摩訶不思議ハイスクール・ライフ エヴァンゲリオン 杜宮学園物語   作:朝陽晴空

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第四話 SOS団誕生!

 入学式の翌日から授業が本格的に始まった。

 ミサトは体育だけでなく英語の教師としてもその才能を発揮していた。

 海外のネルフ支部に居た経験のあるミサトは、語学にも堪能だった。

 弐号機を輸送したオーバーザレインボーの艦長とも流暢に話せるほどだった。

 多くのクラスメイトがミサトの授業に集中している一方で、ハルヒは退屈そうな顔をしていた。

 ハルヒは前の席に座るキョンの肩をペンで突いた。

 

「昨日はあんたがグズグズしていたせいで、面白いイベントを見逃したんだからね」

「面白いイベントとは限らないだろ。夜の公園で集まって居ただけなんだから」

「きっとあれは異世界人を召還しようとしていたのよ」

 

 ハルヒは地獄耳だった。

 隠れながら離れていても明日香が話していた『異世界』などの単語を部分的に聞いていたのだ。

 

「気になるなら碇達に聞いてみればどうだ? 同じクラスメイトなんだからな」

「バカキョン、それじゃあたしが話を盗み聞きしてたって白状するようなものじゃないの」

「じゃあ碇達をずっとストーカーしてればいいだろう」

 

 キョンはもう面倒くさい話は終わりだとばかりに前を向いた。

 ハルヒは授業そっちのけで思考にふけっていた。

 1日目からこんな調子で学業成績の方は大丈夫なのかとミサトはハルヒのノートを覗き込んだが、既に予習で今日の授業内容を終えていた。

 これならハルヒが昼寝をしていてもミサトは注意しにくい。

 逆にやり込められてしまうかもしれない。

 アスカが知ったらプライドが刺激されるわねとミサトは思った。

 

「そうだ、思い付いた!」

 

 ハルヒはパッと顔を輝かせると、自分の前のキョンの椅子の背もたれを引っ張った。

 居眠りをしかけていたキョンは後頭部をハルヒの机に強く打ち付けた。

 

「痛え! 何をしやがる!」

 

 キョンは席から立ち上がってハルヒに文句を言った。

 

「組織を作って、怪奇現象の情報を集めればいいのよ! ねえ、グッドアイディアだとは思わない?」

 

 興奮するハルヒの両肩に、キョンは両手を乗せた。

 

「涼宮、今は授業中だぞ」

 

 放課後ハルヒは担任のミサトに生徒指導室に呼び出される事になった。

 

 

 

 それなりに歴史のある杜宮学園には、今の近代的な校舎とは違い、敷地内の外れに古い木造校舎があった。

 新校舎が完成してからは部活棟として使われ、クラブハウス棟が出来てからは完全に使われなくなっていたのだが、取り壊される事は無かった。

 

「この旧校舎全部が、あたし達SOS団の部室よ!」

 

 ハルヒはクルクルと身体を回転させながら、嬉しそうにSOS団の部員となったキョン『達』に宣言した。

 SOS団の部員の紹介は後回しにして、SOS団の設立の経緯を簡単に話すとこうだ。

 まず担任のミサトが授業中に何を考えていたのか友達感覚で優しくハルヒに尋ねた。

 心を開いたハルヒが思い付いたアイディアをミサトに披露すると、ミサトの方から生徒会長の北都ミツキに伝わり、新しい部活SOS団の設立はとんとん拍子に進んだ。

 旧校舎全体を部室として使わせるほどの気前の良さだ。

 それからハルヒはキョンの腕を引っ張りながら杜宮学園を走り回り、メンバーを捕獲した。

 図書室で本を読んでいた長門ユキと綾波レイが文献整理担当として捕まった。

 他にマスコットキャラとして、料理部に居た朝比奈ミクルを連行。

 ミサトの要請に巻き込まれる形でシンジとアスカも入部希望者として入る事になった。

 ヒカリとトウジ、ケンスケの3人は涼宮ハルヒの名前を聞いただけで逃げ出してしまった。

 杜宮学園の学生達を驚かせたのは、学園のアイドルとなって居た柊明日香がSOS団に入部した事だった。

 明日香が居るのだから少しはまともな部活なのかもと、SOS団の評判をどん底から引き上げる効果はあった。

 

「それで、どうしてSOS団なんて名前にしたのかしら、涼宮さん?」

「S 世界を

 O 大いに盛り上げる

 S 涼宮ハルヒの団

 です!」

 

 明日香に尋ねられたハルヒは自信たっぷりにそう答えた。

 アスカはあきれてしまって怒る気力も無かった。

 本音はアスカはシンジと一緒に居られるならどんな部活でも良かった。

 活動内容は杜宮市で起こっている怪奇現象を解決する事。

 杜宮学園の屋上から、『困った事があったらSOS団にご連絡下さい!』とチラシがハルヒによってばら撒かれた。

 

「おい、書いてある電話番号は俺の番号じゃないか!」

 

 キョンが悲鳴にも似た声でチラシをばら撒くハルヒを止めようとする。

 

「別にいいじゃないの。どうせSOS団に電話するやつなんて居ないんだからさ」

 

 アスカはそう言ってキョンを慰めた(?)

 

「SOS団の宣伝活動は、まだ終わらないわよ!」

 

 チラシをばら撒き終わったハルヒはアスカとミクルの手を引いて、近くの空き教室へと連れ込んだ。

 

「2人には正門でSOS団のチラシ配りをしてもらうから!」

 

 そう言ってハルヒはアスカにはバニーガール、ミクルにはメイド服に着替えるように命令した。

 

「何でアタシが着替えなきゃいけないのよ!」

 

 当然アスカは反発するが、団長命令には逆らいきれない。

 

「あたしもチアガールに着替えるからさ!」

 

 そう言うとハルヒは前触れも無しに制服の上着を脱ぎ始めた。

 ハルヒのオレンジ色のブラジャーがあらわになる。

 

「おい、碇、カーテンを閉めろ!」

 

 キョンに言われてシンジは教室のカーテンを閉めると、キョンと一緒に大慌てで部屋を出た。

 この学校にはケンスケが居るから油断は出来ない。

 

「涼宮さん、私は着替えなくていいのかしら?」

「明日香先輩は制服のままでも十分映えますって!」

 

 ハルヒが明日香にそう答えると、明日香は少し不満げな表情を浮かべた。

 

「残念、時坂センパイにアピールするチャンスだったのに」

 

 アスカはそう言ってから慌てて自分の口を押えた。

 余計な一言を言うクセは何とかしないといけないと自分でも思っている。

 

 

 

 授業が終わった放課後だとは言え、杜宮学園にはまだ多くの生徒が残っていた。

 

「SOS団をよろしくお願いしまーす」

 

 正門でコスプレをした美少女4人がチラシを配っているとあれば、人が集まるのは必然だ。

 中には明日香に憧れてチラシを受け取る女子生徒も居た。

 アスカのバニーガールに渋い顔をする教員も居たが、ネルフがバックに着いた公認された部活動なので止めることも出来ない。

 アスカは嫌で嫌で仕方なかったが、シンジに可愛いと言われて少しは気分が和らいだ。

 残った部員、レイとユキは先に部室である旧校舎に入り、後から合流したシンジとキョンと一緒に旧校舎が快適に人が過ごせる場所になるように掃除や荷物の整理をしていた。

 旧校舎には放置された古い本や、呪われていそうな割れたままの鏡などオカルトめいたものもあった。

 杜宮学園の七不思議の中では旧音楽室にあるピアノが勝手に鳴ったり、理科室の薬品事故で顔を無くしてしまった少女の霊の話など色々あった。

 とりあえず、メインとなる部屋に団長の席を置いて、パソコンはネルフの発令所でも使われていたのと同型の物が用意された。

 

「これでコンピ研がハルヒに襲われる事は無いだろう」

「まさか涼宮さんがそこまで……しないとは言い切れないね」

 

 キョンの呟きにシンジは同意した。

 ある程度片付けが落ち着くと、レイとユキは双子の様に興味を持った本を読み始めた。

 2人とも杜宮市にある九重神社に関する本を読んでいるようだ。

 

「綾波、その本は面白いの?」

「ユニーク」

 

 シンジの質問に、レイとユキの答えがハモった。

 校門でチラシを配っている4人が戻ってくるまでの間に、シンジとキョンは暇つぶしに持ち込んだカードゲーム『バトルライン』をする事にした。

 今日は異界化は起きなかったが、あれだけチラシに反響があったのだから、明日からSOS団としての忙しい活動が始まりそうだとシンジは思うのだった。




 リメイク前はSを3つ並べた略称だったのですが、戦争関係のあまり印象の良くない略称らしいので変更しました。

『バトルライン』の解説はこちらの話をご覧ください。
https://syosetu.org/novel/260390/

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この作品で足りない部分は外伝で補完して行きます。足りないと思う部分を教えて下さい。

  • 新世紀エヴァンゲリオン(LAS)
  • 涼宮ハルヒの憂鬱(日常)
  • 東京ザナドゥ(バトル)
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