村に帰った私は村の人たちから報酬とは別にお礼として夕飯をご馳走になってその後空き家の家で夜を超すことになった。
「・・・」
冒険者になって歩いたり、戦ったりして体力は付いたと思ったけどやはりすぐに眠たくなった。そしてぐっすりと寝ているはずだったのだが・・・。
「・・・うん?」
私は眠っていたはずだ。それも山の中の村で。でも起きてみると・・・。
「森・・・?」
目の前、周囲は全て森であったのだ。しかも木には見たことが無いような木の実ばかりが生えていた
何もわからない私のところへ小さな光が寄ってきた。
「あれ?確か昼に会った妖精?」
『そうだよ~』
「わわっしゃべった!!」
『着いてきて~』
何もわからない私は案内されるがままに着いていくことにした。森を過ぎると今度は良い匂いが漂う花畑に入った、森も良い匂いがしたが今の場所とは違うベクトルだった。
「ココダヨー」
連れてこられたところは花畑の中の広場のようなところであった。そこにはたくさんの妖精と思われる光が漂っていた。
『ようこそいらっしゃいました、人の子よ』
「ど、どうも初めまして。えっと何がどうなっているのかわからないのですが・・・」
『今夢を介してあなたは妖精郷にいるのです』
「妖精郷?」
『名前の通り妖精の国です。普通は外部からは入ることはできず、資格が与えられた者にのみ入れる場所です』
「そ、そんなところにいるんですか?」
『昼間は私の娘を助けていただきありがとうございます』
「娘さんでしたか」
『ファティって言うんだー』
『あぁ、私はテルフィーヌと申します』
「わ、私は石川静音といいます」
『ふむ・・・良い目、良い心を持っていますね』
「へ?」
『人の清き心を見たのはいつぶりでしょうか・・・。あなたに妖精郷への鍵を渡します』
「そ、そんな簡単に良いんですか?」
『勝手ながらあなたの心を見せてもらいました。とても心地よい物でした。あなたには妖精郷へ入る資格があると私は決めました』
「もし・・・もしもですよ?その資格にそぐわないことしたら・・・?」
『資格に含まれる呪いで死ぬでしょう』
こわっ!!え、死ぬの?そぐわないって言っちゃったけど具体的なことがわかんないんだけど・・・。聞いたマズイかな?でも怖いよ・・・。
『そう怖がる必要はありません。あなたはあなたのままの生き様でよいのです。それがあなたを善い物だと証明する唯一の事ですから』
「は、はぁ・・・」
『では鍵を渡します』
テルフィーヌさんの手から光の玉が出てきてそのまま私の胸に吸い込まれていった。
『これであなたは念じるだけで妖精郷に出入りすることができます。ただし・・・』
「た、ただし・・・?」
『他人にそれを話すのは構いませんが例えあなたと一緒にいてもその者は妖精郷に入ることはできません』
「そ、そうですか・・・」
エラムやリーシャさんにも見せてあげたかったけど残念だ。
『もうそろそろ夜が明けますね。それではまた会いましょう』
その声が聞こえるや、周囲の視界はぼやけていった。そして・・・。
「・・・夢、のはずなんだけど・・・夢じゃないんだよなぁ・・・」
ちょっと気になってステータスプレートを見てみたらスキル欄に≪妖精の祝福≫というのが追加されていた。
寝ぼけた頭が冷静になった。一体私のままの生き様ってなんだろうか?まったくわからない。ただ悪いことはしないように肝に銘じておこう。
「シズネー村の人が朝食を作ってくれましたよー」
私はそのまま村の人から朝食を貰い、腹を満たした。そして村の人に見送られながら私たちは村を出発した。道中お尻が痛いのは毎度のことであった。
そして二日の旅を経て私たちは王都へと戻ってきた。
「やはり王都は人が多いせいか活気に満ちてますね」
「王都の活気もいいが村特有の活気の方が落ち着くと思うな」
色々としゃべりながら私たちは自分たちの家に帰ってきた。
「うーん・・・少し掃除しないとだね」
五日ほど留守にしていたせいか少し汚れが溜まっているように思えた。とりあえず今日は休むことにして明日掃除をすることにしたのであった。
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