カリナお嬢様は貴重な回復役でとてもお世話になってます。
まあそんな訳で彼女と女騎士の小話を作ってみました。
ガデテルのss増えろ増えろ…挿絵はシュレ猫さん https://twitter.com/mizking317 に描いていただきました!
夜の帳が下りた浮遊城、1人の亜麻色髮の女性が歩いている。
彼女はこの浮遊城の主たる小さなお姫様を守護する誉れ高い騎士であり、周りからも名前ではなく騎士様と呼ばれている。
今日はもうオフなのかいつもの甲冑姿ではなくギャンべゾンと些かラフな格好だ。
眠りにつくため浮遊城の旅館へと向かっていく女騎士の後ろを怪しい人物がついてくる。
ふと気配を感じたのか女騎士が振り向くも、そこには夜の浮遊城を散歩をしたり、施設に出入りしている他の英雄達で特に怪しい様子はない、女騎士はしばらく考え込んだのち、再び旅館へ向かおうと歩みを進めたその時、すぐ近くの木陰から誰かが飛び出してきた。
「隙ありですわ!」
突如木陰から現れた人物は女騎士に飛びつくとそのまま両腕を押さえてマウントポジションをとる。
紺を基調とした華やかなドレス、紫の長髪に真紅の瞳、麗しい見た目は男女問わず必ず一度は目を奪われる。
彼女の名はカリナ、見た目は美しい少女ではあるがその実、100年以上の時を生きる由緒正しきヴァンパイアの一族の娘である。
彼女の口からキラリと見える牙、それは彼女がヴァンパイアである事を証明していた。
「さあ、今日こそ貴方の血を頂きますわ!」
真紅の眼を輝かせ、女騎士の首元に牙を近づける、しかし女騎士の体から発せられている匂いに気づき、顔を顰める。
「うっ…この不快極まりない香り…まさかニンニクではありませんこと!?」
実は女騎士は先程、浮遊城に建設されているラーメン屋でニンニクモリモリスタミナ餃子定食を食べていた。
ヴァンパイアには様々な弱点がある。日光を始め、水、十字架、そしてニンニクである。
「こんな血を飲んだらお腹を壊しますわ!というより、貴方も女性であるのなら香りの強い食事はお控えなさい!」
怒りながら女騎士から離れ、去っていくカリナ
ちなみに彼女が言ったのは女性であるならエチケットマナーを気にしろではなく、単に自分が飲める血が確保出来なくなるからで、女騎士の為とかは全くない。
別の日にカリナは任務直後の疲れている女騎士を背後から強襲するも驚きのあまり両手をバタバタさせていた女騎士の振り下ろした拳がいい感じに頭に入り気絶し失敗。
また別の日では小細工無しの真正面から挑んだが、そもそも1回負けていた事と戦法も前回から殆ど変わってなかった上に、いつの間にか新しい技を覚えていた女騎士から「審判!」と一言の後、あっさり負けた。
ここまでくればもう普通に頼んで血を貰うか、諦めて他の人から貰えばいいのでは?となるがそれは彼女のプライドが許さない。だが今日もまた、お転婆ヴァンパイア少女は女騎士の血は飲めないだろう。
余談ではあるが浮遊城の英雄達はこの光景を見ているが誰も止めに入らない。
何故なら女騎士に対するカリナの吸血強襲は今に始まった事でもなく、カンタベリー王国の森で出会い(強引に)仲間になってからは定期的に行われているからだ。
初めの頃は皆も止めに入ったりしたが、今となってはそれも無く、それどころか最近浮遊城を訪れた退魔師を筆頭に何回目に血を吸われるかなど賭けをしていたりする。
いやはや、慣れというのは実に恐ろしいものである。