サツマンゲリオン ~ 碇シンジが預けられた先が少しだけ特殊だった県/件   作:◆QgkJwfXtqk

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ふたりはひとりにまさる
彼らはその労苦によって良い報いを得るからである
すなわち彼らが倒れる時には、そのひとりがその友を助け起す

――旧約聖書諸書     









伍) ANGEL-07  Israfel
05-1 Hi-Evolution


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 才色兼備と言う言葉が似あう惣流アスカ・ラングレーと言う少女は、己が世界で選ばれた才媛(エリート)であると言う自負を持っていた。

 そして、そうであるが故に、己に対して強い負荷 ―― 弛まぬ努力を課していた。

 例えば早朝の走り込み(ロードワーク)

 心肺機能もだが、身体的持久力の強化が狙いであった為、10歳になった頃から始めた習慣であった。

 心肺機能の強化がエヴァンゲリオンへの搭乗に対してどの様な効果があるか定かではなくても、体力を強化する事に過剰は無いとの考えであった。

 最初は幼い成長途上の身体に負担を掛けぬ為にと、早歩き位の速度で1㎞程だった。

 それから歳を重ね、成長すると共に段々と速度を上げ、距離を伸ばしていった。

 そして今では大人と変わらぬ速度(約10㎞/時)で毎朝、3㎞程を走る様になっていた。

 

 テンポよく手足を動かして走るアスカ。

 その姿は、躍動感に満ち溢れいた。

 色気のない灰白色のNERV印の上下トレーニングジャケットだが、それが逆に、一纏め(ポニーテール)にされた髪 ―― 赤みのある金糸の髪の美しさを際立たせていた。

 

 走って居る場所はNERV本部地下の大空間、ジオフロントだ。

 地下の箱庭。

 世界で3人しか居ない適格者(チルドレン)の安全を鑑みれば、護衛も付けずに自由に出来るのはそういう場所しかないと言うのが実情であった。

 使徒を恐れてでは無い。

 恐れるべきは人間であった。

 

 世界の守り手、エヴァンゲリオンの操縦者(チルドレン)であると言っても、先ず世界の危機(使徒の脅威)を認めない人間は世の中に少なからず居るのだから。

 宗教的な情熱、神の僕(ANGEL)が人を滅ぼすと言うのであれば受け入れるべきと言う狂信者。

 或いは、世界が滅びの瀬戸際にあると言うのは国連を隠れ蓑にした秘密結社(イルミナティ)による陰謀だと、固く信じている猜疑心の強い陰謀論者。

 稀に、世界はまだ大災害(セカンドインパクト)の被害から立ち直って居ないのに、使徒の脅威などと言う架空の敵を作って、膨大な予算を戦争準備(使徒迎撃)に浪費するのは許せないと言う、善意の人間も居た。 

 何にせよ、そう言う人間が安易な国連(権威)とNERVへの抵抗、その象徴として歳若く貴重な子ども達(チルドレン)を狙おうとするのも当然の話であった。

 計画段階で阻止した数と武器の備蓄まで出来た数とを合わせれば、10や20では済まない数の暴行(テロ)が企てられていたのだ。

 それが、人間社会の現実とも言えた。

 だからこそ適格者(チルドレン)には24時間、途切れる事のない護衛が付けられていたのだ。

 学校などでも黒服の護衛(ガード)が待機しており、それは通学時でも同じであった。

 常に誰かが見ている、ある意味で息苦しい状況。

 それをアスカは、()()()()()()()()()()と喜んで受けれていた。

 だが同時に、只一人で居れると言う機会があれば、喜んで享受したい ―― そういう気持ちも持っていた。

 だからこそ、NERVの管理空間(ジオフロント)で運動をしているのだった。

 

 

 ジオフロントの遊歩道を走り続けていたアスカが、ベンチに置いた赤いタオルが見えると共に速度をゆっくりと落としていく。

 整理運動(クールダウン)だ。

 駆け足から速足へ、そして通常の速度へと息を整えながら切り替えていく。

 

「ふぅっ」

 

 程よい汗を流したと満足げに笑うアスカ。

 タオルを取って汗を拭き、そして一緒に置いていたスポーツドリンクを煽る。

 味よりも、喉を走る冷たい液体の心地よさにアスカは、益々もって笑み崩れた。

 

「トレーニングマシンよりも、実際に走るのって良いわね」

 

 伸びをして、それから遊歩道脇の芝生の上に寝転がる。

 葉先のチクチクとした感覚すらも、こそばゆく、アスカに心地よさを与える。

 深呼吸。

 瑞々しい空気がアスカの肺を満たす。

 と、アスカの耳が何かを取らえた。

 

「……ィ…ィ………」

 

 甲高いナニカ。

 人の声の様なナニカ。

 

「……?」

 

 獣の類がこの空間(ジオフロント)に居ないのは事前に確認していた為、アスカは興味をそそられた。

 左右を見る。

 見れれば何も無い、誰も居ない。

 耳を澄ませば、遊歩道から少しばかり離れた林の方から聞こえているようだった。

 見れば、獣道めいた小さな道が見える。

 ()()()()()()()()()()()()

 

「ふんっ、面白いじゃないの」

 

 アスカは意気軒昂といった感じで林へと足を進めるのだった。

 

 

 

 公式には、NERV本部の地下大空間(ジオフロント)はNERVの前身であるGEHIRN時代に発見され、運用を開始されたとしている。

 時間で言えば精々が10年と言った所だろう。

 だが不思議な事に、林の木々は植樹されて10年程度でなったと言うには大き過ぎた。

 幹は太く、枝は広がり、葉は生い茂っていた。

 その不可思議さに毛ほども関心を示さず、アスカはずんずんと歩いていく。

 歩けば歩くほどに、音は明瞭になっていく。

 ソレは、獣めいているが、甲高い人の声となった。

 併せて乾いた、堅い音が加わる。

 判らない。

 何が起きているか何て、何もわからない。

 だが退くのは癪に障った。

 大体、NERV本部の管理下にあるのだ、危険は無い()と信じて進む。

 但し抜き足差し足、音をたてぬ様に慎重に。

 

「もう、なんなのよ!?」

 

 口の中で文句を作り自分を鼓舞して足を勧めたアスカが見たのは、奇声(猿叫)と共に一心不乱に木刀 ―― 丸太棒の様な野太刀木刀を横木に叩きつけている碇シンジの姿だった。

 アスカと同じ、NERVのトレーニングジャケット姿だ。

 とは言え、上は袖を抜いて腰に巻いている。

 どこかに引っ掛けて置いておく場所も無いからだろう。

 そんなシンジは背筋を伸ばし、膝を屈めて打ち込み続けている。

 躍動感はあっても、体の軸にブレは無い。

 どれ程に続けて居たのか、黒い半袖シャツ(インナーシャツ)は水に濡れた様になって体に張り付いている。

 シンジの鍛えられた体つきが良く判った。

 

「………Hmmmm」

 

 

 アスカが思わず漏らした呟き(感嘆詞)を、シンジの耳が拾った。

 誰かが来たと判ったシンジは、丁度息があがってきたのでと横木打ちを止めた。

 木刀をトンボに取り残身として、最後に礼をして終わる。

 深呼吸。

 動きを止めた途端に、今まで以上の汗が一気に噴き出す。

 汗で湿り切った額を拭い、それから振り返る。

 

誰け(何方ですか)?」

 

 無論、アスカである。

 両手を腰に当てて仁王立ちしている。

 少しだけ不満げに、綺麗な眉を歪めている。

 その理由を把握してシンジは、軽く笑う。

 

()()()()()()()()()

 

Guten Morgen(おはよう)。アンタが()()を覚えていて嬉しいわ」

 

「出会い頭、しかも見ずになんだから仕方が無かったって事にしておいてよ」

 

「アタシの美少女(ちから)を感じ取れば、直ぐに判る筈よ」

 

「多分、それは変態だと思うよ?」

 

 軽口の応酬。

 そこに緊張感は無い。

 アスカは、自分が努力を重ねているが故に、他人が努力している事を認められる人間であった。

 そしてシンジは、そう言うアスカの敬意めいたものを理解出来ない程に鈍感では無かった。

 そういう事である。

 

 近くに停めていたシンジの自転車(クロスバイク)、そのハンドルに引っ掛けていたタオルで顔を拭き、ドリンクホルダーからボトルを引っこ抜いて飲むシンジ。

 入れていた冷やした水を一気に飲み干す。

 零れた水が喉を、胸を伝わっていく。

 汗が蒸気のように上っている様にアスカには見えた。

 

「よっぽどに真剣にやってたのね、ここがアンタのドージョー(鍛錬場)って事?」

 

「そうだよ。ミサトさんに相談して、使って良いって言って貰ったんだ」

 

「こんな奥に?」

 

 不思議そうに聞くアスカ。

 それが疑問だった。

 葛城ミサトから正式に許可を貰ったと言う事は、NERV本部と言う組織が認めていると言う事なのだ。

 にも拘らず、こんな森の奥に剣術の練習を行っている理由が判らなかったのだ。

 そもそも、家の近所でも無いのも気になった。

 態々、朝から家を出てNERV本部までやってきているのだ。

 面倒では無いのかと思うのも当然であった。

 それにシンジは、苦笑で答える。

 

「仕方ないよ」

 

 文句(クレーム)が出たからね、と。

 第3新東京市にきたての頃、シンジは(官舎)であるコンフォート17に併設されていた公園で鍛錬を行っていた。

 学校に行く前の朝練とばかりに、日も登らぬうちから猿叫と木を叩きつける音を響かせていたのだ。

 結果、ご近所の一般市民から警察に文句が出て、文句を受けた警察がNERVへと申し訳ないが何とかしてくれと要請した(泣き付いた)結果であった。

 NERV本部総務部からのやんわりと、周りが迷惑していたと言う話を教えられたシンジは、であるならば他人様に迷惑を掛けない場所をくれと言い、結果としてNERV本部地下空間(ジオフロント)でする事となったのだ。

 

「………大変だったわね」

 

 いろいろな意味で、だ。

 近隣住民も、警察も、NERV本部総務部も、そしてシンジも。

 それをシンジは笑って受け入れた。

 

「仕方ないよ」

 

 肩をすくめてみせながら。

 他人様が迷惑と言うのであれば、それに従って対応する素直さがあった。

 規律というものを重視しているとも言えた。

 これも又、シンジが受けて来た()の結果とも言えた。

 それがアスカには少し、面白かった。

 だからこそ、会話を続ける気になるのだ。

 同世代の子どもとは違う、そう思える相手成ればこそであった。

 

「じゃ、毎日来ているの?」

 

「流石に学校前に来るのは難しいかな。だからNERVに朝から呼ばれている時か、それとも学校だけの時だよ」

 

 NERVでの訓練が終わってからの、夜には出来ないと続ける。

 学校が終わり、そこからNERV本部で座学や戦闘訓練、そしてエヴァンゲリオンへの搭乗訓練まで受けるのだ。

 流石のシンジでも疲れ果てると言うものであった。

 

「そう言うアスカさん、今日は一日訓練じゃなかったよね?」

 

 汗染みの浮いたトレーニングジャケット姿から、アスカがナニガシの運動をしていたと察したシンジが、逆に問いかけた。

 今日のシンジは週に2回ほどある、学校を休んでの終日NERV本部で訓練の日であった。

 エヴァンゲリオン初号機を駆り、立て続けに3体の使徒を屠って見せたシンジだが、同時にエヴァンゲリオンの操縦者として訓練、或いは運用と戦闘に関する知識が十分とは言い難い為、超法規的措置として義務教育の権利(義務)が一部、制限されていたのだ。

 

 

 シンジから見てもアスカは評価できる相手であった。

 話したいと思う相手であった。

 コーカソイド系で、とびっきりの美少女だからというのは否定しない。

 同世代の女性(ミドルティーンの女の子)に多い湿度めいた部分が見えない為、気兼ねない口喧嘩がし易いと言うのもあった。 

 だが一番は話していて気持ちが良いと言う事だった。

 高慢な言動や喧嘩腰になりやすく、又、自分が美少女だからと鼻の高い所はあるが、人としての根っこが努力してきた人間のソレであり、同時に他人の努力と成果とを笑う類では無いのだ。

 それだけでシンジは、このアスカと言う少女を評価できると思えていた。

 少なくとも戦友としては不快では無い。

 

 更に言ってしまえば、口数が多いのも助かると言う部分もあった。

 もう一人の戦友である綾波レイは、厄介な性格をしている訳では無いのだが、口数が少なく会話(コミュニケーション)が余り弾まない。

 その上で綾波レイは、シンジよりも碇ゲンドウと仲が良いのだ。

 そもそも、いまだにシンジは碇ゲンドウが綾波レイを後妻にしようとしているのではないかと疑っていた。

 エヴァンゲリオン初号機に搭乗時に、外部監視カメラで2人が仲のよさげな感じで会話をしている所を度々見たのだ。

 ある意味で仕方のない話であった。

 シンジが思春期であり、それ故の複雑な心理状態にある事を差っ引いたとしても、そんな相手と仲良くするのは中々に難しいのも当然であった。

 

 兎も角。

 シンジにとってアスカは、色々な意味で話し易い相手であった。

 

「アタシはまだ本部住まいだもの。まだ宿舎が決まって無くてゲストハウス住まいよ」

 

「大変だね」

 

「そうよ、本部の総務って弛んでるって思わない? このアタシの宿舎がまだ決まってないってどういう事よ!! 持ってきた荷物、まだ貸倉庫に預けたまんま。可愛い服で加持さんに迫れもしないわ」

 

「ゲストハウスってホテルみたいな感じなの?」

 

「ンな訳無いじゃない! 尉官用よ? 安っぽいベットと机があるだけ、4㎡ちょっと(3畳間)位のせっまい部屋。アタシみたいなエリートを入れておく場所じゃ無いわ。これはもう虐待よ、虐待」

 

「ははっ、大変だね」

 

「なのにGymnasium、中学校って言うんだっけ、コッチだと? そんな所に放り込まれたのよ。もうNERV本部の正気を疑うってものよ。どう思う、アンタは?」

 

 余程に不満が溜まっていたのだろう。

 アスカの口調が機関銃めいてくる。

 その勢いに押されたシンジは、苦笑と共にドリンクボトルを煽った。

 短い付き合いではあるが、アスカの口にエンジンが掛かっては、止める事など出来ないと理解しての行動だった。

 せめて喉を潤したい。

 だが残念、ひっくり返ったドリンクボトルからは一滴、二滴と水滴が落ちて来るだけだった。

 飲み干していたのだ。

 その事を思い出したシンジは、アスカの口調が途切れた一瞬の間を狙って声を掛ける。

 喉が渇かない? と。

 

「お誘い? ならアンタの奢りって事よね」

 

「ん"」

 

 容赦のない切り替えしに、シンジは苦笑では無く普通に笑いながら言葉を返した。

 

「良いよ、何でも」

 

「Danke! でも、ワタシみたいな美少女を誘うんだもの、当然よね」

 

「はいはい、お嬢さま」

 

 胸を張るアスカに、笑いながら応じるシンジ。

 タオルを首に掛けて、木刀を袋に入れてから背負う。

 そして自転車を取る。

 横木はそのままにして置いておく。

 元より林の何処其処から拾ってきた枯れ枝などを束ねたモノなのだ。

 特にするべき事は無かった。

 

 忘れ物が無いか最後に確認して歩き出す。

 二人の距離は近い。

 

 

「この自転車って、アタシを乗せられないの?」

 

「日本じゃ禁止だよ」

 

「それに素直に従うの? 面白く無いオトコね。男気って言うの? それが無いわ。モテないわよシンジ」

 

「モテなくて良いよ、そんなモテ方なんて」

 

 

 

 

 

「あーあ。猫も杓子も、アスカ、アスカかぁ………」

 

 そう相田ケンスケが呟いたのは、第3新東京市第壱中学校の体育館裏だった。

 職員室のある本校舎から遠く、教師たちの目の届きにくい場所だ。

 昼休憩の時間、そこが相田ケンスケの()であった。

 そこで相田ケンスケは売り上げを数えていた。

 千円札や500円硬貨が山のようになっている。

 

 シートを広げ、その上に盗撮した第壱中学校の生徒たちの生写真を透明フィルムに入れて並べていた。

 見本だ。

 通常サイズが200円。

 大判サイズが500円。

 そして、重要顧客(守秘義務付の秘密会員)にのみ販売しているお宝写真が1000円以上でASKありと言う値段設定だ。

 有体に言って犯罪行為 ―― 更衣室の盗撮までやってる時点で論外な行為であったが、中学生らしい無思慮、或いは無分別さによって相田ケンスケはやってしまっていた。

 

 ひっきりなしに人が来て買っていくのだ。

 簡単に金が入るとなれば、やってしまうのも仕方のない話なのかもしれない。

 

「みな平和なもんや」

 

 悪友とも言うべき鈴原トウジも、その事に気付かずに、傍にいた。

 此方は別段に何をすると言う訳でも無く、そもそも級友(クラスメート)の生写真に興味など欠片も無かった。

 昼休憩、飯を食って暇だから付き合っている。

 その程度の話であり、目の色を変えて写真を見て、選んで、相田ケンスケと商談していくバカな学友たちを見ていただけだった。

 

 としていると新しい客が来て、悪い顔で相田ケンスケと笑い合って封筒を交換し合った。

 互いに中身を確認。

 相田ケンスケが手にした封筒からは千円札が3枚。

 客の側が手にした封筒からは、肌色多めな水着姿のアスカの写真が出て来た。

 鼻の穴を広げてその写真を見て、それから満足げに、そして大事にカバンに入れて去っていく。

 

「毎度ありぃ!」

 

 相田ケンスケの言葉を背中に受けながら。

 

「ホンマ、よう売れとるわ。写真にあの性格は、あらへんからなぁ」

 

「おかげでカメラも買いなおし出来そうだよ! アスカ様々!!」

 

「現金なやっちゃな。そう言えば()()()、今日はおらへんかったな。今日はセンセの日やとおもっとったんやけど」

 

「トウジは朝居なかったものな」

 

「おお、さくらの所に洗濯物やらを届けに行っとったからな。何ぞあったん?」

 

()()()()()()()、だってさ」

 

「家?」

 

「家」

 

 アスカの事情を他の生徒よりは知る相田ケンスケと鈴原トウジは、それだけで理解した。

 NERVがらみなのだと。

 単身で日本に来ているのがアスカだ。

 そんなアスカに、家の都合と言うものは無いのだから。

 

「まさか、センセにひっ付いてったんとちゃうやろな」

 

「勘弁してくれよ! 売り上げが落ちてしまうよ!!」

 

 第壱中学校でのアスカ人気は、()()()()()()()()()()()()()()()()()と言う想像(妄想)に負う所が多かったのだ。

 そこが、鈴原トウジの、写真には性格は映らないと言う言葉にも表れていた。

 正しく偶像(アイドル)であったのだ、アスカは。

 だから、そこに男の影が出てしまえば相田ケンスケの商売は一気に終息しかねなかった。

 悲鳴を上げるのも当然であった。

 

 尚、現実は鈴原トウジの憶測に極めて近かった。

 

 

 

 

 

 


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