鹿島と電はリングに上がっていた。
「さぁ、電ちゃんお待ちかねのボクシング演習の補習のお時間ですよ〜」
鹿島はバスバスと16オンスの黒いグローブを叩きながら言う。
「今日は負けないのです!」
電も16オンスのピンクのグローブをしっかり握りしめ、シャドーボクシングしながら言った。
「いいですよ〜その意気です♪」
鹿島は余裕綽々といった感じで答える。
「今日の電は一味違うのです! 」
電はそう言ってファイティングポーズをとる。
「ふふっ、じゃあ行きますよ? ラウンドワーン、ファイト!」
鹿島はゴングが鳴ると同時にダッシュし、電に向かって行く。
(速い!!)
電は慌ててガードを固める。
バシッ
しかし、鹿島の鋭いジャブによりガードした腕ごと顔面を撃ち抜かれる。
「あう!?」
鹿島は畳み掛けるようにそのままラッシュをかけた。
バシンッ!ドスッ!ズドン!
「ひぶっ!ぐぶっ!えぅっ!」
電は一瞬にしてコーナーポストまで吹き飛ばされた。
「あうぅ…」
「あらら、もうダウンですか?」
鹿島はゆっくり近づいてくる。
「ま…まだなのです…」
電はヨロヨロとおぼつかない足取りでリング中央に戻っていく。
「まだまだ大丈夫そうですね♪では再開ですよ♪」
「今度はこっちからいくのです!」
パンパン!
電は鹿島にお返しと言わんばかりに鹿島の顔面にパンチを放つが、その攻撃はグローブで簡単にいなされた。
「そんなパンチ効きませんよ〜♪」
バシィィィン!
「うげぇっ!」
視界の外から放たれたカウンターの左フックは、電の脳を揺らし、視界が安定しなくなる。そこへ鹿島の追撃のボディブロー、アッパーが連打された。
ドスッ!ドスッ!!ドスッ!!!
「んぎゅっ!ごほっ!うぶぅっ!」
ドゴォ!グシャァッ!
「ひぎゅぅ!あがぁっ!!」
ボトリ…ぼたっ…ぼたっ…
黒いグローブによる重い一撃を受け、電は口からマウスピースを吐き出して、それを追うかのように胃液と唾液が混ざり合った粘液がこぼれ落ちる。
「あら、どうしましたか? サンドバッグになってるだけじゃないですか♪」
鹿島はニヤリと笑いながら言う。
「くふぅ…うぇっ…」
「全く…仕方ないですね…」
そう言うと鹿島は赤コーナーに両腕を回して寄りかかった。
「ガードしないで電ちゃんのパンチを受け切ってあげますから、好きなだけ打ってきてください♪」
「なっ…本気で言ってるのです?」
「本気ですよ。ほらほらはやく〜♪私に反撃したくないんですか?」
鹿島はぽんぽんとグローブで自身のお腹を叩く。
電は意を決して、拳を振り上げた。
「どうなっても…知らないのです!」
どぐしゃぁ!!!
「うぷっ…!!!」
電の渾身の右ストレートが鹿島の鳩尾に深く突き刺さった。
「はぁ…はぁ…やったのです!」
電はガッツポーズをする。
「全然効いてませんよぉ? 」
鹿島は平然としている様子だったが、電はストレートを突き刺した時の鹿島の反応を見逃してはいなかった。
「鹿島先生、強がりはいけないのです♪」
そう言いながら電はもう一度同じ場所に狙いを定めてパンチを放った。
バシッ!
「あんっ♡」
ビクッ!バシッ!
「んふっ♡くふぅ♡」
衝撃を抑える為用意された16オンスのグローブは、その重量で逆に威力を増し鹿島の腹部を幾度となく襲う。その度にあげられる嬌声は鹿島の秘められたMの部分が刺激されていることを示していた。
(この反応……やっぱりそうなのです!)
電は確信すると、さらに力を込めて鹿島の腹部へラッシュを仕掛けた。
ドスッ!ドスッ!ドスッ!!!
「うっぷ♡はひっ♡ふぅんっ♡」
電のラッシュで鹿島の内臓が激しくかき乱される。
「ふう…はぁ…」
電は一旦ラッシュを止め、呼吸を整える。
「ふぅ…鹿島先生のお腹、サンドバッグにちょうどいいのです♪」
「うっぷ…おえぇ…」
鹿島は既に虫の息だった。
「先生、気持ちよくなってますか?私も気持ちよくなってきちゃいました…もっと…もっと打たせてください♡」
電は再び構えると、大きく振りかぶってパンチを打ち込んだ。
ドスッ!!
「あっはぁんっ♡」
バシッ! ズムゥ!
「んふぅ♡おっふぅっ♡」
ドムゥンッ!!!
「んああああああ♡♡♡♡♡♡」
カーン!
タイマーでセットされたゴングが乾いた音を立てる。しかし二人にはもうそんなことはどうでもよかった。
「まだまだ…もっとぉ♡」
鹿島は電にすがりつくようなクリンチをしながら懇願する。
「もう…先生は仕方ない人なのです…それじゃあまだまだいくのですっ!」
ドゴッ!ドゴッ!ドゴォォォッ!!!
「んぶぅっ♡ごぶっ♡がはぁぁぁぁぁ♡」
ドゴォォォッ!!!
「ひぎゅぅぅぅっ♡」
ドスッ!
「ぐおおえぇぇぇぇぇ♡♡♡」
恍惚な表情で鹿島の身体を支えながら何度もボディブローを放つ電。一方的な暴力を振るわれる鹿島は、本来教えを乞われるはずの電に蹂躙されることに今まで感じたことのない高揚感を覚えていた。
(なんだろうこの感覚…殴られてこんなに気持ちいいなんて…)
電が腕を引き絞る。
「これで最後ですっ!くらえーっ!」
どぼんっ!ズムムムム…
「うぷっ…♡うおえぇぇぇぇ…♡」
鹿島の鳩尾に勢いよく突き立てられたグローブは引き抜かれることなくそのままグリグリとねじ込まれる。内臓を押しつぶされる苦痛に鹿島の顔から血の気が引き、口からは胃液混じりの血反吐が垂れ落ちる。
「ふふふっ♪」
電は楽しそうに笑い声を上げている。
「げほっ…げほ…うえぇ…♡」
力なく崩れ落ちようとする鹿島を支える電の表情は満面の笑みだった。
「さあ先生、最後に私のこと抱きしめてくれるのです?」
力なくうなづくと鹿島は弱々しく両腕を広げた。
「ありがとうなのです♡」
電は満面の笑みを浮かべて鹿島に抱き着き、二人はもつれるようにリングに沈んだ。
「先生…こんなに自分が変態さんなんだって今まで知りませんでした…」
「先生…」
「だから今日は最高に楽しい日になりました…本当にありがとうございます。また回復したら…演習、よろしくお願いしますね…♡」
「こちらこそ…また先生のことボコボコにしちゃうのです!」
こうして二人の奇妙な関係が始まったのであった。
終わり