森の中を歩いて少し。最初こそゴブリンの奇襲があったものの、それから私たちは静かな森を探索していた。
そんな森の中に女性の悲鳴のような声が響いた。
「誰か襲われているのか?」
「わからないけど行ってみよう!!」
私たちは声の聞こえた方へと進んでいった。そして茂み越しに見えたのは獲物・鹿を狩っていたゴブリンの姿があった。
「・・・鹿の鳴き声は女性の声に似ていると言われるからな・・・」
「取り越し苦労でよかったよ」
「とりあえずあのゴブリンは巣に獲物を持って戻るでしょうから後をつけてみましょう」
獲物を持って帰るゴブリンたちの跡を追跡して私たちはようやくゴブリンの巣へたどり着いた。そこには十数体のゴブリンが勝ってきた獲物に歓喜していた。
「手筈は私が敵の多数を引きつけエラムは私の援護。シズネは孤立した敵を各個撃破。これでいいな?」
「問題ないよ」
「よし行くぞ!!」
リーシャさんを先頭に私たちは真正面からゴブリンの巣に斬り込んだ。
「ギャァ!!ギャァ!!」
巣にいたゴブリンたちが唐突に出てきた私たちに驚くことなく、戦闘態勢を整えていた。
「さぁ、かかってこい!!」
リーシャさんの大盾が放つ光に魅かれて大半のゴブリンたちが釣られていき。私は釣られなかったゴブリンめがけて突貫するのであった。
「たぁぁぁ!!」
一太刀でゴブリンを斬るのにも慣れて、私はサクサクとゴブリンを斬っていった。突き出される木の槍も斬り折って優位を失くし
、呆気にとられたところを斬っていった。
「こっちは終わったからそっちに行くね!!」
「やるなシズネ!!」
チームワークにも慣れてきた感があった。そして私たちはリーシャさんに釣られたゴブリンを全て倒し終えた。
「さて、何か防具の持ち主の手がかりでもあればいいのだが・・・」
確かに巣にいたゴブリンの中には来や石でできた武器だけでなく、人工てきな剣などを持っていたのもいた。それらは消えることなく残っていた。そして巣をくまなく探すこと少し、奥にあった住居のようなところに人の物と思われる骨があった。肉や皮は食べられたのか骨だけが残っていた。そして傍らにステータスプレートが落ちていた。
「ステータスプレート・・・頭蓋骨の数と一致するな。三人か。とりあえずシズネ、この骨もも収納していてくれるか?」
「わかった」
私は空間収納の魔法で遺されていた遺骨を回収した。気分はあまり良くないのは私だけではなかった。
「実力に奢っていたか、こうでもしないと稼ぎが無かったのか。それはわからないが、こうなりたくはないな」
リーシャさんの言葉は私たちも同意見だった。私たちはそれいじょうは森を進むことはせず、森を出ることにした。森からでた私たちは複雑な心境だった。とりあえず馬車の馬たちは安全だったようで健在だった。
そのまま私たちは御者を交代しながら夜になっても進んで王都に帰った。帰ってきた私たちは冒険者ギルドを訪れて魔石の換金と冒険者の遺品のことを話した。
「捜索願は出されてないので報奨金はでませんがありがとうございました。こちら手間賃と言っては何ですが・・・」
とりあえず魔石分のお金と遺品と遺骨を持ち帰った褒賞としていくらかお金を受け取った。そのまま私たちはそれぞれの宿に帰って夜を越した。
一夜明けて私たちは冒険者ギルドに集まっていた。
「当面の資金は得たから無理に依頼をこなす必要はないな」
リーシャさんの意見に三人とも合意して私とエラムはそのまま魔法学校に行くことにした。空間冷却などの特殊な魔法は上位クラスとされていて前提の魔法が使えないと授業すら聞けないらしかった。
なので私は氷結魔法の習得を目指すことにした。すでに一定以上会得しているエラムには無駄な時間を突き合わせてしまうことになったがエラムも復習ということで付き合ってくれた。とりあえずそのまま私たちは二日間魔法学校に通った。
そして三日目の朝。私は王級を訪れていた。なんでも先日作った鋼が全て売られてその技術料を頂けるとのことだった。文官の人からお金を受け取った。その額なんと10万ゴールド。とりあえず一回目に参加した鍛冶師の人たちは継続して鋼を作ることとして鋼を作るのと同時に参加を希望する鍛冶師に製法を受け継いでいくとのことだった。そして鋼が作られるたびに私に技術料が祓われるとのことだった。今回は私が主導して作ったため10万ゴールドとなったが、次からは5万ゴールドも頂けるとのこと。
不労所得でウハウハでニヤケそうな顔を引き締めて今後のことも話した。
「おやシズネじゃないか」
そして王級を出ようとしたところに後ろから声がかかる。
「こ、これはレオ王子」
「いいよいいよ。堅苦しいのはお互い得は無いから。それよりも冒険者として色々と働いているようじゃないか。ウィリアムが剣の修行ができないと言っていたぞ」
「あはは・・・」
「といわけで抜き打ちで俺が実践に出ていいる腕を確かめてやろう」
なんやかんやでレオ王子と戦うことになってしまった。うん?前もこんなことがあったような・・・。
「じゃぁいつでもかかってきなよ」
ゆったりとした構えのレオ王子。とりあえず私は攻めたてることにした。カンカンと木剣が打ち合う音が修練場に響く。
「うんうん。対象を狩り取ろうとする鋭い剣筋だ。以前とは全く違う」
余裕ありげにレオ王子は私の実力を測る。勝負は片方が攻めれば片方が防御に回る。そして隙を見て反撃。これの繰り返しで会った。
「うん。これまでにしておこうか」
唐突にレオ王子が剣を退いた。とりあえず息を整える。
「いやぁ変わったね。いいよねー外にでて経験を積めるんだから。王子の身分って不自由なんだよね」
それからはレオ王子の王族への不満もとい愚痴話に突き合わされることになった。
「そういえばシズネ。君は工房を持たないのかい?」
「工房ですか・・・いずれは持ちたいですが今は忙しくて・・・」
「父上も大きくは動けないだろうけど王級鍛冶師の称号を貰ったのならそれ相応の工房を持たないと称号が泣きを見ると思うな:
「そ、そうですか・・・」
「それに打ってもらった剣の整備もしてもらわないとだし。伝手を使って探してみようか?」
「い、いいんですか?」
「そのくらいお手の者さ。それにあの剣を他の鍛冶師に見せてもてんでわからないって言ってたからね。それに工房はできては廃れるけど形は残るからね」
ということで私の工房探しが始まった。元工房の家はすぐに見つかった。掃除などの雑事と専用の炉などを整備して家と合わせて300万ゴールドほどかかるそうだ。
しかし大金が動くことなんて経験がないので私はウィリアムさんに相談することにした。
「なるほど、工房を持つか悩んでいるのか」
「はい。レオ王子が見つけてくれた手前断りづらくて・・・」
「王に認められた鍛冶師なら工房は持って当然だろう。だが冒険者である以上腰を据えることは難しいからな。だが危険な冒険者で稼ぐよりは良い収入源にはなるだろう。最初は注文は少ないだろうが、王級鍛冶師だと知れ渡ればすぐに注文が殺到することになるだろうさ」
ということでウィリアムさんも乗り気であった。私は相談したその足で事務手続きを済ませて工房兼家を買い取った。こうして私は刀匠としての第一歩が踏み出せたのであった。
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