私コレ絶対主人公の相棒ポジションだよね?   作:アイリスさん

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028 実は某忍は遠慮した表現ぴょん(全年齢版ある的意味で)、ホントはコッチぴょん

 

「……お姉ちゃん」

 

「大丈夫だよ。なんとかな……いや、きっとなんとかするから」

 

翌日、放課後。

夕日に染まる中を、「……でも」って不安そうにしてる司彩ちゃんの頭を撫でつつ歩く。

ワタシ達が向かっているのは佳織の家。佳織と月ちゃんに事の次第を話さなきゃいけない。イプレの処遇についてもね。最悪の場合は妖精界と全面戦争なんだけど、その場合はイプレには犠牲になってもらうとして……まぁそうじゃ無くても痛い目はみてもらうんだけどね。

 

さて、着いたか。

扉の少し手前、司彩ちゃんがドアスコープカメラに映らない位置で立ち止まる。

月ちゃんには先に入っててもらう事になってるから、部屋の中には佳織、月ちゃん、イプレが揃ってる筈。

 

「先に入って仕込みをしてくる。ワタシが呼ぶまで此処で待っててね」

 

司彩ちゃん、やっぱりまだ不安そうだな……もう少しゆっくり歩いて時間を稼いでも良かったのかも。

 

「……あのね、お姉ちゃん。月子とは今よりちょっとだけ距離を空けた方が良いと思うの。具体的には30センチくらい」

 

あれぇ?何でそこで唐突に月ちゃんが出てきたの?

 

「月子ってばね、今朝『な~んで司彩の顔から陽里先輩のオッ◯イの匂いがするんですかねぇ(怒)』って言ってたんだよ?ちょっと危なくない?」

 

あぁ、そっか。多分ワタシが緊張してガチガチにならないように冗談言ってくれてるのか。でもこの場に居ない月ちゃんを悪く言うのはちょっといただけないよ?まぁ他の人を気遣えないくらい司彩ちゃんも一杯一杯なのかも知れないけど。

 

「気持ちは嬉しいけど。居ない人を悪く言うのは善くないよ?」

 

司彩ちゃんの頭を撫でてあげると「そうじゃ……なくて…………」って段々声が小さくなっていって「ごめん……なさい」って謝ってくれた。うんうん、素直でヨロシイ。ヨシッ(現場猫並感)。

 

「じゃあ先に行ってるね」

 

「うん。色んな意味で気を付けて、お姉ちゃん」

 

……何かボソッと聞こえたような気がするけどまあいいか。

 

数歩進んで扉の前に進んだワタシは、そのままインターホンを押した。

 

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆

 

 

 

部屋へと入ったワタシは、佳織にそのままリビングへと通される。佳織は人数分の珈琲を淹れにキッチンへ。月ちゃんとイプレは……うん、ちゃんと居るね。

 

『遅かったぴょんね』

 

「陽里先輩、お疲れ様です」

 

月ちゃんは椅子に座ってテーブルに身体を投げ出してリラックスしてて。イプレはフローリングの床に直に座ってる。

座ってて動かないなら好都合か。

間髪入れず。ワタシはショルダーバッグ(まぁ安物だけど)からソアレルイのカード型デバイスを取り出して、イプレへと向けて。一言だけ発した。

 

「ナビ」

 

瞬間。〈魔力封鎖結界展開〉っていう機械的な声と共に、オレンジ色の円柱がイプレを閉じ込めるように出現した。良かった、上手く使えた。

 

『は?ちょっ、これ何だぴょん!?』

 

イプレは無駄な抵抗でドンドンっと円柱を中から叩いたりしてるけど、一向に脱出できる気配は無い。閉じ込めたんだからそりゃそうなんだけどね。

 

「え?先輩、今のは……?」

 

月ちゃんも困惑してるね。まあでも説明は後。司彩ちゃんも待たせてるし、イプレの件が先かな。イプレの正面へと移動、と。

 

「月ちゃん、後で説明するからちょっとだけ待ってて。さて、イプレ」

 

『何で閉じ込めたぴょん!?ボクが何したっていう……まさかあの時のがバレたぴょん?いや、それともあの時のアレが……?…………あっヤッベェ…………こっ、心当たりなんてボクには無いぴょん!!』

 

ほーう。それについては後でちゃんと追求するとして、今は。

 

「イプレ、その結界はね、嘘発見器なんだよ」

 

勿論嘘だけど。本当はあらゆる魔力を遮断する結界魔法。

 

『嘘……発見器ぴょん?』

 

「いい?今からワタシの質問に全て『いいえ』で答えてみて」

 

『……分かったぴょん』

 

さてと、先ずは無難な所からいこうかな。

 

「じゃあ最初の質問ね。イプレは妖精国王子でJCが好きなロリコンである」

 

『はぁ?とりあえずイイエだぴょ……あばばbbbbbb!?』

 

イプレの身体に死なない程度の電流が流れる。仕掛けは簡単なんだよね。ほら、先日の蜂。オリエントスズメバチっていうらしいんだけど。発電能力があるみたい。ヴィエティの魔法でその威力を上げてるんだ。結界内に一緒に入ってもらって、イプレに張り付いてもらって任意で電流を放出してもらってるんだ。

 

「次の質問ね。イプレは日本のサブカルが好きである」

 

『ちょっ!?まだやるぴょん!?イ、イイエ……おぶぇ!?くぁwせdrftgyふじこlp!?!?………………ちょっ、ちょっと待つぴょん!?何でボクこんな目に遭ってるぴょん!?』

 

何で、って。決まってる。真相を知る為。って、佳織が戻って来た。イプレが変な声出してるからだね。

 

「今イプレが何か変な声を出してなかったか?」

 

『佳織!助けてぴょん!ボクは今嘘発見器という名の拷問にかけられてるぴょん!』

 

「お前という奴は……また芦田にセクハラでもしたのか?」

 

『ちょっ!?違うぴょん!今日はまだしてないぴょん!…………アレ?電流流れないぴょん?これマジで嘘発見器ぴょん?』

 

よしよし、上手く信じてくれたみたいだね。じゃあここからが本題だね。

 

「じゃあイプレ、続けてワタシの質問に『いいえ』で答えてね。『イプレ達妖精はワタシや月ちゃんを騙して魔法少女同士で戦わせて弱らせて拘束して奴隷にするつもりである』」

 

『は?そんなのイイエに決まってるぴょ……あばばbbbbbb!?』

 

蜂には電流を流してもらう。当たり前だけど「なんだと?」「はい?」って佳織と月ちゃんの表情が途端に険しくなった。

 

『ちょっ、ちょっと待つぴょん!おかしいぴょん!今のは嘘じゃないぴょん!』

 

「はいはい。じゃあ次だよイプレ。『イプレ達妖精の真の目的は邪魔なワタシ達やヴィエティを排除して人間界を侵略する事である』」

 

『だからそんなのイイエだぴょ…あばbbbbbb!?……ぼんど……あばbbbbbb嘘じゃあばbbbbbb』

 

…………うーん、やっぱり少なくともイプレはシロっぽいかな。嘘言ってる感じではないし。

ま、イプレの今までのセクハラへの罰はこのくらいにしとくか。そろそろ本題に入らないと月ちゃん達が爆発しそうだし。

 

「イプレ……お前……陽里先輩を騙してたんですか……」

 

おっとちょっと本格的に月ちゃんの雰囲気が不味い。握った両拳がプルプルいってる。

 

「待って月ちゃん。少なくともイプレは侵略には加担してないと思うよ。デメリットも大きいし」

 

「待て芦田、どういう事なのか説明してくれ」って佳織が反応する。

それじゃネタばらしといきますか。いい加減司彩ちゃんも中に入れてあげたいし。

 

「じゃあ先ず。ワタシが展開したその結界、嘘発見器じゃ無いんだ」

 

『だから言ったびょん!ボクは嘘なんてついてないぴょん!大体人間界に侵略なんてしたら日本のサブカル全滅しちゃうぴょん!まだ来てない魔法少女にあ●がれてとお兄ちゃんは●しまいのアニメ2期が見れなくなるぴょん!あと不徳のギ●ドも!わんだふる●りきゅあ!もまだ最終回来てないしエロゲの9-ni●e-のアニメ化も地味に楽しみにしてるぴょん!それに魔法つかいプリ●ュアの続編もだぴょん!侵略なんて考えてる奴が居たら助走付けて殴ってやるぴょん!(早口)』

 

うわぁ……。

ほら、佳織も月ちゃんも若干気を削がれてイプレに引いてるよ。コイツほんと……でもやっぱりそうだよね。だからこそイプレだけかも知れないけどコイツはシロ。

 

「じゃあ陽里先輩、何で今みたいな事をしたんですか?それにさっきの機械音声って」

 

月ちゃんの質問に答えるように、ワタシよりも先にデバイスが口を出す。どうもナビごとに個性でも付いてるみたい。

 

〈はじめまして月子様、それと佳織様。対異次元生物決戦兵装・魔法少女システムプロトタイプ・ルミナシリーズ第一号機ルミナ・ソアレルイ、その自立型ナビゲーションシステムです。どうぞ今まで通りソアちゃん、とお呼びください〉

 

「いや、呼んでないでしょ。そもそも初会話だよ。ナビ、真面目な話なんだからちゃんとやって」

 

〈失礼致しましたマスターアカリン〉

 

「いやだからさぁ!」

 

イプレだけでもツッコミ一杯一杯なのに何でボケが増えるかなぁ!?どういうプログラム組んだの製作者!いや、もしかしてナビがどっかから学習……いやいや、もう後にしよう。

 

「そのカードってやっぱり喋るんですか……あの夢と同じ……でも何で急に……」

 

『きっとDDDドキドキダイ●モでエネルギーが補充されたんだぴょん!!」

 

月ちゃんの疑問に答えるべく喋り始めようとしたワタシよりも早く、イプレがそう叫んだ。お前ってヤツはもうさぁ!!

 

「あの……陽里先輩?ドキドキダイ●モって何ですか?」

 

「ちょっとイプレ!エスカ●イヤーは一切関係無いよ!月ちゃん達も居るんだからいい加減18禁から離れてよ!」

 

『あれれぇ〜、おっかしいぴょ〜ん?何で18禁のエスカレ●ヤーを陽里が知ってるんだぴょ〜ん?因みにDDDはドキドキする事によってエネルギーが溜まるぴょん。具体的には性的昂奮ぴょん』

 

コイツッ!!ホントシメてやろうか!?ああっ月ちゃんが「性的……昂奮……つまりあの匂いは……」って考え込んじゃった!?ちょっと待って月ちゃん!何を勘違いしてるのか分からないけど違う!違うからね!?

………なんて頭に血が上ったワタシの背後から「お姉ちゃん、やっぱりソイツ殺そうよ」って声が。ヤッバ、オリエントスズメバチを通して司彩ちゃんも会話聞いてたんだった。

 

突然現れた部外者の筈の司彩ちゃんに、月ちゃんも佳織も再度困惑して……いや、佳織は察したみたい。あと月ちゃんは何か司彩ちゃんを睨んでるけど……。

 

「二人とも。説明してくれるな?」

 

「はい、先生。…………お姉ちゃん」

 

「ゆっくりでいいからね、司彩ちゃん」

 

そうして。遡る事約2千年前。1世紀初頭に何があったのか、司彩ちゃんは静かに語り始めた。

 

 




かなり間が空いてしまい申し訳ありません。どうにか生存してました。

過去の話まで行きたかったのですが、キリが良いので今話はここまで。次回は司彩さんの過去語り。

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