだ

 

「…当たり前ですよ。俺は八重樫の身内なんですから」

 

俺は一礼して、部屋から退出する

そして雫たちが待っている食卓へと向かうのであった

速水とカエデについて

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