私コレ絶対主人公の相棒ポジションだよね?   作:アイリスさん

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016 おい月子そこ代われぴょん(切実)

…………ん?あれっ?

確かデーモンを倒して陽里先輩の部屋に帰って来た筈だったと思ったんですけど、ボクは何でまた鏡面世界に居るんですか?

 

イプレがまた展開したにしては妙です。

一面白黒の世界なのは変わりませんけど、ここ何処ですか。地元の街とは異なる見たことの無い風景。岩肌の露出した山の上。目の前には海が広がってますね。どうにも日本っぽく無い風景というか……。

それにやけに暑いです。

ああ、原因は火口付近から微かに立ち上ってるあの煙ですかね。白黒だから断言は出来ませんけど……どうやら溶岩らしきものが海を正面に、山を背にして見たボクの左の方角へと流れてるみたいです。とはいっても流れは殆んど止まってるみたいですし噴火でもあったん……いやいやいや、何で噴火した火山に居るんですか!?あのまるで近距離戦しか出来ないボクに対する嫌がらせみたいな大量のスライム型デーモンを倒しきってやっと陽里先輩の所へ戻って来れたのに!あああこうしている間にも陽里先輩と司彩は二人っきりで……幾ら司彩が親友でも陽里先輩だけは絶対に渡せません!司彩ってば急に陽里先輩に懐くし『お姉ちゃん』なんて呼び始めるしボクがこんな事してる間にも着々と陽里先輩との距離を縮めているに違いありません!一刻も早く戻って陽里先輩の貞操を守らないと…………ハッ!?まさか魔王は陽里先輩と司彩をくっ付ける事でボクと陽里先輩の仲を引き裂こうとしてるんじゃ…………陽里先輩の貞操、司彩に奪われたりしてませんよね?大丈夫ですよね?

 

というかイプレはどこですか!ちゃんと説明してくださいよ!

 

全く、こんな所で立ち止まっていても仕方ないですし一先ず周りを確認してみま……あれ!?足が地面にくっ付いてるみたいにこの場から移動出来ない!?どうなってるんですか!まさかもうデーモンから攻撃されてる!?不味いですね、早く変身して……ルミナ・ルニの変身カードが無い!?えっ、何で……あれっ……ボクの着てる服も、腕も白黒で色が無い……なん……で……。

 

あれっ、足元に女の子が倒れてますね。日本人じゃ無いですね。この子も白黒ですけど……見た目はボクより少し歳上の子です。というかこれまた白黒ですけどルミナ・ルニの衣装を着てます。呼吸は……してませんね。というか右掌抉れて無くなってるし左手は肘から先がぐちゃぐちゃに潰れてるし左脇腹とか抉れて無くなってて内臓が丸見えになってるし左足も太股辺りから先が無いし……流石に生きてるようには見えないです。この子がルニに変身してるからカードが無いんでしょうか?いやでも適合者はボクだけだって言ってた筈……。

いや、というかこの死体を目にしてるのになんでボクは吐き気とか催さないんでしょうか?

 

 

 

『…………リクペラーレッ!』

 

ん?なんですか今の声。

っとと、この子の死体を中心に直径1m、高さ2mくらいの円柱型のオレンジ色の魔法陣が現れました。まるでゲームのセーブポイントみたいですね…………オレンジ色の魔力って事はこれをやったのは陽里先輩?え?陽里先輩ってこんな魔法使えましたっけ!?

 

あっ、誰かこっちに来ま……陽里先輩っ……じゃ無い!?誰ですかこの外国人の少女!?これまた全身白黒で色が無いですけどソアレルイの第二形態の衣装着てますし。手にはロケットランチャー(型の杖)も持ってます。なんなんですかこれ、一体どういう状況なんですか。でも何ででしょうか。どうにも彼女が陽里先輩に重なって見える……。

 

『どうして!?何で回復しないの!?』

 

あ、ソアレルイの衣装の子、この死体の子を見て叫んでますね。もしかして今の魔法って回復系とかだったんでしょうか?でもまあ死んでしまったらそりゃ効かないですよね……。

 

〈ルミナ・ルニの生命反応を確認出来ません。既に死亡しているものと判断します〉

 

んっ、何ですか今の機械的な女性の音声は。ロケットランチャーから聞こえたような……。

 

『そんな……何か……何か救える方法は無いの!?ねえ、ナビ!』

 

〈死亡した人間の蘇生は不可能です〉

 

機械的な音声の返答に、歯を食い縛って必死に涙を堪えるソアレルイの衣装の子。泣き崩れるのかと思ってましたけど意外です。あ、戦闘の最中なんですかね。というかそれならボクも此処に留まってる場合じゃ無いんですけど。あの、ボクも助けてくれませんか?どうやら声も出せないみたいなんですよ。

 

グスッ、ヒック……ごめんね、助けてあげられなかった……』

 

あ、いや待ってください助けてくださいよ!まだボクは生きてるじゃないですか!まさかボクが見えて無いんですか!?ドコに向かっ…………あ、あそこの岩影に誰か倒れてますね。ここからじゃ誰かは良く見えない。でも僅かに見えてる右肩が上下に動いてるからあの人物は生きてるみたいです。

 

『リクペラーレ』

 

ソアレルイの衣装の子、倒れてる人物の所にもさっきと同じオレンジ色の円柱の魔法を使ったみたいですね。何で彼女の魔力だけ色があるんでしょうか。

 

〈治癒効果が阻害されています〉

 

『クッ……』

 

ソアレルイの衣装の子、苦々しい表情してますね。というかやっぱり回復系ですか。それにしても魔法少女相手にこれだけの損害を与えるとなるとやっぱり相手は魔王でしょうか?

 

『せめて貴女だけは……貴女だけは守るからね。…………ナビ、予定通りサポートして』

 

〈警告します。例の封印結界を展開するにはマスターの生命力を全て魔力に変換する必要があります。発動すればマスターは確実に死亡します〉

 

『それでもやるよ』

 

〈了解しました。ソアレルイナビゲーションシステム、魔法補助モード展開〉

 

え?いや、待ってくださいよ。話について行けないんですけど?なんですって?発動したら死ぬってどういう……。

 

『やだ……よ……やめて……』

 

ん?今ソアレルイの衣装の子とは別の誰かの声が聞こえたような?あの倒れてる人物ですかね?女性の声っぽかったですけど。あ、ソアレルイの衣装の子が倒れてる子に近づいてますね。

 

『大丈夫だよ。全部お姉ちゃんに任せて。貴女だけは絶対死なせない』

 

『やだ……死んじゃ……やだ……』

 

うーん、あの倒れてる子の声が小さ過ぎてよく聞こえませんね。会話の流れ的にソアレルイの衣装の子を止めてるんでしょうかね?

 

 

 

『………バリエラッ!!』

 

ビックリしました!?ソアレルイの衣装の子が急に声を張り上げて……ん?倒れてる子を覆うようにオレンジ色の円錐形の魔力が展開されてます。あ……向こうから赤黒い魔力の塊が倒れてる子に向かってくる。

オレンジ色の円錐に弾かれたみたいですね。もしかして防御魔法とかですか?

 

『お前達にはやらせないって…………言ってんでしょうが!!』

 

声を張り上げたソアレルイの子がロケットランチャーで魔力砲を撃ちました。赤黒い魔力が来た方角に飛んで行きますね。遠くで何かが爆発したような音。

 

〈残存通常魔力、10%を切りました。変身が維持できている間に発動する事をお勧めします〉

 

『分かってる』

 

ソアレルイの子が、倒れている子に向かって微笑みました。何か話してるみたいですけど聞き取れませんね。倒れている子はすすり泣いてるみたいですけど……。

 

ソアレルイの子の全身がオレンジ色に光り始めましたね。まるで太陽のような輝き……同時に彼女を中心に半径何百メートルか、高さもどれだけあるか分からないほど巨大なオレンジ色の円柱状の積層型立体魔法陣が……何ですかこれ……。

 

あれっ……見間違いじゃ無ければソアレルイの子の全身にオレンジ色のヒビが入ってるように見えるんですけど……いやいやいやいや!?右手が!?彼女の右手の肘から先が砂みたいに崩れ落ちましたよ!?

 

『クッ……間に合う!?』

 

〈発動まで残り1分30秒。マスターの身体の限界まで残り2分、誤差0.3%です〉

 

『上出来!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……ハッ!?

あっ、あれっ?

夢だったんですか。それにしても全く何て夢なんですかあれ。我ながら酷い……にしても何であんな夢を……って何か視界が肌色な……それにスベスベぷにぷにで温かい……ボクは一体何を枕にして寝て……あ、これ太股ですかね?もしかしてもしかして膝枕なのでは?

 

うつ伏せ状態から仰向け状態に体勢を変えてっと。

 

うわっ!?!?陽里先輩の!陽里先輩の顔が目の前に!?

陽里先輩、寝てるみたいですね。ベッドに寄りかかってアヒル座りの体勢でボクに膝枕しつつ頭を下げて船を漕いでます。ひょっとして今のボク、人生最高の瞬間なのでは?もっ、もう少し陽里先輩の太股を堪能しましょうそうしましょう。再度うつ伏せになって陽里先輩の太股に顔を埋めて……クンカクンカ、スーハースーハー、クンカクンカ、スーハースーハー………………ふぅ。

 

陽里先輩、まだ起きて無いですよね?

よっ、よし。大丈夫です。ボクは前回陽里先輩に膝枕しましたし、今はボクが膝枕されてます。つまりこれはもう付き合ってるのと同義。つまり陽里先輩が眠っている間にキスをしても何の問題もありません。

仰向けに体勢を戻して。ちょっと、ほんのちょっと頭を上げれば陽里先輩の唇に届きます。あっそうだ、記念に画像も押さえましょう。カフス型カメラは確か……ありましたありました。

 

よし、準備オーケーです。ではでは。ボクの中の予定より少しだけ早まりましたけど、陽里先輩のファーストキスいただきます。ん~~~~……………。

 

 

 

 

 

『陽里!月子!大変ぴょん!!大至急来てくれぴょん!一大事だぴょん!!』

 

うわビックリしました!!こんな時に何ですか!

 

「…………んあ?……ふぁぁぁぁあ……あれ?ワタシ寝てた……?」

 

あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!キスする前に陽里先輩が起きちゃったじゃないですか!!折角のチャンスだったのに!!イプレ許すまじ!!

 

「月ちゃん、おはよう。良く眠れた?」

 

「はい!良く眠れました!!」

 

ああ~~起き抜けの陽里先輩の微笑み、プライスレス。最高の眺めですね!

 

「それでイプレ、どうかした?」

 

『二人とも寝てたぴょん!?陽里、そんな場合じゃ無いぴょん!ボク(だけ)が(個人的に)ヤバいぴょん!早く来て欲しいぴょん!』

 

陽里先輩との甘い時間を邪魔してくれた分際でうるさいですよ、イプレ。

 

「緊急事態みたいだね。月ちゃん、寝起きで悪いけどイプレの所へ急ごうか」

 

「陽里先輩が言うなら勿論従いますよ」

 

陽里先輩の優しさに感謝してくださいよ、本当なら制裁ものなんですからね。

 

とはいえ急いだ方が良さそうです。それじゃ変身してパパッと……変身、ですか。どうにも夢のあの魔法が気になりますね。

 

「あの、陽里先輩。ちょっと試したい事があるんですけど」

 

「試したい事?」

 

「はい。先ずは変身してください」

 

根拠がボクの夢、なんて荒唐無稽だとは思いますけど。でも試さないといけない気がするんですよね。

 

「まあいいけど……『トランスフォールマ』」

 

陽里先輩がソアレルイの第一形態に変身。衣装の左肩部分だけをあえて出してもらって。

 

「それで肩が治るイメージで『リクペラーレ』って唱えてもらえますか?」

 

「??……うん、わかった。『リクペラーレ』………………ッ!!」

 

陽里先輩の詠唱?に合わせて、夢と同じようにオレンジ色の円柱が陽里先輩を中心に現れました。先輩の左肩の痛々しい傷がみるみる治っていきます。

妙な気分です。どうやら只の夢じゃ無かったみたいですね。

 

「えっ!?あの、月ちゃん、これは?」

 

「後で説明します。とりあえずイプレの所に急ぎましょう」

 




陽里はリクペラーレ(回復)の魔法を覚えた!

少しずつ雲行きが怪しくなっていく。


イプレは勿論
第二王女『早く陽里様と月子様呼んでください』 
イプレ『ヒエッ』
状態です。
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