誤解から始まる英雄譚〜クズで弱っちい俺が何故か周りに最強認定されているんだが?〜   作:くろひつじ

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第五話:エルフの里

 

 昨晩の事を完全に忘れてしまっているネフィーを連れて馬車で進むこと数時間。

 特に何のトラブルも無くエルフの住む森へと辿り着いた。

 森の中の舗装された道を進むと、木で作られた立派な門が見えてくる。

 ここがエルフの里か。初めて来たな。

 

「人間か? 我らの里に何用だ?」

 

 おぉ、本物のエルフだ。エルフの里にエルフが居るのは当たり前だけど。

 耳長いし美人だけど、噂通りやっぱり胸はないのな。

 さて、俺は何て返したら良いんだろうか。

 傭兵とか言ったら怖がられるかね。

 

「シルフィ、我だ」

「ネフィー!? 帰って来たのか!?」

 

 あ、そっか。こんな狭い里じゃ全員知り合いだよな。

 最初からネフィーに任せておけばよかったのか。

 悩んで損したわ。

 

「三日も帰ってこないから心配したぞ」

「実は人間にさらわれてしまってな……そこをジェイドが助けてくれたのだ。こやつは一人でオーガを倒せるほどの腕利きだ」

「なに!? オーガだと!?」

 

 おい、嘘を広めるんじゃない。

 これ以上の面倒ごとは勘弁してもらいたいんだが。

 エルフのお姉さんも何か悩みだしたし、これさっさと逃げた方がよくないか?

 

「ジェイド殿、良かったら長に会ってくれないだろうか」

「エルフの長か?」

「我々はいま深刻な問題に直面している。良ければ貴方の力を借りたい」

 

 ほら見ろ。やっぱり面倒なことになったじゃんか。

 でもここで帰る訳にもいかないよなぁ。

 こんな美人さんのお願いは男として断れないし。

 

「……分かった。話を聞くだけなら」

「すまないな。道案内はネフィーに任せよう」

「任せろ。貴様殿、行こうか」

 

 うーん。まぁ二人の笑顔が見れたし、とりあえずは良しとしよう。

 

 それはともかく、エルフの民族衣装ってミニスカートなのか。

 ネフィーが今着ている服も良いけど、こっちもまた違った魅力がある。

 肌面積は多いけど、エロイというよりは可憐って感じだな。

 この服のネフィーも見てみたいもんだ。

 あとで頼んでみるのもありかもしれない。

 

 ※

 

「客人よ、ようこそおいでくださいました」

「あんたが長か」

「レリウス・グリーンランドです。まずは仲間を助けてくれたことに感謝いたします」

 

 長っていうからどんな爺さんが出て来るのかと思ったけど、普通に金髪のイケメンじゃねぇじか。

 世代交代ってやつかね。

 

「私も千三百年生きていますが、我々を助けてくれた人間は初めてですね」

 

 千三百年!?

 あ、そうか。エルフって長寿な種族だったな。

 見た目にはよらないって聞いたことあるけど……この人、千三百歳かー。

 てことは、実はネフィーも年上だったりするんだろうか。

 

「我はまだ八百歳だ」

 

 ちらりと目を向けるとドヤ顔でそんな事を言われた。

 余裕で年上じゃねぇか。可愛いから何でもいいけど。

 あぁ、ネフィーの笑顔はいやされるなぁ。

 

 なんて現実逃避をしていても話が進まないか。

 

「それで、問題があると聞いているんだが」

「はい。私たちエルフはドワーフと長年に渡り険悪な状態が続いているのですが、それを何とか解消したいのです」

 

 それ、なんか聞いたことあるな。

 森の種族と山の種族って事で相いれないとかなんとか。

 いやまぁ詳しい話は知らないけど。

 

「なるほど。話し合いで解決できないのか?」

「それが中々難しく……種族に根付いた価値観は簡単には変わらないようで、使者を送っても返答をもらえないのです」

 

 価値観ねぇ。俺が商人を苦手にしてるのと似たようなもんかね。

 あいつらは抜け目がないって言うか、金の為なら何でもやる連中だからな。

 俺も知り合いの商人に何度酷い目にあわされた事か。

 いや、色仕掛けに負けた俺も悪いんだけどさ。

 

「そこで人間の貴方に二種族の仲介をしていただけないかと思いまして。依頼としてお願いできないでしょうか」

 

 仲介か。まぁ話をするだけなら危険も無いし、引き受けても構わないか。

 

「分かった。ひとまず話をしてみよう」

「おぉ! ありがとうございます!」

 

 しかし種族間の交流問題ねぇ。

 ただの傭兵が首突っ込む話じゃないだろと思わなくも無いが、やれることはやってみますかね。

 良いものも見せてもらったし。

 

 いやね、この家って土足厳禁で床に座る感じなのよ。

 で、俺の向かい側、エルフの長の隣にはミニスカートで正座してるネフィーがいる。

 足元にはムッチリした太ももとハイソックスの絶対領域がくっきりと見えているのだ。

 更にその奥には見えそうで見えない、でも見えちゃいそうな神秘の領域が広がっている訳で。

 

 つまりはまぁ、そういうことです、はい。

 

 うん、もうこれが報酬でもいいわ。

 いやまぁ金が貰えるなら貰っておくけどな。

 

 ※

 

 でまぁ、エルフ連れだと意味が無いってことで一人で徒歩で一時間ほど歩き、ドワーフが住んでるっていう森の隣にある岩山に来てみたんだが。

 

 なんで俺、いきなりドワーフたちに囲まれてんだ?

 とりあえず怖いからその斧はしまってくれねぇかな。

 あと顔が怖いよ君たち。

 

「貴様! 森の方から来ただろう! エルフの関係者だな!」

「関係者と言うか、エルフとドワーフの仲立ちを頼まれたんだが。そちらにその意思はあるか?」

「あの高慢なエルフが人間に頼み事だと!?」

 

 高慢? いや、長は普通に腰の低い良い人だったけどな。

 ネフィーはちょっとアレだが。

 

「……それならひとまず我らの長に判断してもらおう。人間、着いて来い。悪さをするなよ」

 

 よし、とりあえず何とかなったっぽいな。おとなしく後を着いていくか。

 

 ところで今いるドワーフって全員筋肉ムキムキで背が小さいヒゲ野郎だけど……

 ドワーフの女の子ってどんな子なんだろうな。

 

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