ありふれた幼馴染と暗殺教室   作:孤独なバカ

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絆の時間

「おはよう!!冬夜くん!雫ちゃん!!」

「おはようさん。香織」

「おはよう香織」

 

いつも通りの日常に俺は少しだけ笑顔が溢れる。顔が整っており、雫と共に二代女神と呼ばれている少女の一人である白崎香織が俺の隣を歩く

 

「……なんか最近本当に笑うようになったわね」

「…んー。まぁ遺産相続とか面倒な事が終わったからだろ?光輝も最近は電話してるし、少し余裕は生まれたから」

 

遺産相続とあるように俺の両親は今年の三月、月が蒸発した次の日に亡くなっている。俺は光輝の両親が弁護士と繋がっていることもあり今までと比べるとだいぶ楽になっている

 

「本当に大変だったよね。でも落ち着いたってことは放課後も少しだけ余裕ができるの?」

「…できるけど昔みたいに頻繁に遊びにはいけないかな?バイトもできないからそこまでは我慢かな」

「……ねぇ。本当に私の家に住まないかしら」

「ん?住まないよ。つーかいくら幼馴染とはいえ男女が屋根の下一つで寝てたらダメだろ」

 

俺は少しだけ苦笑してしまう

雫は本当に両親が死んでから度が過ぎるように心配性になったのだ

 

「雫もう少しお前は美人なんだからそういうのを気にしろって。一応俺だって男子だぞ?襲われる可能性だってあるんだし」

「えっ?するの?」

「……いやしないけど」

「うん。雫ちゃんの嫌なことは冬夜くんは絶対にしないと思う」

 

確信に近い。ついでに俺が雫を好きなのは光輝にもバレているし、雫以外にはバレバレなのだ

だからこそ応援もされるのであるのだ

 

「最近物騒でしょ?月が破壊されたり、大規模な爆発事件が起こったりとか」

「心配してくれるのは嬉しいけど、流石に全部お世話になることはできないって。それに、家から離れたくない。…結構思い出があの家には詰まっているから」

「…そう」

 

残念そうな雫に俺はキョトンとしてしまう

珍しいことにかなり落ち込んでいる時の雫だ

 

「なぁ、雫どうしたんだ?」

「けっこうクラスが離れたのがショックらしいの。いつも冬夜くんは雫ちゃんの隣にいたでしょ?」

「香織!!」

「ん〜。まぁそれもそっか。まぁ今日は集会があるからマシだけど、少しだけ気持ちは分かるな。雫も俺もクラス別になったのこれが初だからな」

「…笑わないの?」

「笑わないさ。俺もそういう気持ちがないってことはないし、……いつも一緒だと思っていたけど、離れるとその大切さに気づくことなんて結構あるんだよ」

「……いつもあんただけは大人になっていくわね」

「大人って。大人にならざるを得なかったんだよ。俺はな。ゆっくり大人になる過程を全て無視したからな」

「……」

 

俺が答えると雫も香織も少しだけキョトンとしてしまう

新生活になり慌てる季節ももう終わる

俺は既に両親のいないのが日常になりつつあった

 

 

「急げ。遅れたらまたどんな嫌がらせされるか分からないぞ」

「前は本校舎の花壇掃除だったっけ」

「アレはキツかった。花壇が広すぎるんだよ」

「…あー俺サボったやつか」

「お前罰則については結構サボるよな」

「ん?だって理不尽な理由で罰則受けるのは馬鹿らしいしな。先生の弱みは結構握ってるし俺は別にE組に落ちたからって武器を緩めることはないぞ」

 

実際俺にとっては本校舎の人間は何とでもある。それに元々、俺はE組になる前からE組の生徒を庇っていたこともあるのだ

そうして歩いていると、とある少年の姿がある

 

「……珍しいな」

「冬夜…お前楽しそうだな」

「お前も雫達と同じこというんだな。光輝」

 

俺は少しだけ苦笑してしまう。そんなに変わったようには見えないけど

 

「つーかどうした?」

「どうせ飯食ってないと思っておにぎり買ってきたんだけど」

「…悪い。普通に貰っていいか?」

「あぁ。そのために買って来たからな。それで、楽しいのか?」

「楽しいよ。学校のE組に落とすぞとか毎度のように脅されたりしないでよかったからな。それに先生もいいし、何よりもクラスメイトがいいからな」

 

実際、本校舎に比べると環境も何もかも恵まれている。俺にとっては本校舎よりもE組の方が楽なのだ

 

「そういや、また龍太郎と香織勉強見てくれないか?いつも通り図書館で勉強会するんだけど」

「ん?まぁ余裕あるからいいぞ?いつ?」

「明日からテスト前日まで。終わったら雫の家に集合で勉強会しないか?」

「オッケー。てかあいつ今回も結構やばい?」

「やばいのはいつものことだけど、せめて座って食べたらどうだ。行儀悪いぞ」

 

俺は光輝の隣を歩きながらポカーンとしているクラスメイトを置いていく

劣等感も何もない。ただ友達と話しているただ一人の中学生だ

 

「ーー要するに、君達は全国から選りすぐられたエリートです。この校長が保証します。……が、慢心は大敵です。油断してるとどうしようもない誰かさん達みたいになっちゃいますよ」

 

今度は学校ぐるみでの差別が始まるだけだ。E組を見ながらの校長先生の言葉で体育館に集まったほとんどの生徒から嗤い声が上がる

本当に馬鹿みたいだな。この学校の仕組み

確かに社会の原理としては変わりがないが、こういった時にイジメとかで訴えられたらほぼほぼ学校側が負けるだろう

何しろ人間性には問題があるだろうけど

 

「こういったところがE組は居心地がいいんだけどな」

「?」

 

俺がポツリと呟くと隣にいた矢田が不思議と首を傾げる

汚れもない、純粋な少年や少女たちは俺とは違い綺麗な水しか知らない

 

「あれ?そういえば担任ってどうなっているんだ?」

「えっ?形式的には烏間先生ってなっているらしいよ」

「そうなんだ。つまり」

 

するとそういう噂話をしている際に烏間先生がやってくる

……まぁこういった先生が本校舎にはいないしな

存在感もあるし、何よりもカッコいいのだ。性格含め本当にできた人間なんだろう

 

「烏間先生!!見て〜」

 

と倉橋が何か烏間先生に見せた時慌てたように倉橋の元に駆け寄る烏間先生に俺はふと呟いてしまう

 

「……いい先生だよな。烏間先生」

「うん。私もそう思う」

 

どうやら隣の矢田には聞かれていたらしく俺は少しだけ頷く

最近甘いもの繋がりで俺との会話が増えてきた一人であるのと、若干雫に外見が似ていることもあり、話しやすいのだ

 

「ビッチ先生は?大島くんはどう思う?」

「イリーナ先生?…イリーナ先生は正直俺はあんまりわからないかな。いい先生なのかも分からないし、仕事の為に付き合っているのかが分からない。ただ烏間先生がいう通りにイリーナ先生は暗殺者としたら優秀だと思うけどな」

 

俺は少しだけ考えその答えを出す。矢田としては意外だったのか俺に首を傾げる

 

「暗殺者としては優秀?」

「だけど一日で仕事の準備を済ませ、イリーナ特有の殺し屋を連れてくる人望。そして美貌だってそうだ。ファッションだって肌の知識、女性って男性とは違ってケアって大変なんだろ?美貌を保ちながら暗殺者としてできるのは、本当にすごいと思うぞ?日本語だって完璧に話せているしな」

「……そういえば」

「どれだけの苦労をしたのか予想もできない。まぁ暗殺者として優秀って前に根っからの真面目な女性なんじゃないか?まぁ反応から少しだけ子供っぽいから殺せんせーにもからかわれているけど」

「わかるかも。反応を見たらついからかっちゃったんだよね」

 

笑ってしまう俺と矢田に他のクラスから視線が集めてしまう

そうしながら待っていると

 

「……はいっ、今皆さんに配ったプリントが生徒会行事の詳細です」

「え?」

 

誰が呟いたかは分からないけど、多分E組の皆が同じことを思っただろう。何故ならプリントを配ったって言っておきながら、そのプリントがE組には配られていないのだから

 

「……すいません。E組の分がまだなんですが」

 

磯貝君が手を挙げてそのことを主張するが、壇上の生徒はわざとらしく頭を掻くだけで行動しようとはしない

 

「え、あれ?おかしーな……ごめんなさーい。E組の分忘れたみたい。すいませんけど全部記憶して帰って下さーい。ほら、E組の人は記憶力も鍛えた方が良いと思うし」

 

その言葉で鳴りを潜めていた生徒達の嗤い声が再び体育館を占領した

 

「お〜い雫。プリント見せて!!ついでに後からクラス分コピーさせて」

 

という俺の声が響く。雫はキョトンと俺を見る

注意される前に俺は人混みの中移動し雫の隣に着くと雫は呆れた様子で俺を見ていた

 

「…見せるのは別にいいのだけど。いいの、E組の校則は?」

「だって生徒会がミスしたんだろ?さっきもE組の分を忘れたって言っていたらしいし、席の移動くらい見逃してくれるだろ。不手際があるのはあっち側だし、反論してないから全然オッケー」

「……本当にずる賢いわね。あんた」

「ねぇ?雫ちゃん。冬夜くん。何でみんな笑ってるの?でも浅野くんがミスするなんて珍しいね」

 

ここで香織の天然が発動し悪意に気づいている俺と雫はつい吹き出してしまう

すると真っ赤になってしまう生徒会に俺たちは追撃の言葉を告げるのであった

 

「そうね。仕方ないから私が後からコピー取らせてあげるわ」

「そうそう。放送部長と生徒会の尻拭いはE組がしてやっから」

 

するとさっきの笑い声が収まり変な空気になる

反対にE組から笑い声が漏れ、

 

「サンキュー。雫」

「えぇ。E組弄りは聞いていてうっとうしかったから。それに助けるって言ったのはこっちでしょ。約束は守るわよ。それで龍太郎のことだけど」

「図書館のことだろ?別に構わないさ」

 

と小さい声で話しながら今後の予定を話す

例え、いくら学校の制度があろうと、教室が引き裂かれようとも

俺たちの絆は決して変わるものはないのだから

速水とカエデについて

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