あたしは、声で人を楽しませてあげたいなって、ずっと思ってるの。
どんなことがあっても、声で想いを届けたいって思っているの。
でもそれが叶った時は、涼雅にも聞いてほしい。あたしの声。
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「ねぇねぇ!新しいアニメにあたしが出ることが決まったよ!!」
「お!どんなアニメ?」
「んーとねー、トッケンっていうアニメ!」
「莉子、おめでとう」
「えへへ。なんだか涼雅に言われると照れるなー」
「なんで?」
「だって、家族以外であたしのこと一番知ってるじゃん?」
これはある日の俺と莉子の通話チャットである。
どうやら莉子がアニメの出演が決まったので、お祝いしてあげた。
本当なら会いたかったけど、今日は大学で卒研の発表があったから、メッセージだけってわけ。
もちろん、莉子はこのことも知っていたし、俺が忙しいことは承知の上。だから莉子も「がんばれ」って応援してくれた。
それはすごく嬉しかったし、早く莉子にもいい報告がしたいなっていう気持ちでいっぱいだった。
だからといって特別なことをするわけではないけど。
「ふー疲れたー」
卒業研究の発表が終わって一つ息を吐く。
なんだか今日はいつもよりも疲れているような感じがしていた。
知らない人にいろんなことを話すのって、やっぱり今でもなれないな……
そんなことを思いながら家に帰ろうとしていた矢先に……
トゥルルルルルル
莉子から電話が来た。
「もしもし?」
「やっほー涼雅」
「どうしたの?」
「あたし、今どこにいると思う?」
今日は確か莉子は収録だったはず。今回の収録は青森だったから……青森にいるのかな……?
「え?青森じゃないの?」
「えー。なんでわかるのよー」
「そりゃ、おとといだかに言ってただろ。青森行くって」
「あれー?そうだっけ?」
「んもう……忘れっぽいところは相変わらずだな」
「えへへー。青森は、雪が降ってたよ!」
「雪……か……」
「ん?どうしたの?」
「そういや莉子と一緒に昔スキーとかしたなって思い出した……」
「あーあれねー。涼雅がまだ下手だった頃の!」
「莉子は一言余計なんだよ」
「えー。ダメだった?」
「り、莉子だからいいけど……」
「やったー。涼雅はやっぱり優しいね!」
「別に莉子なんかよりは優しくねぇし……////」
「涼雅」
「ん?」
「いつもありがとね」
そう言ったきり莉子は電話を切る。
なんだ……最後の一言。やけに引っかかるな……
ツーツー
電話が切れた。
莉子とはこうして今でも連絡をとっている方だ。
でも、莉子なんて俺のことを好きなはずがない。そう考えてしまう。
「もう2月か……」
月日は流れ、2月になった。
年を跨いで、就職先も決まっていた。
また昔みたいに……莉子と会ってお話ししたいな……
それが、今の本当の気持ち。
その気持ちをそっとしまって、静かに迎える暖かな春を待っていた。
それと同時に、俺は近くにあった莉子との昔の写真を見つめた。
やっぱり、好きな気持ちに変わりはなかった。
ちょっと大雑把だけど、明るくて、気さくな感じがすごく羨ましかった。
歳上なのに、すごく置いていかれてる感じがしてならなかった。
逆に、俺は莉子にないものを全部持ってるといえばそうなのかもしれないけど、全然違う。
中身も、性格も。
「莉子は……俺のことをどう思ってくれてるのかな……」
それが、今の本音だった。
皆さんこんにちは。おみです。
この度は「この光が、あなたを照らす時 第2話」を読んでいただきありがとうございます。
なかなか執筆時間がなく、こんな感じとなってしまいました。
本当にごめんなさい。
これからもゆるゆると書いていきますのでよろしくお願いします。
それでは次話もお楽しみに!