私コレ絶対主人公の相棒ポジションだよね?   作:アイリスさん

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031 もしかしてボク戻ってくるまでアニメ見れないぴょん……?

「芦田。一先ずそこに座れ」

 

一呼吸置いて落ち着いた(ように見える)佳織から威圧感と共に放たれた有無を言わせない言葉に、ワタシは思わずその場に正座。表情抜け落ちてるから分からないけど、もしかして怒ってらっしゃる……?

 

「いいか芦田。私の質問に正直に答えろ。お前なら簡単に答えられる筈だ」

 

「アッハイ」

 

「塁のノートパソコンのデスクトップ画面にある仕事関連のファイルの中に、稟議書no4というのがあっただろう。その中に『その他2』というファイルがあった筈だ」

 

ワタシの口から思わず「ヒェッ」という言葉が漏れる。背中に冷や汗が流れる。そのファイルは駄目でしょ、てか何で佳織が知ってるのホント勘弁して下さい何でもしますから。

 

「そのファイルの中に何が入ってたか答えろ」

 

「いや、それはちょっと……」

 

月ちゃんと司彩ちゃんを交互にチラッと見て、佳織に視線を戻す。え?2人の前で白状しなきゃ駄目?

 

「お前が塁なら答えられるだろう?」

 

いや、そういう問題じゃ無くて……アッ駄目みたいですね。仕方ない、言うか……ううっ、恥ずかし過ぎる……。

 

「中身は……サノ●ウィッチと……ハミダシク●エイティブと……nin●と……RIDDLE J●KER……です」

 

遊んでたエロゲ自白させられるとか……何この公開処刑……もういっそ殺して……コロシテ……。

 

「成る程、本当に塁らしいな」

 

「いや前世とはいえ記憶は今のワタシに持ち越してるわけで……もっと穏便な確認方法とかあったでしょ……」

 

「こんなくだらん且つ恥ずかしい内容知ってるのは本人以外あり得んだろうからな」

 

いやそうかも知れないけど!今のワタシ女子中学生なんだけど!しかも慕ってくれてる後輩2人が目の前なんだけど!尊厳!ワタシの尊厳は!?『エロゲぴょん!陽里が真に同志だったと分かって感動ぴょん!』じゃないイプレその口閉じろ!ほら、月ちゃんも司彩ちゃんも「……えろげ?」ってポカンとして停止してるじゃん!

 

「説明しろ、塁」

 

「あー、えっとぉ」

 

塁として死んだら13年?くらい時間遡って陽里として生まれ変わってたんだよ理由は分かんないし記憶も戻ったの半年前だけど……ってワタシの説明にナビが〈ルテルが魂の力を過剰に使い過ぎて死亡した事により転生にバグが生じたものと推測されます〉って補足してくれた。あー、バグかぁ。佳織と同じ時代に生まれ変われたのは良かったけどさぁ…………。

 

「何故言わなかった」

 

「いや、だって信じてもらえないと思って。死んでから時間経ってないのにいきなり中学生が「ワタシは雲川塁の生まれ変わりです」って、ワタシだったら絶対信じないし」

 

「それも……そうか」

 

うん、そうだよ。こうして状況が整った今だから信じてもらえるけど、そうじゃなきゃ新手の詐欺か何かにしか思えないもんね。

 

「うん、黙っててごめん、()()

 

「いや、いい」

 

うんうん。ワタシのやってたエロゲ暴露っていう致命傷は受けたけど何とか話も上手いこといって良かった。よしそれじゃ司彩ちゃんと妖精国についての話の続きを……。

 

「それと、塁はどうだったんだ?まさか私にだけ告白させておいて自分だけ言わずに逃げようとか思ってないよな?」

 

やっぱり逃げられなかっ…………いや待てよ?ココでワタシが「ワタシも好き」って言えば両思いだからカップル成立なのでは?あれ?これワタシ勝った?勝っちゃった?エヘヘ、そっかー、両思いだもんねー、仕方ないよねー。

 

「ワタ……ワタシも……ずっとす……好き……だった……よ……」

 

ちょっとドモったけど言えた!何故か視界の端の月ちゃんの表情にヒビが入ったような気がするけど、これで晴れてカップル成立……!

 

「はぁ。やれやれ。前世で生きている時に言ってもらいたかったな。にしても前世の記憶が戻っても口調のベースは芦田の方なんだな」

 

アレッ……佳織、なにその発言。なんか不穏な雰囲気が……。

 

「あの……佳織?」

 

「勘違いしないように言っておくが。私が好きだったのはお前の前世の男の塁だからな。今の芦田陽里としてのお前には当たり前だが恋愛感情は無いからな?教師が生徒に手を出すなんて犯罪以外の何物でも無いし当然だろう」

 

あ……え……?あーっ、勝ち確からまさかのフラれたぁ!?そんなぁ!!前世のワタシの馬鹿馬鹿!!ホントに何で告白しとかなかったんだぁ!!

 

「……なんだその反応は。もしかして芦田陽里としてのお前も恋愛対象は同性だったりするのか?」

 

ア"ーッ、しかも態度に出てた!?目的と別の所でまた瀕死のダメージ……今日は厄日だ……クッ殺せッ……。

 

「いやまぁ、うん。あっ、でも同性を邪な目で見たりとかは誓ってしてないからね!別に着替えとか見ても興奮とかしないし!それに中学生とか子供だし恋愛対象にならないから!」

 

「それは別に言わなくても信頼してるが……」

 

なんか視界の端に何故か表情のヒビが拡がってるっぽい月ちゃんと『侮辱ぴょん!中学生はストライクゾーンだから大人ぴょん!』とかほざいてるイプレが映ってるけどまあ置いておこう。

 

「ワタシの事よりさ、今は司彩ちゃんの事だよ」

 

「それもそうだな。それと芦田、タメ口は周りに私達以外居ない時だけにしておけよ?」

 

おっとそうだよね。口調は気を付けないと。

それはそうと司彩ちゃんだよね。ただ妖精国と和解して和平を結ぶ、じゃ絶対駄目だし。

 

っと、司彩ちゃんがイプレを睨んで「王族、お前は探りに戻れ」って言い放った。気持ちは分かるけど落ち着いて。

 

()()()、気持ちは分かるけど言い方」

 

「……ごめんなさい、お姉ちゃん」

 

イプレには妖精国に確かめに行ってもらわないといけない。王族含めた現在生きてる妖精全員が嘘の歴史を教えられてるのか、それとも他の王族は真実を知っててイプレだけ蚊帳の外にされてるのか。それによっても事情は大きく変わってくる。

 

もしもイプレだけ真実を教えてもらえず蚊帳の外にされてるんだとしたら、さっきした質問の通り妖精国はワタシ達を同士討ちさせて弱体化させて……って可能性も否定出来なくなる。

何せ不定期ながら妖精国は過去何度も人間界を侵略してるみたいだからね。それに今は妖精界と人間界は安定して繋がってるから……。ワタシ達魔法少女以外では妖精側に太刀打ち出来ない。魔力を帯びた攻撃じゃないと妖精達の兵器や武装にはダメージが通らない。たとえ核兵器でも……というのがナビの見解だからね。

 

 

 

 

 

「……ってわけだから。バレないように探って来てね」

 

『陽里!?ちょっ、待つぴょん!?責任重大過ぎるぴょん!それに仮にボクだけ騙されてたとしたら……つまり黒幕はトアって事になるぴょん!?妹がそんな事するようには見えな…………』

 

「でもイプレの話だと今回の件で最も得をして権力を得たのってトア様だよね?それにイプレが騙されてなければ何の問題も無いんだし。その確認だから」

 

『うむむぅ……ぴょん。わかったぴょん。けど上手くいったらボクも何か成功報酬が欲しいぴょん……そうだぴょん!さっき言ってたエロゲを譲って欲しいぴょん!魔法でアレコレした違●ダウンロード版よりやっぱり正規版やってみたいぴょん』

 

ちょっと待ってその話蒸し返すのやめてよホント!まあでも仕方ないか……。いやでもどうやって前世のワタシのパソコン持ってくるの?まぁ後で考えよう。

 

『陽里がおっ●い触らせてくれるでもいいぴょん』

 

「あ"?」

 

『何でもないぴょん……』

 

後は……「攻撃して被害が出ている以上、和平では駄目だろうな。結ぶなら停戦条約だろう」って佳織。

だよねぇ。仮に今の世代の妖精側に何の非も無かったら、司彩ちゃんは只の侵略者だからね。和平じゃ『侵略者の身柄を引き渡せ』ってなるかもだし。ワタシとしては償いは別の形で考えて司彩ちゃんの身は守りたいしなぁ。結果として悪徳王子達の排除には一応貢献してるみたいだし……。政治的取引とか上手く出来ないかなぁ。

 

「……そうですね。ボクの祖父に話をしてみましょうか?」

 

あっ、月ちゃんが漸く再起動したみたい…………いやそうか。月ちゃんのお祖父さんって政府の重鎮じゃん。魔法っていう力を取引材料にすれば国も動いてくれるかも。でも。

 

「でも月ちゃん、良いの?月ちゃんが魔法少女やってるのもバレない?」

 

「平気ですよ陽里先輩。(陽里先輩の為なら)ボクの使えるモノは使わないと。それによく考えたらちょっと希望も湧いてきましたし陽里先輩は恋愛対象女性って事ですしね予定も大幅に短縮出来るかも知れませんしグェヘヘヘ

 

「ん?希望?」

 

「いえ、こっちの事です」

 

なんか最後らへんはボソボソってよく聞こえなかったけど、月ちゃんがそう言うんならいいか。それならその辺は月ちゃんに頼むとして……ああでもイプレが事実確認するまで少しだけ待ってもらった方がいいかな?後は……。

 

「司彩ちゃん、妖精界の侵略は暫く停止のまま。それとワタシ達がいいって言うまでヴィエティとして活動するのは禁止ね」

 

「……うん、分かった」

 

よし。それじゃイプレを結界から解放して妖精界に向かってもらおっか。

 

これで万事解決してくれればいいんだけど。

 




イプレ『『メタル●ア……!』って慄くボクの発言カットされたぴょん!』



次回は(多分)妖精界サイド。
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