二人はみんなに黙って何をしているのか。
・時系列・世界間ほとんど無視のヒカリ×シンジの話です。
・ヒカリとシンジが学校帰りにお弁当を食べ合いながらじゃれ合うだけの話です。
・一応旧劇準拠ですので、エヴァも使徒もいますが‥シリアス無し・エログロ無し・ほとんどほのぼのです。
・今までのシリーズとは無関係です。
碇シンジは学校を終えるとと、いつもの公園である女性を待っていた。
「碇くん。」
ドキドキが止まらない胸を押さえながらシンジはふと背後をみた。
背後にはそばかすの生えているが、顔立ちのいい少女がいた。
洞木ヒカリ。
シンジが付き合っている女子生徒だった。
「お待たせ。」
ヒカリは俯きながら頬を赤くしていた。
こんな状況を他の生徒にみられればどうなるだろう。
それを恐れたシンジとヒカリはこの公園であいびきを重ねていた。
特にアスカやトウジにバレればどうなるのか、わかったものではない。
「お弁当作ってきたよ。」
ヒカリは微笑んだ。
シンジはその笑顔に吸い込まれそうになるのを耐えながら彼女をベンチに迎えた。
「いつもありがとう。」
シンジは微笑んだ。
「碇くん、ちゃんと栄養とってるか心配だもん。」
「ああ、いつも僕がいると料理するんだ。ミサトさんもアスカも料理できないから。」
シンジは弁当箱を開けた。
そこにはチキンがあった。
しかも冷凍食品ではない。
そして、卵焼きも。
シンジはふたを開けると、料理を手に取った。
「美味しいよ!ありがとう。」
ヒカリはシンジの顔をみつめ、微笑んだ。
「いつも、世界を守ってくれてるんだもん。このぐらいなんとでもないよ。」
想えば、お母さんの手料理なんて何も味わったことがない。
母さんはシンジが14歳になる前にこの世を去った。
それは事故だったのか、事件だったのか今でもわかっていない。
でも、なぜだろうか。
シンジはヒカリといるとお母さんを強く感じてしまうのだ。
「委員長ってお母さんみたいだ。」
「記憶あるの?」
「あんまりない、でも委員長といるとお母さんといるみたいで安心するな。」
ヒカリは頬を染めた。
「碇君…私まだお母さんて年齢じゃないけど。」
「ごめん。」
「いいの、気にしないで嬉しいからさ。」
こんな関係が始まったのはいつだろうか。
シンジが覚えている限りでは、彼が第三新東京市に来た時だ。
今では友人であるトウジがシンジを殴った。
使徒との戦いに嫌気がさし家出をした。
その時だった。
市街地を歩くヒカリと出会った。
ヒカリは彼の苦しみをわかちあい、二人は気が付けば逢引きを重ねる仲になった。
「委員長…。」
公園にさく木の下でシンジはヒカリに言った。
「世界が安全になったら、僕委員長を迎えに行くよ。絶対必ず。」
「碇君…。」
「その時は僕を『碇君』じゃなくて、シンジっていってくれるかな。」
「じゃあ、その時までは碇くんだね。」
ヒカリは優しくシンジをみつめた。
シンジはその目に耐えられず顔を染め上げた。
それと同じくヒカリも頬を染め、照れてしまったのだった。
ふと、偶然後を追いかけていたアスカとミサトはその光景を遠目でみていた。
ミサトはシンジとヒカリのあいびきをみてアスカは嫉妬するのかと思ったが、そうではなかった。
ふんわりとやさしい目で二人をみつめていた。
それはミサトも同じだった。
アスカとミサトはお互いに笑顔を向け合うとそのまま家に先に帰っていった。
それ以降、アスカはシンジに優しくなりミサトもシンジの意見を作戦に取り入れるようになったのだった。