…とだけAIのべりすと様に入力してみたら思いの外熱い仮想戦記になったので公開してみます。
第二次世界大戦末期。
陥落直前のベルリンの地下、総統地下壕では最後の作戦が実行されようとしていた。
「総統閣下! ご決断を!」
参謀に促された総統アドルフ・ヒトラーは、血走った目で周囲を見回す。
「まだだ……まだ私は諦めんぞ……」
彼の脳裏には、これまでの苦闘の日々が走馬灯のように駆け巡っていた。
一兵卒として従軍しながらも病院で終戦を迎えた第一次世界大戦。ミュンヘン一揆、ルール進駐、フランスへの電撃戦、バルバロッサ…
そしてヒトラー政権樹立と、イタリアでのムッソリーニによる独裁政権の誕生。
その全てが彼の歩んだ道であった。
「この私が、このドイツ第三帝国が滅ぶわけがないのだ……そうだ、あの男がいる限りはな」
そう呟いた時、一人の男が部屋に入ってきた。
元エースパイロットにしてナチ党古参であり、ドイツ空軍総司令官まで上り詰めた男の名前はヘルマン・ゲーリングといった。
「総統閣下、そろそろお時間です」
「ああ、分かっているとも」
ゲーリングの差し出した書類を受け取った総統は、それを眺めながら満足げに笑った。
「これで我が国も安泰というものだ」
それは、ドイツ第三帝国の降伏文書調印式に関する書類だった。
その内容は以下の通り。
1.ドイツ第三帝国政府は、連合国に対し以下の内容の降伏文書を提出するものとする。
『我等はドイツ民主共和国(東ドイツ)政府を国家承認し、同国政府に対して以下の内容を含む全ての請求権を放棄するものである』
1旧ドイツ帝国領全域の領有権放棄 2旧ドイツ帝国植民地であるデンマーク、ノルウェー、及びその他の地域の不動産。
鉱物資源及びその他の資産に対する請求権の放棄 3賠償責任の免除 4ドイツ国民に対する戦時補償金の支払義務の放棄 5戦争捕虜並びに戦争被災者に対する人道的扱いの保証 6ドイツ国民の自由な移動の自由 7ドイツ国内における報道の自由と検閲廃止 8ナチス党幹部の国外追放 9戦犯容疑者etc…
一見無条件降伏のように見えるこの屈辱的な箇条書きだが、ヒトラーが安泰だと語った理由はどこにあるのだろうか?
その答えを知るには時間を数週間前に戻す必要がある…
***
「諸君、私はこの戦争に勝つ自信がある」
1945年3月22日、総統官邸内の執務室においてヒトラーは側近たちを前にして演説を行っていた。
「我々には勝算があるのだ」
「しかし、敵の戦力は圧倒的です。我が軍の残存兵力をもってしても、とても勝利できるとは思えません」
国防軍最高司令部情報部長エーリッヒ・フォン・ルーデンドルフ上級大将*1の言葉にも、彼は余裕の表情を崩さない。
「確かに、連合軍の総力を挙げればドイツ軍全軍を殲滅することは可能だろう。だが、連合軍にはそれが出来ない理由が存在する」
「その理由というのは?」
「アメリカは既にソビエトへ支援物資を装った軍隊を送り込んでいる。奴らは我々の打倒後、すぐにでもソビエト侵攻を開始するつもりなのだ。
だからこそ、今のうちにこちらから打って出る必要がある。ソ連への侵攻ルートを確保しておくためにな」
「なるほど……」
「既に総統命令により西部戦線のすべての部隊に戦闘を避け後退するよう総統命令を出した。連合国もすぐに意図に気づくだろう」
「それで、どうされるのです?」
「我々はパリへ向かう」
「なんですって!?」
「総統自らがですか!?」
あまりに大胆な発言に側近たちは色めき立つ。
「勘違いするな。あくまで私は和平交渉を行うだけだ。無論、決裂した場合は戦うことになるがね」
「しかし、危険すぎます!」
「私だって死にたくはないさ。だが、これ以上の犠牲を出すわけにはいかないのだ。
幸いなことに、イギリス首相チャーチルとの会談が決定した。これは大きな一歩となるはずだ」
「それはそうかもしれませんが……本当に大丈夫でしょうか?」不安そうな側近たちに、ヒトラーは自信満々で答える。
「心配はいらない。私はこの戦争に必ず勝ってみせる。だから、お前たちも安心してついてこい」
こうして、総統を乗せた専用機は飛び立った。
この時、ドイツ軍の首脳部は誰も知らなかった。
彼らの希望を粉々に打ち砕いてしまう、連合国の新兵器がパリには搬入されていたのだ。
「これが新兵器か……」
「はい、総統」
無愛想を極めた表情のチャーチルから少し間隔をおいてともに歩く満面の笑みのヒトラーは上空を指差した。
それは、全長10mを超える巨大な飛行船だった*2。
「なんという大きさだ……」
「これほどの大きさであれば、ノルマンディー上陸作戦すら可能でしょう*3」
「うむ、まさにこれこそが戦争の形を変える新時代の象徴だな」
「はい、総統」
「ところで、あれは何を積んでいるのだ?」
「新型爆弾だよ」
「新型爆弾だと!?まさか、あの忌々しいキノコ雲を作る気ではないだろうな」
1944年6月、敗色濃厚となったノルマンディー上陸作戦の失敗を受けて
連合国は、ドイツ本土攻撃を諦めた。
その代わりに彼らはドイツ工業地帯への無差別爆撃作戦を立案し、実行に移した。
その被害は甚大なものとなり、ドイツ経済に大きなダメージを与えることに成功した。
中でも最も被害が大きかったのがベルリン近郊での核爆弾投下であり、その威力は半径5km以内に存在した生物をことごとく死滅させ、ベルリン中心部の建造物は全て瓦礫の山と化した。後に『ベルリンの虐殺』と呼ばれる惨劇である。
「これが次に投下される場所を総統、あなたの決断で変えることができる、と言っておきましょう」
「本当かね?」
「ああ、本当だとも」
会話の主導権を握ったチャーチルはヒトラーに告げた。
「もし、あなたが我が国の要求を飲むのなら、この新型爆弾の使用先を他の国にすることも出来る」
「ほう、具体的にどのような要求かな?」
「無条件降伏だ」
「無条件降伏、か」
「そうだ、無条件降伏だ」
チャーチルは2度繰り返した。彼ら大英帝国と連合国は第一次世界大戦が消化不良であると盛んに愚痴をこぼすドイツ国民とそれを扇動するナチ党の身勝手な言動を忘れてはいなかった。
「無条件降伏を受け入れるのならば、我々は二分割されるドイツの双方を資本主義陣営同士で占領することを約束しよう」
「なにっ!?」
「知らないだろうが、連合国の内部ではドイツ帝国を戦後も一つのままにするのはあまりに危険であると判断している」
「つまり、分割統治するというのか?」
「まあ、そういうことだ」
講和に向けて整然と撤退する西部戦線と逆に、徹底抗戦の構えを見せている東部戦線は、ドイツにとって厄介極まりない存在であった。
特に、ドイツ軍が想定していたよりも遥かに早い速度で勢力を拡大し続けるソ連軍は、ヒトラーの頭の中にあった戦略構想を大きく狂わせる存在となっていた。
「ドイツ全土を連合国の慈悲のある占領とするか、それとも東をコミュニストに蹂躙されるか、どちらを選ぶんだ?総統」
「……わかった、条件を飲み込もうではないか」
「そうか、それはよかった」
「しかし、一つだけ条件がある」
「なんだ?」
「これから起きる第三次世界大戦終結まで、私に指揮権を委ねてもらいたい」
「なにっ!?」
「当然のことだろう。私は総統としてこの戦争の指揮をとって、結果的に良いところまで行ったのだ。
しかし、君たちは違う。君たちはノルマンディーへの上陸も、シチリアも失敗しているのだ*4。そんな連中に指揮を任せるわけにはいかない」
「……」
「諸君ら連合国は世論という面倒なものがある。だから決して私に指揮権など渡せないだろう……表向きにはナチ党幹部は戦犯として絞首刑とでもしておくといい」
「裏から指示するから従えというのか……いいだろう。だが、あまり長くは待たせんぞ」
「わかっている。せいぜい、私の気が変わらないうちに交渉を終わらせることを勧めるよ」
「……」
こうして、米英はヒトラーとの交渉に成功した。
◆◆◆
陥落直前のベルリンの地下、総統地下壕に時を戻す。
西側諸国は無人の西部戦線を破竹の勢いで進軍し、東部戦線のドイツ国防軍は潰走を装いソ連赤軍をベルリンまで誘引した。そして、西側諸国はヒトラーの密談通り、ベルリンへの核攻撃を決行した。
「これで勝った!我々は勝ったのだ!」
ベルリン一番乗りをせんと集結していた数万の赤軍とそれを束ねる高級将校たちは一瞬で火球に飲まれ、後方部隊は突如発生したキノコ雲を前にして呆然と立ち尽くした。
米英は投下する爆撃機が進路を逸れ、赤軍を爆発範囲におさめてしまったことに気づかなかったと弁明したが、これは完全な言い訳に過ぎなかった。
裏切りを警戒し戦線から兵を引いた赤軍に変わって、ベルリン一番乗りを遂げたのは米英たちだった。
密約通り、直ちにヒトラー含めたナチ党幹部たちは身柄を拘束され、連合国はパリで裁判にかけると発表した。
しかしそれはカバーストーリーであり実際の彼らは厳重に監視された総統地下壕から連合国を通じてまもなく始まる第三次世界大戦の指揮を執るつもりであった。
「これで世界が変わる」
ルーズベルトは呟いた。
「ああ、この新しい戦争によって全ての価値観が覆るだろう」
チャーチルも同意する。
「今後、世界の覇者は我々民主主義国家となる」
「ああ、その通りだ」
二人は顔を見合わせて、笑った。事実を知らされたド・ゴールは怒りを露わにしていたが、彼らは気にしなかった。
「それで、いつ始めるのだ?」
「明日だ」
電話先のヒトラーは自信に満ちた声で答えた。
◆◆◆
「欧州情勢は複雑怪奇、か」
スエズ運河を米英艦隊に護衛ーーいや、督戦されながら航行する戦艦大和の艦上で山本五十六聯合艦隊司令長官はつぶやくように言った。*5
「はい、閣下」
彼の言葉に宇垣纏参謀長が反応する。
「まさか、あの米英が日独伊三国同盟と軍事協定を結ぶとはな」
「全くです」
山本の言葉に、宇垣は深くうなずいた。
表向き、大和以下聯合艦隊残存艦艇はスエズ運河経由で東海岸へ運ばれ、そこで解体されることになっていた。
しかし、実際は違っていた。
大西洋を渡ってくるフランス戦艦及びイギリス、イタリア艦隊と地中海で合流した後艦隊を再編成。3分割された艦隊はアドリア海、エーゲ海、そして黒海に進出する予定となっている。
この大和はボスポラス海峡を突っ切って赤軍艦隊を殲滅しつつ黒海沿岸部の赤軍へ艦砲射撃を行い、その後に米英独の機甲師団が電撃的に上陸し侵攻するのを援護するのである。
「まあ、しかし、東欧とロシアは地獄になりますな」
「ああ、そうだな」
しかし彼らの顔に同情の色はない。なぜなら数週間前、ドイツの無条件降伏と同時にベルリンを落とせなかった報復としてか、ソビエトは日ソ中立条約を破棄。日本に宣戦布告し、満州へ侵攻してきたからだ。
中国大陸に米英の爆撃機は飛来できないと思っての行動だろうが、その矛先は樺太と千島へも向けられていた。
しかし、日本にとって幸いなことに、ドイツが連合国に降伏してから1週間も経たぬうちに、米英から停戦を打診された。
スターリンは日本に好意的な発言を繰り返していたこともあり、日ソの関係は悪くはなかったのだが、この結果、国内世論は一気に反ソビエトへと傾くことになった。
満州へのソビエト侵攻に乗じて行われた共産党軍の大攻勢により日本軍は中国大陸から追い出されることにはなったが、それによって日本列島は真珠湾攻撃をした卑劣な国から反共産の堤防へと変わったのだった。
「しかし、なぜアメリカは今になって態度を変えたのだ?」
「さて、それはわかりませんな」
宇垣は首を振った。
「ただ、一つ言えることは、これからは我々が主役だということでしょう」
「主役か……」
山本は口の中で転がすように繰り返した。
「はい、主役です。*6
我々の今までの太平洋の戦いは、全て脇役でしかなかった。
黒海で我々は主役になれるのです」
自動的に歴史上の人物を出してくれるのは本当にありがたいですし、助かりますね。(そのせいで山本長官生きてるけど)
最後の方はいきなり史実の敗戦後を書き始めたりインド洋行ったりするので人力で書いた介入部分がそれなりにありますが、冒頭~中盤(ベルリン陥落あたり)までは私の頭の中にない展開を出してくれるので面白かったです。
最も、学習元となったであろう数多のweb仮想戦記があってこそAIが出力してくれるわけでして、改めて仮想戦記を書いていただいている皆様に感謝しないといけませんね。