刀オタクが異世界転移したので剣豪を目指します   作:かんせつ

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第二十八話

朝。前とは違って起きても人の気配を感じる。他人の物とは言え、知っている気配がするというのは安心する者だった。今朝は唐突に二人を誘ったので朝食の材料はなく、外での食事になった。食事とはいえ三人で食べるのはおいしかった。

「さて、これからどうするかだが・・・」

「岩熊の皮でのお金が入った以上無理に動かなくともいいかもしれませんが、間が空くと体は動きを忘れますからね」

「私は魔法学校に行きたいかな。習いたい魔法があるし」

「なら数日は休息にしようか」

「ではそれで決まりですね」

こうして私は魔法学校に行くことになった。工房を手に入れた以上、早く稼働させるために空間冷却の魔法が欲しいのだ。まだ初級の魔法しか使えない今、道はかなり長いと思われた。

魔法学校にはかったるい座学というのは下級クラスには無く、実技による指導があるので結構楽ではあった。何がどうして異世界で勉強せねばならぬのだ・・・。

とりあえず次の中級魔法、『フリーズ』を練習していた。これは対象の動きを凍らせて動きを制限させるという魔法らしい。しかしこれが難しい。動かない物なら少しは凍らせることができるのだが、動く的には全然当てることができなかった。しかし今日は魔力が尽きて終わりになった。トボトボと帰路に就いた。

「エラムはすごいよね。すぐに使えるようになって」

「偶々ですよ。明日は上手くいくはずです」

「そうなら良いんだけどね・・・」

「あ、明日の担当私だ。買い物しないと」

私は帰る前に店で野菜やパンなどを買い込んだ。明日は私が食事当番なのだ。

沈む夕日を背に私たちは自宅に帰ってきた。すると二階から良い匂いが漂っていた。

「おかえり。夕食の準備はできているぞ。よそうからちょっと待ってろ」

今日の食事当番はリーシャさんだった。献立は、シチュー、パン、サラダ、それに何かの肉のステーキだった。

「結構作ったね。大変だったでしょ?」

「あぁ。料理なんて久方ぶりだったが、上手くできたはずだ」

「んじゃ・・・」

「「「いただきます」」」

とりあえず私はステーキにかぶりついた。

「リーシャさん。これなんの肉?」

「ミラニ牛だな。ミラニというところでかなりの数が飼育されているからそう名付けられている。安いが旨いのが特徴だ」

私たちは最初に正式な口座ではないが生活基金として同じ額のゴールドを集めていた。

「このシチューもおいしいですね」

「上手くできていてよかった」

私たちはおいしい夕食に舌鼓を打ちながら一つも残さずに食べ終えた。

「はー・・・幸せ」

おいしい食事、頼れる住人、帰る家、そして充実した毎日。これんだけあってどうして不幸と言えようか。

とりあえずベッドにもぐりこんで寝ることにした。

朝。私は早起きをして料理を作った。

「おはよう・・・良い匂いだな」

「あ、おはよう。座って待ってて」

「・・・おはようございます」

「ちゃんと顔洗ってきた?」

軽いやり取りをしながら私は朝食を作り上げた。

「簡単だけどパンとサラダ。それにスープだよ」

「では・・・」

「「「いただきます」」」

「む?このスープ、変わった味付けだな」

「うん。鶏の骨についている肉から出汁を取ったんだ」

「鶏の骨から?また妙な・・・」

「でもおいしいでしょ?」

「えぇ。不思議な味がしますね」

ちょいと手間がかかったが上手にできたようだった。片付けを終えて私はエラムと魔法学校へと向かった。

「今日こそ・・・今日こそ」

意気込みは良かったが朝から夕方まで費やしてやっとのことで『フリーズ』がちょっと実用的に使えるくらいにはなった。

「よかったですね、シズネ。これで上級の授業も受けれるようになりましたが・・・なぜシズネは氷属性の上級魔法を?」

「私の工房で必要なんだよね。空間冷却の魔法がさ」

「確か空間冷却は定点魔法なので習得は上級の中でも簡単だと言われていましたね」

「ホント?それならいいけど・・・」

有益な情報を得て私はそのまま帰りがてら買い物を済ませた。

「さて、リーシャさんが家で待ってるかもだし急がないと」

ちょっと駆け足で私たちは家に帰ってきた。

家に帰ってもリーシャさんはいなかった。そう言えば今日は修理に出していた盾が帰ってくるんだっけ?その後修練場で動きを確認すると言ってたから時間がかかっているのかもしれない。

とりあえず私は夕食の準備を始めた。と言っても献立は朝と同じの鶏ガラスープにパンとサラダ。作れるレパートリーはあっても材料がないという・・・。中世の文化で現代の料理を再現するには色々と物入りになるのである。そうして作っている間にリーシャさんも帰ってきた。

三人で食卓を囲み何気ない会話に花を咲かせる。そうして食事を終えてベッドで眠る。

この生活が一日でも長く続いてほしい。私はそう思っている。




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