息抜きに作中の異世界(VR)に入る、そして 作:haru970
俺、
○○代のプログラマーで今は上司の尻拭いをするデバッガー。
だった。
あ…ありのままさっき起こった事を話すぜ?!
『開発にかかわっていたゲームに入ったらかつての俺の趣味満載の隠れ仲間キャラを仲間にして宿を取ってサーバーごとアパートに持って帰って休暇を取った。』
頭が、どうにかなりそうだった…
まさか尻拭いをした上司が不倫している証拠を俺が持っていたことがカギになるなんて……
ほら、『ステータス』にもちゃんと『興奮』……ってリアルにあるわけないか。
「ヒャッホォォォォォォー! 何か月ぶりの休暇だze!」
少しホコリ臭いアパートの中で俺はただいま興奮真っ最中の叫びをするとお約束通りに下の階から『ドン!』とお隣さんがホウキか何かをぶつける音が。
だが今の俺は『ハイ』ってやつだze!
悲しいかな……現代の吸血鬼だけに。
俺ってば老け顔なだけで、あとは夜行性寄りと言うか、オタで少しコミュ障でどちらかと言うとインドア派で紫外線に当たっただけで眩暈がしたり、肌がヒリヒリと痛むんだよ。
かいつまんで言うと『リアル波紋攻撃を受ける体質』。
これで仮面と赤石揃ったら二部最終のカー〇になれ……
いやそれでも成れる自信がないな、うん。
「うおっとっと。」
意識が飛びそうだったのか、一瞬ふらついた。
やっべー。 早く飯食って戻ろう。
そしたらかつての栄光をつかむぜ!
ビバ、一日中VR!
ヒャッハー!
………………………………………………………………一応言っておくが、俺はモヒカン頭じゃないからな?
……
…
「……む。」
俺が『イチオ』として静まり返った夜、宿で借りた部屋のベッドの上で目を覚ます。
「ふわぁ~、ねむ……このまま寝よ……」
実に久しぶりに布団じゃなくてベッドの感覚を感じながら眠りにつく。
「……一昔前のVRの筈なのに、いやにリアルだな。」
俺たちも凝っていた時期の産物に年甲斐にもなく嬉しがったのか、いつもとは違う気分で眠りに落ちた。
…………
………
……
…
「イチオ、起きろー!」
「ゴハァ?!」
は、腹に謎の圧迫感ッッッッ!!!
「まだ寝ぼけているのかイチオ!」
「はいデバグまだ終わっていません!」
俺の意識が一気に覚醒すると同時に叫びだす。
「……『でばぐ』とはなんじゃ?」
そしてなぜか俺の腹の上には巨乳YOUJOが。
「しかも社畜セリフを聞かれちまったよ?!」
え?
あれ?!
この子誰?!
もしかして俺やけ酒に任せてIKENAI事やらかした?!
お縄頂戴案件?
「『しゃちく』? 『家畜』の言い間違いかえ?」
同じ『畜』でも……あれ? 結構同じでは?
って思い出した、無理言ってまで稼働中のサーバーもって帰って休暇取って『ファルディア・オンライン』にログインしたんだった。
「たまには良いこと言うんですね、『魔王シィタ』。」
「フフン! 当たり前じゃ────!」
よし、まずはどかして朝の支度だ。
ひょいとな。
「────のわぁ?! ななななな何をするイチオ?! おろさぬか!」
おお、こいつやっぱ小さいだけに軽いな。
低レベルの
『姫』どころか『魔王』だけど。
「私は『混沌の魔王シィタ』じゃぞ?!」
「うんうん、そうですね。 朝は少々お早いからご機嫌斜めですね。」
ほ~い、ゆっさゆっさゆっさっと。
「違うぞ?! そしてあやすな! こ、こ、こけにしよって!」
流石トップヘビーな身体をお持ちで上半身の右腕に負担がかかるな。
…………
………
……
…
そのまま初心者装備に着替えて(マント以外)一階に降りるとカウンターのドワーフが意外そうに俺たちを見た。
「お、まだ朝の鐘が鳴っとらんというのに早いな。 若いのに。」
『ファルディア・オンライン』の設定上は中世寄りのファンタジーが主流の世界になっている。
なので時計などは(たいてい)貴族や余程の有力者でないと高価すぎて身につけられない代わりに、ほとんどの辺境などでは必ず朝日が満足に上った『朝』、日光が頂点の『昼』、完全に沈んだ『夜』、そして消灯時間の『就寝』に大体分かれている。
地域によって違いもあると思うが。
「ええ、『早寝早起き』が一番ですから。」
俺は
ちなみに最後に早寝早起きをしたのはまだ腹が……
いや、よそう。
「そろそろ飯が────」
「────おとうさぁん! お客様起こしてぇー! ってあれれれ?」
そこでひょっこりと小柄な女性……少女が顔を出して、俺たちを見ると目を丸くする。
「っと、噂をすりゃ何とかだ。」
今のは娘さんかな?
なんか歳がスゲェ離れているような気が────
「────今のはお前さんの娘かえ? 幼いのぉ。」
「ちょ、どストレート過ぎ!」
「ああ、サーニャは俺の自慢の一人娘よ! 若作りなのは母親譲りだろうさ!」
「なんか昨日と違ってテンション高いですね?」
「ん? あー、まぁ……な。」
あれ?
なんか意外と会話が設立している?
『しゃべる』、『泊まる』、『しらべる』、『せけんばなし』で俺は最後の『せけんばなし』を選択したつもりだったんだが……
プログラムされたAI、ハンパねぇ!
「はた目から見るとアンタたちは怪しい匂いがプンプンしたもんでよ。」
あ、なるほど。
俺が『怪しい人』として見られたわけね。
無理もないか。
「ジィー。」
「ん? なんじゃイチオ、私の『びぼう』に釘付けになったか?」
若い頃ならいざ知らず、今となってはどちらかと言うと────って、ゲームのキャラだろこいつは。
なに真面目に考えてんだよ俺。
「……………………………………」
「な、何かを言ったらどうなのだ?!」
「……………………………………ハァ。」
腹減ったなぁ。
VRでも一応空腹は満たされるけど、よほどの精密なプログラミングじゃないと『電気』をリアルボディが必要とされている『カロリー』への変換て難しいんだよな~。
食べたらログアウトしてリアルでも食うか、カップ麺。
……
…
そう思っていた俺がバカでした。
「うま?! うっま?! なんだこれ?!」
見た目ただのハム&エッグなのに?!
ただのシチューなのに?!
(若干)硬いパンなのに?!
「うっめー!」
「お客様に喜んでもらえてサーニャ嬉しいです!」
そう言いながらニコニコと笑顔をドワーフの娘が俺たちに向ける。
「む~……」
そしてこれらを前に『魔王』はウンウンと首絵をひねりながら唸っていた。
「ん? どうした?」
「いやその……私はこんな庶民なものは口にせんかったからどうにも────」
面倒くさいなおい。
「────ほいっと。」
俺が日の本旗(ミニチュア)を作ってオムライスにプスっと差すと一気にをキラキラしだす。
「おー! なんじゃこれは?! 何の魔法じゃ! さらに旨くみえるぞ!」
『魔王』が無邪気に笑っておる。
『魔王』が無邪気にオムライスを頬張っておる。
…………………………………………それでいいのか『魔王』?
「しょ、庶民……やっぱりお忍びのお貴族さま────?!」
「────シ! 聞こえてしまうぞソーニャ!」
ヘッドギアにバッチリ聞こえていますよ。
あと『ログ』にも残っているし。
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