語彙力もヒネリもない拙作ですが、どうぞよしなに。
──…あぁ、体が重い。それに節々も痛い。なんでだろう、昨日まで何ともなかったのに。昨日なら起き上がれたのに、なんでかな。起き上がれねぇ──
…
とりあえず助けを呼びたいが喉が痛くて声も出せない。だけどこの状況をなんとかしたい。とりあえず苦しさに耐えながら目をぼんやりと開ける。すると目の前に見慣れたけれど、
「…おはよう、もう大丈夫よ。私がいるから、心配しなくて大丈夫」
彼女は優しく語りかける。無理やり起き上がろうとすると制され、代わりに彼女はスプーンにお粥を一口分ほど乗せゆっくりこちらに運んでくる。
「ダメよ、風邪をひいてる時は無理に動いちゃ。それより、キッチンを借りてお粥を作らせてもらったの。しんどいかもしれないけれど、食べてちょうだいね?」
「あぁそうだ、起きられないわよね?それだったら私が食べさせてあげるわね。ほら、あーんして?」
とトントン拍子でいきなりあーんをされる羽目になったのだ。いや、この状況だから仕方ないけどまだそういう関係では……お互い既に友達以上恋人未満と見られてるし付き合ってそうとはよく言われるけど。まぁ多分彼女はそんなことは考えていない。最初はちょっとドキッとしたけど、
「…っ、なんか恥ずかしいな…これ。けほっけほっ」
「大丈夫?むせちゃった?落ち着いて呼吸してみて」
思わずむせてしまい、さらに心配をかけてしまったような気がした。というか不覚にもドキッとしたせいで変な気を起こしてしまった。とはいえども、こうして献身的に看病してくれる彼女には感謝したい。
「ふふ、そんなに意識するようなことないのに。焦っちゃったりなんかして、可愛いわね」
「し、仕方ねぇだろ…?お前からのあーんなんて、今までされた事ないのに…」
…ドキッとしたのを読まれていたか、流石の観察眼だ。白鳥は俺をからかいつつも、いたずらっぽく笑う。
とはいえ、心配がおり交ざった複雑な笑顔は楽しそうな気持ちを感じる明るい笑顔に変わっていた。一部始終を見ていた俺も、少し安堵した。そんな彼女を横目で見つめていた。
「…どうかした?私の顔になにかついてる?」
「いや、なんか…さっきまで笑顔がひきつってたからなんか心配だったんだけど、いつもの感じに戻ったから少し安心したって言うか」
「あら、私のことも気遣ってくれてたのね…うふふ、看病しに来たのに余計な心配かけちゃったかも」
…難しいな。看病してくれるのはありがたいが、他のこともあるだろうし無理はしてほしくない。だけどこれだけしんどいと動けないのでもどかしくなる。とはいえ、今は元気になるまで安静にしておかなければならない。ここで無茶をしてしまうとさらに彼女に迷惑をかけるかもしれない。なら…甘えるべきなのかな。
「…いや、俺は大丈夫。来れる時でいいからさ、こうして来てくれると嬉しい。いない時は自分で頑張れるから。」
「そうね…分かったわ。私のためにもあなたの為にも、無理はしない。治ったら、また2人で仲良く登校しましょうね?
あっ、もうこんな時間…。そうだ、今のうちにおまじないをかけてあげるわ。あなたの風邪が早く治りますように…」
登校の時間が近づいているのか、急いでいても一生懸命励ましたりおまじないをしてくれる。昔っからそうだが、どんな状況でもそういった心遣いを忘れないのは彼女らしい。可愛いポイントのひとつと言ってもいいかな。
って何言ってんだ。
「じゃあ、行ってくるわねっ。もし何かあったら言ってちょうだいね、授業でも仕事の最中でも飛んでくるから♡」
なーんて冗談を飛ばしながら少し急ぎ足で部屋を出ていったが、多分彼女なら本当にやりかねなさそう。彼女が去った後のこの空間は少し寂しいが、また彼女がこうして来てくれることを思うと頑張れる。なんというか、近くて遠いし遠くて近い幼馴染。これだけ普段とっている距離はめちゃくちゃ近いしなんならゼロ距離ってぐらいに接してるけれど、実はまだ恋愛感情は心の隅に僅かに芽生えたばかり。でも、こういうことをきっかけに大幅に距離が縮まった気がする。少しづつ前進していかなきゃなのかなぁ…
さて、一日でも早く全快できるように頑張って治していかなきゃなあ。
…いかがでしたでしょうか。執筆は初めてだったのですが、色々なことを考えながら頑張りました。文字数としては少ない方ですが、内容はたっぷり詰まってると思います(笑)
また何か書いていこうと思いますので、どうかよろしくお願いします。