刀オタクが異世界転移したので剣豪を目指します   作:かんせつ

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第四話

異世界での三日目の朝も空腹で目が覚めた。私は宿の受付の人に鍵を返して宿をでてお腹を満たすために店を探した。しかし手持ちのお金はスライムの魔石を換金して携帯食料などを買った後に余ったのとゴブリンの魔石から宿代の300ゴールドを引いてそこに依頼金の2千ゴールドを足して2300ゴールドだった。一応水筒は水を入れれば使えるから良いとして、問題は食事だった。どうにも自転車操業感が否めない。とりあえず飲食店に入って一番安いメニューを聞いた。するとパンとサラダとスープがついて100ゴールドだという。私はそれを頼んだ。少し経った後に良い匂いとともに食事が運ばれてきた。サラダやスープの野菜は野菜の細切れを使っていて確かに値段相応だと思った。だが味はよく、久々の暖かい食事を得ることができた。お腹を満たした私は昨日ケミルさんから教えてもらった防具店を訪れた。

「すみませーん」

「いらっしゃい。君は冒険者かな?防具が入用かな?」

「はい。それでケミルさんから紹介状を貰ってるんですが」

「ケミルさんが?とりあえず見せてもらえるからな?」

「はい。」

私は防具屋にいた人に紹介状を見せた。

「うん。確かにあの人の字だ。あの人が紹介状を書くなんて稀だ。よっぽどのことがあったんだろうね。とりあえずボクはラボニ。この防具屋の店主、だ。それで今使えるのは幾らくらいかな?」

「えぇっと宿代とかがあるので・・・1800ゴールドくらいです・・・」

「だったらランクはFかな?」

「はい、そうです」

「なら革鎧がオススメだよ。鎧自体はそこまでだけど加護は乗りやすいからね。手持ちの資金だと、胸当てと手甲、それからブーツが用意できそうだね」

「じゃぁそれをお願いします」

「OK。ちょっと持ってくるから着れそうなのを見つけてみて」

そういってラボニさんは店の奥から防具を持ってきてくれた。私は着ている服の上から持ってきてもらった防具を着けてみた。ちょうどいい物が見つかったのでそれを売ってもらった。メニューを見てみると加護というのは体自身を強化してくれるものらしく、体がダメージに対して硬くなり負う傷を小さくしてくれるらしい。革鎧は生物由来のため人への加護が乗りやすいとのこと。逆に金属鎧は鎧自体の硬さで負う傷を抑えてくれる半面、加護は乗りにくいとのことだった。それにしてもゴブリンなどの魔獣は死ぬと亡骸は消滅し、魔石を残すが、他の生物は死んでも亡骸は消えることは無いとメニューのヘルプにはあった。とりあえず防具を得た私は再び冒険者ギルドに向かった。残り500ゴールド。宿代で300ゴールド、食事で100ゴールドは消えるということは今日一日しか生活できないということだった。私はとりあえず私は受けられる依頼の中で依頼金が多いものを探した。だが先日のケミルさんのように高額の依頼は無く、高くても魔石を取ってきてくれという依頼などでその魔石を得て自分で換金したほうが儲けになることがわかった。というわけで私はなけなしの500ゴールドから昼食分の干し肉と硬いパンを買い、ゴブリン討伐に向かうことにした。魔獣、モンスターも資源と同様で、特定のグループに区分けされて時間をおいて無尽蔵に湧いて出てくるようだった。つまりモンスターを狩る体力が続く限り収入を得ることができるということだった。私はできるだけ速足で森に向かうことにした。そして森の手前で早めの昼食と休憩をし、準備を整えて森に入った。

森に入った私は感覚を研ぎ澄ませて周囲を警戒した。すると地面に足跡が複数あることを確認した。大きさからして人間の物ではないと思う。とりあえず私はその足跡を追うことにした。すると茂みの向こうで何かの悲鳴のような音がした。様子を伺ってみるとゴブリンが鹿を襲っていた。無限に湧くと言ってもゴブリンも人間同様に食事が必要なのだろう。とりあえずゴブリンの狩りが終わり油断したところを襲う算段にした。そして鹿が死ぬところを目の当たりにして、チャンスが来た。私は茂みの中でゴブリンに一番近いところに陣取っていた。そして一気に駆けだし、斬撃を放って一匹のゴブリンを即座に倒した。狩りを達成して余韻に浸っていたゴブリンたちが突然自分が襲われるがわになったことに混乱し、状況を確認してギャアギャアと鳴き始めた。もしかしたら仲間を呼んでいるのかと思い。私はあわてず、そして急いで討伐することにした。ゴブリンは残り三体。まず近くにいた一体の胴へ斬撃を放つ。そして残り二体。前回はここで残りのゴブリンが恐怖からか逃げ出したが今回は足が震えている者の逃げ出す様子はない。やはり近くに仲間がいる可能性が高くなった。そして残り二体のうち一体を倒したところで向かいの茂みが激しく動いた。その中からゴブリンが五匹出てきたのだ。

「やっぱ仲間がいたのか・・・」

残り六体となったことで圧倒的に不利になる。一撃で倒せると言っても攻撃ができなければ意味が無い。そしてやってきたゴブリンの内一匹は石を縛り付けたこん棒ではなく、先の尖った長い木の棒を持っていた。槍といったところか。そしてゴブリンたちは一斉に襲い掛かってきた。それを避けながら攻撃できる隙を伺う。その中一体をすれ違いざまに斬ることができた。残り五体。突然襲い掛かっていった仲間が斬られ倒れたところを見てゴブリンに混乱が生まれる。その隙を逃さず私は雫を振るう。雫を振るえば命が散っていく。肉を斬る感触は気持ち悪いがこれも生きるため。そう思い私は雫を振るう。そうして数は三体となった。援軍にきたはずの自分たちが追い込まれていることに危機感を覚えたのか、再びゴブリンたちの足が震え始め後ろに下がり始める。それを見てこちらが優勢になったことに安堵する。そしてゆっくりと詰め寄り、一体ずつ倒していく。そして最後の一体を倒してようやく静かになった。元からいたのと援軍に来たのを足して九体のゴブリンを倒し、魔石を拾う。そしてメニューを見てみるとレベルアップと表示されていた。どうやらステータスが微小だが上がっているようだった。とりあえず魔石を回収して私は次の群れを探しに森深くまで入っていった。




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