私コレ絶対主人公の相棒ポジションだよね?   作:アイリスさん

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07 ボクに発言権は無いのかぴょん!?

…………。

ふぁ~あ。まだ眠いなぁ。何だか凄く良い匂いに包まれてる……ワタシの好きな匂い……もう少し寝てたい……おやすみなさ~い……。

 

「───、───、───」

 

もう、うるさいなぁ。ワタシまだ眠いんだってば。ゆっくり寝かせてよ。

 

ちょっと、寒いよ。布団取らないでよ、人が折角気持ち良く寝てるのに。小さく丸まれば少しは温か……駄目だ寒いや。分かったよ、起きる、起きるから。もう~、まだ眠いのに………………んん?布団剥いでワタシを起こしてくれるような人なんて居ない筈だよね?待って一体何が起きてる…………あ…………。

 

「やっと起きたか。芦田、寝惚けるのもその辺にしておけ」

 

「あ……かっ……先生、おはようございます?」

 

そっ、そそそそうだった。昨日は佳織の家にお泊まりしたんだった。ワタシ車の中で寝ちゃってて、佳織の家に着くなり眠気マナコのまま無理矢理お風呂に放り込まれて、そのままベッドに押し込まれたんだった。アレ?って事はこのベッドって佳織の……ああそっかだから凄く良い匂いがしてああもう少し嗅いでいたい……じゃないやそれもあるけどあああああ折角佳織と一緒にお風呂入ったのにせめて佳織の裸くらい目に焼き付けておけば良かった何で睡魔に負けて何も覚えて無いのワタシの馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿ぁ!

 

「大体の事はあのちっこいのに聞いた。お前に言いたい事は幾つかあるが……まだ寝惚けているようだし放課後にしておこう」

 

そっかぁ。イプレに聞いたのか。うぅ、お説教は放課後まで先延ばしって事か。昔から佳織って怒ってる事は時間を置いても怒りが冷めないんだよなぁ。前世じゃよくワタシが折れて謝ってたもんね。ま、そういう時は大体ワタシが悪かったけどさ。

はぁ、憂鬱だなぁ。

 

グゥゥゥ~。

 

ワタシの腹の虫が鳴った。こんな時でもお腹は空くんだね。

 

「あの~先生?牛乳とかでいいのでお腹に入れときたいなーって」

 

「やれやれ。朝飯くらい食わしてやるからさっさと顔を洗ってこい」

 

「あ、あははは……ありがとうございます」

 

言われてワタシはベッドから降りた。

ワタシの格好は上は全くサイズの合ってないダボダボの黒のトレーナー、下は下着だけだけどトレーナーが大きいせいで下着は見えない筈。っていうかさ、コレ前世のワタシ(♂)が忘れていったトレーナーだ。まだ持ってたんだ……。

実際コレ着ると前世のワタシって大きかったというか、今世のワタシが小さいというか。これでもクラスでは大きいほうなんだけどね。

あ、見方によっては彼シャツみたいに見えるなコレ。シャツじゃ無いけど。でもそれだとワタシがネコで佳織がタチ?いやいやいや、ワタシがタチ……いやでもそれは前世の感覚だから今だとどうなんだろ。前世の記憶が戻ったって言っても自我は陽里のままだからなぁ。女性が好きっていうのは前世に引っ張られたっぽいけどそれは産まれた時からだし。

 

それはそれとして朝ご飯か。佳織、料理少しは出来るようになったのかな?

佳織って料理得意じゃなかったからね。たまに作りに来てあげてたんだよね。佳織ってば放っておくと冷蔵庫の中がコンビニの惣菜とか酒のつまみとかばっかりになってたからね。別に特に男女の仲は進展とかしなかったよ。本当に幼馴染みの友達のよしみ、って感じで。

 

よーし、それじゃ顔洗ってこよう。それで佳織の料理の上達具合のお手並み拝見だね。

 

 

 

………………。

やっぱり上達してなかったよ……。

椅子に座ったワタシとイプレの目の前のテーブルの上に置かれた朝食は、トーストにピーナッツバター。佳織は珈琲でワタシとイプレはホットミルク。進歩してないじゃん。

辛うじてホットミルクになってるぶんだけ上達してるって言えるのかなコレ。昔は確か冷蔵庫から出した牛乳そのままだった記憶が。

いやいや、まだ分からない。朝食は軽いメニューじゃないと食べられないって人も居るしね。あ、因みにワタシが前世♂だった時にご飯味噌汁玉子焼き焼き魚にお浸しって定番朝食作ってあげた時は佳織もフツーに平らげてたけどね!

あ、因みにイプレ用の今日のお昼はカレーコロッケにする予定だったよ。ワタシのお弁当にも入れようと思ってたけど今日は作ってる暇は無いよね。

 

「どうした芦田?遠慮は要らんぞ?」

 

「あ、はい。いただきます」

 

イプレとかトーストをジーっと見つめて止まってるし。まーそーだよねぇ。ワタシみたいな中学生が朝食ちゃんと作ってたのを見てるし。思う所もあるよね、うん。

 

「そうだイプレ。お前は今日からウチに住め。芦田が着けているヘアピンがあればやり取りは出来るんだろう?お前は分かっていないだろうが芦田は苦学生なんだ。不要な負担は掛けるな」

 

『いやでもそれだと咄嗟の時に動けない可能性があるぴょん』

 

イプレはそう言ってるけどさ、既に学校行ってる間とか別行動してるんだよね。なーんかさ、ワタシ(JC)の傍に居たいだけなんじゃないかな。それか食事の心配とか。

にしてもこうやって見てると佳織もちゃんと先生やってるんだね。生徒(ワタシ)の心配してくれてるし。……はぁ、これが生徒の為とかじゃなくてワタシ個人(意味深)の為、とかだったらなぁ。

 

「芦田を無理矢理戦いに巻き込んだだけでは飽き足らず生活まで寄生するつもりか?おい、お前歳はいくつだ?」

 

『42だぴょん』

 

なーんて考えてたら衝撃の事実!?イプレってばオッサンじゃん!身の……身の危険を感じるっ!

 

「あー、えーっと。イプレ、さん?ワタシと話す時はちょっと距離空けてもらって良いですか?ほら、ソーシャルディスタンス、ってヤツ」

 

『なんで敬語ぴょん!?陽里まで酷いぴょん!違うぴょん!妖精は人間の寿命の倍!だからボクは人間でいえば大学生か新卒社会人くらいのピチピチぴょん!』

 

どっちにしてもアウトだよ!!つまりイプレはJC好きの■リコン……いや言動から分かってたけどさぁ!姿形が人形みたいだったからまだヘーキだったのに実年齢とか知っちゃうと、ねぇ?

 

『妖精世界は人間みたいに実際年齢にそこまで拘りは無いぴょん!』

 

つまり妖精世界ではJCに手を出したりしてもOKって事ですねわかります。いや、イプレを信じたいのはやまやまなんだけどさ、前例(ソアレルイスレ)の件とかがあるからなぁ。

 

「……貴様やはりウチに住め。そんな奴を女子中学生の一人暮らしの部屋には置けん。まあ、ウチでも昼飯くらいは準備しておいてやる」

 

そう言って佳織はキッチンの戸棚に手を伸ばした。相変わらず男前だなぁ。そんなだから同性にもモテるんだよ。ま、ワタシも今は同性なんだけど。

佳織が取り出したのはカップ麺。あー……やっぱり料理は苦手なままか。これは苦笑いだね。ワタシ前世♂の時は週2~3くらいでご飯作ってあげてたけどソレが良くなかったのかなぁ。

 

『カップラーメン!?嫌ぴょん』

 

「なんだと?ならうどんか?焼きそばもあるが?」

 

『全部カップ麺じゃねーかぴょん!麺の種類の問題じゃないぴょん!陽里は手作りだったぴょん!昨日はおにぎりと唐揚げとマカロニサラダだったぴょん!』

 

イプレが必死に抵抗してるね。まあでも佳織の所に居候は決定だよねこの流れでは。ワタシとしても身の危険を回避でき……ん?待てよ?これは佳織とお近づきになるチャンスなのでは?

 

「先生、ちょっと提案なんですけど。週に何日かワタシが料理をしに先生の家に通うっていうのはどうですか?ほら、ワタシの高校になって居候するかどうか、って話もそれを見て検討するって事で」

 

我ながら素晴らしいアイデアだよ!これで合法的に佳織と定期的に会える!それからそれをキッカケに徐々に親密になっていってエヘヘヘ…………は?前世♂の時もそれで進展しなかったヘタレ?アーアー聞こえない聞こえないー。

 

「そうだな……私としては有り難いが芦田の負担にはならないか?」

 

「大丈夫です!イプレの面倒見てくれるだけでも凄く助かりますから!」

 

『陽里が辛辣ぴょん!?』

 

これで決まりだね。ワタシは佳織と定期的に会えるしイプレの面倒丸投げ、佳織はちゃんとしたご飯が食べられる、誰も損しないwin-winだね!

 

『ボクが損するぴょん!お昼ご飯カップ麺はもう決まりぴょん!?』

 

お?もしかして心を読まれた?

 

それからもう1つ。ワタシがデーモンと戦う時は事前に佳織に連絡を入れる事を約束させられた。佳織が戦えるわけじゃ無いけどさ、自分が全く知らない所でワタシが危険になってるのは我慢ならないみたい。それに今回みたいな場合もあるかもだから、戦闘が終わった頃に迎えに来てくれるって。エヘヘ、ちょっと嬉しいなぁ。

 

あ、シャワー借りよっと。

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

 

おかしいですね。待っても待っても陽里先輩の姿が見えない。いつもならとっくに登校してる時間の筈なんですが……そろそろボクも行かないと遅刻になっちゃいますね。流石に伊集院家の娘であるボクが遅刻するわけにはいきませんし。でもまだ陽里先輩が……ハッ!?まさか陽里先輩、今日は体調不良で休み!?なっ、ななななんて事ですか!どうして気が付かなかったんですか、ボクの馬鹿馬鹿っ!それなら善は急げです。陽里先輩の看病を理由に今日は学校を休みましょう。それで汗をかいた陽里先輩の体を拭いてあげなくては!隅から隅まで!そう!あんな所やこんな所まで!グエヘヘヘ。

 

そうと決まったら……って、陽里先輩来ました!!!元気そうですね。陽里先輩にしては珍しいですが偶々寝過ごしたとかでしょうか?まあ病気とかじゃなくて良かったです……いやまあ陽里先輩の体を堪能出来ないのは非ッッッ常に残念ですけど。

 

「あれ?月ちゃん?」

 

「おはようございます陽里先輩!」

 

陽里先輩、なんで吃驚してるんでしょうか?

ああ、そうか。こんな時間までボクが此処に居るのが不思議なんですね。流石に「ずっと陽里先輩を待ってました」って言うわけにもいきませんし……そうですね、適当な理由を言っておきましょうか。

 

「今日はちょっと寝坊しちゃいまして。ボクと同じくらいなんて陽里先輩も何かあったんですか?」

 

「アハハハ……ワタシは昨日ちょっと夜更かししちゃってね。起きるのギリギリになっちゃってさ」

 

また嘘、ですか。流石にこれだけ立て続けだと……いや、待ってください。これはおかしいですね?陽里先輩の髪から普段とは違う匂いがしますね。これは陽里先輩の使ってるシャンプーの匂いでは無い……?まさか……。

 

「陽里先輩、今日は髪から良い匂いがしますね」

 

「えっ!?あっ……ああ!そうそう!眠気を取るのに朝シャワー浴びたから普段より強く匂うんじゃないかな?」

 

待って、待ってください!今明らかに誤魔化しましたよね!?怪しい、怪し過ぎますよ!これはまさか、本当に男なんじゃ……不味い不味い不味い不味い!陽里先輩がどこの馬の骨とも知らないようなヤツに!?絶対に、絶対に許してはならない!最早一刻の猶予もありませんッ!今日から暫く陽里先輩にぴったり付いて尾行して相手の正体を確かめないと!ボクの陽里先輩に手を出すようなヤツ、死刑に値します。絶対許しませんからね!それで陽里先輩をボクだけの手に取り戻します!

 




明けましておめでとうございます。

12月はやっぱり忙しかった。
今月からまた月1~2回投稿できると思います。
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