刀オタクが異世界転移したので剣豪を目指します   作:かんせつ

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第四十二話

待ちに待った遠征の日がやってきた。今日も店はアルとミーナに任せて私たちは待ち合わせの馬車の駅にいた。そして集合時間前には全員が集結していた。

「えーっと。ではこれより目的地に向かいます。それでは各自馬車に乗って出発です」

馬車に揺られて草原近くの町に向かった。王都からは大体二日の旅路であった。

「うーん遠征とかで頻繁に馬車を使うとなるとやっぱりクラン専用の馬車を調達した方がいいのかなぁ・・・」

「確かに一々予約を入れなければならいのは不便だ。それに確実に目的地への馬車があるとは限らないからな」

「ですがそれにも予算が必要ですよ」

「だよねー」

色々と必要な物は多い。できるだけ稼いでクランの資金を溜めなければならなかった。そして二日の旅路を経て私たちは草原の近くの町、いわゆる前哨基地のフォロムの町に着いた。

「じゃ、ちょっと冒険者ギルドで確認してくるからちょっと待ってて」

草原はスペリア王国とネルミヤ王国の共同管理下に置かれている。よってそこで狩りをするには確認を取らないといけないらしい。

「すみません。草原での狩りを行っても大丈夫でしょうか?」

「はい。今は制限などありませんので。身の安全はご自身でお願いいたします」

狩猟許可を貰って私はみんなのところへ戻った。

「どうだった?」

「うん、大丈夫だって」

「よし。では向かうとするか」

草原まで馬車で行ければいいのだが草原に入るとどこから魔獣が出てくるかわからないらしい。だから馬車の護衛も必要になってくる。損害を出すと結構なお金が必要らしい。だから徒歩で行くしかなかった。そして草原を歩くことどれだけ経っただろうか。

草原はサバンナに近い地形だった。だから見晴らしも良く、草食動物が群れで歩いているのが見えた。

そんな中突然草食動物たちが蜘蛛の子を散らすように散っていった。

「何か来ます!!」

「魔獣かな?全員戦闘準備!!」

確かに草食動物を狙って魔獣が走っているのが見えた。狼のような形をした魔獣が十数匹いるのが見えた。

「エラム、ナルミさん。ここから魔法で狙える?」

「威力は出ませんが挑発程度には」

「よろしく」

エラムとナルミさんが各々、魔法を放つ。それがワイルドウルフの群れのところに着弾する。魔法の爆発の煙の中からワイルドウルフの群れがこちらに走ってきた。

「では打合せ通り各々のパーティーごとに戦闘を」

クラン全体での戦闘の仕方はわからない。個々の力量をしらないからだ。だからまずは自由に戦ってみることにした。私も時雨を抜いて戦闘態勢に入った。

「シズネ、来るぞ」

まずはリーシャさんが大半を引き付けてエラムがそれの援護。私ははぶれた魔獣を撃破することになる。

長巻のリーチを活かして私はワイルドウルフがとびかかってくる前に踏み込んで斬り捨てることができた。まずは二体。後はリーシャのところに群がっているのを片付ければ私たちの近くのワイルドウルフは殲滅できる。

「リーシャさん!!」

「いつもながらに早いな」

私はリーシャさんに群がるワイルドウルフを斬り倒してそのまま戦闘の確認をする。まらアリムスさんのところもダンさんのところも戦闘が続いていた。

「リーシャさんとエラムはアリムスさんたちの援護に。私はダンさんのところに」

「わかった」

「わかりました」

二手に分かれて残ったワイルドウルフの殲滅に動いた。

「ダンさん!!」

「お、団長。そっちは早いな」

「応援にきたよ」

「ありがてぇ。ウチはタンクがいなくてな。前衛が増えるだけで助かる」

「んじゃパパっとシメますか」

まず私はダンさんとともに群がるワイルドウルフを蹴散らし、残りのメンバーとともに残りのワイルドウルフを蹴散らした。そして周りを見ると、アリムスさんのところも戦闘が終わってたらしい。

そのまま魔石拾いに入って、実際に数えてみたらワイルドウルフの魔石が二十七個あった。

「結構な数がいたようですね」

「だねー。エラム。ワイルドウルフの魔石っていくらになるの?」

「一個600ゴールドですね」

合計して一万六千ちょっと。まだまだ狩る必要がありそうだ。

「みんな怪我とか体力は大丈夫?」

「こちらは問題ないですね」

「あぁ、こっちも問題ない」

「では続行ということで」

とりあえず私たちは奥には行かずに周囲を徘徊することにした。

「うん?団長。大きな足跡が複数あります」

見てみると地面に大きな足跡があった。

「大きさからしてミノタウロスでしょうか?」

「ワイルドブルは足が細いからミノタウロスの可能性が高いな」

「では後を追ってみますか」

私たちは方角を見て奥に向かっていなこと確認して足跡の主を追った。そして少し。獣の物と思われる鳴き声が複数聞こえてきた。

「何か見える?」

「二種類の大きなものが複数」

「二種類?」

「もしかしたらワイルドブルとミノタウロスが争っているのかもしれん」

「もう少し近寄ってみようか」

そして近寄ること少し。ようやく対象の姿が見えてきた。半人半獣の身体をしたミノタウロス。そして普通の動物より大きい体を持つと言われるワイルドブル。両者の群れが争っていた。

「いきさつはわかりませんがワイルドブルは縄張り意識が強く、また魔獣の中では変わり種で倒しても魔石も取れて肉や皮も取れます。変わってミノタウロスも同じように倒すと魔石だけでなく、皮や角が残ります。また肉食で他の動物やワイルドブルを襲うとか。これなら収入は見込めそうですね」

「よし、まずはミノタウロスを片付けて、襲われなかったらゆっくり準備を整えてからワイルドブルに取り掛かろう」

ミノタウロスの数は七。ワイルドブルは今は十二。連戦を避けるために容赦なく襲うミノタウロスを狩ることにした。

「では打合せ通りに戦闘開始」

さっきと違って今度はクラン全体での戦闘を行うことにした。タンクのいないダンさんたちが遊撃、タンクのいる私たちとアリムスさんのパーティーで大半を引き付けることにした。

まずは盾を持つリーシャさんと大きい大剣を持つガンさんが前に出てミノタウロスを引き付ける。

その後魔法使い組がタンクの援護。アリムスさんと私でミノタウロスの遊撃を行った。

「やぁぁ!!」

まずミノタウロスは大きい、なので態勢を崩すべく、片足を斬りつける。一回では態勢を崩せなかったけど草原のミノタウロスは武器を持たない。ミノタウロスの大腕と長巻のリーチは同じくらい。ならばミノタウロスの腕をかいくぐって何度も足を斬りつけた。

「グモァ!!」

ようやく態勢を崩すことができミノタウロスが膝をついた。そして近くにきた首を突き刺してトドメを刺した。

周りを見てみるとまだ戦闘は膠着していた。私はすぐさまタンク組を襲っているミノタウロスと戦闘を開始した。そしてタンク組を襲っていたミノタウロスを倒した時にはダンさんのところもミノタウロスを仕留めていて、また、ワイルドブルを襲っていたミノタウロスも孤立したことによって返り討ちにあっていて戦闘は終わっていた。それでもワイルドブルは何頭か倒されていた

「うーん、結構時間がかかったね。みんな大丈夫?」

「なんとか。まだ余力はあります」

「こっちもまだいけるぜ」

「よし、ワイルドブルを倒してから一旦帰るとしようか」

ワイルドブルは残り九体になっていた。今度も全員で行動を開始した。ワイルドブルは突進や突き出している牙を突き刺したりして攻撃してくる。しかし回り込みやすく、一度突進を避けてしまえば方向転換している間に細い足を斬り、楽に態勢を崩させることができた。ワイルドブルは群れで行動するため、最初の私たち三人では相手にできなかったけど、今はクランのみんながいた。だから容易に倒すことができた。

「ふー終わった終わった」

「お疲れさまでした」

「お疲れさん」

後は魔石やミノタウロスの皮や角。それからワイルドブルは肉体全てが残るため、皮や肉、牙を取った。それを全部収納空間にしまった。

「いいですね。空間収納の魔法は。ポーターが必要ありませんからね」

「よし、帰ろっか」

とりあえず私たちは狩りを終了してフォロムの町に戻った。

「うーん魔石はどこも相場は変わらないから良いとして、皮や肉はどうしようや」

「肉は鮮度が価格に関わるのでここで売ってしまいましょう。牙や角、皮はここで売ると他のクランや冒険者なども売っているため価格は下がっています。王都で売れば輸送費などもかからないでし需要も多いので換金率は良いでしょう」

「よし、じゃぁ魔石と肉だけ売ってこようか」

エラムの指摘通りに魔石と肉だけを換金してきた。ワイルドウルフで一万六千。ミノタウロスが一個千シルバーで私たちで倒したのとワイルブルに返り討ちに合ったのを合わせて14個で一万四千。ワイルドブルも全部で19個あって一個800ゴールドなので一万五千。合わせて四万五千。クラン規定で遠征の成果の内7%をクラン資金とするので三千ゴールドが引かれる。そしてクランの人数が10人なので一人頭4200ゴールドになる。まぁ全てを換金したわけではないためまだ最終結果もわからないけどすでに依頼をこなすよりも成果は上がっていた。

「うん、結構な収入だね」

「これでもまだ採集物が残っていますからね」

「これからどうするんだ?一日休んで続行か?」

「そうだね。そうしよっか」

こうして遠征の一日目が終わった。




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